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第9章 Freedom国の発展!

24話 ランスロット達の命運④

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 100名近くいた、14番隊は60名ほどになっていたのである。

「それで、ランスロットお前達はなんで?奴隷になったのか話してくれるか?」

「ケンジ様は、だいたいの流れを、予想して分かっているのではありませんか?」

「まあな……」

「ケンちゃんは、なんでわかるのよ!ランスロット達は、お暇を貰いに行っただけなんでしょ?」

「俺も、秘密主義にしているだろ?もし、ランスロット達に暇を与えて、野に放てばどうなると思う?」

「あっ……」

「王国の軍事内容が、他国に情報がまわるのを恐れての事だろうな……」

「でも、だからと言って奴隷に落とせるわけないじゃない!」

「当然、その理由はいくらでも、貴族連中はこじつけるだろうさ!どうせ、今回のスタンピードでテンペの町の民衆を見捨てたとか、国王の命令に背いたとか理不尽な理由だろう……だから、俺は権力者が嫌いなんだよ!」

「その通りです……伯爵が国王に助言をしたと思ったら、あっという間に奴隷に落とされて、私達は何もできませんでした……」

「だから言ったじゃないか!王国に戻ったら俺が手を出せなくって!お前達は、ならなくていい奴隷に自らなりに行ったのと一緒なんだぞ」

 ケンジの言葉に、ランスロット達は何も言えなかったのだ。ケンジは、ランスロット達が王国に戻る事を引き止めていて、自分達はけじめをつけようと強引に帰還を望んだのである。その結果、14番隊は全員奴隷となり、40名近くはもう還らない存在となっていたのである。

「それで、お前達はこれからどうするつもりなんだ?」

「ケンちゃん!それ本気で言っているの⁉」

「マイさん!少し落ち着いて下さいよ。主には主の考えがあるんだと思います」

「ギルは黙ってて!いくら何でも、ここで放り出すのは間違っているよ!」

「マイ!ランスロット達は、確かに国王に暇を貰いに行った。そして、また戻ってくるつもりだと言ったが、全員が本当にそのつもりだったと思うのか?」

「それはそうだけど……」

「今は、みんな奴隷の立場となってしまったし、頼れるのは俺の国にくるだけという一択しか、選択が無くなっただけなんだよ」

「ケ、ケンジ様!お願いします!私達を、またFreedom国に招いてください!」

「あのな……お前達の気持ちはわからんでもないが、あの時お前達が王国に戻った事で、俺は大変な迷惑を被ったんだぞ!それに、今のお前達に……そんな筋肉の落ちたお前達に、町の警護が出来るのか?」

「それは、又鍛え直して……」

「その鍛え直している間、お前達は何もできないんだぞ!まだ、2、3人ならわかるが、14番隊は確かに100名近くから60人近くに減ったとしても、そんな大人数の奴隷達で警護しかできない人間を、俺に養えと?」

「そ、それは……」

 ランスロット達は、ケンジの言う事に何も言えなかったのだ。奴隷を養うのは何か理由があってこそだからだ。労働をさせる事や店を手伝わせる等、何か主人にとってメリットがあるのが大前提であり、今のランスロット達には警護など無理であり、他の事は一切やってこなかった為、何かをやらせるにも1から覚えないといけないのである。

「ケンちゃん!ランスロット達も好きで、奴隷に堕ちた訳じゃないでしょ?」

「なんだよ、マイ?いつもは普通なら奴隷のあつかいはもっとシビアじゃないか?いつも俺に常識が無いって、言ってたじゃないか!」

「だったら、何で今回は助けてあげないのよ!」

「あのな……俺だって誰彼構わず助けてたわけじゃないよ。奴隷商人に人材を買いに行ったのだって、俺にメリットのある人間しか購入してないよ」

「ケンちゃんのけちんぼ!60人ぐらい楽に養えるじゃない!ランスロット達も、少し時間をかけて鍛え直せば、前みたいに働けるようになるじゃない!それぐらいの、懐の大きさを見せてもいいんじゃないの?」

「ムッ!俺が懐が狭いっていうのか?」

「だって、そうじゃない!いつも秘密主義にして!今回だって、ケンちゃんの意見をちゃんとランスロットに言ってたら、奴隷に堕ちなくてもよかったんじゃない!」

「それは、ランスロットが王国に帰りたいと言う意見を尊重したんだ!秘密主義じゃない‼ランスロットが暇を貰いに行くと言うなら、もっと他の方法はあったと思うが、俺はそういうつもりだとは思わなかった!」

「ケンちゃんは、日頃からそういう事をしてないから、勝手に思い込んで自己完結しているから分からないのよ!」

「主!マイさんもうやめてください‼いつもの主じゃないですよ。もっと冷静になってください……」

「「ギル……」」

 周りを見ると、システィナ達とロイ達はケンジ達の喧嘩を見たのは初めてで、顔が青ざめていたのだった。ランスロット達は、自分達のせいでケンジとマイが言い争っているのを見て、申し訳なくなっていたのだった。

「ケンちゃん……ごめん……」

「俺の方こそ、悪かったよ。ごめんな……」

 二人が謝ったのを見て、システィナ達はホッと、ため息をついたのだった。

「ケンちゃん!ランスロット達を引取ってあげて!」

「だけど、今回の事はちょ、ちょっとなぁ……」

 マイは何か押し黙って、決意したようにケンジを見つめ直して口を開いたのである。

「もし、引取らないのなら……あたしが引き取るよ!」

「なっ、なんでだよ!」

「だって、ケンちゃんが意固地になっているんだもの。言ってみたらケンちゃんのせいで、ランスロット達は奴隷に堕ちたようなものよ。ケンちゃんが責任を取らないなら、奥さんであるあたしが取らないといけないからね!夫の尻拭いをするのよ……」

「勝手にしたらいいよ!後で泣きついてきても俺は……」

「本当にいいのね?ランスロットは、あたしの奴隷となるのよ?ケンちゃんが後悔する事になるんだからね!」

「何を言ってんだよ!俺が後悔って何だよ?」

「あたしは、秘密主義じゃないから、ち・ゃ・ん・と・はっ・き・り言ってあげる‼ここにいる40人近くは、あたしの男奴隷になるって事よ!当然、夜の奉仕もするんだからね!ケンちゃんは、それに耐えられるかしら?」

「ちょ、ちょっと待て!それは卑怯だぞ」

 ケンジは冷や汗をかくのだった。マイは、当然の事だがこのガイアースで生まれ育って、一夫多妻制が普通だと思っているが、ケンジにとってそれは普通ではないのである。

「それが嫌なら、ケンちゃんがランスロット達を養ってよ!」

「むぐぐぐぐ……」

 マイは、ケンジの焦っている顔を見て、ニヤリと笑うのだった!

「ランスロット!あたしは、あなたを……買……」

「ちょっと待った!負けました……俺の負けです……ランスロット達、全員面倒みさせてください……」

 ケンジは、マイに土下座したのだった。その姿を見て、ランスロット達は喜んで仲間と抱きつきながら、歓声を上げたのだった。ギル達は、ケンジのそんな姿を見たのは、初めてだったので驚くのと同時に、惚れた弱みでこれからの人生、マイの尻に引かれるのが予想出来て、苦笑いしてしまったのだった。

 マイは、寸でのところでケンジが止めた事で、内心冷や冷やしていたのである。

(良かった……ケンちゃんが寸での所で止めてくれて……このガイアースの常識はあるけど、やっぱりケンちゃん以外の人とはちょっとね……)

 ケンジは、渋々ランスロット達と仮契約を結ぶのだった。

「お前達……マイにお礼を言うんだ!俺は、契約するつもりはなかったんだからな!ちくしょうぉ~~~~~」

「主!お気持ち察します……」

 ランスロット達は、マイに頭を下げお礼を言うのだった。そして、一旦未開のダンジョンに行くのは中止し、Freedom国にケンジ達とランスロットに率いる14番隊58名は、帰還する事になったのである。


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