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第9章 Freedom国の発展!
66話 親交の条件
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ケンジが、聖都を出た後、教会本部では聖女がトップに立ったのである。これは、女神クローティアが推薦した事もあり、すんなりと決まったのである。
聖女アリサは、教会の膿を排除するために奮闘したのである。まず、ギルドとの癒着を廃止、今までのようにギルドから、各教会に汚染水の依頼を受ける事を廃止したのである。
これには、浄化する人員が減ってしまい、今までのようにギルドが言ってきた時に、すぐ活動が出来なくなってしまったのである。
公共の公衆便所の浄化ぐらいしか出来なくなってしまい、貴族街から下水道を使った汚水処理が頻繁に出来なくなり、教会のペースで受注する事にしたのである。
そして、聖女アリサはケンジに聖都でも、支店を開店して欲しいとお願いしたのである。
Freedom国では、ケンジがやっと落ち着いて錬金術のスキルを上げていた所に、聖都から書簡が届いたのである。
「ケンジ様!聖都のアリサ様から書簡が届きました」
「えっ?聖都から?手紙を見せてくれ」
ケンジは、すぐに手紙に目を通すのだった。そして、ケンジはやっとか!と思い、笑みを浮かべるのであった。
「何が書いてあったのですか?」
「ムシュダルクさん!アリサから支店開店の要請だよ!」
「え?聖都にも、支店を開店させるおつもりですか?」
「ああ!聖女直々の要請だ!俺はこうなるのを待っていたんだよな!」
「でも、何で待っていたのですか?ケンジ様なら、そんな要請なくとも勝手に支店を開けるのでは?」
「いやいやいや……そんな事したら聖都にはギルド総本部があるじゃないか!どんな嫌がらせがあるか、わからないだろ?でも、マルシェイム聖教国直々の要請だ!」
「な、なるほど……」
「これで、俺の要望が有利に働き、ギルドを追い詰める事が出来るからな!ずっとこうなるのを待っていたんだよ」
「ケンジ様は、ギルドをどのようにしたいのですか?」
「今は、大陸中に存在するギルドだからな……町にはギルドが必要なんだが、聖教国の教皇みたいに上が腐っていると思うんだよ。それをなんとかしたいんだよな……」
「それは難しそうですね……」
「だろ?俺は今回の戦争で、その責任を取ってもらいギルドを潰すと書簡で送ったんだよ。それには聖国の、この要請を俺は待っていたんだ。たぶん今回の事で、教皇から聖女にトップが変わったから、ギルドは聖国から切り離されたはずだよ」
「なんでわかるのですか?」
「教会側は、癒着や賄賂不正などやっている暇など無いからだよ。毎朝のお祈りや質素な生活を送らないと、信仰心のスキルが身につかないからな!これはティアさんが聖女を通して啓示されたはずだからな」
「な、なるほど……でも、それがどのようにしてギルドと繋がるのですか?」
「何言ってんだよ。聖教国直々にFreedomにお願いしに来たんだよ?俺は、この戦争で聖教国に対してなんのペナルティーも課してないんだ!支店を開業するにあたって、こちらの言い分が通りやすい状況下にあるだろ?」
「な、なるほど!それでギルド総本部に対してなにかするわけですな?」
「まあ……この行為が、聖国とFreedom国の癒着みたいに思えるけどな。あははははは!」
「た、確かに……」
「まあ、ギルド総本部よりFreedom店にある商品の方が、聖国には魅力的という事なんだけどな!」
ケンジの言葉に、ムシュダルクは何も言えないのが正直な感想だった。ケンジは、ギルドに対して何をするのか全然わからなかったのである。
ムシュダルクは、ケンジの笑みを何回も見てきたが、今回の戦争で、キキョウを戦死させた事を絶対に許さないはずなのだ。だからか、いつも余裕がある笑みではなく、徹底的に攻めるような緊迫感が感じ取れるのだった。
この様子を見たムシュダルクは、ギルドは本当に馬鹿な事をしたんだと哀れに思うのだった。
そして、ケンジはギル達と共に、マルシェイム聖教国に出向くのである。
「アリサさん、お久しぶりですね!」
「早速、訪問して頂きありがとうございます!早速で申し訳ありませんが、本題に入らせていただきます。それでFreedom支店の方は、聖教国に開店して頂けますか?」
「そのことなのですが……Freedom店は王国領で、メイガン商会のある町に出していきたいと思っているのです。ですから……」
「ちょっと待ってください‼それは、聖教国には出せないと?」
「何故、出して貰えると?」
「ですが、女神クローティア様が降臨した時に親交してもらえると!」
「ええ!そうですね。親交はさせていただきますよ。ですが、それは俺から動く事じゃないですよね?支店はここからなら、王都支店を利用してくれればいいわけですし!」
「そっ!それでは、聖国の平民達では、買いに行くだけで出費がかさみ利用できないのです!」
「……」
ケンジは怪訝な顔をして、聖女アリサを黙って見つめるだけであった。
「黙って見つめてなんなんですか?」
「貴方は、自分の立場というものを、ちゃんと考えて行動した方が良いよ。早速本題に移り、自分の言いたい事しか言わないのであれば、この交渉は他の人にやってもらった方が良いと思うよ」
「えっ⁉」
「いいですか?俺は聖国と親交すると思ったから、こうしてわざわざ足を運んだんだ。これは俺の方が、早く着けると思ったからだ。本来なら、戦争で迷惑をかけたほうが足を運ぶものだろ?貴方達が、迷惑をかけた国にお願い事をするんだぞ?」
「あっ……」
「俺はティアさんから、聖国を頼みますと言われていたからな。本来なら書簡が届いても、俺から動く必要は全くないんだよ?」
「申し訳ございません!」
聖女アリサは、ケンジの言っている事が、ようやく理解できたのである。
「いいですか?この事で親交をすると言っても、関係は0になったわけではなく、聖国の信頼はマイナス状態なのを分かっていないといけないんだよ。これから何年も続く親交で、聖国はFreedomとの信頼を構築していかなければいけないんだ」
「はい……」
アリサは、聖国の状況を早くなんとしたいが為に、焦り過ぎていたのである。それと、アリサは長年教皇に監禁されていたため、人との交流が苦手となっていたのだ。いきなり聖国のトップとなり、自分の言いつけに意見をする、他人がいないのもその原因の一つであった。
そして、ケンジは席を立とうとしたのである。それを見たアリサは慌てて、ケンジが帰ろうとするのを止めたのである。
「ケンジさん!申し訳ございません!謝罪しますから帰らないでください。お願いします!話を聞いて下さいませんか?」
「話とはなんですか?というか、まずそれを話さないといけないんですよ!」
「はい……」
ケンジは、席に座り直したのである。それを見たアリサは、ホッとしてため息をつくのだった。
「それで、話とは?」
ここまで来たらわかっていると思うが、これは全てケンジのシナリオ通りである。これから、アリサが言う事もケンジは全てわかっているのである。その上で、自分が有利に進む様に駆け引きをしていたのである。
「聖教国では今、聖職者育成中でヒーラーも全くいなくなってしまいました。どうか、ケンジさんの商品で、この聖教国を助けてくださいませんか?」
「……」
「今、教会本部からの汚水処理の依頼を、ギルドを通さずそのまま各教会に発注しているのですが、聖職者の人員が全然足りないのです」
「つまり、今まではギルドと教皇が繋がり、汚染水の依頼がギルドに中間マージンとして流れていた資金を、そのまま各教会に発注して、横領を防ぐと言う事だな?」
「はい!その通りです」
「だけど、今度は聖属性の適性のある人員がいなくなった事で、汚染水の依頼が滞ったと!」
「はい!だから、ケンジさんの商品である便器を、聖教国でも広めてほしいのです」
「聖教国は聖都を含めていくつの都市があるんだ?」
「8都市ですね」
「聖都だけでもいいのか?」
「今、聖職者がいないのです!8都市ではいけませんか?」
「それは無理だな!時間がかかるし、いっぺんに増やしたら店がまわらなくなる。時間がかかってもいいなら検討してもいいが……」
「それでもいいです!本当に助かります」
「ただし条件があるけどいいか?」
「じょ、条件ですか?」
「ギルド総本部のトップ、役員の解散だ!心機一転、聖国も大変だろうが聖国の中にある、ギルド本部も建て直してほしい!」
「ケ、ケンジさん!本気で言っておられるのですか?」
「ああ!本気も本気!ギルドには頭にきてんだよな。ギルドに、書簡を送って潰してやると言ったしな!」
「ケンジさん……申し訳ございません……聖教国は、その提案に乗ることが出来ません……」
「えぇ~~~!乗らなかったら、俺も支店を出すの無理と言いますよ?」
「そ、それは!待ってください‼」
「ケンちゃん……それはあまりに可哀想だよ」
「マイまで、何を言っているんだよ。聖教国の言う事を無償で聞けって事か?」
「いや、そうじゃないよ!確かに聖教国と、ギルドは裏で教皇達が繋がっていたのは確かだけど、基本ギルドは国に左右されない独自の組織だよ」
「ってことは?」
「そう!いくら総本部が、聖教国の国の中にあるとはいえ、本部に手出しはできないのよ」
「まじかよ……」
「つまり、ケンちゃんのFreedom店と同じだよ。Freedomも、ギルドとは関係ないからギルドが手出しできないでしょ?聖教国はもちろん王国や帝国も、ギルド組織に口出しは出来ないって事よ」
「なるほど……聖教国なら、何とかできるのかと思っていたよ……」
「じゃあ……聖教国には、支店を建ててもらえないのですか?」
「それじゃ、別の条件でもいいか?」
「別の条件……ですか?……」
「俺はこれから、聖教国に支店を作っていくようにするよ!」
「本当ですか!」
「まあ、待てよ!ただし、8都市全部は無理だ!いきなり店舗を増やしても、Freedomの人員が足りないからな!徐々に王国領の町を、優先的に増やしていく事にする」
「それでは、どういう条件を聞いたらいいのですか?」
「ここからが問題だ!王国領と聖教国領の二つの地域に支店が建っていく事になると、ギルドは多分Freedomを、今よりもっと目の敵にし出すはずだ。その時に、ギルドは何らかのアクションを起こすはずだから、その情報をこちらに回してくれると言うなら支店を建てて行こうと思う」
「本当に、そんな条件でいいのですか?」
「そんな条件と言うが大変だと思うぞ。今までのしがらみはある訳だろ?その協力を断り、Freedomにギルドをうるって事だぞ?」
「そんな事なら全然大丈夫ですよ!ギルドに、依頼を通さず汚水処理の依頼もなくしてしまったんだしね」
「そっか、それならいいのだが……」
(本当に大丈夫なのか?そんな能天気な事考えていて、大事な事を忘れていなきゃいいんだがな……まあ、俺には関係ないし良いか!)
ケンジは、聖教国とギルドのパイプを切ってしまう事に成功したのである。これにより、聖教国でFreedomが好き勝手やっても、ギルドが手出しできない様にしてしまったのである。
そして、ケンジの思っていた大事な事に、聖女アリサは気づいていなかったのだ。近い将来、聖教国はFreedomの約束した事と、大事な事の板挟みになり、聖教国は大混乱に陥る事となるのである。
聖女アリサは、教会の膿を排除するために奮闘したのである。まず、ギルドとの癒着を廃止、今までのようにギルドから、各教会に汚染水の依頼を受ける事を廃止したのである。
これには、浄化する人員が減ってしまい、今までのようにギルドが言ってきた時に、すぐ活動が出来なくなってしまったのである。
公共の公衆便所の浄化ぐらいしか出来なくなってしまい、貴族街から下水道を使った汚水処理が頻繁に出来なくなり、教会のペースで受注する事にしたのである。
そして、聖女アリサはケンジに聖都でも、支店を開店して欲しいとお願いしたのである。
Freedom国では、ケンジがやっと落ち着いて錬金術のスキルを上げていた所に、聖都から書簡が届いたのである。
「ケンジ様!聖都のアリサ様から書簡が届きました」
「えっ?聖都から?手紙を見せてくれ」
ケンジは、すぐに手紙に目を通すのだった。そして、ケンジはやっとか!と思い、笑みを浮かべるのであった。
「何が書いてあったのですか?」
「ムシュダルクさん!アリサから支店開店の要請だよ!」
「え?聖都にも、支店を開店させるおつもりですか?」
「ああ!聖女直々の要請だ!俺はこうなるのを待っていたんだよな!」
「でも、何で待っていたのですか?ケンジ様なら、そんな要請なくとも勝手に支店を開けるのでは?」
「いやいやいや……そんな事したら聖都にはギルド総本部があるじゃないか!どんな嫌がらせがあるか、わからないだろ?でも、マルシェイム聖教国直々の要請だ!」
「な、なるほど……」
「これで、俺の要望が有利に働き、ギルドを追い詰める事が出来るからな!ずっとこうなるのを待っていたんだよ」
「ケンジ様は、ギルドをどのようにしたいのですか?」
「今は、大陸中に存在するギルドだからな……町にはギルドが必要なんだが、聖教国の教皇みたいに上が腐っていると思うんだよ。それをなんとかしたいんだよな……」
「それは難しそうですね……」
「だろ?俺は今回の戦争で、その責任を取ってもらいギルドを潰すと書簡で送ったんだよ。それには聖国の、この要請を俺は待っていたんだ。たぶん今回の事で、教皇から聖女にトップが変わったから、ギルドは聖国から切り離されたはずだよ」
「なんでわかるのですか?」
「教会側は、癒着や賄賂不正などやっている暇など無いからだよ。毎朝のお祈りや質素な生活を送らないと、信仰心のスキルが身につかないからな!これはティアさんが聖女を通して啓示されたはずだからな」
「な、なるほど……でも、それがどのようにしてギルドと繋がるのですか?」
「何言ってんだよ。聖教国直々にFreedomにお願いしに来たんだよ?俺は、この戦争で聖教国に対してなんのペナルティーも課してないんだ!支店を開業するにあたって、こちらの言い分が通りやすい状況下にあるだろ?」
「な、なるほど!それでギルド総本部に対してなにかするわけですな?」
「まあ……この行為が、聖国とFreedom国の癒着みたいに思えるけどな。あははははは!」
「た、確かに……」
「まあ、ギルド総本部よりFreedom店にある商品の方が、聖国には魅力的という事なんだけどな!」
ケンジの言葉に、ムシュダルクは何も言えないのが正直な感想だった。ケンジは、ギルドに対して何をするのか全然わからなかったのである。
ムシュダルクは、ケンジの笑みを何回も見てきたが、今回の戦争で、キキョウを戦死させた事を絶対に許さないはずなのだ。だからか、いつも余裕がある笑みではなく、徹底的に攻めるような緊迫感が感じ取れるのだった。
この様子を見たムシュダルクは、ギルドは本当に馬鹿な事をしたんだと哀れに思うのだった。
そして、ケンジはギル達と共に、マルシェイム聖教国に出向くのである。
「アリサさん、お久しぶりですね!」
「早速、訪問して頂きありがとうございます!早速で申し訳ありませんが、本題に入らせていただきます。それでFreedom支店の方は、聖教国に開店して頂けますか?」
「そのことなのですが……Freedom店は王国領で、メイガン商会のある町に出していきたいと思っているのです。ですから……」
「ちょっと待ってください‼それは、聖教国には出せないと?」
「何故、出して貰えると?」
「ですが、女神クローティア様が降臨した時に親交してもらえると!」
「ええ!そうですね。親交はさせていただきますよ。ですが、それは俺から動く事じゃないですよね?支店はここからなら、王都支店を利用してくれればいいわけですし!」
「そっ!それでは、聖国の平民達では、買いに行くだけで出費がかさみ利用できないのです!」
「……」
ケンジは怪訝な顔をして、聖女アリサを黙って見つめるだけであった。
「黙って見つめてなんなんですか?」
「貴方は、自分の立場というものを、ちゃんと考えて行動した方が良いよ。早速本題に移り、自分の言いたい事しか言わないのであれば、この交渉は他の人にやってもらった方が良いと思うよ」
「えっ⁉」
「いいですか?俺は聖国と親交すると思ったから、こうしてわざわざ足を運んだんだ。これは俺の方が、早く着けると思ったからだ。本来なら、戦争で迷惑をかけたほうが足を運ぶものだろ?貴方達が、迷惑をかけた国にお願い事をするんだぞ?」
「あっ……」
「俺はティアさんから、聖国を頼みますと言われていたからな。本来なら書簡が届いても、俺から動く必要は全くないんだよ?」
「申し訳ございません!」
聖女アリサは、ケンジの言っている事が、ようやく理解できたのである。
「いいですか?この事で親交をすると言っても、関係は0になったわけではなく、聖国の信頼はマイナス状態なのを分かっていないといけないんだよ。これから何年も続く親交で、聖国はFreedomとの信頼を構築していかなければいけないんだ」
「はい……」
アリサは、聖国の状況を早くなんとしたいが為に、焦り過ぎていたのである。それと、アリサは長年教皇に監禁されていたため、人との交流が苦手となっていたのだ。いきなり聖国のトップとなり、自分の言いつけに意見をする、他人がいないのもその原因の一つであった。
そして、ケンジは席を立とうとしたのである。それを見たアリサは慌てて、ケンジが帰ろうとするのを止めたのである。
「ケンジさん!申し訳ございません!謝罪しますから帰らないでください。お願いします!話を聞いて下さいませんか?」
「話とはなんですか?というか、まずそれを話さないといけないんですよ!」
「はい……」
ケンジは、席に座り直したのである。それを見たアリサは、ホッとしてため息をつくのだった。
「それで、話とは?」
ここまで来たらわかっていると思うが、これは全てケンジのシナリオ通りである。これから、アリサが言う事もケンジは全てわかっているのである。その上で、自分が有利に進む様に駆け引きをしていたのである。
「聖教国では今、聖職者育成中でヒーラーも全くいなくなってしまいました。どうか、ケンジさんの商品で、この聖教国を助けてくださいませんか?」
「……」
「今、教会本部からの汚水処理の依頼を、ギルドを通さずそのまま各教会に発注しているのですが、聖職者の人員が全然足りないのです」
「つまり、今まではギルドと教皇が繋がり、汚染水の依頼がギルドに中間マージンとして流れていた資金を、そのまま各教会に発注して、横領を防ぐと言う事だな?」
「はい!その通りです」
「だけど、今度は聖属性の適性のある人員がいなくなった事で、汚染水の依頼が滞ったと!」
「はい!だから、ケンジさんの商品である便器を、聖教国でも広めてほしいのです」
「聖教国は聖都を含めていくつの都市があるんだ?」
「8都市ですね」
「聖都だけでもいいのか?」
「今、聖職者がいないのです!8都市ではいけませんか?」
「それは無理だな!時間がかかるし、いっぺんに増やしたら店がまわらなくなる。時間がかかってもいいなら検討してもいいが……」
「それでもいいです!本当に助かります」
「ただし条件があるけどいいか?」
「じょ、条件ですか?」
「ギルド総本部のトップ、役員の解散だ!心機一転、聖国も大変だろうが聖国の中にある、ギルド本部も建て直してほしい!」
「ケ、ケンジさん!本気で言っておられるのですか?」
「ああ!本気も本気!ギルドには頭にきてんだよな。ギルドに、書簡を送って潰してやると言ったしな!」
「ケンジさん……申し訳ございません……聖教国は、その提案に乗ることが出来ません……」
「えぇ~~~!乗らなかったら、俺も支店を出すの無理と言いますよ?」
「そ、それは!待ってください‼」
「ケンちゃん……それはあまりに可哀想だよ」
「マイまで、何を言っているんだよ。聖教国の言う事を無償で聞けって事か?」
「いや、そうじゃないよ!確かに聖教国と、ギルドは裏で教皇達が繋がっていたのは確かだけど、基本ギルドは国に左右されない独自の組織だよ」
「ってことは?」
「そう!いくら総本部が、聖教国の国の中にあるとはいえ、本部に手出しはできないのよ」
「まじかよ……」
「つまり、ケンちゃんのFreedom店と同じだよ。Freedomも、ギルドとは関係ないからギルドが手出しできないでしょ?聖教国はもちろん王国や帝国も、ギルド組織に口出しは出来ないって事よ」
「なるほど……聖教国なら、何とかできるのかと思っていたよ……」
「じゃあ……聖教国には、支店を建ててもらえないのですか?」
「それじゃ、別の条件でもいいか?」
「別の条件……ですか?……」
「俺はこれから、聖教国に支店を作っていくようにするよ!」
「本当ですか!」
「まあ、待てよ!ただし、8都市全部は無理だ!いきなり店舗を増やしても、Freedomの人員が足りないからな!徐々に王国領の町を、優先的に増やしていく事にする」
「それでは、どういう条件を聞いたらいいのですか?」
「ここからが問題だ!王国領と聖教国領の二つの地域に支店が建っていく事になると、ギルドは多分Freedomを、今よりもっと目の敵にし出すはずだ。その時に、ギルドは何らかのアクションを起こすはずだから、その情報をこちらに回してくれると言うなら支店を建てて行こうと思う」
「本当に、そんな条件でいいのですか?」
「そんな条件と言うが大変だと思うぞ。今までのしがらみはある訳だろ?その協力を断り、Freedomにギルドをうるって事だぞ?」
「そんな事なら全然大丈夫ですよ!ギルドに、依頼を通さず汚水処理の依頼もなくしてしまったんだしね」
「そっか、それならいいのだが……」
(本当に大丈夫なのか?そんな能天気な事考えていて、大事な事を忘れていなきゃいいんだがな……まあ、俺には関係ないし良いか!)
ケンジは、聖教国とギルドのパイプを切ってしまう事に成功したのである。これにより、聖教国でFreedomが好き勝手やっても、ギルドが手出しできない様にしてしまったのである。
そして、ケンジの思っていた大事な事に、聖女アリサは気づいていなかったのだ。近い将来、聖教国はFreedomの約束した事と、大事な事の板挟みになり、聖教国は大混乱に陥る事となるのである。
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