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第10章 Freedom国、経済の中心へ!
15話 ケンジの手綱
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今回、7階層のボスであるエンシャントリッチの討伐はやっとできた感じだった。一つ間違えたら、全滅してもおかしくなかった。
「ご主人様!大丈夫でしたか?」
「今回はちょっとやばかったな……」
「本当ですよ!まさか主が魔法戦で、キャストブレイクさせられるとは思いもしませんでした」
「だよな!まさか主や後方職に的を絞るほど、知性のある魔物だと思わなかったよ」
「マイは大丈夫だったか?」
「あたしは大丈夫だよ?だけど……このまま、奥に行くのはちょっと……もし行くなら、もっと慎重になった方がいいわね!」
「マ、マイ様!ここまで来て引き返すと言うのですか?」
「ロイ!貴方の言いたいことはよく分かるわ。でも、考えてみてよ。うちの旦那が、たった7階層でダメージを負ったのよ?」
「……」
「あなたは、どうするつもりなの?」
「俺もまさか、こんなところでダメージを負うとは思わなかったよ。だから、俺もマイの言う様に引き返した方がいいと思う!このダンジョンが何階層あるのかもわからないし、ここはもっと慎重に行動するべきだ!」
「さすがに、このままの状態で先に進行するのは、自殺行為と言われても文句は言えないわよね」
「ギル!宝箱の解除を頼む!宝箱を処理したら、ダンジョンを出るからよろしくな!」
「はい!分かりました!」
「ロイも分かったな?」
「はい!主様とマイ様が言う事に従います!」
ギルは宝箱を解除をして、中身は魔法・瞑想・書写・知識・詠唱のパワースクロール120だった。
「さすが、リッチの宝箱だな!魔法使い系のスキルばかりだ」
「さすが極級だよね……出る宝物が凄い物ばかりだね」
「みんなすまないが、このスクロール俺にくれないか?」
「「「「「何を言っているのですか?」」」」」
「出た宝物は主の物ですよ。私達に断らなくてもかまいません!」
「そっか……」
「あなたは、本当に変わらないわよね……」
ケンジとギル達の会話を聞き、マイはため息をつき呆れるのだった。
「マイ……そんな言い方すんなよ」
「確かにあなたは、奴隷社会をなくそうとして、みんなが幸せに生活できる社会を作ろうとしているのはわかるわ。だけど、ギル達はいやいやあなたの奴隷をしている訳じゃないの!」
「それは、そうかもしれないけどよ……」
「だったら、あなたもそれを踏まえた行動をするべきだわ!」
「だが、俺は前から言っているが、ギル達を仲間だと……」
「そんなの言わなくたって、ギル達はちゃんとわかっているよ」
「そうですよ!主は優しすぎるのです!」
「あたし達もわかってます!」
マイの言葉に、元雷神のロイ達もマイの意見に同意してきた。
「あなたの考えは、みんなにちゃんと伝わっているの!ここで、スクロールを自分の物にして使ったとしても、ギル達から不平不満が出る事もないし、世間一般の主のように酷い主人だと言って、今のギル達との関係性が崩れる事はないんだよ?」
「マイ様の言う通りです!私達はこの先どんなことがあろうと、主をお慕いしたいと思っています!」
「「「「「あたし達もです」」」」」
「それは、俺だってそうおもってるさ!だけど、みんなで出した宝物なんだぞ?主人だからって、何も言わず独り占めはちょっとちがうだろ?」
「だから、あなたは頭が固いのよ!みんなは、自分から望んで奴隷のままでいいといったのよ?」
「それはわかっているよ!」
「その自分から奴隷でいいと言うのは、あなたを信頼しているからであって無理やりじゃないのよ?だったら、主人としてギル達を信頼してあげたらいいのよ」
「どういうことだよ?」
「あなたは、今だにギル達に確認を取って安心したいのよ」
「そんなんじゃ……」
「あなた!あなたと奴隷達の関係は、世間一般の主人と奴隷とは全然違うのよ?だったら、もっと堂々として自分の意見を通したらいいのよ」
「そんなこと!」
「ご主人様……ちょっといいですか?」
セイラが申し訳なさそうに意見を言おうとしてきた。セイラがこうして自分から意見を言おうとするのは珍しく、ギル達もびっくりした様子だった。
「なんだよ?」
「ご主人は、わたし達に気を使い過ぎなんですよ。もっと、自分が主人と思ってなんでも命令するぐらいで、ちょうどいいのかと思います」
「そんな奴隷だからと言って、嫌な事を命令されてもそれに従う必要はないんだぞ?例えば、今回のスクロールだって、自分が使いたいと思えば申告すれば……」
「それが、気を使い過ぎだと言っているのですよ。ご主人がスクロールを全部使いたいと言えば、わたし達はご主人はなにか理由があると思いそれに賛同します」
セイラの言葉に、みんな笑顔でうなずいた。
「だけど……」
「ご主人!いいですか?例えばですが、仮にその無茶な命令で、ご主人がわたしに夜伽を命令するとしますよね?」
「なっ⁉そんな事!」
「まあ、例えばの話ですよ。ご主人は、そんな事命令でするものじゃないと思っていて、いまだに他の女奴隷に命令などしておりません」
「そんな事当たり前だ!」
「ですが、わたし達はそういう命令でさえ、ご主人を信頼してその命令に素直に従うと言う事ですよ。ただ、わたし達自ら夜にご主人の部屋にいかないのは、色々と事情があるからです」
「なっ、なんだよその事情と言うのは?」
「それを、女のわたしに言わすおつもりですか?」
「い、いや……すまなかった。今のは忘れてくれ!」
セイラは、ケンジの言葉にニコッと笑いお辞儀をした。
「あなたも、まだまだ色んな所を成長させないと行けないよ。奴隷のあつかい以外にもね」
「わ、わかったよ……だが、俺と言う人間は、そうそう変わるもんでもないんだよ」
「あなた、前に誰かに言ったわよね?分からない事や出来ない事は恥じゃない!出来ないからと言って、諦めるのが恥なんだって」
「わかったよ!俺が悪かった。いつになるかわからんが、主人としての振る舞いを頑張るよ!」
最近では、マイがケンジを言い負かす事が多くなってきたのだ。要所要所で、ケンジの言っている事を、この世界の常識を照らし合わせて落としどころを調節していたのだ。
前までは、ケンジが先頭だって相手の逃げ道をなくし自分の主張を通していたが、今では奥さんであるマイが、ケンジの手綱を握り、尻に引き始めていた。
マイは、今までの経験を出し始めていたのである。今までの経験とは、地球での95年間の経験であり組織の在り方や長としての行動である。
今までは、ケンジにはその姿を見せてきていなかったのだ。これは、マイの持っている女性としての強かさでもある。
ケンジは、マイの事を知っているのは高校生までであって、その後のマイは知らないからだ。マイは地球で、表と裏の世界を操り、善の業(カルマ)を貯めて、女神クローティアにこの世界に転生させてもらっている。
いきなり、この性格を見せるとケンジはカルチャーショックを受けると思い、ようやくいろんなところでケンジにアドバイスを出し始めて現在に至るのだった。
「最近、主……マイ様に言い負かされてばかりですね」
「ゥぐ……痛いところをつくなよ。でも、マイの言う事で反論できないほど納得できると言うか、なんと言うか現実味のあるアドバイスだから納得するしかないんだよな……」
「主、それは惚れた弱みというものですよ」
「主様は優しい所がありますからな」
「まあ、それを言われたら何も言い返せないな」
マイは、ケンジとギル達の話を聞き、クスリと笑うのだった。
そんなマイを見た女性陣は、男って本当に単純とヒソヒソ話し、苦笑いを浮かべていた。
「ご主人様!大丈夫でしたか?」
「今回はちょっとやばかったな……」
「本当ですよ!まさか主が魔法戦で、キャストブレイクさせられるとは思いもしませんでした」
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「マイは大丈夫だったか?」
「あたしは大丈夫だよ?だけど……このまま、奥に行くのはちょっと……もし行くなら、もっと慎重になった方がいいわね!」
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「……」
「あなたは、どうするつもりなの?」
「俺もまさか、こんなところでダメージを負うとは思わなかったよ。だから、俺もマイの言う様に引き返した方がいいと思う!このダンジョンが何階層あるのかもわからないし、ここはもっと慎重に行動するべきだ!」
「さすがに、このままの状態で先に進行するのは、自殺行為と言われても文句は言えないわよね」
「ギル!宝箱の解除を頼む!宝箱を処理したら、ダンジョンを出るからよろしくな!」
「はい!分かりました!」
「ロイも分かったな?」
「はい!主様とマイ様が言う事に従います!」
ギルは宝箱を解除をして、中身は魔法・瞑想・書写・知識・詠唱のパワースクロール120だった。
「さすが、リッチの宝箱だな!魔法使い系のスキルばかりだ」
「さすが極級だよね……出る宝物が凄い物ばかりだね」
「みんなすまないが、このスクロール俺にくれないか?」
「「「「「何を言っているのですか?」」」」」
「出た宝物は主の物ですよ。私達に断らなくてもかまいません!」
「そっか……」
「あなたは、本当に変わらないわよね……」
ケンジとギル達の会話を聞き、マイはため息をつき呆れるのだった。
「マイ……そんな言い方すんなよ」
「確かにあなたは、奴隷社会をなくそうとして、みんなが幸せに生活できる社会を作ろうとしているのはわかるわ。だけど、ギル達はいやいやあなたの奴隷をしている訳じゃないの!」
「それは、そうかもしれないけどよ……」
「だったら、あなたもそれを踏まえた行動をするべきだわ!」
「だが、俺は前から言っているが、ギル達を仲間だと……」
「そんなの言わなくたって、ギル達はちゃんとわかっているよ」
「そうですよ!主は優しすぎるのです!」
「あたし達もわかってます!」
マイの言葉に、元雷神のロイ達もマイの意見に同意してきた。
「あなたの考えは、みんなにちゃんと伝わっているの!ここで、スクロールを自分の物にして使ったとしても、ギル達から不平不満が出る事もないし、世間一般の主のように酷い主人だと言って、今のギル達との関係性が崩れる事はないんだよ?」
「マイ様の言う通りです!私達はこの先どんなことがあろうと、主をお慕いしたいと思っています!」
「「「「「あたし達もです」」」」」
「それは、俺だってそうおもってるさ!だけど、みんなで出した宝物なんだぞ?主人だからって、何も言わず独り占めはちょっとちがうだろ?」
「だから、あなたは頭が固いのよ!みんなは、自分から望んで奴隷のままでいいといったのよ?」
「それはわかっているよ!」
「その自分から奴隷でいいと言うのは、あなたを信頼しているからであって無理やりじゃないのよ?だったら、主人としてギル達を信頼してあげたらいいのよ」
「どういうことだよ?」
「あなたは、今だにギル達に確認を取って安心したいのよ」
「そんなんじゃ……」
「あなた!あなたと奴隷達の関係は、世間一般の主人と奴隷とは全然違うのよ?だったら、もっと堂々として自分の意見を通したらいいのよ」
「そんなこと!」
「ご主人様……ちょっといいですか?」
セイラが申し訳なさそうに意見を言おうとしてきた。セイラがこうして自分から意見を言おうとするのは珍しく、ギル達もびっくりした様子だった。
「なんだよ?」
「ご主人は、わたし達に気を使い過ぎなんですよ。もっと、自分が主人と思ってなんでも命令するぐらいで、ちょうどいいのかと思います」
「そんな奴隷だからと言って、嫌な事を命令されてもそれに従う必要はないんだぞ?例えば、今回のスクロールだって、自分が使いたいと思えば申告すれば……」
「それが、気を使い過ぎだと言っているのですよ。ご主人がスクロールを全部使いたいと言えば、わたし達はご主人はなにか理由があると思いそれに賛同します」
セイラの言葉に、みんな笑顔でうなずいた。
「だけど……」
「ご主人!いいですか?例えばですが、仮にその無茶な命令で、ご主人がわたしに夜伽を命令するとしますよね?」
「なっ⁉そんな事!」
「まあ、例えばの話ですよ。ご主人は、そんな事命令でするものじゃないと思っていて、いまだに他の女奴隷に命令などしておりません」
「そんな事当たり前だ!」
「ですが、わたし達はそういう命令でさえ、ご主人を信頼してその命令に素直に従うと言う事ですよ。ただ、わたし達自ら夜にご主人の部屋にいかないのは、色々と事情があるからです」
「なっ、なんだよその事情と言うのは?」
「それを、女のわたしに言わすおつもりですか?」
「い、いや……すまなかった。今のは忘れてくれ!」
セイラは、ケンジの言葉にニコッと笑いお辞儀をした。
「あなたも、まだまだ色んな所を成長させないと行けないよ。奴隷のあつかい以外にもね」
「わ、わかったよ……だが、俺と言う人間は、そうそう変わるもんでもないんだよ」
「あなた、前に誰かに言ったわよね?分からない事や出来ない事は恥じゃない!出来ないからと言って、諦めるのが恥なんだって」
「わかったよ!俺が悪かった。いつになるかわからんが、主人としての振る舞いを頑張るよ!」
最近では、マイがケンジを言い負かす事が多くなってきたのだ。要所要所で、ケンジの言っている事を、この世界の常識を照らし合わせて落としどころを調節していたのだ。
前までは、ケンジが先頭だって相手の逃げ道をなくし自分の主張を通していたが、今では奥さんであるマイが、ケンジの手綱を握り、尻に引き始めていた。
マイは、今までの経験を出し始めていたのである。今までの経験とは、地球での95年間の経験であり組織の在り方や長としての行動である。
今までは、ケンジにはその姿を見せてきていなかったのだ。これは、マイの持っている女性としての強かさでもある。
ケンジは、マイの事を知っているのは高校生までであって、その後のマイは知らないからだ。マイは地球で、表と裏の世界を操り、善の業(カルマ)を貯めて、女神クローティアにこの世界に転生させてもらっている。
いきなり、この性格を見せるとケンジはカルチャーショックを受けると思い、ようやくいろんなところでケンジにアドバイスを出し始めて現在に至るのだった。
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「主、それは惚れた弱みというものですよ」
「主様は優しい所がありますからな」
「まあ、それを言われたら何も言い返せないな」
マイは、ケンジとギル達の話を聞き、クスリと笑うのだった。
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2024/02/23
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