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第9章 Freedom国の発展!
106話 ローゼリアのピンチ
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アーチェ達が、サファイヤ達アンドロイドの購入を諦める日を半年ほど巻き戻し、ローゼリアがケンジの指示で聖教国に、偵察に向かった日にさかのぼる。
「ご主人様の役に立たなきゃ!」
ローゼリアは、ケンジに感謝していたのだった。本来なら犯罪奴隷となり、その後は軽くても鉱山送りになり死ぬまで強制労働となるはずであった。だが、元王国諜報部隊の失敗は死を意味する為、表舞台には出れず裏の世界で始末されるのが関の山だったのだ。
しかし、ケンジに引き取られ犯罪奴隷にもかかわらず、貴族以上の暮らしを保証してくれて、錬金薬師として生きる希望を与えられたのである。
その恩に報いる為にも、ブラックスペンサーの時の経験を活かし、情報を持ち帰ろうと思ったのである。
ローゼリアは、まだ10歳の少女で身軽で小さな隙間にも身をひそめる事が出来て、隠密行動に最適だったのである。
そして、その小さい体で屋根から屋根へ飛び移り、屋根裏に身を潜む事に成功したのである。
すると、そこにはテンプルナイトの会議室であり、団長と隊長があつまり聖女や司教のリーダーとしての素質を話していたのだった。
「聖教国はもっと、気高くなくてはいけない!我々はクローティア様を信仰し世界を平和に導く、先行者としての役割があるのだ。なのに、あんなぽっと出のFreedomにその立場を奪われ、今では聖教国は言いなりになっている……」
「ですが、女神様と交信できる人間が聖女様だけじゃなく、あのケンジも女神様と交信どころか友人とまで……」
「そんな事は、どうでも良いと思わんか?」
「どういう事でしょうか?」
「つまり、聖教国のトップである聖女の立場が弱いから、Freedomにいいように扱われるのだ!聖女もケンジも同じ交信が出来るとというのに、なんで媚びへつらわねばならんのだ!」
「「「「な、なるほど!」」」」」
「聖女さえ、もっと堂々と威信ある態度で臨んで交渉できれば、我々もこんな惨めな、境遇にならずにいられたものを!」
「ですが、聖女はこの世に一人しか生まれませんよ?」
「だから、聖女にはこの世から引退してもらえばいいんだ!その為には、新たな教皇猊下や大司教様の復活してもらい、我々の指導者になってもらうのだ。そして、聖女が死亡したら聖女の素質を持った者に移る事になる」
「な、なるほど!次の聖女が毅然とした態度の先行者になっていただくのですね」
「そういう事だ!」
「団長!ちょっとお待ちください‼聖女様といえば、女神様のお言葉を聞くようなお人ですが、殺してしまって本当に大丈夫なのですか?」
「そうですよ!そういう事はもっと慎重に行動した方が……」
「では、貴様たちはこのまま聖教国が威信が無くなり、他の国の言いなりになっても良いというのか?」
「そうはいっておりません!教皇猊下も大司教も聖女様を監禁し、聖教国は今まで本来の役目ができず、金の権化のようになっていたではありませんか?」
「それはそうだが……前の聖教国は威信に溢れ、間違いなく大陸に権勢を誇っていたではないか?」
「だからこそ、もっと慎重に考えるべきだと思うのです!」
「では、どうすればよいのだ?」
「わたしは、今の聖女は確かに頼りないと思います!」
「そうであろう!だから、この世から引退して……」
「それは、本当に女神クローティア様の教えでしょうか?」
「なにっ⁉」
「女神様は平等にガイアースの恵みを、みんなに分け与えてくれているとの教えですよね?」
「ああ……」
「でしたら、わたし達の都合で聖女様を殺し、次世代の聖女様を強引に生み出す行為は間違っていませんか?」
「だが、聖教国はどこよりも……」
「団長!我々は誇り高きテンプルナイトではありませんか?」
「むぐぐぐ!」
ヴァンデインは、部下の言葉に何も言えなくなってしまったのである。しかしながら、権勢の誇っていた聖教国を取り戻したいという気持ちも大きく持っていたのである。
「だが、どうすれば前のように強い聖教国になるのだ?今のままでは、女神様の教えを布教するには説得力はないままであるぞ」
「それはわたし達の想いを、聖女様や司教様に知ってもらうのがいいと思います!」
「馬鹿な!知ってもらって何が出来るのだ?」
「それは、ちゃんと話し合うべきです!今の聖女様は、監禁から放たれたばかりで、弱気になるのも無理はありません!」
「だからこそ新たな聖女を誕生させ、教皇猊下を復活させることにより、政権を取り戻した方がいいのであろう!監禁され何もわからないような聖女より頼りになるではないか!」
これら一連の会議を、ローゼリアは天井裏に潜みずっと聞いていたのである。
(これは……聖教国も一波乱ありそうね……あの部下が、団長を説き伏せる事が出来たなら大丈夫だけど……)
その話をずっと聞いていた、ローゼリアの背後に影が現れたのだった。その少し揺らいだ空気に、ローゼリアはハッとして飛びのいた。
シャッという、音にギリギリローゼリアは飛びのき、刃物からの攻撃を回避したのである。
「だ、誰だ!」
部屋にいたテンプルナイトは、その物音にやっと気づいたのである。
「団長っ!曲者です‼」
「絶対に逃がすな!殺してでも逃がしてはならぬぞ!」
兵舎にサイレンが鳴り、ローゼリアは屋根裏から屋根に這い上がったのである。
「くっ……まさか、気づかれるとは!」
「お前はどこの回し者だ!」
「言わねばどうなるかわからぬぞ!」
屋根の上には、テンプルナイトの斥侯部隊が、ローゼリアを取り囲んでいたのである。
(ご主人様……ごめんなさい……やっぱり私は役立たずです)
斥侯部隊は、ローゼリアに向かって一瞬に間合いを詰めたのである。しかしながら、ローゼリアもギリギリでかわしたのである。黒装束だけが切り刻まれるのであった。
「なかなかしぶといなあ!」
(あの刃物に触れては駄目だ……)
ローゼリアは毒のエキスパートでもあり、この暗がりでも刃物に塗られている毒に気づいたのである。
即死系の毒ならば、ご主人様の情報が漏れることは無いが、麻痺系の毒ならば生け捕りにされて何をされるかわからないのである。
ローゼリアは、犯罪奴隷であり自害が出来ないのである。殺された方がローゼリアにとって都合がいいが、即死系の毒とはこの段階ではわからないので、今は隙を見て逃走しないとケンジに迷惑がかかるのである。
すると、ジリジリ間合いを詰められ、ローゼリアは3人の斥侯部隊から攻撃を受けるのである。しかし、ローゼリアもレベルが急上昇しており諜報員としての実力が上がっており、何とかしのいでいたのである。
「なんだコイツは?」
「全然攻撃が当たらない!」
「く、くっそぉ!」
ローゼリアは、余裕とは言わないがギリギリ回避していたのである。ローゼリアは、あくまでも諜報部隊として行動していたため、攻撃を繰り出していなかったのである。
「皆でかかるのだ!」
ヴァンデインが、号令をかけたのである。するとローゼリアに向かってきていた3人は、後ろに飛びのいたのである。
その時、無数の矢がローゼリアに襲い掛かったのである。
「うぐっ!」
ローゼリアは、回避したのだが一本の矢が腕を貫いたのである。
「よくやった!今のうちに確保するのだ!」
ヴァンデインは、大声で指示を出し斥侯部隊に指示を飛ばした。それと同時に、ローゼリアに襲い掛かったのである。
(ご、ご主人様!ごめんなさい……)
「わはははは!賊め!テンプルナイトの兵舎に忍び込むから、こんな事になるのだ!後悔して死ねぇ~~~~~!」
ローゼリアは、腕を押さえながら出血を抑え、このまま殺されると諦め両目をつむったのである。
「ご主人様の役に立たなきゃ!」
ローゼリアは、ケンジに感謝していたのだった。本来なら犯罪奴隷となり、その後は軽くても鉱山送りになり死ぬまで強制労働となるはずであった。だが、元王国諜報部隊の失敗は死を意味する為、表舞台には出れず裏の世界で始末されるのが関の山だったのだ。
しかし、ケンジに引き取られ犯罪奴隷にもかかわらず、貴族以上の暮らしを保証してくれて、錬金薬師として生きる希望を与えられたのである。
その恩に報いる為にも、ブラックスペンサーの時の経験を活かし、情報を持ち帰ろうと思ったのである。
ローゼリアは、まだ10歳の少女で身軽で小さな隙間にも身をひそめる事が出来て、隠密行動に最適だったのである。
そして、その小さい体で屋根から屋根へ飛び移り、屋根裏に身を潜む事に成功したのである。
すると、そこにはテンプルナイトの会議室であり、団長と隊長があつまり聖女や司教のリーダーとしての素質を話していたのだった。
「聖教国はもっと、気高くなくてはいけない!我々はクローティア様を信仰し世界を平和に導く、先行者としての役割があるのだ。なのに、あんなぽっと出のFreedomにその立場を奪われ、今では聖教国は言いなりになっている……」
「ですが、女神様と交信できる人間が聖女様だけじゃなく、あのケンジも女神様と交信どころか友人とまで……」
「そんな事は、どうでも良いと思わんか?」
「どういう事でしょうか?」
「つまり、聖教国のトップである聖女の立場が弱いから、Freedomにいいように扱われるのだ!聖女もケンジも同じ交信が出来るとというのに、なんで媚びへつらわねばならんのだ!」
「「「「な、なるほど!」」」」」
「聖女さえ、もっと堂々と威信ある態度で臨んで交渉できれば、我々もこんな惨めな、境遇にならずにいられたものを!」
「ですが、聖女はこの世に一人しか生まれませんよ?」
「だから、聖女にはこの世から引退してもらえばいいんだ!その為には、新たな教皇猊下や大司教様の復活してもらい、我々の指導者になってもらうのだ。そして、聖女が死亡したら聖女の素質を持った者に移る事になる」
「な、なるほど!次の聖女が毅然とした態度の先行者になっていただくのですね」
「そういう事だ!」
「団長!ちょっとお待ちください‼聖女様といえば、女神様のお言葉を聞くようなお人ですが、殺してしまって本当に大丈夫なのですか?」
「そうですよ!そういう事はもっと慎重に行動した方が……」
「では、貴様たちはこのまま聖教国が威信が無くなり、他の国の言いなりになっても良いというのか?」
「そうはいっておりません!教皇猊下も大司教も聖女様を監禁し、聖教国は今まで本来の役目ができず、金の権化のようになっていたではありませんか?」
「それはそうだが……前の聖教国は威信に溢れ、間違いなく大陸に権勢を誇っていたではないか?」
「だからこそ、もっと慎重に考えるべきだと思うのです!」
「では、どうすればよいのだ?」
「わたしは、今の聖女は確かに頼りないと思います!」
「そうであろう!だから、この世から引退して……」
「それは、本当に女神クローティア様の教えでしょうか?」
「なにっ⁉」
「女神様は平等にガイアースの恵みを、みんなに分け与えてくれているとの教えですよね?」
「ああ……」
「でしたら、わたし達の都合で聖女様を殺し、次世代の聖女様を強引に生み出す行為は間違っていませんか?」
「だが、聖教国はどこよりも……」
「団長!我々は誇り高きテンプルナイトではありませんか?」
「むぐぐぐ!」
ヴァンデインは、部下の言葉に何も言えなくなってしまったのである。しかしながら、権勢の誇っていた聖教国を取り戻したいという気持ちも大きく持っていたのである。
「だが、どうすれば前のように強い聖教国になるのだ?今のままでは、女神様の教えを布教するには説得力はないままであるぞ」
「それはわたし達の想いを、聖女様や司教様に知ってもらうのがいいと思います!」
「馬鹿な!知ってもらって何が出来るのだ?」
「それは、ちゃんと話し合うべきです!今の聖女様は、監禁から放たれたばかりで、弱気になるのも無理はありません!」
「だからこそ新たな聖女を誕生させ、教皇猊下を復活させることにより、政権を取り戻した方がいいのであろう!監禁され何もわからないような聖女より頼りになるではないか!」
これら一連の会議を、ローゼリアは天井裏に潜みずっと聞いていたのである。
(これは……聖教国も一波乱ありそうね……あの部下が、団長を説き伏せる事が出来たなら大丈夫だけど……)
その話をずっと聞いていた、ローゼリアの背後に影が現れたのだった。その少し揺らいだ空気に、ローゼリアはハッとして飛びのいた。
シャッという、音にギリギリローゼリアは飛びのき、刃物からの攻撃を回避したのである。
「だ、誰だ!」
部屋にいたテンプルナイトは、その物音にやっと気づいたのである。
「団長っ!曲者です‼」
「絶対に逃がすな!殺してでも逃がしてはならぬぞ!」
兵舎にサイレンが鳴り、ローゼリアは屋根裏から屋根に這い上がったのである。
「くっ……まさか、気づかれるとは!」
「お前はどこの回し者だ!」
「言わねばどうなるかわからぬぞ!」
屋根の上には、テンプルナイトの斥侯部隊が、ローゼリアを取り囲んでいたのである。
(ご主人様……ごめんなさい……やっぱり私は役立たずです)
斥侯部隊は、ローゼリアに向かって一瞬に間合いを詰めたのである。しかしながら、ローゼリアもギリギリでかわしたのである。黒装束だけが切り刻まれるのであった。
「なかなかしぶといなあ!」
(あの刃物に触れては駄目だ……)
ローゼリアは毒のエキスパートでもあり、この暗がりでも刃物に塗られている毒に気づいたのである。
即死系の毒ならば、ご主人様の情報が漏れることは無いが、麻痺系の毒ならば生け捕りにされて何をされるかわからないのである。
ローゼリアは、犯罪奴隷であり自害が出来ないのである。殺された方がローゼリアにとって都合がいいが、即死系の毒とはこの段階ではわからないので、今は隙を見て逃走しないとケンジに迷惑がかかるのである。
すると、ジリジリ間合いを詰められ、ローゼリアは3人の斥侯部隊から攻撃を受けるのである。しかし、ローゼリアもレベルが急上昇しており諜報員としての実力が上がっており、何とかしのいでいたのである。
「なんだコイツは?」
「全然攻撃が当たらない!」
「く、くっそぉ!」
ローゼリアは、余裕とは言わないがギリギリ回避していたのである。ローゼリアは、あくまでも諜報部隊として行動していたため、攻撃を繰り出していなかったのである。
「皆でかかるのだ!」
ヴァンデインが、号令をかけたのである。するとローゼリアに向かってきていた3人は、後ろに飛びのいたのである。
その時、無数の矢がローゼリアに襲い掛かったのである。
「うぐっ!」
ローゼリアは、回避したのだが一本の矢が腕を貫いたのである。
「よくやった!今のうちに確保するのだ!」
ヴァンデインは、大声で指示を出し斥侯部隊に指示を飛ばした。それと同時に、ローゼリアに襲い掛かったのである。
(ご、ご主人様!ごめんなさい……)
「わはははは!賊め!テンプルナイトの兵舎に忍び込むから、こんな事になるのだ!後悔して死ねぇ~~~~~!」
ローゼリアは、腕を押さえながら出血を抑え、このまま殺されると諦め両目をつむったのである。
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