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第9章 Freedom国の発展!
閑話(114話) Freedom国民の想い
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ケンジは、キキョウの亡骸に賢者の石を使い、キキョウを復活させた。その直後、ケンジはその場に倒れ込む様に気を失ったのだ。
気を失う寸前、キキョウの目が開いたのを確認できたケンジは、安心したように微笑みながら倒れたのである。
「キキョウ……よかった……」
「ケンちゃん!」
「主!」
「ご主人様!」
マイと、ギル達初期メンバーはケンジを抱きかかえたのだ。そして、マイは心配する奴隷達にケンジは大丈夫だからと言い、その場から解散させたのだった。
マイは、その震える手でケンジを抱きかかえ、ケンジの寝室へと運ぶのである。ケンジを、ベットに寝かせたのだがケンジの体温がドンドン低下し、死人のようになっていくのだ。
肌の色は真っ青と言うより真っ白になっていく。例えるなら烏賊が死んだ感じなっていくのである。
「マイさん!主は……」
「ケンちゃん駄目だよ!死んだら絶対に許さないから!」
マイは、ケンジの耳元で大きな声を出し覚醒させようと必死だった。
「このままでは駄目!」
マイは自分の服のボタンを、外し始めて下着姿になっていくのである。それを見たシスティナは慌てて、ギルとマードックを部屋から叩きだした。
「マ、マイさん!男性もいるのですから!」
「そんな事言っている場合じゃないの?ケンちゃんの体温を上げなきゃ死んじゃう!」
そういって、マイは体温で温めようとベットに潜り込んだ。そして、マイはサファイアを呼び、神鋼魔石を使って火属性の魔石で熱を吸収し温める魔道具を作るように指示を出したのだ。
「サファイア!あなたなら神鋼魔石を扱うことが出来るわよね?」
「ご主人様のように、魔道具を作った事はありませんが、必ずご期待に沿えるようにがんばります!」
「だったら、神鋼魔石に火属性の魔石を吸収させ、熱を出すようなアイテムを作りなさい!」
マイは、カイロのような暖かくなるアイテムを作るように指示を出した。これは一種の賭けであり、熱の温度の調整や無尽蔵に熱を奪う様な、魔道具になる恐れがあって危険なアイテムである。
「分かりました!」
マイは、ケンジの体温を少しでも上げるように必死に延命処置をしたのだ。マイはシスティナやオリヴィアにも、人肌で温めるように協力させ、ミナレス達屋敷を管理している者達には交代で24時間の看病をさせた。
「ケンちゃん……早く目覚めてよ……いつも勝手なんだから!」
マイは、ケンジの横でその冷たくなってしまった手を握り、これまでの事を思い出していた。
いつも、ケンジは自分は自由人で自分が楽しく暮らせればいいと言っていた。家族が幸せで、何の不自由もない生活をさせ、奴隷達には無理をするなとか、ブラックな環境をことごとく排除した事でそのしわ寄せを、ケンジが補っていた。
「ったく、ケンちゃんはお義父さんにそっくりなんだから……」
マイは、ケンジが仲間の為だとはいえ無理をして、こういう状況にやるせない気持ちでいっぱいになった。
その頃、キキョウはツバキ達に、事情を聴いていたのだ。その事で、自分が先の戦争で戦死して、ケンジがやっとの思いで蘇生に成功した事を聞いた。
「じゃあ、ご主人様が死にかけているのはわたしのせいで?」
「大丈夫よ!マイ様が大丈夫だっていってたじゃない!」
「だけど、実際にはわたしのせいで倒れたんじゃないの?」
そのようにキキョウに訴えかけられ、ツバキ達は何も言えないでいた。実際、ケンジは賢者の石を使いキキョウを蘇生したのだ。その為に、ケンジはMP切れを起こし倒れてしまったからだ。
「だけど、ご主人様はキキョウを蘇生する事だけを考えてここまで来たのよ?」
「だけど、わたしが復活したせいでご主人様が……」
「キキョウ‼それ以上は言っては駄目だよ」
「でも……」
「ご主人様は大丈夫よ……今までも、危ない事はあったけど何度も乗り越えてきたじゃない!」
「だけど!死んだものを生き返らせると言う事は、禁忌に近いんでしょ?その代償がご主人様になったら、わたしはみんなにどう申し開きをしたらいいのか……」
「何を言っているのですか!」
ツバキの大きな声で、キキョウはビクッと身体をこわばらせた。
「ツバキ姉さま……」
「いつ、ご主人様が亡くなったのですか?貴方はご主人様が亡くなると確信しているのですか?」
「そんな事は……」
「だったら、無事目覚める事を祈りなさい!」
「……」
ツバキはそう言いながらも、キキョウの気持ちも痛いほど分かっていた。しかし、ケンジの無事を祈りキキョウの精神もケアしないと、ケンジを犠牲にしたと言う罪悪感で押しつぶされそうになるのだ。
「ううう……こんな事になるのなら、わたしなんて生き返らなきゃよかった……」
「「「「「キキョウ‼」」」」」
「そんな事、言っちゃだめだよ!」
「サクラ、それにみんな……」
「ご主人様は、家族であるキキョウを何とか生き返らしたいと思って、この数ヶ月……いえ、一年間頑張って賢者の石を作ることが出来て、貴方を復活させたんだよ?」
「だけど……」
「次は、キキョウがご主人様の復活を信じる番なんだよ!」
キキョウは、ツバキ達に励まされて、何とか正気を保っていたのだ。そして、ケンジの体温が低くなっていると聞き、羽毛のような毛布を一晩で製作して、ケンジの寝室へと運び入れたのだ。
「マイ様……このたびは申し訳ありません。ご主人様をこんな目にあわせてしまったことを反省してます……」
キキョウは、ベットの側で膝まつき頭を下げたのだった。
「キキョウのせいじゃないよ!ケンちゃんが、いつものように突っ走った結果だから気にしないようにね」
マイは、キキョウが責任を感じない様に、笑顔を見せながらフォローした。
「それでどうしたの?」
「あの、これをみんなで作ってきました。ご主人様に使ってほしくて……」
マイは、キキョウ達に毛布を受け取って、その軽さに驚いたのだ。どういった裁縫技術なのかわからないが、蜘蛛の糸なのにフワフワでモフモフであり、いつまでも触っていられるのだ。
そして、触っている場所はどんどん熱がこもっていき、物凄く暖かくなってマイは驚いた。
「みんな、ありがとう!これならケンちゃんの体温が戻るかもしれないね」
「「「「「「はい!」」」」」」
マイは、その毛布をすぐにケンジの布団の間に敷いた。するとこの毛布は物凄く暖かいのだが、熱くなり過ぎないのだ。自動で温度調節をしているようで実に心地好い毛布だった。
そして、他の奴隷達は自分のやることを見つけて、店を開けたり工房での仕事をやり続けていた。
これはマイの指示であり、ケンジが倒れたからといって、Freedomの商品を求めて買いに来てくれるお客がいるかぎり、こちらの都合で店を閉めたら迷惑がかかるといって、ユエティー達に通常業務にさせたのだ。
「マイ様!ご主人様がこんな状態の時に店だなんて!」
「大丈夫よ!ここはあたし達で見てるし、貴方達全員でここにいてもしょうがないでしょ?貴方達は、いつも通りの事をしなさい!」
「ですが……」
「ケンちゃんに何かあった時、貴方達の主人は誰になるかわかっているのよね?」
「それはわかっています……」
ケンジは、自分一人がいなくなった時、ギル達の主人をマイに譲ることにしていた。ただ、ケンジはマイといつも冒険は一緒の為、二人そろって犠牲になった時は、奴隷解放の手続きを奴隷商人に託していたのだ。
今回の場合は、万が一不幸な事が起こった時、ケンジの所有している奴隷達はマイに移行するようになっており、マイの命令は半強制だった。
「大丈夫だから!心配するのは分かるけど、ここにはミナレスやシスティナ達もいるから安心して!」
「分かりました……」
ユエティー達、Freedom店で働く者や工房で働く者も、肩を落として通常業務を開始したのだ。当然だが、そんな状態で働いていた為、従業員の窓口業務は笑顔が無くなり暗い状態で営業されていた。
お客様達は何があったのか、受付嬢達に訳を聞きケンジの無事を祈って必要以上に入り込まず、商品を買って帰っていくのだった。
Freedom国では、国民達がケンジの心配をして、教会に足蹴く通いお祈りしていた。神父達もまた、平民達が昼夜問わず教会に並び行列が出来ていた事に驚いたのだ。
ケンジが、国民に慕われていた事が本当にわかる後景だった。今まで王国ですら、王族が病気になり寝込んだ時があり、国難として平民達は自粛されたのだが、無事を祈って教会にお祈りに来る人間はいなかったのだ。
そして、そのマイ達の必死の看病と、カイロのような魔道具と暖かい毛布、Freedom国民のお祈りが届いたかのように、ケンジが1週間後目を覚ましたのだ。
ケンジが無事に目を覚ましたことは、その日のうちに広まり国民達から歓声が上がり、町の居酒屋や食事のできる所では、ケンジの快気祝いで全品半額となり、国民や冒険者達は連日オールナイトで騒いでいた。
Freedom内でも、ケンジが目覚めたことでマイをはじめ涙を流す者でいっぱいで、祝賀会が開かれたのだ。
ケンジが目覚める間の一週間、Freedom国は本当に火が消えた様になってしまい、ケンジ一人で国が成り立っているようだった。ムシュダルクは、これではいけないと思い、ケンジの仕事をもっと減らす事にしたのだ。
「ケンジ様……ちょっとよろしいでしょうか?」
「ちょっとムシュダルクさん!もうちょっとケンちゃんを休まさないと……」
「マイ、いいから……心配してくれてありがとな」
「マイ様、申し訳ありません……今回の事なのですが、ケンジ様の仕事量で話があります。国の予算がまだ余裕があるので、特別奴隷を購入してもらえませんか?」
「どういう事だ?」
「もっと、ケンジ様の負担になっている事を、内政のできる人員を増やしその人間に任せるのです」
「予算はどのくらい余裕があるんだ?」
「特別奴隷で言えば、50人は余裕で購入できます。もっと細分化し、ケンジ様のやることを極力なくしたいと思います」
特別奴隷を購入することで、元貴族だった人間に内政を任せるとムシュダルクは提案してきた。
ケンジには承諾の判子だけにして、生産だけを重点に置くようにしたのだ。この提案には、マイも笑顔となり全面的に賛成した。
この提案により、Freedom国の商業都市計画は、拍車をかけ経済の中心地となっていく事になるのである。
気を失う寸前、キキョウの目が開いたのを確認できたケンジは、安心したように微笑みながら倒れたのである。
「キキョウ……よかった……」
「ケンちゃん!」
「主!」
「ご主人様!」
マイと、ギル達初期メンバーはケンジを抱きかかえたのだ。そして、マイは心配する奴隷達にケンジは大丈夫だからと言い、その場から解散させたのだった。
マイは、その震える手でケンジを抱きかかえ、ケンジの寝室へと運ぶのである。ケンジを、ベットに寝かせたのだがケンジの体温がドンドン低下し、死人のようになっていくのだ。
肌の色は真っ青と言うより真っ白になっていく。例えるなら烏賊が死んだ感じなっていくのである。
「マイさん!主は……」
「ケンちゃん駄目だよ!死んだら絶対に許さないから!」
マイは、ケンジの耳元で大きな声を出し覚醒させようと必死だった。
「このままでは駄目!」
マイは自分の服のボタンを、外し始めて下着姿になっていくのである。それを見たシスティナは慌てて、ギルとマードックを部屋から叩きだした。
「マ、マイさん!男性もいるのですから!」
「そんな事言っている場合じゃないの?ケンちゃんの体温を上げなきゃ死んじゃう!」
そういって、マイは体温で温めようとベットに潜り込んだ。そして、マイはサファイアを呼び、神鋼魔石を使って火属性の魔石で熱を吸収し温める魔道具を作るように指示を出したのだ。
「サファイア!あなたなら神鋼魔石を扱うことが出来るわよね?」
「ご主人様のように、魔道具を作った事はありませんが、必ずご期待に沿えるようにがんばります!」
「だったら、神鋼魔石に火属性の魔石を吸収させ、熱を出すようなアイテムを作りなさい!」
マイは、カイロのような暖かくなるアイテムを作るように指示を出した。これは一種の賭けであり、熱の温度の調整や無尽蔵に熱を奪う様な、魔道具になる恐れがあって危険なアイテムである。
「分かりました!」
マイは、ケンジの体温を少しでも上げるように必死に延命処置をしたのだ。マイはシスティナやオリヴィアにも、人肌で温めるように協力させ、ミナレス達屋敷を管理している者達には交代で24時間の看病をさせた。
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いつも、ケンジは自分は自由人で自分が楽しく暮らせればいいと言っていた。家族が幸せで、何の不自由もない生活をさせ、奴隷達には無理をするなとか、ブラックな環境をことごとく排除した事でそのしわ寄せを、ケンジが補っていた。
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「じゃあ、ご主人様が死にかけているのはわたしのせいで?」
「大丈夫よ!マイ様が大丈夫だっていってたじゃない!」
「だけど、実際にはわたしのせいで倒れたんじゃないの?」
そのようにキキョウに訴えかけられ、ツバキ達は何も言えないでいた。実際、ケンジは賢者の石を使いキキョウを蘇生したのだ。その為に、ケンジはMP切れを起こし倒れてしまったからだ。
「だけど、ご主人様はキキョウを蘇生する事だけを考えてここまで来たのよ?」
「だけど、わたしが復活したせいでご主人様が……」
「キキョウ‼それ以上は言っては駄目だよ」
「でも……」
「ご主人様は大丈夫よ……今までも、危ない事はあったけど何度も乗り越えてきたじゃない!」
「だけど!死んだものを生き返らせると言う事は、禁忌に近いんでしょ?その代償がご主人様になったら、わたしはみんなにどう申し開きをしたらいいのか……」
「何を言っているのですか!」
ツバキの大きな声で、キキョウはビクッと身体をこわばらせた。
「ツバキ姉さま……」
「いつ、ご主人様が亡くなったのですか?貴方はご主人様が亡くなると確信しているのですか?」
「そんな事は……」
「だったら、無事目覚める事を祈りなさい!」
「……」
ツバキはそう言いながらも、キキョウの気持ちも痛いほど分かっていた。しかし、ケンジの無事を祈りキキョウの精神もケアしないと、ケンジを犠牲にしたと言う罪悪感で押しつぶされそうになるのだ。
「ううう……こんな事になるのなら、わたしなんて生き返らなきゃよかった……」
「「「「「キキョウ‼」」」」」
「そんな事、言っちゃだめだよ!」
「サクラ、それにみんな……」
「ご主人様は、家族であるキキョウを何とか生き返らしたいと思って、この数ヶ月……いえ、一年間頑張って賢者の石を作ることが出来て、貴方を復活させたんだよ?」
「だけど……」
「次は、キキョウがご主人様の復活を信じる番なんだよ!」
キキョウは、ツバキ達に励まされて、何とか正気を保っていたのだ。そして、ケンジの体温が低くなっていると聞き、羽毛のような毛布を一晩で製作して、ケンジの寝室へと運び入れたのだ。
「マイ様……このたびは申し訳ありません。ご主人様をこんな目にあわせてしまったことを反省してます……」
キキョウは、ベットの側で膝まつき頭を下げたのだった。
「キキョウのせいじゃないよ!ケンちゃんが、いつものように突っ走った結果だから気にしないようにね」
マイは、キキョウが責任を感じない様に、笑顔を見せながらフォローした。
「それでどうしたの?」
「あの、これをみんなで作ってきました。ご主人様に使ってほしくて……」
マイは、キキョウ達に毛布を受け取って、その軽さに驚いたのだ。どういった裁縫技術なのかわからないが、蜘蛛の糸なのにフワフワでモフモフであり、いつまでも触っていられるのだ。
そして、触っている場所はどんどん熱がこもっていき、物凄く暖かくなってマイは驚いた。
「みんな、ありがとう!これならケンちゃんの体温が戻るかもしれないね」
「「「「「「はい!」」」」」」
マイは、その毛布をすぐにケンジの布団の間に敷いた。するとこの毛布は物凄く暖かいのだが、熱くなり過ぎないのだ。自動で温度調節をしているようで実に心地好い毛布だった。
そして、他の奴隷達は自分のやることを見つけて、店を開けたり工房での仕事をやり続けていた。
これはマイの指示であり、ケンジが倒れたからといって、Freedomの商品を求めて買いに来てくれるお客がいるかぎり、こちらの都合で店を閉めたら迷惑がかかるといって、ユエティー達に通常業務にさせたのだ。
「マイ様!ご主人様がこんな状態の時に店だなんて!」
「大丈夫よ!ここはあたし達で見てるし、貴方達全員でここにいてもしょうがないでしょ?貴方達は、いつも通りの事をしなさい!」
「ですが……」
「ケンちゃんに何かあった時、貴方達の主人は誰になるかわかっているのよね?」
「それはわかっています……」
ケンジは、自分一人がいなくなった時、ギル達の主人をマイに譲ることにしていた。ただ、ケンジはマイといつも冒険は一緒の為、二人そろって犠牲になった時は、奴隷解放の手続きを奴隷商人に託していたのだ。
今回の場合は、万が一不幸な事が起こった時、ケンジの所有している奴隷達はマイに移行するようになっており、マイの命令は半強制だった。
「大丈夫だから!心配するのは分かるけど、ここにはミナレスやシスティナ達もいるから安心して!」
「分かりました……」
ユエティー達、Freedom店で働く者や工房で働く者も、肩を落として通常業務を開始したのだ。当然だが、そんな状態で働いていた為、従業員の窓口業務は笑顔が無くなり暗い状態で営業されていた。
お客様達は何があったのか、受付嬢達に訳を聞きケンジの無事を祈って必要以上に入り込まず、商品を買って帰っていくのだった。
Freedom国では、国民達がケンジの心配をして、教会に足蹴く通いお祈りしていた。神父達もまた、平民達が昼夜問わず教会に並び行列が出来ていた事に驚いたのだ。
ケンジが、国民に慕われていた事が本当にわかる後景だった。今まで王国ですら、王族が病気になり寝込んだ時があり、国難として平民達は自粛されたのだが、無事を祈って教会にお祈りに来る人間はいなかったのだ。
そして、そのマイ達の必死の看病と、カイロのような魔道具と暖かい毛布、Freedom国民のお祈りが届いたかのように、ケンジが1週間後目を覚ましたのだ。
ケンジが無事に目を覚ましたことは、その日のうちに広まり国民達から歓声が上がり、町の居酒屋や食事のできる所では、ケンジの快気祝いで全品半額となり、国民や冒険者達は連日オールナイトで騒いでいた。
Freedom内でも、ケンジが目覚めたことでマイをはじめ涙を流す者でいっぱいで、祝賀会が開かれたのだ。
ケンジが目覚める間の一週間、Freedom国は本当に火が消えた様になってしまい、ケンジ一人で国が成り立っているようだった。ムシュダルクは、これではいけないと思い、ケンジの仕事をもっと減らす事にしたのだ。
「ケンジ様……ちょっとよろしいでしょうか?」
「ちょっとムシュダルクさん!もうちょっとケンちゃんを休まさないと……」
「マイ、いいから……心配してくれてありがとな」
「マイ様、申し訳ありません……今回の事なのですが、ケンジ様の仕事量で話があります。国の予算がまだ余裕があるので、特別奴隷を購入してもらえませんか?」
「どういう事だ?」
「もっと、ケンジ様の負担になっている事を、内政のできる人員を増やしその人間に任せるのです」
「予算はどのくらい余裕があるんだ?」
「特別奴隷で言えば、50人は余裕で購入できます。もっと細分化し、ケンジ様のやることを極力なくしたいと思います」
特別奴隷を購入することで、元貴族だった人間に内政を任せるとムシュダルクは提案してきた。
ケンジには承諾の判子だけにして、生産だけを重点に置くようにしたのだ。この提案には、マイも笑顔となり全面的に賛成した。
この提案により、Freedom国の商業都市計画は、拍車をかけ経済の中心地となっていく事になるのである。
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