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第9章 Freedom国の発展!
55話 焦るグランパス王国
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グランパス王は、姿を消した闇ギルドマスターを見送る感じで呆然自失した。
「まさか……我々が負けたのか?」
「国王!しっかりしてください!帝国と聖国の連合で負ける訳!」
「だ、だが……闇ギルドの情報網だぞ!ブラックスペンサーはどうなっておる?報告は?」
「少しお待ちください……我々の方も急がしております!」
国王は、会議室をウロウロと落ち着きなく歩き回るのだった。上級貴族もまた、頭を抱えて下を向いていたのであった。
一方、キース王太子は地下牢に閉じ込められていたのであるが、人望があるキースには、地下牢の門番に毛布や食事など、内緒で差し入れされていたのだった。
「クッ……何でキース様が、こんなところにずっと囚われなければいけないんだ……」
「ボブ、そんな事を言う出ない!」
「ですが、キース様は王国の事を想って、意見をしただけじゃないですか」
「私も悪かったのだ……父上や貴族達の心情を汲み取って、意見をしなければいけなかったのを忘れたんだよ……」
「キース様は、いつも周りを見て誰も意見を言わない事を、代わりに言っているのです!私は、キース様が正しいと思っています!」
「ははは!ボブ、ありがとな……だが、私もこうなってしまえば、只の罪人と同じだ……グランパス王国の、この先が心配だよ……」
「キース様……」
キースは、グランパス王国の事を想い、地下牢の天井を見上げるしか出来ない自分の不甲斐なさを呪うのだった。
そして、グランパス王国にブラックスペンサーから、報告が告げられたのである。
「国王……先ほど偵察が帰ってきました……」
「それで、戦況はどうなっておるのだ!」
「そ、それが……」
「早く言わぬか!」
「連合軍は、敗退したそうです……」
「なっ、なんだと⁉」
「それも、団長・隊長クラスの騎士は全て捕虜となり、物資は全てFreedom国の物となり、生産者も全て捕虜となったそうです」
「なんだと……逃げ切れた者はいないのか?」
「ただいま……確認が取れているのは、将軍とその直属の部下11名のみ、兵士や冒険者は……」
「他の者はどうしたのだ?」
「信じれないのですが、Freedom国の防衛魔道兵器と言ったらいいのか分からないのですが、一瞬のうちに全滅……生き残った者はいません!」
「何っ……8万の軍隊が一瞬にだと!」
「はい……私も、この目で確かに確認したのですが、いまだ信じれません!あんな兵器を目の前にしたら、あの3倍の軍勢がいたとしても、あの国を落とすのは無理だと判断しました」
その報告に、国王と貴族達は顔を青くするのだった。そして、もうこの国に防衛するような力が残っていない事を理解し、グランパス王はその場に力なく砕け落ちるのであった。
「国王!しっかりしてください!これからの事を考えなければ!」
「はははは……これからの事だと?国の兵士は全員捕虜となったのに、どうするというのだ!残っているのは最低限の兵士達しかいないんだぞ!」
「そ、それは……」
「これもあれも、お主のせいだ!何がテンプルナイトやドラグーン騎士団が動くから大丈夫だ!その結果がこのざまか?」
「それは、国王も賛同しなさったではありませんか!」
「お主が、そんな持ちかけなどしなかったら、ワシは前から言っていたように、不可侵で行くと言っていたではないか!」
「お二人ともおやめください‼今は、責任の擦り合い等している場合ではありません!」
「ゥぐ……」
その時、一人の兵士が会議室に駆けこんできたのだった。
「会議中申し訳ありません!国王、将軍が帰還しました!」
「わかった……謁見の間に行く!」
その場にいた、国王と貴族達はすぐに謁見の間へと急ぐのだった。そこには、将軍のラインハルトと部下の団長達が、頭を下げ国王達を待っていたのである。
「このたびの遠征ご苦労であった!」
「主君!申し訳ありません!」
だが、その返事が国王から聞こえてこず、ラインハルトが顔を上げたのだった。すると、そこには顔を真っ赤にして、自分を睨みつけるグランパス王の姿があったのである。ラインハルトは、今にも処刑されるのではないかという
恐怖に、すぐに頭を下げ土下座をし続けるのであった。
「何があったのだ……詳しく話せ!」
「はっ!」
ラインハルトは、進軍した朝から6時間ほどで、連合軍が全滅した事を話したのである。
「ば、馬鹿な!その話をワシに信じろと申すのか?」
「事実でございます!ここで嘘などつく必要などございません!」
グランパス王は、ブラックスペンサーの偵察部隊からの話と同じ事を言う、ラインハルトの言葉を信じるしかなかったのである。
「それでお主は、Freedom国の魔道兵器を見たのか?」
「私は、陣頭指揮をしていましたが、城壁内の事は見ておりません……その魔道兵器と言うのはいったい?」
「偵察部隊からの報告では、未知の魔道兵器だったとしか解らぬ……」
「主君よろしいですか?」
「なんだ?」
ラインハルトの部下の一人が、口を挟んできたのである。
「私はその時、城壁の側にいて直接は見てはいないのですが、いきなり上空が真っ赤に燃え、その瞬間仲間の叫び声が聞こえてきたのです」
「上空が燃えるとはどういうことだ?」
「その前にボンと聞こえて、その後でした……たぶんそれが魔道兵器だったのかと!」
「それだけでは、何もわからぬではないか!」
「多分ですが、城壁内にいたら私もここには帰ってこれなかったでしょう……」
「むう……だが、お主達よく帰ってこれたな」
「伏兵やら、あの地域の魔物が、襲ってきたのですが何とかですが……」
「そんな事を言っているのではない!」
「はっ⁉」
「連合軍という大群で、負けるはずのない戦争におめおめ負けて、よく帰ってこれたなと言っておるのだ!」
「そ、それは……」
「お前達の処分は追って伝える!この者達をひっ捕らえぃ!」
「しゅ、主君!お待ちください‼我々は、まだ戦えます!」
「え~~~い!五月蠅い‼8万対1千の戦いに負けるような奴は、もういらん!この役立たずが!」
その言葉に兵士達が、ラインハルトたちを拘束し、地下牢へと連行してしまったのである。
地下牢に閉じ込められた、ラインハルトと部下は沈み切っていたのだった。
「将軍……我々はどうなるのでしょうか?」
「お前達……すまない!私が不甲斐ないばかりに……」
「責任を取らされ、処刑されるのでしょうか?」
「すまぬ……全部私のせいだ……」
「そこにいるのはラインハルトか?」
「なっ⁉なぜここにキース様が?」
「父上に、今回の戦争を止めるように反抗したのが原因で、閉じ込められてしまったんだ……で、何でお前までここにいるんだ?」
「キース様、申し訳ございません……連合軍は敗退し、我らだけがおめおめと帰還した次第で、主君の怒りを買ってしまいました……」
「なっ⁉連合軍が、Freedom国に負けたと申すのか?」
「はい……私達はその責任を取らされ、もうじき処刑されるでしょう……」
「将軍!我々は将軍と一緒に入れて幸せでした」
「そうです!死んでもお供したいと思います!」
「お前達……スマン……」
キース王太子は、そのやり取りを見て本格的にグランパス王国は、風前の灯だと思ったのである。じきに、Freedom国から使者や書簡が送られてきてもおかしくないのだ。いや、それならまだいいがFreedom国が攻め込んできてもおかしくないのである。
「おい、ボブ!父上に言ってここから私を出すように伝えてくれ!」
「な、何を言っているのですか?そんな事恐れ多い……」
「いいのか?このままでは、本当にグランパス王国は滅びるかもしれないんだぞ!あのケンジの事だ!何をしてくるかわからんのだぞ!」
「ですが、国王の命令には逆らえませんよ……いくらキース様でも、それだけは勘弁してください!」
ボブは、そう言って地下牢の階段を、駆け上がってしまったのである。
「くっ、くっそぉ~!いったいどうしたら……」
「キース様……申し訳ございません!私のせいで……」
「ラインハルトのせいじゃないさ!やはり、Freedom国に手を出すべきじゃなかったんだ……」
「……」
「やはり、あのFreedom国には得体のしれない何かあると思い、もっと慎重に行動しないと行けなかった……父上も貴族達も、大国という立場に胡坐をかきすぎていたんだよ」
「ですが、キース様!今更何をしようというのですか?我々は敗退してしまったのです。今更何かできるとは……」
「こういう時は従順になるしかないんだよ。反抗したら本当に王国は終わることになる……だが、父上達にはその行動は無理だ!だから、私がその役目をしないと!」
焦るキース王太子は、鉄格子を両手で握りしめる事しか出来なくて、今の自分を情けなく思うのである。
「まさか……我々が負けたのか?」
「国王!しっかりしてください!帝国と聖国の連合で負ける訳!」
「だ、だが……闇ギルドの情報網だぞ!ブラックスペンサーはどうなっておる?報告は?」
「少しお待ちください……我々の方も急がしております!」
国王は、会議室をウロウロと落ち着きなく歩き回るのだった。上級貴族もまた、頭を抱えて下を向いていたのであった。
一方、キース王太子は地下牢に閉じ込められていたのであるが、人望があるキースには、地下牢の門番に毛布や食事など、内緒で差し入れされていたのだった。
「クッ……何でキース様が、こんなところにずっと囚われなければいけないんだ……」
「ボブ、そんな事を言う出ない!」
「ですが、キース様は王国の事を想って、意見をしただけじゃないですか」
「私も悪かったのだ……父上や貴族達の心情を汲み取って、意見をしなければいけなかったのを忘れたんだよ……」
「キース様は、いつも周りを見て誰も意見を言わない事を、代わりに言っているのです!私は、キース様が正しいと思っています!」
「ははは!ボブ、ありがとな……だが、私もこうなってしまえば、只の罪人と同じだ……グランパス王国の、この先が心配だよ……」
「キース様……」
キースは、グランパス王国の事を想い、地下牢の天井を見上げるしか出来ない自分の不甲斐なさを呪うのだった。
そして、グランパス王国にブラックスペンサーから、報告が告げられたのである。
「国王……先ほど偵察が帰ってきました……」
「それで、戦況はどうなっておるのだ!」
「そ、それが……」
「早く言わぬか!」
「連合軍は、敗退したそうです……」
「なっ、なんだと⁉」
「それも、団長・隊長クラスの騎士は全て捕虜となり、物資は全てFreedom国の物となり、生産者も全て捕虜となったそうです」
「なんだと……逃げ切れた者はいないのか?」
「ただいま……確認が取れているのは、将軍とその直属の部下11名のみ、兵士や冒険者は……」
「他の者はどうしたのだ?」
「信じれないのですが、Freedom国の防衛魔道兵器と言ったらいいのか分からないのですが、一瞬のうちに全滅……生き残った者はいません!」
「何っ……8万の軍隊が一瞬にだと!」
「はい……私も、この目で確かに確認したのですが、いまだ信じれません!あんな兵器を目の前にしたら、あの3倍の軍勢がいたとしても、あの国を落とすのは無理だと判断しました」
その報告に、国王と貴族達は顔を青くするのだった。そして、もうこの国に防衛するような力が残っていない事を理解し、グランパス王はその場に力なく砕け落ちるのであった。
「国王!しっかりしてください!これからの事を考えなければ!」
「はははは……これからの事だと?国の兵士は全員捕虜となったのに、どうするというのだ!残っているのは最低限の兵士達しかいないんだぞ!」
「そ、それは……」
「これもあれも、お主のせいだ!何がテンプルナイトやドラグーン騎士団が動くから大丈夫だ!その結果がこのざまか?」
「それは、国王も賛同しなさったではありませんか!」
「お主が、そんな持ちかけなどしなかったら、ワシは前から言っていたように、不可侵で行くと言っていたではないか!」
「お二人ともおやめください‼今は、責任の擦り合い等している場合ではありません!」
「ゥぐ……」
その時、一人の兵士が会議室に駆けこんできたのだった。
「会議中申し訳ありません!国王、将軍が帰還しました!」
「わかった……謁見の間に行く!」
その場にいた、国王と貴族達はすぐに謁見の間へと急ぐのだった。そこには、将軍のラインハルトと部下の団長達が、頭を下げ国王達を待っていたのである。
「このたびの遠征ご苦労であった!」
「主君!申し訳ありません!」
だが、その返事が国王から聞こえてこず、ラインハルトが顔を上げたのだった。すると、そこには顔を真っ赤にして、自分を睨みつけるグランパス王の姿があったのである。ラインハルトは、今にも処刑されるのではないかという
恐怖に、すぐに頭を下げ土下座をし続けるのであった。
「何があったのだ……詳しく話せ!」
「はっ!」
ラインハルトは、進軍した朝から6時間ほどで、連合軍が全滅した事を話したのである。
「ば、馬鹿な!その話をワシに信じろと申すのか?」
「事実でございます!ここで嘘などつく必要などございません!」
グランパス王は、ブラックスペンサーの偵察部隊からの話と同じ事を言う、ラインハルトの言葉を信じるしかなかったのである。
「それでお主は、Freedom国の魔道兵器を見たのか?」
「私は、陣頭指揮をしていましたが、城壁内の事は見ておりません……その魔道兵器と言うのはいったい?」
「偵察部隊からの報告では、未知の魔道兵器だったとしか解らぬ……」
「主君よろしいですか?」
「なんだ?」
ラインハルトの部下の一人が、口を挟んできたのである。
「私はその時、城壁の側にいて直接は見てはいないのですが、いきなり上空が真っ赤に燃え、その瞬間仲間の叫び声が聞こえてきたのです」
「上空が燃えるとはどういうことだ?」
「その前にボンと聞こえて、その後でした……たぶんそれが魔道兵器だったのかと!」
「それだけでは、何もわからぬではないか!」
「多分ですが、城壁内にいたら私もここには帰ってこれなかったでしょう……」
「むう……だが、お主達よく帰ってこれたな」
「伏兵やら、あの地域の魔物が、襲ってきたのですが何とかですが……」
「そんな事を言っているのではない!」
「はっ⁉」
「連合軍という大群で、負けるはずのない戦争におめおめ負けて、よく帰ってこれたなと言っておるのだ!」
「そ、それは……」
「お前達の処分は追って伝える!この者達をひっ捕らえぃ!」
「しゅ、主君!お待ちください‼我々は、まだ戦えます!」
「え~~~い!五月蠅い‼8万対1千の戦いに負けるような奴は、もういらん!この役立たずが!」
その言葉に兵士達が、ラインハルトたちを拘束し、地下牢へと連行してしまったのである。
地下牢に閉じ込められた、ラインハルトと部下は沈み切っていたのだった。
「将軍……我々はどうなるのでしょうか?」
「お前達……すまない!私が不甲斐ないばかりに……」
「責任を取らされ、処刑されるのでしょうか?」
「すまぬ……全部私のせいだ……」
「そこにいるのはラインハルトか?」
「なっ⁉なぜここにキース様が?」
「父上に、今回の戦争を止めるように反抗したのが原因で、閉じ込められてしまったんだ……で、何でお前までここにいるんだ?」
「キース様、申し訳ございません……連合軍は敗退し、我らだけがおめおめと帰還した次第で、主君の怒りを買ってしまいました……」
「なっ⁉連合軍が、Freedom国に負けたと申すのか?」
「はい……私達はその責任を取らされ、もうじき処刑されるでしょう……」
「将軍!我々は将軍と一緒に入れて幸せでした」
「そうです!死んでもお供したいと思います!」
「お前達……スマン……」
キース王太子は、そのやり取りを見て本格的にグランパス王国は、風前の灯だと思ったのである。じきに、Freedom国から使者や書簡が送られてきてもおかしくないのだ。いや、それならまだいいがFreedom国が攻め込んできてもおかしくないのである。
「おい、ボブ!父上に言ってここから私を出すように伝えてくれ!」
「な、何を言っているのですか?そんな事恐れ多い……」
「いいのか?このままでは、本当にグランパス王国は滅びるかもしれないんだぞ!あのケンジの事だ!何をしてくるかわからんのだぞ!」
「ですが、国王の命令には逆らえませんよ……いくらキース様でも、それだけは勘弁してください!」
ボブは、そう言って地下牢の階段を、駆け上がってしまったのである。
「くっ、くっそぉ~!いったいどうしたら……」
「キース様……申し訳ございません!私のせいで……」
「ラインハルトのせいじゃないさ!やはり、Freedom国に手を出すべきじゃなかったんだ……」
「……」
「やはり、あのFreedom国には得体のしれない何かあると思い、もっと慎重に行動しないと行けなかった……父上も貴族達も、大国という立場に胡坐をかきすぎていたんだよ」
「ですが、キース様!今更何をしようというのですか?我々は敗退してしまったのです。今更何かできるとは……」
「こういう時は従順になるしかないんだよ。反抗したら本当に王国は終わることになる……だが、父上達にはその行動は無理だ!だから、私がその役目をしないと!」
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