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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

79話 帝国の滅亡

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 ティアナとフィアナのおかげで、生産工房で働いている人間は、積極的にゴッドオーダーをやり始めたのである。しかし、半年という時間をかけてもパワースクロール200どころか、130も出る気配はなかったのだ。

「ティアナさん……パワースクロールって全くでないですね……」

「そりゃ……そう簡単に出たら、あたし達の立場が無いわよ!」 

「あたしもう諦めようかと……」

「もう諦めるの?」

「だって、200どころか130も出ないんですよ!この半年で出たのが、115のスクロールが1枚だけです。こんなのやってられないですよ」

「あのねえ、あたし達はご主人様からの援助があって、ゴッドオーダーが際限なく出来る事を忘れちゃだめだよ!」

「どういう事ですか?」

「あんたは、何のゴッドオーダーの受注書をやっていたの?」

「あたしは細工です」

「もしあなたが、一般国民で細工のゴッドオーダーをやったら、確実に115のパワースクロールでさえ出てないわよ?」

「えっ⁉」

「だってそうでしょ?ここには100台ものゴッドオーダーが設置してあるのよ?つまり、あたし達はご主人様の恩恵で、1日101枚の受注書を受けることが出来るのよ。一般国民なら、ギルドに設置された1台だけで一日一枚だけしか受注書は受けれないんだよ」

「それはそうですけど……」

「それに、あなたが今諦める事は、あたしが絶対に認めない!」

「な、なんでですか?」

「もし諦めたら、あなたを追い詰めてやるから覚悟しなさい!」

「でも、ご主人様はやるのもやらないのも個人の自由だと……」

「だったら、今までゴッドオーダーに、あなたがかけた材料を全てご主人様に弁償しなさい!」

「あっ……」

「やっとわかった?あたしが、貴方がゴッドオーダーを諦めるのを認めないと言った理由が?」

「は、はい……」

「普通なら、生産者は自分で材料を用意して出るか出ないアイテムを求めて損をするのが殆どの状況で、レジェンダリーになるのよ?だけど、あたし達はご主人様に材料も出して貰って、何のリスクも負わずゴッドオーダーができるのよ?」

「はい……」

「なのに、あなたが今諦めたら、全部が無駄に終わる事を忘れちゃ駄目!」

「わ、分かりました!」

「分かってくれてうれしいわ。今度の土の日も、ゴッドオーダーを頑張ってくださいね」

 ティアナは、新人の細工士に言い聞かせたのだった。そして、ティアナはその細工士にアドバイスを送り、まず幸運のアクセサリーを出す事を目標にしろと言った。
 新人細工士は、理由を聞き新たに気合を入れ直したのだった。そして、ゴッドオーダーをやり始めた人間は諦める事をしなかった。

 これは前向きに考えた事だが、ゴッドオーダーをすることでスキルが成長し、結果ケンジの役に立てるという事にあった。そして、ゴッドオーダーを頑張る事で、この新人細工士のようにパワースクロールの105や110がダブって出る事で、そのスクロールを他の生産者に回す事ができた。
 Freedomの中では、130や150そして最終的には200のゴッズを目標にやっていたが、世間ではレジェンダリーが最高値だと思われている為、105や110でもグランドマスター+という称号の商品は絶品とされていて、高値で取引されているのである。

 その為、Freedomはグランドマスター+の職人を大量に抱える事になる為、Freedomの商品は出来がいい事で、魔道具ではない商品も人気が出るのだった。

 特に人気が出たのは、女性用の下着や服である。裁縫士のグランドマスター+の服は、デザインや機能性に優れていて、ファッションショーで売り出される服は必ず完売御礼で、一般販売の時は凄まじいものがあった。




 これらの後景をみて、ケンジの秘書であるシャイアが、ぽつりと呟いた。

「ケンジ様の言っていたことが何となくわかった気がします」

「シャイアさん、いきなりどうした?」

「私が間違っていました……まさか、奴隷達にパワースクロールを使わす事で、より多くの利益を生み出すとは思いもしませんでした」

「分かってくれたならいいよ。この国は、まだ変わり始めたばかりで、今までの常識が常識でなくなるように頑張ればいいことだからな」

「ですが、何でケンジ様はここまで奴隷に肩入れをするのですか?こう言っては何ですが、借金奴隷は一度人生に失敗した人間ですよ?」

「この世界は、そこがダメな所なんだよ?一度失敗したからと言って、その人間を平気で見捨てるじゃないか。そればかりか奴隷は使いつぶす物と思っている」

「それが常識というものですよ」

「人間一度の失敗で、全部がダメになるって事はないよ。奴隷に堕ちても、ここの仲間達は活き活きと働いているだろ?」

「たしかにそうですね。ですが、これもケンジ様あっての事ですよ」

「今はな……だけど、これが普通で常識になれば、俺がいなくとも機能し出すよ」

 シャイアは、ケンジの言い回しに少し気になったが、その言葉を否定したのだった。

「いいえ!このシステムは、ケンジ様あってのことですよ」

「まあ、そういう事にしておこうか……」

「又、あなたと言うお人は!そんな事ばかりおっしゃり……」

 その時、いきなり書斎の扉が、大きな音を立てて開いたのだった。この音にケンジとシャイアは、ビクッとして驚き声が出てしまった。

「わっ!」
「きゃっ!」

「ケンジ様大変です!すぐに謁見の間に!」

「ムシュダルクさん!ビックリするだろ!もっ静かに入って来いよ」

「申し訳ありません!ですが一大事なのです」

「何があったんだ?」

「それが、皇帝陛下がここに訪問してきました!」

「そうか、遂に帝国も……分かった、すぐに用意して向かうから待ってもらってくれ」

「はい!」

 ケンジは急いで、謁見の間に出向いた。そこには、心身ともに疲労で疲れ果てた皇帝とその部下である重鎮が、頭を下げてケンジを待っていた。

「ケンジ様、このたびはいきなりの訪問に、答えてくれて恐縮に存じます」

「そんな堅苦しい挨拶はやめにしましょう。それで今日は?」

「はい!本日をもってバルデイン帝国は崩壊、Freedom国に吸収合併を提案しにまいりました」

「そうか……あんた達はそれで本当にいいのか?」

「それでいいのかとは?」

「分かっているとは思うが、Freedom国に貴族というものはない。Freedom国になるという事は、貴方達は平民と同じ立場であるFreedom国民となる」

「……」

「つまり、今までのように不敬罪とか貴族法に守られる事はないぞ?」

「そ、それは……」

「事実、この国に流れ込んで来た元貴族達は、今までのように横暴に振る舞った結果、処分された人間が大量に出たんだぞ?はっきり言っておくが、帝国は人類至上主義国家で貴族優先だったが、それは本当に一切受け付けることは無いが本当にいいんだな?」

「……」

「黙っているのなら、このままお引き取りをお願いしよう!」

「ちょっと待ってください!帝国はもう本当にどうしようもないのです!王国にも断られ、Freedom国を頼るしかないのです」

 帝国の首都(帝都)がある場所は、地球で言う岡山と広島の県境の場所にあった。

「だったら、ドワーフ国かエルフ国を頼ったらどうだ?その国は、まだ貴族法が適応されているだろ?そっちの方があんた達にも都合がいいだろ?」

「馬鹿な事を!帝国が、あの国のどちらかに吸収されたら、我ら等あっという間に奴隷落とされるわ!」

 帝国は人至上主義国家である。ドワーフやエルフは奴隷対象として、今まで好き勝手してきたツケがまわってきていた。早く、Freedom国と吸収合併しないと、いつドワーフ国とエルフ国に、攻められるか分からなかったのだ。
 帝国としてはもう、Freedom国を頼るしか道がなかったのだ。

「つまり、今までエルフやドワーフを亜人と言い、罵ってきたツケがまわって来たと言う事だな?」

「それはしょうがないだろ?我々ヒューマン族は、エルフやドワーフとは違うのだ!」

「何が違うんだよ?」

「何が違うだと?じゃあ教えてやろう!エルフは華奢で労働力としては向いておらん!精々、鑑賞物として役に立たんではないか?一方ドワーフは見た目が不格好で無愛想でコミニュケーション能力にたけておらん。しかし、耐久に優れていて鍛冶や大工など労働力にしか使えん!我らヒューマン族が、主人となって初めて役に立てるような半端者なのだよ」

 ケンジは、皇帝の説明を聞き、頭を抱えてしまった。

「だったら、そんな偉い皇帝様なら、ドワーフやエルフが攻めてきたところで大丈夫だろ?」

「馬鹿な!今の帝国には、2国から戦争を仕掛けられたら1日ももたないに決まっているであろうが!」

「だが、そうなったのも今まで帝国が、2国にやって来たツケがまわってきているに過ぎないだけじゃないか!なんで、俺達Freedomが帝国のケツを拭かなきゃならん」

「そこを頼むと言っておるのだ!」

「ケンジ様……帝国と吸収合併しても、Freedom国に取ってメリットは少なすぎるかと……」

 ムシュダルクは、皇帝の言葉を聞き吸収合併を止めるように促した。

 これには皇帝陛下を始め、政治の重鎮達が慌てたのだった。ここで、Freedom国に吸収を断られたら、本当に自分達は終わってしまうからだ。

「ちょっと、待ってくれ!いや待ってください……我々だけでなく、帝国の平民達の命がかかっているのです」

「いやいや……今更、帝国貴族が平民の命を楯にそんな事言われても信じられるわけないよ」

「何故、そんなことを言われる!我々は!」

「俺は、今でもちゃんと覚えていることがある。初めてブリュンガスの町に行った時、貴族は平民の子供を馬車でひいてそのまま逃げたよ。それだけではなく、ブリュンガスの町の滞在期間は確かに短かったが、平民と呼ばれる人間は貴族からの横暴に振り回されていたのがよくわかった」

「それは、父の代の頃ではないか!」

「それは違うな。もしあなたの代で、その考え方が直されていたのなら、今焦ることはしていないはずだよ」

「そ、それは……貴方達貴族は、本当に傲慢で自分勝手に生きてきた。だから、俺はこの国に、貴族は必要ないと思い、貴族制度を取り入れなかったんだ」

 その時、皇帝陛下の後方から、話に割り込んで来た貴族が一人いた。

「ケンジ様、少し私からよろしいでしょうか?」

 そこには懐かしい顔があった。帝国領に唯一Freedom支店を置いた町の領主のマードン=マイデンだった。

「マードンさん!お久しぶりですね」

 ケンジは、久しぶりにマードンの再開に笑顔を見せた。

「ご無沙汰をしております!ケンジ様、皇帝陛下の言う事は本当です。確かにまだまだ、人至上主義国家だと言われてもしょうがないところはあります」

「そうだろ?」

「しかし、Freedom国のいいところを取り入れ、帝国の考え方を変える努力もしていたのです!これは本当の事です。このマードンの名に懸けて誓い申します!」

「だけど、実際間に合わず、ドワーフ国とエルフ国から攻められようとしているのには変わらないだろ?」

「お願いします!帝国を救って頂けないでしょうか?」

「だが、Freedom国にデメリットの方が多いじゃないか?Freedomが帝国を庇う事で、ドワーフやエルフの国から恨まれる事になるんだぞ?」

「それは分かっておりますが、どうか今まで支店を置いていただいていたよしみもあるではありませんか?この通りです!」

 マードンが頭を下げた時、皇帝陛下達も頭を下げたのだった。皇帝陛下は、マードンがエリス親子を救っていたとは思いもしていなかった。
 帝国貴族の中では、唯一ケンジとつながりのあったマードンをこの場に連れてきていた事で、何とかしてもらう算段があった。

 この場に参加していた、エリスの父ボーダン=リルヴェルトとアスティアとイリスは、ケンジにマードンだけでも救ってほしかった。しかし、個人的にそんな事は言えなかった。

「なあ、ボーダンとアスティア。お前達からもケンジ様にお願いしてくれないか?」

 マードンが、いきなりボーダン達に話しかけたのだった。これには3人もビックリして目を見開いたのだった。ボーダン達は、なぜこの国の王が躊躇している事に対して、自分達が帝国を救う案を出さないといけないのか疑問に思った。確かにマードンには、家族を引き合わせてくれた恩はあるが、それとこれとでは話が全然違うからだ。

「マードン様……確かにあなたには、エリスと引き合わせてくれて恩はありますが、それはあくまでも個人的な事です。今は国との交渉なので申し訳ありませんが、私達からは何も言えません」

「だから、恩を感じてくれているのなら、ケンジ様に口添えしてくれても!」

「マードン様、少しよろしいですか?」

「ケンジ様……」

「確かに、マードン様にはエリスと両親を引き合わせてくてた恩はある。これは俺も感謝している事です」

「本当にそう思いですか?だったら!」

「ちょっと待ってくれ!最後まで話を聞いてくれ」

「申し訳ございません……」

「その恩は、Freedom国としてもう返したと思うが違ったか?」

「いつ?」

「俺は、マードン様の町に支店を進出させたことで、町の発展に十分協力したと思うがどうだ?」

 マードンは、ケンジの言葉に二の句が告げることができなかった。実際のところ、マードンの領地はFreedom支店が進出してくれた事で、農業の貧しい町だったが、支店のおかげで帝国民が移住してきて人口が増えていたのだった。
 それにより、税金は他の領地より多くの税収があって、今の地位になれていたのだ。この事で、マードンはエリスの家族に掛った金は充分に取り戻せていて、反対にマードンが恩を返さないといけない状態になっていた。

「多分だが、その恩は返して十分お釣りがきているんじゃないか?」

「はい……その通り……です」

 マードンの言葉を聞き、皇帝陛下はその場に崩れ落ちたのだった。


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