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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

13話 極級ダンジョン⑤

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 ダンジョンマスターは、ダークマスターに連絡を取った。

「ダークよ!」

「なんですかな?ダンジョンマスターが連絡を取って来るとは珍しい」

「それが不測の事態だ!お主も今このダンジョンに侵入者がいる事をしっているだろ?」

「ええ!なんでも数百年ぶりに2階層に潜っている大ばか者がいるとか聞きましたが?」

「それがだな……5階層を守っていた真祖の奴が討伐されたのだ!」

「な、なんですと⁉それは本当ですか?」

「ああ……信じれられないかもしれぬが本当だ。じきに、そこにやって来るだろう。お主の部屋はお主の有利に戦えるかと思うが油断するでないぞ」

「そうですか……まさか、あの真祖がやられるとは思ってもいなかったが、数百年ぶりの戦闘だ!楽しませてもらう事にしますよ!」



 ケンジ達は、順調にボス部屋を目指していた。その階層にうごめく魔物達は、Sランクが普通でSSランクの魔物が出現していたのだ。低ランクの魔物と違い群れることは無いが、これらの魔物が地上に出てきたら町は一瞬で滅亡してしまうであろう。

 ここでは、エンカウントモンスターが普通に、不死の王であるリッチとか上級悪魔が出現している。

「ねえ!ご主人様、このダンジョン一体どうなっているのですか?」

「オリヴィア……そんな事俺に言うなよ」

「だって、こんな魔物今までボスクラスの魔物だったじゃない!何で普通にエンカウントするんですか?」

「だから、俺に言うなって!だから、極級ダンジョンって言うんだろ?」

「それはそうなのかもしれませんが……」

「それに、そんなダンジョンに来れてること自体凄い事だろ?」

「でも、主?このダンジョンは今までと違いすぎますね……」

「ああ!それはそうだが6階層までは間引くことが出来ただろ?これで当分スタンピードは、起こらないんじゃないか?」

「本当ですか?」

「まあ、知らんけど!」

「なんですかそれ?」

「システィナもそんな怒んなよ?極級ダンジョンの事なんて誰も知らないだろ?実際今までと違って、一階層事にボス部屋があるなんてここが初めてだし、罠の方もいう程難しい物じゃなかったんだろ?」

「はい!極級だからといって慎重になるのが馬鹿みたいで初級の物ばかりでした」

「俺には、何でそう言う風になっているか分からんが、このダンジョンは魔物に特化している、ダンジョンだと思ったよ」

「魔物に特化?」

「だから、理由はわからん!でも、情報はそれしかないだろ?」

「では、このまま進むしかないのですか?」

「まあ、今のところはボス部屋の魔物も、そんな攻略が難しい物でもないからな?とりあえず10階層を目指す事でいいんじゃないか?」

「わかりました」

 ケンジ達は注意はするものの、余裕で魔物を倒してボス部屋の前にきていた。マードックを先頭に、全員が部屋に入ると扉が自動でしまったのだ。中に入った部屋は、真っ暗であり漆黒で一筋の光もないみたいだった。

「ようこそ暗闇の世界へ!私はこの部屋の管理人ダークマスターである!貴様達、よくあのバンパイア真祖を討伐出来たものよ!」

 部屋の中心で真っ黒な忍び装束を着た男が、一人佇んでいたのだ。この男は、侵入してきたケンジ達がランタンとか明かりを持っていない為、この状況に焦っていると思っていたのだ。

 ダークマスターは素早く移動し、マードックの首をはねようとしたのだ。

「マードック危ない!」

 システィナが、マードックの前に飛び出しダークマスターの攻撃を防いだ。ガッキーンと大きな音を出し火花が散ったのだ。

「な、なんだと!この暗闇でどうやって攻撃を!」

「お前馬鹿か?こんな高レベルダンジョンに、ランタンとかライトの魔法を使う様な初心者が来るとでも思っているのか?」

 ケンジの作った装備には、全員※①【ナイトサイト】の効果が付与されているのだ。この効果で真っ暗な闇夜でも陽の光の下にいるのと変わらないのである。

 その為、ダークマスターが部屋の中心で勝ち誇って、自己紹介をしていたが実に滑稽だった。
 ダークマスターが勝ち誇っていた理由はランタンやライトの魔法を持っていても、この漆黒の闇の効果ですぐに消えてしまう算段だった。それ故に、ダークマスターはケンジ達がどのような方法で見えているのか分からなかった。

「それに、こんな暗闇の範囲魔法等いつでも解除出来るぞ?」

「そんな事信じられるか!」

 ケンジは、ニヤリと笑い※②【ディスペルマジック】を唱えたのだ。すると、部屋の中に掛っていた※③【ダークネス】が一瞬で消え去って、普通のダンジョン内の明るさとなった。

「なっ、言っただろ?こんな子供だましの範囲結界なんか、いつでも解除可能なんだよ!」

「むぐぐぐぐ!皆のモノかかれ!」

 その言葉でダークマスターと言われる部下の忍者らしき影が一斉に襲い掛かってきたのだ。しかし、こうなってはもう姿は見えるしステータスだけで襲ってきても脅威ではなく、アラクネ達のスパイダーネットのカウンターで拘束出来てしまった。
 拘束された忍者達は、そのままハヤテに踏みつぶされてしまい討伐されてしまったのだ。

 ダークマスター達の断末魔と共に、ダンジョンに吸収されてしまい、魔石と角だけがその場に人数分だけ残ったのだ。

「あいつら、倒したら魔石が残ると言う事は人間じゃなかったのかな?」

「マードック、あいつ等は人間じゃないよ。悪魔族で結構レベルが高くて強敵だけど、暗闇に依存し過ぎだっただけだ!」

「じゃあ、あいつ等って結構強いのか?」

「弱く感じたかもしれんが、ダークマスター一人で王国に潜入したら絶対に見つからんし王国は滅亡するだろうな」

「そんなにか?」

「まあ、マードックやプリムの様な戦闘方法と違うって事だよ!」

「マードック!」

「なんだよギル?」

「言ってみたらダークマスターは、俺みたいな戦い方の魔物って事だ!」

「魔物がギルみたいな戦い方をするのか?」

「まあ、魔物と言うより知性がある悪魔族だからな。今までのように考えていたらダメだって事だよ」

「なるほど……魔物を狩ると言うより、対人戦って考えた方がいいのか!」

「そういうことだ!」

 ケンジは、ギル達がそのように話しているのを見て、極級ダンジョンってひょっとしたら、本当にレベルさえ上げてしまったら、結構簡単に攻略出来るんじゃないかと思っていたのだった。


*-----*-----*-----*

 この話で出てきた魔法一覧

※①【ナイトサイト】
光属性魔法   1階位
消費MP    5
詠唱速度    1秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間    20分
効果対象    一人
効果範囲    なし
必要秘薬    虹パール2個
備考欄
 この魔法をかける事でランタンやライトの魔法の代わりとなる。魔法を
使用することで20分間太陽の下にいるときみたいに明るく見える。
 魔法使い職業レベル1、魔法スキル0.01以上で使う事が可能。 

※②【ディスペルマジック】
聖属性魔法   5階位
消費MP    35
詠唱速度    5.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間    永久
効果対象    一人又は一個所
効果範囲    なし
必要秘薬    魔水の苔 紫水晶 各10個
備考欄
 この魔法は、付与された魔法を解除する魔法である。その人物に耐性
スキルがGMがある場合50%の確率でレジストされてしまう。
 範囲魔法を解除する場合、範囲魔法を掛けた術者がレベルが高い場合、
100%解除できない。レベルが同じ場合50%の確率で解除でき、レベル
差が1レベル開くごとに3%上昇する。
魔道士職業レベル50と魔法スキル80以上で使用可能

※③【ダークネス】
闇属性魔法   5階位
消費MP    35
詠唱速度    5.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間    永久
効果対象    一人又は一個所
効果範囲    レベル×1m四方までの範囲
必要秘薬    アビスの葉・マンドラゴラの根 各10個
備考欄
 この魔法は使用することで目を見えなくしたり、その場所を真っ暗に
する魔法である。人に掛けた場合耐性がGMの場合50%でレジストされる。
魔道士職業レベル50と魔法スキル80以上で使用可能

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