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第9章 Freedom国の発展!
32話 ブラックスペンサーの実力①
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ここ、Freedom国の訓練場では、ロイ達がランスロット達元王国騎士団や元冒険者達の、訓練に勤しんでいた。
その訓練方法は、奴隷に堕ちた事により削げ落ちた筋力、スタミナの無くなった体力、筋力が無くなった事により俊敏に動けるスピードを回復させる為の訓練が、毎日のように繰り返されていたのだった。
「ランスロット!スピードが落ちているぞ。もっと早く動くんだ!」
「はあ!はあはあはあ……」
「お前達も、もっと早く走り込むんだ!」
ランスロット達は、剣の修業ではなくその前段階である基礎トレーニングで、ランニングとは思えないスピードでずっと走り続けていたのである。その後は、おもしを持ってのスクワットや腹筋で、徹底的に鍛え上げる事を1日中やるのである。
しかしながら、これ位余裕でこなせないと、この土地での警護はとてもじゃないがこなせないのである。現にランスロット達は、騎士団の時は余裕でこなしていて、その後は別メニューでさえ余裕でやっていたのである。
「団長……いつまでこれを?」
「はぁ!はぁ!無駄口叩くな!俺達は早く元の体力を取り戻すんだ!」
「そこ!お前達は、無駄口叩いているほど余裕があるのか‼」
ロイ達は、監督をしながら段取りをしていたのである。これは、戦いの最中でも冷静に周りを見れている事の証であり、ロイ達も又、一流の冒険者と成りつつあるのだった。
その中でも、元冒険者達はあまりの過酷さに、朝食をもどしてしまう者や気を失う者も続出していたのである。
「後、50周!そしたら休憩に入る‼」
ランスロット達はそれを聞き、気を失いそうになったが腰につけた水筒を手に取り水分補給はちゃんと取り、ラストスパートを仕掛け気合を入れたのだ。
この水筒は、魔道具であり水の魔石が蓋に設置されていて、ふたを閉めると水滴がにじみ出て、水が満タンになる仕組みになっているのだ。訓練中には便利が良いモノで、いちいち手を止めて、汲みに行かなくてもいいのである。
これは、ケンジが作った物ではなく、普通に売っている物である。最初、訓練風景を見たケンジは驚き、水分補給は必ず取る様にと指示を出したのだ。当然だが、最初水分補給をせず訓練をしていたのである。
理由は、訓練中に水分を取るトバテるという物であった。ケンジは、それを訂正し水分補給はちゃんと取る様にと言い、小休憩では塩分も摂取するように言ったのだ。
その為に、訓練生には腰に設置できる、水筒を持たせていたのである。
次々に、50周を終えゴールする人間が増えてきていたのだった。最初は全員ダウンし、ゴールする事さえできなくなっていたのである。
だが、こうしてゴールできる人間が増えてきて、それを見る事で気合を入れ直し頑張る人間も出てきたのである。
15分の休憩の後、次は地獄のスクワットが待っているのである。こうして、ランスロット達の一日は過ぎ去っていくのである。
そのころケンジは、ダリアのもとで錬金術を育てていたのである。
「ご、ご主人様!なんで昨日の今日で、ヒールポーションを作ろうとしているのですか⁉まだ早いですよ!」
ダリアは、ケンジのスキルの成長速度を知らなかったので当然、ダリアの下についている部下達も、ケンジの行動には苦笑いを浮かべるしかなかったのだ。
ダリアの予定では、いくら早くても半年後にケンジの錬金スキルは30.00になり、それからヒールポーションを製作する予定だったのである。
「今、ヒールポーションを作っても、効率は全然無く反対に時間が掛ります。だから、ナイトサイトもしくはリフレッシュポーションでスキルを上げるほうが良いんですよ」
「それは、昨日聞いて知ってるよ」
「だったら、ヒールポーションを……作るだなんて……」
「ダリア、俺は昨日の終了の段階で、スキルが30.27になったんだよ。だから、今日からヒールポーションで、スキルを伸ばそうと思っているんだって!」
「「「「「はっ⁉」」」」」
ダリアはもちろん、部下の錬金術士達も変な声が漏れたのだった。
「ご主人様、今なんておっしゃいました?」
「だから、昨日仕事が終わった地点で30.00を超えたからダリアの言った通り、今日からヒールポーションを作っていくと言ったんだよ!」
「「「「「えぇ~~~~~!」」」」」
「嘘でしょ?ご主人様は、1日で錬金術が30.00を超えちゃったんですか?」
「まあ、そう言う事だな!」
「だから、昨日の終わりの方は、ポーションの失敗をしなかったのですか?」
ダリアは、ケンジが初めてポーションを製作していたのに、昼過ぎぐらいから100%で成功していた事が、不思議でしょうがなかったのである。
だが、ダリアはケンジに幸運の指輪をしているのを知っていた為、その効果が出ているのだと思い、追及はしていなかったのである。
「まさか、スキルが育ってしまっていただなんて……わたしは、てっきり指輪の効果だとばかり……」
「まあ、その効果も乗っていると思うけどな。で、ヒールポーションの作り方を教えてくれよ」
「わ、わかりました!ヒールポーションは、少し複雑になりますが……」
ダリアは、ケンジの普通じゃない能力に呆れた様子で、ヒールポーションの製作方法を教えたのである。
ケンジのスキルの伸びは、40.00までは急激に伸びて行ったのだが、やはりスキル値が高くなれば、伸びる速度は遅くなるのであった。
特に、錬金術と薬学のスキルは生産職の中でも伸び辛いので、ケンジも苦労するのである。ダリアもまた、錬金術を伸ばす事には苦労しており、レジェンダリーと成ってはいるが、これはアクセサリーでブーストされているのだ。
ダリア達生産者は、ケンジの指示のもとゴッドオーダーをやり続けていて、パワースクロール120と錬金の指輪と言う、アイテムを出していたのである。
ダリアは、パワースクロールで錬金術の上限を120まであげて、錬金の指輪の効果で+20していたのである。基本能力はまだ100.02であり、グランドマスターになったばかりであった。
一方、こちらは王国諜報部隊ブラックスペンサーである。この場所は現在、雨の降る王国の印のある馬車の残骸がある付近を、事細かく調べていたのであった。
「隊長!これを見てください……」
「なんだこれは?」
「多分、ブラッドタイガーの毛ではないかと……それと、こんなバカでかい馬の蹄が……」
「こんな場所に、ブラッドタイガーとこれは……バトルウォーホースか?そんな魔物が同時に現れたというのか⁉」
「まだ、そこまでは……ですが、この証拠の周りに10近くの足跡も残っております……」
これら、証拠物件は諜報部員であるブラックスペンサーだから見分ける事が出来る物で、普通なら見つける事はできない程微かな証拠であった。
だが、ブラックスペンサーの、一人がある事に気づくのである。
「隊長!進言したい事が一つあります!」
「なにかあったのか?」
「あくまでも、可能性の一つなのですが……」
「なんだ?言ってみろ!」
「こんな場所に、ブラッドタイガーとバトルウォーホースが同時に出現した場合、こんな証拠が残るような跡地になるわけがないと思うのです!」
部下の一人が説明がつかないと言い張るのである。実際魔物の気性の激しさで暴れまくると、人間の足跡は同じ場所に残ることは皆無である。
「だが、現状は2体の魔物の痕跡があるではないか!それに人の足跡も残っている!これはどう説明するのだ?」
「もし、この片方の魔物が誰かの言いつけを守り、魔物同士が戦ったのだったらどうです?」
「ば、馬鹿な!そんな訳が……あ……る訳……」
「隊長も気がつかれましたか?」
「でかした!確かにあ奴なら……この状況になるのが説明がつく人間が一人だけいるではないか!」
「どういたしますか?」
ブラッドスペンサーの隊長は、グランパス王国にとって一番厄介である他国に、ランスロット達が身請けされている事がわかったのである。
今、話した事はあくまでもまだ予想であり、確実な証拠がわかった訳ではなく、実際に目で見て見ない事には国王に報告は出来ないと思ったのだった。しかし、隊長は現状報告だけも、王国に伝えないといけないと決断したのである。
「お前は、この事に真っ先に気づいた。今のこの状況を国王に伝えてくるのだ!俺達は本当にランスロット達が、Freedom国に身請けされているのか確かめてくる!」
「はっ!」
部下の一人は、隊長にそう言われて姿を消したのだった。国王に伝達する役目は、真相を真っ先に暴いた部下だと意味をする事で大役なのである。
隊長は、Freedom国のケンジが一枚噛んでいると確信した為、部下に一花もたせたのである。
「皆の者!行くぞ!場所はFreedom国だ!」
ついに、ケンジが心配した事になってしまったのである。王国の諜報部隊が勘づいてしまったのである。
王国としては、軍事施設や色んな秘密事項を知られたくない為、必死でランスロット達を取り戻す事になり、ケンジとしてはもう自分の奴隷にしてしまった、ランスロット達を手放すつもりはさらさらないのである。
ここにきて、次は国からの厄介事が降りかかる事となるケンジだが、着実に抵抗しうる権力を持ち始めているのも確かだったのだ。
その訓練方法は、奴隷に堕ちた事により削げ落ちた筋力、スタミナの無くなった体力、筋力が無くなった事により俊敏に動けるスピードを回復させる為の訓練が、毎日のように繰り返されていたのだった。
「ランスロット!スピードが落ちているぞ。もっと早く動くんだ!」
「はあ!はあはあはあ……」
「お前達も、もっと早く走り込むんだ!」
ランスロット達は、剣の修業ではなくその前段階である基礎トレーニングで、ランニングとは思えないスピードでずっと走り続けていたのである。その後は、おもしを持ってのスクワットや腹筋で、徹底的に鍛え上げる事を1日中やるのである。
しかしながら、これ位余裕でこなせないと、この土地での警護はとてもじゃないがこなせないのである。現にランスロット達は、騎士団の時は余裕でこなしていて、その後は別メニューでさえ余裕でやっていたのである。
「団長……いつまでこれを?」
「はぁ!はぁ!無駄口叩くな!俺達は早く元の体力を取り戻すんだ!」
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ロイ達は、監督をしながら段取りをしていたのである。これは、戦いの最中でも冷静に周りを見れている事の証であり、ロイ達も又、一流の冒険者と成りつつあるのだった。
その中でも、元冒険者達はあまりの過酷さに、朝食をもどしてしまう者や気を失う者も続出していたのである。
「後、50周!そしたら休憩に入る‼」
ランスロット達はそれを聞き、気を失いそうになったが腰につけた水筒を手に取り水分補給はちゃんと取り、ラストスパートを仕掛け気合を入れたのだ。
この水筒は、魔道具であり水の魔石が蓋に設置されていて、ふたを閉めると水滴がにじみ出て、水が満タンになる仕組みになっているのだ。訓練中には便利が良いモノで、いちいち手を止めて、汲みに行かなくてもいいのである。
これは、ケンジが作った物ではなく、普通に売っている物である。最初、訓練風景を見たケンジは驚き、水分補給は必ず取る様にと指示を出したのだ。当然だが、最初水分補給をせず訓練をしていたのである。
理由は、訓練中に水分を取るトバテるという物であった。ケンジは、それを訂正し水分補給はちゃんと取る様にと言い、小休憩では塩分も摂取するように言ったのだ。
その為に、訓練生には腰に設置できる、水筒を持たせていたのである。
次々に、50周を終えゴールする人間が増えてきていたのだった。最初は全員ダウンし、ゴールする事さえできなくなっていたのである。
だが、こうしてゴールできる人間が増えてきて、それを見る事で気合を入れ直し頑張る人間も出てきたのである。
15分の休憩の後、次は地獄のスクワットが待っているのである。こうして、ランスロット達の一日は過ぎ去っていくのである。
そのころケンジは、ダリアのもとで錬金術を育てていたのである。
「ご、ご主人様!なんで昨日の今日で、ヒールポーションを作ろうとしているのですか⁉まだ早いですよ!」
ダリアは、ケンジのスキルの成長速度を知らなかったので当然、ダリアの下についている部下達も、ケンジの行動には苦笑いを浮かべるしかなかったのだ。
ダリアの予定では、いくら早くても半年後にケンジの錬金スキルは30.00になり、それからヒールポーションを製作する予定だったのである。
「今、ヒールポーションを作っても、効率は全然無く反対に時間が掛ります。だから、ナイトサイトもしくはリフレッシュポーションでスキルを上げるほうが良いんですよ」
「それは、昨日聞いて知ってるよ」
「だったら、ヒールポーションを……作るだなんて……」
「ダリア、俺は昨日の終了の段階で、スキルが30.27になったんだよ。だから、今日からヒールポーションで、スキルを伸ばそうと思っているんだって!」
「「「「「はっ⁉」」」」」
ダリアはもちろん、部下の錬金術士達も変な声が漏れたのだった。
「ご主人様、今なんておっしゃいました?」
「だから、昨日仕事が終わった地点で30.00を超えたからダリアの言った通り、今日からヒールポーションを作っていくと言ったんだよ!」
「「「「「えぇ~~~~~!」」」」」
「嘘でしょ?ご主人様は、1日で錬金術が30.00を超えちゃったんですか?」
「まあ、そう言う事だな!」
「だから、昨日の終わりの方は、ポーションの失敗をしなかったのですか?」
ダリアは、ケンジが初めてポーションを製作していたのに、昼過ぎぐらいから100%で成功していた事が、不思議でしょうがなかったのである。
だが、ダリアはケンジに幸運の指輪をしているのを知っていた為、その効果が出ているのだと思い、追及はしていなかったのである。
「まさか、スキルが育ってしまっていただなんて……わたしは、てっきり指輪の効果だとばかり……」
「まあ、その効果も乗っていると思うけどな。で、ヒールポーションの作り方を教えてくれよ」
「わ、わかりました!ヒールポーションは、少し複雑になりますが……」
ダリアは、ケンジの普通じゃない能力に呆れた様子で、ヒールポーションの製作方法を教えたのである。
ケンジのスキルの伸びは、40.00までは急激に伸びて行ったのだが、やはりスキル値が高くなれば、伸びる速度は遅くなるのであった。
特に、錬金術と薬学のスキルは生産職の中でも伸び辛いので、ケンジも苦労するのである。ダリアもまた、錬金術を伸ばす事には苦労しており、レジェンダリーと成ってはいるが、これはアクセサリーでブーストされているのだ。
ダリア達生産者は、ケンジの指示のもとゴッドオーダーをやり続けていて、パワースクロール120と錬金の指輪と言う、アイテムを出していたのである。
ダリアは、パワースクロールで錬金術の上限を120まであげて、錬金の指輪の効果で+20していたのである。基本能力はまだ100.02であり、グランドマスターになったばかりであった。
一方、こちらは王国諜報部隊ブラックスペンサーである。この場所は現在、雨の降る王国の印のある馬車の残骸がある付近を、事細かく調べていたのであった。
「隊長!これを見てください……」
「なんだこれは?」
「多分、ブラッドタイガーの毛ではないかと……それと、こんなバカでかい馬の蹄が……」
「こんな場所に、ブラッドタイガーとこれは……バトルウォーホースか?そんな魔物が同時に現れたというのか⁉」
「まだ、そこまでは……ですが、この証拠の周りに10近くの足跡も残っております……」
これら、証拠物件は諜報部員であるブラックスペンサーだから見分ける事が出来る物で、普通なら見つける事はできない程微かな証拠であった。
だが、ブラックスペンサーの、一人がある事に気づくのである。
「隊長!進言したい事が一つあります!」
「なにかあったのか?」
「あくまでも、可能性の一つなのですが……」
「なんだ?言ってみろ!」
「こんな場所に、ブラッドタイガーとバトルウォーホースが同時に出現した場合、こんな証拠が残るような跡地になるわけがないと思うのです!」
部下の一人が説明がつかないと言い張るのである。実際魔物の気性の激しさで暴れまくると、人間の足跡は同じ場所に残ることは皆無である。
「だが、現状は2体の魔物の痕跡があるではないか!それに人の足跡も残っている!これはどう説明するのだ?」
「もし、この片方の魔物が誰かの言いつけを守り、魔物同士が戦ったのだったらどうです?」
「ば、馬鹿な!そんな訳が……あ……る訳……」
「隊長も気がつかれましたか?」
「でかした!確かにあ奴なら……この状況になるのが説明がつく人間が一人だけいるではないか!」
「どういたしますか?」
ブラッドスペンサーの隊長は、グランパス王国にとって一番厄介である他国に、ランスロット達が身請けされている事がわかったのである。
今、話した事はあくまでもまだ予想であり、確実な証拠がわかった訳ではなく、実際に目で見て見ない事には国王に報告は出来ないと思ったのだった。しかし、隊長は現状報告だけも、王国に伝えないといけないと決断したのである。
「お前は、この事に真っ先に気づいた。今のこの状況を国王に伝えてくるのだ!俺達は本当にランスロット達が、Freedom国に身請けされているのか確かめてくる!」
「はっ!」
部下の一人は、隊長にそう言われて姿を消したのだった。国王に伝達する役目は、真相を真っ先に暴いた部下だと意味をする事で大役なのである。
隊長は、Freedom国のケンジが一枚噛んでいると確信した為、部下に一花もたせたのである。
「皆の者!行くぞ!場所はFreedom国だ!」
ついに、ケンジが心配した事になってしまったのである。王国の諜報部隊が勘づいてしまったのである。
王国としては、軍事施設や色んな秘密事項を知られたくない為、必死でランスロット達を取り戻す事になり、ケンジとしてはもう自分の奴隷にしてしまった、ランスロット達を手放すつもりはさらさらないのである。
ここにきて、次は国からの厄介事が降りかかる事となるケンジだが、着実に抵抗しうる権力を持ち始めているのも確かだったのだ。
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