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第9章 Freedom国の発展!
103話 聖教国の行方
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聖女達が帰っていった後、ケンジは錬金工房に行こうとしたのだが、マイとムシュダルク達に呼び止められたのである。
「ケンちゃんちょっと待って!」
「どうかしたのか?」
「ムシュダルクさんも気づいているけど、テンプルナイトの事ケンちゃんは気づいているんでしょ?これからどうするつもりなの?」
「どうするも何も……何を言っているんだよ?」
「ケンジ様……惚けても無駄ですよ。ここにいる人間全員気づいてますって!対策を今から立てて、用心した方がよろしいです」
「主!ムシュダルクさんの言う事が正しいと、わたしもそう思います」
「ギルまでなんだよ?」
「ケンちゃん……帰り際のあのヴァンデインの目を、みんな気づいているから隠しても無駄だって!」
「いや、惚けているつもりはないよ。あんな、あからさまな目で睨まれて分からない方がどうかしているよ」
「だったら、どうにかした方が!」
「ムシュダルクさん、じゃあ聞きますが実際今の状況で、俺達が何か出来ると考えているんですか?」
「だから、その対策を!」
「そんなの時間の無駄ですよ!」
「ケンちゃん!何を言ってんのよ!」
「マイも聞いてくれ!実際、ヴァンデインや聖教国はFreedomに何かやったのか?聖女は、ツバキにちゃんと謝罪をしたじゃないか?」
「それは……そうだけど!実際あの目は危険な目よ?」
「だけど、実際テンプルナイトがFreedomに、なにかしようにもなにもできないだろ?言ってみたらFreedom国は、3大国の軍勢をたった一日で退けているんだ!今更、テンプルナイトだけでどうにかできる訳ないじゃないか」
「それはそうですけども……」
「俺達Freedomが、気をつけなきゃいけないのではなく、対策を建てなきゃいけないのは聖女達だよ」
「「「「えっ?」」」」
「いいか?みんなもよく考えてくれよ。あのヴァンデインが、蹄鉄を欲しがっているのは明らかだろ?聖女に理由を説明して、蹄鉄を納品させて軍部を強化させたいだけなんだよ」
「そうですね……」
「それにより伝達を早くしたり、行動を俊敏に起こす事でテンプルナイトは再起したいんだよ」
「はっ⁉」
「要はな、ヴァンデインは今の聖教国のトップに不満なんだよ!Freedomを一時は攻め落とそうとしたのに、今はその相手の言いなりじゃないか?」
「た、確かに……」
「ヴァンデインは、もっと強い指導者を望んでいるんだよ。聖教国はティアさんを信仰して、気高い国としていないといけないと思っているからこそ、気をつけないといけないのは聖女の方なんだよ」
「そ、それでは……」
「ああ!俺達は今の所何もすることが出来ないって事だよ。サファイアが、神鋼魔石を採掘できるようになれば、まだ融通が出来るんだが、今のとこ俺達が何かできるとは思えないよ」
「だったら、そのことを!」
「マイ……だから、俺は聖女にヴァンデインを降格させろと、アドバイスを送ったじゃないか?」
「それは、そうだけど……」
「もし、Freedomが何か対策をたてる事になるとしたら、聖教国が軍部に指導権を取られた後になるよ」
「「「「「えええ~~~~~!」」」」」
「まあ、その時には聖教国は滅亡すると思うけどな」
「なんでよ!」
「そんなの当り前じゃないか?」
「ケンジ様、そのあたりがよくわからないのですが……」
「そんなの考えなくとも簡単だよ!Freedomにいいように言われ続けられ、軍部は聖教国の威信を取り戻そうとするからだよ!」
「……」
「そうなった時、テンプルナイト達はまた、Freedom国に攻め込んでくるはずだが……」
「来たらどうなるのよ?」
「そんなの決まっているじゃないか!なあ、ツバキ?」
「その時は、わたし達アラクネ部隊が容赦しません!」
ケンジの目線の先には、いつの間にかツバキがたっていたのである。
「でも、相手はテンプルナイトじゃない!ツバキ達には、不利な戦いになるに決まってるでしょ?テンプルナイトの特性を忘れたの?」
「いや、その時にはテンプルナイトの、その特性はなくなっていると思うよ」
「どうしてそんなことが言えるのよ!」
「そうですよ!ケンジ様にはなにがわかるのですか?」
「テンプルナイトは、神に仕える騎士だよ?女神の加護を持っているから、魔物に強い特性を持っているんだよ。だが、政権を奪う為にまた聖女に危害を加えるなんて愚の骨頂だよ。その時にはティアさんは今度こそ、聖教国を見限るはずだよ!」
「そ、それは本当ですか?」
「まあ、知らんけど!」
「知らんけどって……そんな無責任な事を言わないでくださいよ!」
「無責任ってムシュダルクさん……所詮は聖教国の事ですよ?俺達Freedomには関係の無いことですよ。関係が出てくるとしたら、ちょっかいを掛けられた時ですよ?」
「ですが、女神様に見限られるだなんて、この先世界はどうなると思うのですか?」
「いやいや……見限られるのは聖教国だよ。それ以上でもそれ以下でもないよ」
「えっ⁉」
「何回も言うが、Freedomには関係ないって事だよ。俺達は後ろめたいことをせず、自分達の事をしてたらいいってことだよ」
「ですが、女神様に見限られるって事は……」
なぜこんなにも、ムシュダルク達が聖教国がクローティアに見限られる事に拘るかと言うと、ここガイアースでは誰もが普通に子供のころから、神様と言う概念が根付いているからである。
女神クローティア様のおかげで、ガイアースの恵みがありそのおかげで、人間達が生活できていると思っていたからである。
ケンジは、ここガイアースに転移してきてまだ5年そこそこであり、みんなの気持ちがピンときていなかったのである。そして、マイまでそんな気持ちになっているとは、ケンジにとってカルチャーショックだったのである。
「マイまで何?そんなに不安になってんだよ……」
「だって、女神様に人間が見限られるんだよ?不安でしょうがないじゃない!女神様の恩恵が無くなったら……」
「だから、恩恵が無くなるとしたら、そういった愚かな行動をしたテンプルナイトになると言ったんだよ。人間全てって言ってないじゃないか!」
「ケンちゃん知らないの?女神様の恩恵は、人間や魔物や植物全てに平等に与えられているのよ」
「ああ!そういう考え方なんだ」
「って事はだよ?見限られた人間が出たとしたら、みんな平等に見限られるかもしれないじゃない!」
「そんなわけあるか!ティアさんは、そんな容赦のない女神様なわけないだろ?マイだって、ティアさんからこの世界に転生させてもらったんじゃねえか。普通ならそんな機会さえ与えてもらえないのはわかるだろ?」
ケンジにそう言われて、マイはハッとなり、すんなり納得できたのだった。
「た、確かにそうか……」
「マイは、この世界に来て20年近くの経験があるから、そのことに囚われすぎなんだよ。多分だが、人類が女神様に見限られる事になるなら、とっくに見限られているよ」
「ケンジ様、それはどういう意味ですか?」
「そんなの当り前じゃないか。ガイアースに暮らす人類が、こんだけ女神様を信仰しているんだろ?ティアさんからしたら、人類は子供のようなものだ。それなのに、貴族や平民や奴隷と区別し、獣人は差別対象にしてやりたい放題じゃないか!」
「確かに……」
「そんな歴史を、何千年とやってきている人類ならとっくに見限られていて、俺がこのガイアースに転移なんかさせられていないよ」
「それって……」
「まあ、俺が転移してほしいとティアさんから頼まれたことからして、人類は見限られることは無いよ」
ケンジの言う通り、クローティは人類を見限る事はなかったのである。もし見限るならとっくに見限り、地球から転移させないで魔素の供給を止めれば、今の生態圏が全部滅亡し、新しく魔素を頼らない生態圏へと変化するからである。
そのことから、ケンジの予想通りであり間違った行動をしたら、テンプルナイトに天罰として恩恵が無くなるだけと推測されるのである。
「だから、俺達は胸を張れるような人生を送ればいいんだよ」
「わ、分かりました」
ケンジは、そのように説明してマイ達を安心させたのである。そして、聖教国には軍部が暴走しない様に、個人的にアドバイスを送って、聖女達が犠牲にならない様に注意しようと思うのだった。
しかし、ケンジは関係ないと言っていたが、聖教国の今の体制が無くなるのは本意ではない為、ローゼリアに特別任務を与えたのであった。
「ケンちゃんちょっと待って!」
「どうかしたのか?」
「ムシュダルクさんも気づいているけど、テンプルナイトの事ケンちゃんは気づいているんでしょ?これからどうするつもりなの?」
「どうするも何も……何を言っているんだよ?」
「ケンジ様……惚けても無駄ですよ。ここにいる人間全員気づいてますって!対策を今から立てて、用心した方がよろしいです」
「主!ムシュダルクさんの言う事が正しいと、わたしもそう思います」
「ギルまでなんだよ?」
「ケンちゃん……帰り際のあのヴァンデインの目を、みんな気づいているから隠しても無駄だって!」
「いや、惚けているつもりはないよ。あんな、あからさまな目で睨まれて分からない方がどうかしているよ」
「だったら、どうにかした方が!」
「ムシュダルクさん、じゃあ聞きますが実際今の状況で、俺達が何か出来ると考えているんですか?」
「だから、その対策を!」
「そんなの時間の無駄ですよ!」
「ケンちゃん!何を言ってんのよ!」
「マイも聞いてくれ!実際、ヴァンデインや聖教国はFreedomに何かやったのか?聖女は、ツバキにちゃんと謝罪をしたじゃないか?」
「それは……そうだけど!実際あの目は危険な目よ?」
「だけど、実際テンプルナイトがFreedomに、なにかしようにもなにもできないだろ?言ってみたらFreedom国は、3大国の軍勢をたった一日で退けているんだ!今更、テンプルナイトだけでどうにかできる訳ないじゃないか」
「それはそうですけども……」
「俺達Freedomが、気をつけなきゃいけないのではなく、対策を建てなきゃいけないのは聖女達だよ」
「「「「えっ?」」」」
「いいか?みんなもよく考えてくれよ。あのヴァンデインが、蹄鉄を欲しがっているのは明らかだろ?聖女に理由を説明して、蹄鉄を納品させて軍部を強化させたいだけなんだよ」
「そうですね……」
「それにより伝達を早くしたり、行動を俊敏に起こす事でテンプルナイトは再起したいんだよ」
「はっ⁉」
「要はな、ヴァンデインは今の聖教国のトップに不満なんだよ!Freedomを一時は攻め落とそうとしたのに、今はその相手の言いなりじゃないか?」
「た、確かに……」
「ヴァンデインは、もっと強い指導者を望んでいるんだよ。聖教国はティアさんを信仰して、気高い国としていないといけないと思っているからこそ、気をつけないといけないのは聖女の方なんだよ」
「そ、それでは……」
「ああ!俺達は今の所何もすることが出来ないって事だよ。サファイアが、神鋼魔石を採掘できるようになれば、まだ融通が出来るんだが、今のとこ俺達が何かできるとは思えないよ」
「だったら、そのことを!」
「マイ……だから、俺は聖女にヴァンデインを降格させろと、アドバイスを送ったじゃないか?」
「それは、そうだけど……」
「もし、Freedomが何か対策をたてる事になるとしたら、聖教国が軍部に指導権を取られた後になるよ」
「「「「「えええ~~~~~!」」」」」
「まあ、その時には聖教国は滅亡すると思うけどな」
「なんでよ!」
「そんなの当り前じゃないか?」
「ケンジ様、そのあたりがよくわからないのですが……」
「そんなの考えなくとも簡単だよ!Freedomにいいように言われ続けられ、軍部は聖教国の威信を取り戻そうとするからだよ!」
「……」
「そうなった時、テンプルナイト達はまた、Freedom国に攻め込んでくるはずだが……」
「来たらどうなるのよ?」
「そんなの決まっているじゃないか!なあ、ツバキ?」
「その時は、わたし達アラクネ部隊が容赦しません!」
ケンジの目線の先には、いつの間にかツバキがたっていたのである。
「でも、相手はテンプルナイトじゃない!ツバキ達には、不利な戦いになるに決まってるでしょ?テンプルナイトの特性を忘れたの?」
「いや、その時にはテンプルナイトの、その特性はなくなっていると思うよ」
「どうしてそんなことが言えるのよ!」
「そうですよ!ケンジ様にはなにがわかるのですか?」
「テンプルナイトは、神に仕える騎士だよ?女神の加護を持っているから、魔物に強い特性を持っているんだよ。だが、政権を奪う為にまた聖女に危害を加えるなんて愚の骨頂だよ。その時にはティアさんは今度こそ、聖教国を見限るはずだよ!」
「そ、それは本当ですか?」
「まあ、知らんけど!」
「知らんけどって……そんな無責任な事を言わないでくださいよ!」
「無責任ってムシュダルクさん……所詮は聖教国の事ですよ?俺達Freedomには関係の無いことですよ。関係が出てくるとしたら、ちょっかいを掛けられた時ですよ?」
「ですが、女神様に見限られるだなんて、この先世界はどうなると思うのですか?」
「いやいや……見限られるのは聖教国だよ。それ以上でもそれ以下でもないよ」
「えっ⁉」
「何回も言うが、Freedomには関係ないって事だよ。俺達は後ろめたいことをせず、自分達の事をしてたらいいってことだよ」
「ですが、女神様に見限られるって事は……」
なぜこんなにも、ムシュダルク達が聖教国がクローティアに見限られる事に拘るかと言うと、ここガイアースでは誰もが普通に子供のころから、神様と言う概念が根付いているからである。
女神クローティア様のおかげで、ガイアースの恵みがありそのおかげで、人間達が生活できていると思っていたからである。
ケンジは、ここガイアースに転移してきてまだ5年そこそこであり、みんなの気持ちがピンときていなかったのである。そして、マイまでそんな気持ちになっているとは、ケンジにとってカルチャーショックだったのである。
「マイまで何?そんなに不安になってんだよ……」
「だって、女神様に人間が見限られるんだよ?不安でしょうがないじゃない!女神様の恩恵が無くなったら……」
「だから、恩恵が無くなるとしたら、そういった愚かな行動をしたテンプルナイトになると言ったんだよ。人間全てって言ってないじゃないか!」
「ケンちゃん知らないの?女神様の恩恵は、人間や魔物や植物全てに平等に与えられているのよ」
「ああ!そういう考え方なんだ」
「って事はだよ?見限られた人間が出たとしたら、みんな平等に見限られるかもしれないじゃない!」
「そんなわけあるか!ティアさんは、そんな容赦のない女神様なわけないだろ?マイだって、ティアさんからこの世界に転生させてもらったんじゃねえか。普通ならそんな機会さえ与えてもらえないのはわかるだろ?」
ケンジにそう言われて、マイはハッとなり、すんなり納得できたのだった。
「た、確かにそうか……」
「マイは、この世界に来て20年近くの経験があるから、そのことに囚われすぎなんだよ。多分だが、人類が女神様に見限られる事になるなら、とっくに見限られているよ」
「ケンジ様、それはどういう意味ですか?」
「そんなの当り前じゃないか。ガイアースに暮らす人類が、こんだけ女神様を信仰しているんだろ?ティアさんからしたら、人類は子供のようなものだ。それなのに、貴族や平民や奴隷と区別し、獣人は差別対象にしてやりたい放題じゃないか!」
「確かに……」
「そんな歴史を、何千年とやってきている人類ならとっくに見限られていて、俺がこのガイアースに転移なんかさせられていないよ」
「それって……」
「まあ、俺が転移してほしいとティアさんから頼まれたことからして、人類は見限られることは無いよ」
ケンジの言う通り、クローティは人類を見限る事はなかったのである。もし見限るならとっくに見限り、地球から転移させないで魔素の供給を止めれば、今の生態圏が全部滅亡し、新しく魔素を頼らない生態圏へと変化するからである。
そのことから、ケンジの予想通りであり間違った行動をしたら、テンプルナイトに天罰として恩恵が無くなるだけと推測されるのである。
「だから、俺達は胸を張れるような人生を送ればいいんだよ」
「わ、分かりました」
ケンジは、そのように説明してマイ達を安心させたのである。そして、聖教国には軍部が暴走しない様に、個人的にアドバイスを送って、聖女達が犠牲にならない様に注意しようと思うのだった。
しかし、ケンジは関係ないと言っていたが、聖教国の今の体制が無くなるのは本意ではない為、ローゼリアに特別任務を与えたのであった。
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