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第10章 Freedom国、経済の中心へ!
6話 王国と聖教国の協力要請
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ケンジは、王国と聖教国が何を言うのかわかっていた。これもセイラのおかげと言えよう。
「なんだ?王国の宰相殿ではないか?」
「貴方は、司教殿?何であなたが?」
「Freedom国への用事は同じようですな?」
「しかし、なんで聖教国にダンジョンの知らせが?いくら何でも早いのでは?」
富士の裾野にある王国と違って、聖教国の聖都マルルドは地球でいう関東地区にある。その為、早馬を飛ばしても早くとも1週間弱掛かるはずなのだ。
「それは、色々あるのじゃよ!それにうちのトップは聖女様じゃよ。女神様からの啓示がおりたのじゃ」
この司教の言葉は本当であり、セイラが啓示を受けたとき教会の中に信仰心が目覚め、信仰心のスキルが高い者達も、セイラのようにクローティアからの言葉がハッキリ聞こえなくとも嫌な感じが伝わっていたのである。
位の低い聖職者でも、これから起こるであろう災害が感じ取れたのに、聖女がこの事を伝わらないはずがなかったのだ。
そして、Freedom国の蹄鉄を履かせた早馬が聖都に着いたと同時に、聖女にも啓示が下りたのだ。
そして、このように王都と同じ時に転移マットで、Freedom国に協力要請にこれたのだった。
「それにしても、大変な事となった」
「本当にな……これはどうしてでもケンジ様には頑張ってもらわねば、大陸中が災害にみまわれるのう!」
すると、そこにケンジが謁見の間に姿を現した。
「これは、二人が揃って本当に大変な事が起こったみたいですね」
「「ケンジ様!」」
「その様子ですと、Freedom国も情報は入っているのですか?」
「ああ!俺も先ほど知ったばかりですよ」
「「それは話が早い!」」
「どうか、わたし達王都を救ってください。このままではダンジョンに近い王都が先に襲われる事になるでしょう」
「宰相殿!今は王国とかそういう事を言っている場合ではありません!どうしたら、イズモ大陸が救われるのか考えるべきです!」
「司教殿、貴方はそう言われるが王都から極級ダンジョンは目と鼻の先にあるのです。そんな時間は王都には無いのです」
「まあまあ、二人とも落ち着いて下さい!確かに落ち着いている場合ではないと怒られるかもしれませんが、まだスタンピードには時間があるので!」
「「いつ起こるかと言うところまで、Freedomは把握されているのですか?」」
「まあ、詳しくは言えませんがまだ大丈夫です。そんな慌てたら助かる者も助からないですよ。特に王国は、テンペの町の事も経験しているはずです」
「それはそうなのですが……テンペの町の時とは違い、今度のダンジョンは極級なのです。あの時の魔物とは全然違うのですよ」
「それはそうかもしれませんが、慌ててもしょうがない事ですよね?まずは落ち着いて下さい!」
「分かり申した……慌てて申し訳ない!」
「で、聖教国ではテンプルナイトはどのように?」
ケンジは、魔物に強い魔物キラーであるテンプルナイトが、どのようにしているのか聞いてみた。
「ケンジ様!今はテンプルナイトより王都の事を!」
「宰相殿!今は自分がと言っているのではなく、もっと大陸全体の事を考える方が得策と言えよう!ここはケンジ殿の言う事に答え、協力した方がいいと思うぞ!」
「さすが、司教さんよくわかっているね」
「これでも、ケンジ殿にこの5年間鍛えられもうしたからの!ほっほっほっ」
司教は、この5年間ケンジに色々と相談したり相談されたりしていたのだ。その為、司教は年下であるケンジの聡明さに尊敬の念で敬い、困ったことがあればまずケンジに相談しているほどだった。
「分かりました……」
「宰相さんも慌てるのは分かります。ですがここは3国が揃っているのです。各自勝手な事を言っていたら、纏まるものも纏まりませんよ」
「「纏まるって……ケンジ殿!」」
宰相も司教も、ケンジの性格からいって簡単にこちらの言う事を聞いてくれるとは思っていなかった。その為、協力に応じてもらうのに、どんな要求を言われるのか不安だったのだ。
「「本当に協力して頂けるのですか?」」
「何のために、二人ともここにいるんだよ?協力要請じゃなかったのか?」
「「いや、それはそうなのですが……」」
「てっきり、協力するにはどんな要望を言われるかハラハラしておりました」
「我が王国も同じ感想です……」
「ったく、あんた達は本当に失礼な人達だよな。そんな事言われるとは思わなかったよ。じゃあ、協力する条件を言っちゃおうかな?」
「「ちょ、ちょっと待ってください!謝罪します!だから協力の程を……」」
「冗談だよ!本気にしないでくださいよ」
宰相も司教も、ケンジの冗談と言う言葉にホッとしたと同時に、ケンジなら本当にやりかねないと引きつった笑顔となっていた。
「それで、気も紛れたし話を戻しますが、テンプルナイトはどうなっていますか?」
「連絡が来た時点で、極級ダンジョンに向かっております!」
「では、王国の飛龍騎士団も同じですか?」
「はい。仲間からの要請なので、援軍をその日のうちに向かわせております」
「それでは、その軍隊はダンジョン内には侵入させない様にしてください!」
「「なんですと!」」
「それでは、何のために援軍を送ったと思っているのですか?」
「そうです!テンプルナイトも魔物には強いとされ魔物キラーの異名もあるのです。ここで戦わなければ、何の為のテンプルナイトですか?」
「何のため?そりゃ国民を守る為でしょ?」
「だから、その為に極級ダンジョンに向かわせたのです!」
「いいですか?よく聞いて下さい。確かに、テンプルナイトと飛龍騎士団は強いと思います。向かわせた騎士達も国でも一、二を争う騎士達でしょう。ですが、そんな者達でさえ極級では1階層が限界のはずですよね?」
「「確かに……」」
「こんな事は言いたくないですが、今この地点で1階層に今までいなかった魔物が出現しているのなら、無駄に命を散らす事になるのが理解できるはずです」
「ですが、もう出発してしまっています!今からではもう……」
「では、王都からすぐに早馬を飛ばしていただけますか?軍隊の行進なら、早馬で飛ばせば十分に間に合うかと思います」
ケンジは、司教に言いテンプルナイトと馬2頭を連れてきてもらい、王国に転移マットを使い移動させたのだ。
そして、テンプルナイトともう一頭には飛龍騎士団の一人を選択し、二人に極級ダンジョンには侵入せず、周りを警護する様にたのんだのだ。
テンプルナイトの馬には、Freedomの蹄鉄が装備されており、すぐに先遣隊に追いつくことが出来て、宰相の言葉が伝えられたのだ。
そして早馬のテンプルナイトは、極級ダンジョンで守っている部団長に司教の言葉を伝えたのだった。
「これで、大丈夫だな……」
「ケンジ殿!それでどうしたらよいのですか?このままでは魔物が溢れるだけではないですか!」
「そうです!極級ダンジョンには高い城壁を建設していますが、出てきた魔物を高い位置から、全員で討伐せよと申すのか?」
「待ってくれよ!二人でそう責め立てられても説明できないじゃないか」
「「ですが!」」
「確かに出てきた魔物を、みんなで討伐するのはあってはいるけど……」
「そんな事でスタンピードが止まる訳ないではないですか!」
「そうです!こちらからダンジョンに侵入して間引いていかないと、とんでもないことになり申すぞ!」
「だから、最後まで説明を聞けって!」
「「分かり申した……」」
「その役目は、俺達Freedomが請け負ってやるから、万が一出てきた魔物がいたら、3国の軍隊で討伐してくれ!」
「「はっ⁉ダンジョンに潜るのは、Freedom国の鳳凰騎士団だけでやるというのですか?」」
「そんな無謀なことを言っていたら話にならないじゃないですか?それに3国って……」
「そうじゃない!ダンジョンに潜るのは、俺とマイが率いる3パーティーのファミリーだよ。鳳凰騎士団は、飛龍騎士団とテンプルナイトと共に、地上に出てきた魔物を討伐してもらう」
「何を言っているのですか?Freedom国の、国王と王妃様が最前線へと向かうと言うのですか?」
「この日の為にFreedomが鍛え上げてきたんだ。今、その時が来たと言っても過言ではないよ」
ケンジは、宰相と司教にFreedomが、どんなパーティーか大まかに説明したのだ。
第一パーティーはケンジ率いるギル以下初期のメンバーである。
第二パーティーはロイが率いる、元冒険者雷神のパーティーで構成されていて、ロイをはじめ全員が3次職となっていた。
ロイはヘルナイト、ブンタスはセイントロード、デイニーはアークメイジ、パメラは、ミスティックセイント、ハイドはウィンドトレジャーとなっていたのだ。
そして、第3パーティーはハヤテとツバキ達アラクネ部隊である。
この3ファミリー軍でダンジョンを突破すると、ケンジは宰相と司教達に説明した。
「ちょっと待ってください‼極級ダンジョンをファミリーとはいえ、個人連合で侵入しようとするつもりですか?」
「ああ!そのつもりだ。鳳凰騎士団でも強いと思うが、5階層が精一杯だと俺は思うから、鳳凰騎士団は地上で他の騎士団を守って、ダンジョンの城壁から出ない様にしてもらう」
「なんですと?その言い方だと、鳳凰騎士団は飛龍騎士団より強いと申すのか?」
「気分を悪くしたら謝るよ。だがこれは本当の事なんだよ……」
「その言葉を訂正して頂きたい!確かにテンプルナイトには対魔物に強いのはしょうがないとしても、鳳凰騎士団もそういう特殊能力はないはずです」
「宰相さん……本当に悪いな!鳳凰騎士団の入隊基準は、職業レベルが100以下では入隊できないんだよ」
「なんだと……そのレベルはいったいどういう事なんだ!嘘を言う出ない。そんなバカげたレベルなど、聞いた事ないわ!」
この世界の冒険者の平均レベルは30から40であり、このレベルでベテランの域に達している。そして、高ランク冒険者で60程で70に達していないのである。
そして、騎士団がその60レベルぐらいで、騎士団長でも70を超えているのがやっとで、その強さで部下からのあこがれの的なのだ。
「信じられないかもしれないが、これは本当の事で他の騎士団とは基本能力値が違うんですよ」
「そんなバカな事が……」
「だから、地上に上がってくるような魔物なら多分大丈夫です。もし、信じられないようでしたら、鳳凰騎士団、筆頭団長はランスロットです。また違う期会にでも親善試合でもやってみますか?」
「なんだと……ランスロットといえば元飛龍騎士団だったあの男か?」
「えぇ!そうです。もう齢50を過ぎていまだ現役を続け、部下に一歩も引けを取らない強い男ですよ」
ここで、司教が話に割って入ってきた。
「あの……そんな騎士団長が極級ダンジョンで5階層までと言うのはどういう事ですか?」
「司教さん、良い質問だな。テンプルナイト達が1階層までしか侵入できないんだろ?そしたら、レベルだけの問題で予想した場合、他のダンジョンでは10階層まで潜れる予想だよ」
「だったら、10階層まではいけると言う事ですよね?」
「中の様子がわかっていた場合ならな。だが、極級ダンジョンの1階層より深い階層の情報がまったくないのであれば、どんな魔物や罠があるかわからんだろ?その為半分の5階層というわけだ」
「なるほど……」
ケンジは、二人にはレベルの事だけを言って無理やり納得してもらったのだ。3次職やスキルの事は言わず納得してもらったのだが、レベル100のインパクトが強かったため、二人も頭が回らなかった様子だった。
そして、王国と聖教国の使者達には連絡係として数名残ってもらい、宰相と司教には自国に帰ってもらい、説明をしてもらった。
そして、今回のミッションはFreedomが全面バックアップで進行し、2国は地上の守りの身と言う事になった。
最初、それでは自分達が何もやってない様に思われるのでプライドを傷つけられると反発したが、実際問題1階層でやっとの軍隊では、足手まといになるので何もできないのが実状だった。
そして、ケンジ達がダンジョンに着いたと同時に飛龍騎士団とテンプルナイトの団長が、ケンジに文句を言ってきたのである。
「なんだ?王国の宰相殿ではないか?」
「貴方は、司教殿?何であなたが?」
「Freedom国への用事は同じようですな?」
「しかし、なんで聖教国にダンジョンの知らせが?いくら何でも早いのでは?」
富士の裾野にある王国と違って、聖教国の聖都マルルドは地球でいう関東地区にある。その為、早馬を飛ばしても早くとも1週間弱掛かるはずなのだ。
「それは、色々あるのじゃよ!それにうちのトップは聖女様じゃよ。女神様からの啓示がおりたのじゃ」
この司教の言葉は本当であり、セイラが啓示を受けたとき教会の中に信仰心が目覚め、信仰心のスキルが高い者達も、セイラのようにクローティアからの言葉がハッキリ聞こえなくとも嫌な感じが伝わっていたのである。
位の低い聖職者でも、これから起こるであろう災害が感じ取れたのに、聖女がこの事を伝わらないはずがなかったのだ。
そして、Freedom国の蹄鉄を履かせた早馬が聖都に着いたと同時に、聖女にも啓示が下りたのだ。
そして、このように王都と同じ時に転移マットで、Freedom国に協力要請にこれたのだった。
「それにしても、大変な事となった」
「本当にな……これはどうしてでもケンジ様には頑張ってもらわねば、大陸中が災害にみまわれるのう!」
すると、そこにケンジが謁見の間に姿を現した。
「これは、二人が揃って本当に大変な事が起こったみたいですね」
「「ケンジ様!」」
「その様子ですと、Freedom国も情報は入っているのですか?」
「ああ!俺も先ほど知ったばかりですよ」
「「それは話が早い!」」
「どうか、わたし達王都を救ってください。このままではダンジョンに近い王都が先に襲われる事になるでしょう」
「宰相殿!今は王国とかそういう事を言っている場合ではありません!どうしたら、イズモ大陸が救われるのか考えるべきです!」
「司教殿、貴方はそう言われるが王都から極級ダンジョンは目と鼻の先にあるのです。そんな時間は王都には無いのです」
「まあまあ、二人とも落ち着いて下さい!確かに落ち着いている場合ではないと怒られるかもしれませんが、まだスタンピードには時間があるので!」
「「いつ起こるかと言うところまで、Freedomは把握されているのですか?」」
「まあ、詳しくは言えませんがまだ大丈夫です。そんな慌てたら助かる者も助からないですよ。特に王国は、テンペの町の事も経験しているはずです」
「それはそうなのですが……テンペの町の時とは違い、今度のダンジョンは極級なのです。あの時の魔物とは全然違うのですよ」
「それはそうかもしれませんが、慌ててもしょうがない事ですよね?まずは落ち着いて下さい!」
「分かり申した……慌てて申し訳ない!」
「で、聖教国ではテンプルナイトはどのように?」
ケンジは、魔物に強い魔物キラーであるテンプルナイトが、どのようにしているのか聞いてみた。
「ケンジ様!今はテンプルナイトより王都の事を!」
「宰相殿!今は自分がと言っているのではなく、もっと大陸全体の事を考える方が得策と言えよう!ここはケンジ殿の言う事に答え、協力した方がいいと思うぞ!」
「さすが、司教さんよくわかっているね」
「これでも、ケンジ殿にこの5年間鍛えられもうしたからの!ほっほっほっ」
司教は、この5年間ケンジに色々と相談したり相談されたりしていたのだ。その為、司教は年下であるケンジの聡明さに尊敬の念で敬い、困ったことがあればまずケンジに相談しているほどだった。
「分かりました……」
「宰相さんも慌てるのは分かります。ですがここは3国が揃っているのです。各自勝手な事を言っていたら、纏まるものも纏まりませんよ」
「「纏まるって……ケンジ殿!」」
宰相も司教も、ケンジの性格からいって簡単にこちらの言う事を聞いてくれるとは思っていなかった。その為、協力に応じてもらうのに、どんな要求を言われるのか不安だったのだ。
「「本当に協力して頂けるのですか?」」
「何のために、二人ともここにいるんだよ?協力要請じゃなかったのか?」
「「いや、それはそうなのですが……」」
「てっきり、協力するにはどんな要望を言われるかハラハラしておりました」
「我が王国も同じ感想です……」
「ったく、あんた達は本当に失礼な人達だよな。そんな事言われるとは思わなかったよ。じゃあ、協力する条件を言っちゃおうかな?」
「「ちょ、ちょっと待ってください!謝罪します!だから協力の程を……」」
「冗談だよ!本気にしないでくださいよ」
宰相も司教も、ケンジの冗談と言う言葉にホッとしたと同時に、ケンジなら本当にやりかねないと引きつった笑顔となっていた。
「それで、気も紛れたし話を戻しますが、テンプルナイトはどうなっていますか?」
「連絡が来た時点で、極級ダンジョンに向かっております!」
「では、王国の飛龍騎士団も同じですか?」
「はい。仲間からの要請なので、援軍をその日のうちに向かわせております」
「それでは、その軍隊はダンジョン内には侵入させない様にしてください!」
「「なんですと!」」
「それでは、何のために援軍を送ったと思っているのですか?」
「そうです!テンプルナイトも魔物には強いとされ魔物キラーの異名もあるのです。ここで戦わなければ、何の為のテンプルナイトですか?」
「何のため?そりゃ国民を守る為でしょ?」
「だから、その為に極級ダンジョンに向かわせたのです!」
「いいですか?よく聞いて下さい。確かに、テンプルナイトと飛龍騎士団は強いと思います。向かわせた騎士達も国でも一、二を争う騎士達でしょう。ですが、そんな者達でさえ極級では1階層が限界のはずですよね?」
「「確かに……」」
「こんな事は言いたくないですが、今この地点で1階層に今までいなかった魔物が出現しているのなら、無駄に命を散らす事になるのが理解できるはずです」
「ですが、もう出発してしまっています!今からではもう……」
「では、王都からすぐに早馬を飛ばしていただけますか?軍隊の行進なら、早馬で飛ばせば十分に間に合うかと思います」
ケンジは、司教に言いテンプルナイトと馬2頭を連れてきてもらい、王国に転移マットを使い移動させたのだ。
そして、テンプルナイトともう一頭には飛龍騎士団の一人を選択し、二人に極級ダンジョンには侵入せず、周りを警護する様にたのんだのだ。
テンプルナイトの馬には、Freedomの蹄鉄が装備されており、すぐに先遣隊に追いつくことが出来て、宰相の言葉が伝えられたのだ。
そして早馬のテンプルナイトは、極級ダンジョンで守っている部団長に司教の言葉を伝えたのだった。
「これで、大丈夫だな……」
「ケンジ殿!それでどうしたらよいのですか?このままでは魔物が溢れるだけではないですか!」
「そうです!極級ダンジョンには高い城壁を建設していますが、出てきた魔物を高い位置から、全員で討伐せよと申すのか?」
「待ってくれよ!二人でそう責め立てられても説明できないじゃないか」
「「ですが!」」
「確かに出てきた魔物を、みんなで討伐するのはあってはいるけど……」
「そんな事でスタンピードが止まる訳ないではないですか!」
「そうです!こちらからダンジョンに侵入して間引いていかないと、とんでもないことになり申すぞ!」
「だから、最後まで説明を聞けって!」
「「分かり申した……」」
「その役目は、俺達Freedomが請け負ってやるから、万が一出てきた魔物がいたら、3国の軍隊で討伐してくれ!」
「「はっ⁉ダンジョンに潜るのは、Freedom国の鳳凰騎士団だけでやるというのですか?」」
「そんな無謀なことを言っていたら話にならないじゃないですか?それに3国って……」
「そうじゃない!ダンジョンに潜るのは、俺とマイが率いる3パーティーのファミリーだよ。鳳凰騎士団は、飛龍騎士団とテンプルナイトと共に、地上に出てきた魔物を討伐してもらう」
「何を言っているのですか?Freedom国の、国王と王妃様が最前線へと向かうと言うのですか?」
「この日の為にFreedomが鍛え上げてきたんだ。今、その時が来たと言っても過言ではないよ」
ケンジは、宰相と司教にFreedomが、どんなパーティーか大まかに説明したのだ。
第一パーティーはケンジ率いるギル以下初期のメンバーである。
第二パーティーはロイが率いる、元冒険者雷神のパーティーで構成されていて、ロイをはじめ全員が3次職となっていた。
ロイはヘルナイト、ブンタスはセイントロード、デイニーはアークメイジ、パメラは、ミスティックセイント、ハイドはウィンドトレジャーとなっていたのだ。
そして、第3パーティーはハヤテとツバキ達アラクネ部隊である。
この3ファミリー軍でダンジョンを突破すると、ケンジは宰相と司教達に説明した。
「ちょっと待ってください‼極級ダンジョンをファミリーとはいえ、個人連合で侵入しようとするつもりですか?」
「ああ!そのつもりだ。鳳凰騎士団でも強いと思うが、5階層が精一杯だと俺は思うから、鳳凰騎士団は地上で他の騎士団を守って、ダンジョンの城壁から出ない様にしてもらう」
「なんですと?その言い方だと、鳳凰騎士団は飛龍騎士団より強いと申すのか?」
「気分を悪くしたら謝るよ。だがこれは本当の事なんだよ……」
「その言葉を訂正して頂きたい!確かにテンプルナイトには対魔物に強いのはしょうがないとしても、鳳凰騎士団もそういう特殊能力はないはずです」
「宰相さん……本当に悪いな!鳳凰騎士団の入隊基準は、職業レベルが100以下では入隊できないんだよ」
「なんだと……そのレベルはいったいどういう事なんだ!嘘を言う出ない。そんなバカげたレベルなど、聞いた事ないわ!」
この世界の冒険者の平均レベルは30から40であり、このレベルでベテランの域に達している。そして、高ランク冒険者で60程で70に達していないのである。
そして、騎士団がその60レベルぐらいで、騎士団長でも70を超えているのがやっとで、その強さで部下からのあこがれの的なのだ。
「信じられないかもしれないが、これは本当の事で他の騎士団とは基本能力値が違うんですよ」
「そんなバカな事が……」
「だから、地上に上がってくるような魔物なら多分大丈夫です。もし、信じられないようでしたら、鳳凰騎士団、筆頭団長はランスロットです。また違う期会にでも親善試合でもやってみますか?」
「なんだと……ランスロットといえば元飛龍騎士団だったあの男か?」
「えぇ!そうです。もう齢50を過ぎていまだ現役を続け、部下に一歩も引けを取らない強い男ですよ」
ここで、司教が話に割って入ってきた。
「あの……そんな騎士団長が極級ダンジョンで5階層までと言うのはどういう事ですか?」
「司教さん、良い質問だな。テンプルナイト達が1階層までしか侵入できないんだろ?そしたら、レベルだけの問題で予想した場合、他のダンジョンでは10階層まで潜れる予想だよ」
「だったら、10階層まではいけると言う事ですよね?」
「中の様子がわかっていた場合ならな。だが、極級ダンジョンの1階層より深い階層の情報がまったくないのであれば、どんな魔物や罠があるかわからんだろ?その為半分の5階層というわけだ」
「なるほど……」
ケンジは、二人にはレベルの事だけを言って無理やり納得してもらったのだ。3次職やスキルの事は言わず納得してもらったのだが、レベル100のインパクトが強かったため、二人も頭が回らなかった様子だった。
そして、王国と聖教国の使者達には連絡係として数名残ってもらい、宰相と司教には自国に帰ってもらい、説明をしてもらった。
そして、今回のミッションはFreedomが全面バックアップで進行し、2国は地上の守りの身と言う事になった。
最初、それでは自分達が何もやってない様に思われるのでプライドを傷つけられると反発したが、実際問題1階層でやっとの軍隊では、足手まといになるので何もできないのが実状だった。
そして、ケンジ達がダンジョンに着いたと同時に飛龍騎士団とテンプルナイトの団長が、ケンジに文句を言ってきたのである。
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