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第9章 Freedom国の発展!

56話 事情聴取

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 ケンジは会議室にて、これからの事を考えていたのである。まず王国・帝国・聖国には、それなりの責任を取ってもらわないと、こういう事が又起こる事になり、国民に迷惑がかかる事となるのである。

「ケンジ様!ちょっとよろしいでしょうか?」

「ムシュダルクさん、なにかあった?」

「ケンジ様は、本当に王国らに損害賠償だけ請求するつもりですか?確かに、現トップには辞任をしてもらうといいましたが、それだけでは甘いかと思います。やはりここは、強制的にFreedom国の傘下に入ってもらう方がよろしいと!」

「ケンちゃん!あたしも、ムシュダルクさんの意見に賛成だよ」

 周りにいたゴルゴン達も又頷いていたのだった。

「今の王族や大司教には、奴隷に堕ちてもらうか責任を取ってもらい処刑、その子供達に傘下に入ってもらい、統治するのがベストかと!」

「だが、それで納得すると思うか?」

「ケンジ様!これは納得とかじゃなく、敗戦国に選択できる事ではありませんよ。もし仮に、こちら側が負けていれば、ケンジ様は言い訳する事も出来ず、処刑されていたはずです」

「な、なるほど……」

「それに、王国の奴らは日頃の恩を忘れて、戦争を吹っ掛けてきたんです。王国に関しては、もっと厳しくしてもいいのではありませんか?」

「今日一日、考えさせてくれ!」

 ケンジは、何か思う事があり、神妙な顔つきになったのである。そして、捕虜となっている騎士団の所に、顔を出したのである。

「貴方達は、飛龍騎士団のメンバーだな?」

 ケンジの顔を見たメンバーは、全員隷属の首輪をつけられていたのである。これにより、もう逆らうことが出来なくなっていたのだった。

「「「「……」」」」

「あんた達は団長クラスのメンバーだ!王国は何故、この戦争に参加したのか聞かせていただきたい!」

「私は飛龍騎士団将軍、バートンと申す!このたびは生き残った者達を、治療してもらいありがとうございます」

 飛龍騎士団には、将軍クラスの捕虜もいたのである。これにはケンジも驚いたのである。

「俺達の実力は知っていたはずだ!なぜ、そんな無謀な賭けに出たんだ?」

 バートンの説明では、最初王国は連合に参加する事に迷っていて国王も反対していたが、宰相の提案に乗ってしまった事だった。ハヤテとツバキがいる事で、太刀打ちできない事を知っていたが、聖国のテンプルナイトをいる事で魔物はどうにでもなる事。
 後は、出来たばかりのFreedom国の戦力を考え、王国と帝国の兵士の数で押し切れると、算段が立てられたと説明をされた。
 ただ、想定外の出来事が、ケンジの策略と空気砲だったのである。

「最初、王太子であるキース様は、この戦争には断固反対されていましたが、国王は、宰相の言葉に乗ってしまったのです!」

「まあ、最初乗る気が無かったのはのは関係ないよ。結局は、国王自ら決定権を持ち、ゴーサインを出したんだからな!身の程知らな愚かな決断だよな?」

「うぐっ……」

「王国側の意見はよく分かったよ!これから貴方達は、Freedom国の捕虜だ!愚かな主君に就いていたと後悔して、これからはFreedom国の為に働いてくれ!」

 ケンジは、そう言って元飛龍騎士団のメンバーから去るのだった。そして、次は帝国のドラグーン騎士団のメンバーの所に顔を出したのだった。

「初めまして!俺は、この国の責任者のケンジと言います。話をさせてもらいます」

「私はドラグーン騎士団将軍、ブリュンデンバッハ=フーガ=ミルトンといいます。お見知りおきを!」

「帝国は何で、この戦争に参加したんだ?帝国と俺は殆ど接点はなかっただろ?」

「そんな事はありません!帝都では、Freedom国の事を以前から狙っていました。王国ばかり生活水準があがり、帝国でもあの商品があれば贅沢な暮らしが出来ると思い、今回の戦争でFreedom国を傘下に加えるつもりだったのです」

「はっ?」

「以前、ブリュンガスの生産ギルドが、テンペの町に交渉に来た時があったはずです。その時には、間髪入れず交渉を断られ、その時からケンジ様の事を、帝国は手に入れたいと思っていたのです」

「そんな前から⁉」

「はっ!」

 帝国は、メイガン商会の本店が移店した事はどうでもよかったのだ。ただ、この戦争で勝利しケンジの技術を手に入れ、経済の中心を帝都にしたかったのである。
 帝国一国では、Freedom国に勝てる見込みはなく、聖国から連合の話があり、それに乗ったにすぎなかったのである。
 ケンジは、話を聞いたかぎりでは、話の発端は聖国にあると分かったのである。

「話を聞かせてくれてありがとう!これからはFreedom国の為に死ぬまで働いてくれ」

「ぐっ……はい……承知しました」



「そうか……この元凶は聖国だったのか……だが、なぜ聖国がいまさら、従魔の魔物に対して、粛清を言い出したんだ?……」

 ケンジは、疑問に思いながら独り言を呟き、聖国のテンプルナイトの所に行くのだった。

「初めまして!俺はケンジと言います。話を聞かせてもらえるかな?」

「お初にお目に掛けます!私はテンプルナイト軍団長ハミル=ハーネストといいます。何でもお答えさせていただきます」

「世の中にはテイマーと言う職業があるのになぜ今更、俺が魔物を操り魔王のような存在とでっち上げたんだ?聖国側に言い分だと、テイマー全てが魔王と言う事になると思うんだが?」

「そ、それは……」

「納得のいく、説明をしてくれないか?」

「それは……あくまでも戦争を起こす為の口実です……テイマーなど、貴方様の存在が明らかになるまで、ゴブリン一匹従魔にできる役の立たない職業でしたからね」

「って事は、テイマーじゃない他の理由があるのか?」

「はい……実は、この戦争の本当の理由は、ギルド総本部が聖国に持ち込まれたものであります」

「ギルドが?」

「はい!ギルドはこの国に進出しようとしていたのですが、それを断られこの国独自のギルドが出来ていたことを知り、その上大陸中の商会の本店が、この国に集中し出している事が納得いかないようでした……」

「なんで、この国に本店が集中すると納得いかないんだ?」

「それは、本店の売り上げはその商会の売り上げが一番出ているからです。その売り上げの税金が、ギルドには全く入ってこなくなり事にあります。そして、ここの商品のせいでギルドの商品は、全く売れなくなる事を恐れたからです」

「だが、恐れると言っても、まだ王国内に5店舗だけだったんだぞ」

「それは、ケンジ様自身過小評価し過ぎでございます。その5店舗でさえ噂は広がり、大きな商会は本店を移したのですぞ。その売り上げだけでも、ギルドは脅威に感じるはずです。そして高ランクの冒険者の存在です。拠点をこの国に移した事で、他の町では高ランクの魔物の素材が集まらなくなっているのです!」

「な、なるほど……」

「その為、経済の中心がこの国になるのは時間の問題にも係わらず、ギルドはこの町に入り込めなかったのです。あのままではギルドは潰れる事となるのは明らかな為、この国を潰してしまう相談を受けたのです」

「ってことは、聖国はギルドと裏でつながっているって事か?」

「はい……ギルドからは、教会に汚染水の報酬を、優先的に確保されており受け取ってました」

 この汚染水とは、トイレの浄化の依頼である。貴族街から流れ出る汚水を川や池に流す前に、一時的にためておく場所を、クリーンの魔法で浄化し綺麗にする仕事を、一手に担っているのが教会であり聖国なのである。
 国からの補助金をかさ増して請求し、ギルドと聖国で山分けをしていたのだ。だが、ケンジの便器の存在が邪魔になってきたのである。
 今までなら、国から貴族ギルド、その依頼がギルドにまわされ、冒険者がFランク依頼として受け取っている形である。そして、下水道から流れた汚水は、教会側に依頼が出ていたのである。
 だが、ケンジの便器のおかげで5都市は、公衆便所の掃除だけとなってきて、この補助金がカットされてしまったのである。

 いずれ、Freedom国の店は大陸中に拡がる可能性があり、国から金が出なくなると、賄賂が無くなると思った聖国は、ギルドの提案にのったのである。

「つまりは、ギルドがこの戦争の発端であり、3国はそれに踊らされたわけだったんだ?」

「そのように、とらえてもらって問題はありません……」

 ケンジは、軍団長のハミルの説明に頭を抱えたのである。ギルドは結局、ケンジの商品を諦めておらず、水面下で動き戦争まで起こしたのである。

「ギルドは潰した方が良いみたいだな……」

「はっ?なにを言っておられるのですか?」

「いや……こっちの事だ!気にしなくていい!それよりお前達は、Freedom国の捕虜となったんだ!その事は忘れるなよ!これからはこの国の為に一生を捧げてもらうから覚悟する様に!」

「承知いたしました……」

 これにより、Freedom国は3国の騎士団の実力者達を手に入れたのである。雑兵は全員全滅したが、ヒューマン領では一番の戦力を、手に入れた事となったのである。

 そして、次の日ケンジは王国と帝国には、Freedom国の傘下に入るように通達を出したのである。そして、現王族の出頭を申し渡したのである。
 そして、聖国の責任者である教皇猊下と大司教を呼び出し、今回の責任を取らせる事としたのである。


 ケンジは、一番の問題であるギルド総本部には、ケンジ直筆の書簡を送ったのである。

『今回のギルドの態度を遺憾とする!その責任は取ってもらう!いずれ
ギルドは、Freedom国の手で消滅させていただく!一切の弁明は
聞く必要無し!        
                  Freedom国 国主ケンジ』

 ケンジは、それだけギルド総本部に送ったのであった。




 ケンジは、ムシュダルクにその旨を伝えるのである。

「そのように、各国に連絡を入れてもらえますか?」

「わ、分かりました……ですが、各国の王族がその要望に応えるかどうか……」

「言う事を聞かないとあれば、直々に国を攻め落とすと書いてくれ!ツバキ達は、仲間を殺され暴れたくてしょうがないとつけ答えておけば、すぐにでも飛んでくるだろ?」

「は、はい!そのように報告いたします!」

 ムシュダルクは、ケンジの目の奥に光る不気味な光に縮こまってしまったのである。ケンジは、キキョウの事を仲間と思っており、従魔とは思っていないので、ツバキが暴れたいと言っていたが、実は真っ先にケンジが暴れると、ムシュダルクは恐怖に感じたのである。

「ねえ、ケンちゃん……ギルドはどうするつもりなの?」

「ギルドか……ギルドは町には必要なものと思っているが、総本部はいらないかな?だが、少しの間は泳がせておこうと思っているよ」

「なんでよ!ギルドが一番の問題なんでしょ?」

「まあ、見てなよ!俺が手を出さずとも、勝手に自滅していく事になると思うよ」

「どういう事?」

「いいか?王国と帝国はFreedom国の傘下に入れるつもりだ!言ってみたら、山口県から静岡県の領土がFreedom国の領土になるんだぞ!残っているのは火の国と言われる九州、ドワーフの国!原生林が残る四国、エルフの国!東北、北海道を魔族が統治する国だけだよ」

「えーっと、よくわからないんだけど……」

「わからないのか?ヒューマン国の売り上げが見込めなくなるんだよ!時間はかかるが、ヒューマンの国はFreedom国が管理することになり、ギルドの依頼はFランクのみとなるんだよ」

「なんで?」

「そりゃ、これから気兼ねなくこれから支店が建つと、お客は全部Freedom国に流れてくるからだよ。ギルドに依頼を出すより、素材はFreedom店で買える事となる」

「え?そんなうまくいくものなの?」

「まあ、今のところは想像だけだが、まずは支店を建てていくところから始めようと思うよ。手さぐりで進めていくしかないよ」

「大丈夫かしら?」

「今は、いっぺんに考えてもしょうがないよ!まずは、3国の責任を取らせるのが先だよ」


 ケンジは、無責任にカラカラと笑っていたのである。そんな姿を見て、マイは不安に思っていたのである。



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