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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

55話 奴隷紋の秘密

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 ケンジとイチカ達は、フタバの言った事で盛り上がっていた。そこに、マイとセバスがイチカ達の部屋に入って来た。

「あなた、盛り上がっている所悪いけどそれは止めた方がいいわ」

「そ、そうです!ご主人様……賢者の石を使わず奴隷紋を消さないのであれば、解放はやめていただきたいのです」

「どういう事だ?奴隷紋が消えなくとも、今まで通りFreedomで働いたら問題ないんじゃないのか?」

「知らないというのはホント怖いわね……」

「何か、俺の知らない情報があるのか?」

「隷属の首輪は、最初犯罪奴隷の為に作られた魔道具なのよ」

「ああ!それは聞いたことあるよ」

「犯罪を犯した人間への罰が込められているのよ。その昔、罪を償い刑期が終え、犯罪奴隷でも解放されていた時代があり、刑期が終えた人間はまた、犯罪を犯す事が多かったのよ」

「ああ!それも聞いたよ。だから再犯を起こさない様に、奴隷紋が残るようになったんだろ?」

「ええ、そうよ!」

「だから、奴隷紋が残っていたら人々から忌み嫌われ、生活が出来ないから奴隷の解放を望まない奴隷達が殆どなんだろ?」

「その奴隷紋に問題があるのよ!解放されても再犯が出来ないように、直接肉体に呪いをかける事で十数年は奴隷紋が消えない様になったのよ」

「だから、消えなくてもFreedomで雇ってあげれば、自立できるんじゃないのか?」

「そこが問題なのよ!奴隷紋が、タダのあざのようについていたら、あなたの言う様にFreedomで雇ってあげれば、ギル達は自立できるよ」

「なんだ?その奴隷紋にはなんか細工でもしてあるのか?」

「そうよ!奴隷紋が完全に消えるまで人間としての魅力が最悪なるんだよ。見た目じゃないよ?要はカリスマ性って言ったらいいのかな?」

「なんてこった……」

「マイ様?それってどういう事なのですか?」

「要はね。奴隷紋をついた状態では普通の人から見たら、生理的に受け付けなくなるって事よ」

「って事は?」

「そうよ!隣にいるだけでなんかイライラするような人っているでしょ?その状態が全員から向けられるのよ!つまり、Freedom店で働く事なんてできないし、ケンちゃんが今、この地点でFreedom店で雇えばいいと言っていても、ギル達を追い出してしまう事になりかねないわ」

「そんな事になるのですか?」

「だから、解放されても就職先は見つからないのよ!世の中の人が解放した人間を嫌うって事普通はあり得ないでしょ?でも、奴隷紋が消えるまで十数年間は、犯罪を犯した人間への罰が続くために、呪いが刻み込まれる感じなのよね」

「なあ?マイ。それってエリクサーでも消えないのか?」

「理由は分からないんだけど、隷属の首輪の呪いは消えない様にして作っているみたいだよ?」

 ケンジは、エリクサーで消えないってありうるのかと疑問に思ったが、事実消えないみたいだった。人々は呪いと言っていたが、実は呪いではなく別の物なのかもしれないとケンジは思った。

「だから、ご主人様!どうか解放だけは止めていただけないでしょうか?」

「ああ!分かったよ。そんな理由があるなら解放はやめだ!」

 それを聞いた、セバスはホッと胸をなでおろした。

「でも、あなた。何故そんな強硬手段を取ろうとしたのよ?」

「いや、別に……ギル達を、中途半端に奴隷にしていたのが悪かったのかと思っただけだよ」

「何で急にそんなこと思うのよ!まずは、これから奴隷になる人間を減らす為に、へいみ……いえ、国民の生活水準を上げるって言ってたでしょ?それから、ギル達の事を考えるんじゃなかったの?」

「マイ様!そんなにケンジ様を責めないでください!実は……」

「イチカ、余計な事を言うな!」

 ケンジは、先ほどあった事は内緒にしておきたかった。

「あなたぁ~~~何があったの?」

「いいや!何もない!」

「そう!わかったわよ!どうせ、システィナ達が何かやったんでしょ?」

「なっ⁉」

「どうせ、イチカ達が本宅に引っ越しした事で、ヤキモチを焼いたんでしょ?」

「何故それを!」

「何故それをじゃないわよ!あなたが、ちゃんとシスティナ達を教育しないから、何回も同じ事になるんでしょ?」

「ああ……それは分かっている。だが、あいつ等を奴隷として扱うなんて俺には……」

「あなたは、考え過ぎで優しすぎるからいけないのよ!」

「だけどよ……」

「いい?イチカ達はシスティナ達とは立場が違うの!」

「どういう事だよ!同じ仲間だろ?」

「えぇ、そうよ!同じ仲間だけど、立場は奴隷じゃないの。イチカ達は、同じ仲間として接しているのは仲間だからよ。それに、あなたも同じでしょ?あなたの立場も国王だけど、同じ仲間と接しているじゃない!」

「どういう事だよ!」

「いい?イチカ達は奴隷じゃない。だから、今回の褒美で本宅に個室を貰えたけど、これにたいしてシスティナ達がどうこう言うのはお門違い。システィナ達も役に立っているが、その褒美は衣食住を十分に与えているでしょ?むしろ、与えすぎって事よ!」

「……」

「あなたは、それも気が付かず何かあれば、衣食住以外にも与えるからシスティナ達が図に乗るのよ!」

「だけど!」

「だけどじゃない‼それに、セバスやギル、ダンギ達にも甘いのよ」

「えっ⁉私達ですか?」

 セバスは、マイに名前を呼ばれて驚き声を上げてしまった。

「私もですか?じゃない!あたしが知らないとでも思っているの?ケンちゃんに、定期的に飲みにも連れて行ってもらっているでしょ?」

「セバスを責めるなよ!ちょっと、息抜きをしているだけじゃないか?」

「ほうう!息抜きって何を抜いてもらっているのよ……」

 マイは、セバスとケンジをジト目で見つめたのだった。

「「そ、それは……」」

「いい?あなたが、友達と娼館に遊びに行くのは問題はないわ!だけど、セバスやギル達を娼館に連れて行くのはやりすぎって事がわからないから、ギルやシスティナ達が自分の立場を忘れちゃうのよ!」

「だけど、マードックなんかは、女性を知らないっていうからさ……」

「それは気の毒だと思うけど、あなたがちゃんとしない事には、これからもずっとそんないざこざが生まれるのよ!もっとちゃんとしなさい‼」

「はい……」

 ケンジは、マイに怒鳴られて思わず返事をしてしまったのだ。

「セバスも分かった?」

「はい!申し訳ございません……」

 そして、マイはイチカ達の部屋から出て行ってしまったのだ。残されたケンジ達は、マイの剣幕に何も言えなかったのだ。

「マイ様……怖かったね……」
「うん……」
「あんなマイ様初めて見ました」

 ケンジは、マイが言ったことでシスティナ達を、中途半端に奴隷にしていた事ではなく、自分がちゃんとしていない事を怒られて、自分が悪かったのだと理解したみたいだった。

「セバス……悪かったな」

「いえ……何で、ご主人様が謝るのですか?私達が図に乗ったばかりに、迷惑をかけて申し訳ございません……」

 フタバは、それを見て、無邪気にニコッと笑い話を始めた。

「でも、セバスも残念ね。これで、ケンジ様とお出かけが出来なくなっちゃったね」

「そ、それは……」

 セバスも又人間である。奴隷としての立場だが、生活水準が上がってしまった為、フタバの言葉にガクッと肩を落としてしまった。

「フタバ!あんたは、いつも思ったことをすぐに言い過ぎ!」

「でも……実際、息抜きに行こうと思ったら……むがっ!」

 イチカは、フタバの口を押さえつけて黙らせるのだった。そして、セバスは肩を落として、部屋から出て行ってしまったのだ。

(セバス、スマン……)

 ケンジは、心の中でセバスに謝ったのだった。


 
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