異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

文字の大きさ
上 下
359 / 619
第9章 Freedom国の発展!

24話 ランスロット達の命運④

しおりを挟む
 100名近くいた、14番隊は60名ほどになっていたのである。

「それで、ランスロットお前達はなんで?奴隷になったのか話してくれるか?」

「ケンジ様は、だいたいの流れを、予想して分かっているのではありませんか?」

「まあな……」

「ケンちゃんは、なんでわかるのよ!ランスロット達は、お暇を貰いに行っただけなんでしょ?」

「俺も、秘密主義にしているだろ?もし、ランスロット達に暇を与えて、野に放てばどうなると思う?」

「あっ……」

「王国の軍事内容が、他国に情報がまわるのを恐れての事だろうな……」

「でも、だからと言って奴隷に落とせるわけないじゃない!」

「当然、その理由はいくらでも、貴族連中はこじつけるだろうさ!どうせ、今回のスタンピードでテンペの町の民衆を見捨てたとか、国王の命令に背いたとか理不尽な理由だろう……だから、俺は権力者が嫌いなんだよ!」

「その通りです……伯爵が国王に助言をしたと思ったら、あっという間に奴隷に落とされて、私達は何もできませんでした……」

「だから言ったじゃないか!王国に戻ったら俺が手を出せなくって!お前達は、ならなくていい奴隷に自らなりに行ったのと一緒なんだぞ」

 ケンジの言葉に、ランスロット達は何も言えなかったのだ。ケンジは、ランスロット達が王国に戻る事を引き止めていて、自分達はけじめをつけようと強引に帰還を望んだのである。その結果、14番隊は全員奴隷となり、40名近くはもう還らない存在となっていたのである。

「それで、お前達はこれからどうするつもりなんだ?」

「ケンちゃん!それ本気で言っているの⁉」

「マイさん!少し落ち着いて下さいよ。主には主の考えがあるんだと思います」

「ギルは黙ってて!いくら何でも、ここで放り出すのは間違っているよ!」

「マイ!ランスロット達は、確かに国王に暇を貰いに行った。そして、また戻ってくるつもりだと言ったが、全員が本当にそのつもりだったと思うのか?」

「それはそうだけど……」

「今は、みんな奴隷の立場となってしまったし、頼れるのは俺の国にくるだけという一択しか、選択が無くなっただけなんだよ」

「ケ、ケンジ様!お願いします!私達を、またFreedom国に招いてください!」

「あのな……お前達の気持ちはわからんでもないが、あの時お前達が王国に戻った事で、俺は大変な迷惑を被ったんだぞ!それに、今のお前達に……そんな筋肉の落ちたお前達に、町の警護が出来るのか?」

「それは、又鍛え直して……」

「その鍛え直している間、お前達は何もできないんだぞ!まだ、2、3人ならわかるが、14番隊は確かに100名近くから60人近くに減ったとしても、そんな大人数の奴隷達で警護しかできない人間を、俺に養えと?」

「そ、それは……」

 ランスロット達は、ケンジの言う事に何も言えなかったのだ。奴隷を養うのは何か理由があってこそだからだ。労働をさせる事や店を手伝わせる等、何か主人にとってメリットがあるのが大前提であり、今のランスロット達には警護など無理であり、他の事は一切やってこなかった為、何かをやらせるにも1から覚えないといけないのである。

「ケンちゃん!ランスロット達も好きで、奴隷に堕ちた訳じゃないでしょ?」

「なんだよ、マイ?いつもは普通なら奴隷のあつかいはもっとシビアじゃないか?いつも俺に常識が無いって、言ってたじゃないか!」

「だったら、何で今回は助けてあげないのよ!」

「あのな……俺だって誰彼構わず助けてたわけじゃないよ。奴隷商人に人材を買いに行ったのだって、俺にメリットのある人間しか購入してないよ」

「ケンちゃんのけちんぼ!60人ぐらい楽に養えるじゃない!ランスロット達も、少し時間をかけて鍛え直せば、前みたいに働けるようになるじゃない!それぐらいの、懐の大きさを見せてもいいんじゃないの?」

「ムッ!俺が懐が狭いっていうのか?」

「だって、そうじゃない!いつも秘密主義にして!今回だって、ケンちゃんの意見をちゃんとランスロットに言ってたら、奴隷に堕ちなくてもよかったんじゃない!」

「それは、ランスロットが王国に帰りたいと言う意見を尊重したんだ!秘密主義じゃない‼ランスロットが暇を貰いに行くと言うなら、もっと他の方法はあったと思うが、俺はそういうつもりだとは思わなかった!」

「ケンちゃんは、日頃からそういう事をしてないから、勝手に思い込んで自己完結しているから分からないのよ!」

「主!マイさんもうやめてください‼いつもの主じゃないですよ。もっと冷静になってください……」

「「ギル……」」

 周りを見ると、システィナ達とロイ達はケンジ達の喧嘩を見たのは初めてで、顔が青ざめていたのだった。ランスロット達は、自分達のせいでケンジとマイが言い争っているのを見て、申し訳なくなっていたのだった。

「ケンちゃん……ごめん……」

「俺の方こそ、悪かったよ。ごめんな……」

 二人が謝ったのを見て、システィナ達はホッと、ため息をついたのだった。

「ケンちゃん!ランスロット達を引取ってあげて!」

「だけど、今回の事はちょ、ちょっとなぁ……」

 マイは何か押し黙って、決意したようにケンジを見つめ直して口を開いたのである。

「もし、引取らないのなら……あたしが引き取るよ!」

「なっ、なんでだよ!」

「だって、ケンちゃんが意固地になっているんだもの。言ってみたらケンちゃんのせいで、ランスロット達は奴隷に堕ちたようなものよ。ケンちゃんが責任を取らないなら、奥さんであるあたしが取らないといけないからね!夫の尻拭いをするのよ……」

「勝手にしたらいいよ!後で泣きついてきても俺は……」

「本当にいいのね?ランスロットは、あたしの奴隷となるのよ?ケンちゃんが後悔する事になるんだからね!」

「何を言ってんだよ!俺が後悔って何だよ?」

「あたしは、秘密主義じゃないから、ち・ゃ・ん・と・はっ・き・り言ってあげる‼ここにいる40人近くは、あたしの男奴隷になるって事よ!当然、夜の奉仕もするんだからね!ケンちゃんは、それに耐えられるかしら?」

「ちょ、ちょっと待て!それは卑怯だぞ」

 ケンジは冷や汗をかくのだった。マイは、当然の事だがこのガイアースで生まれ育って、一夫多妻制が普通だと思っているが、ケンジにとってそれは普通ではないのである。

「それが嫌なら、ケンちゃんがランスロット達を養ってよ!」

「むぐぐぐぐ……」

 マイは、ケンジの焦っている顔を見て、ニヤリと笑うのだった!

「ランスロット!あたしは、あなたを……買……」

「ちょっと待った!負けました……俺の負けです……ランスロット達、全員面倒みさせてください……」

 ケンジは、マイに土下座したのだった。その姿を見て、ランスロット達は喜んで仲間と抱きつきながら、歓声を上げたのだった。ギル達は、ケンジのそんな姿を見たのは、初めてだったので驚くのと同時に、惚れた弱みでこれからの人生、マイの尻に引かれるのが予想出来て、苦笑いしてしまったのだった。

 マイは、寸でのところでケンジが止めた事で、内心冷や冷やしていたのである。

(良かった……ケンちゃんが寸での所で止めてくれて……このガイアースの常識はあるけど、やっぱりケンちゃん以外の人とはちょっとね……)

 ケンジは、渋々ランスロット達と仮契約を結ぶのだった。

「お前達……マイにお礼を言うんだ!俺は、契約するつもりはなかったんだからな!ちくしょうぉ~~~~~」

「主!お気持ち察します……」

 ランスロット達は、マイに頭を下げお礼を言うのだった。そして、一旦未開のダンジョンに行くのは中止し、Freedom国にケンジ達とランスロットに率いる14番隊58名は、帰還する事になったのである。


しおりを挟む
感想 223

あなたにおすすめの小説

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

半分異世界

月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。 ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。 いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。 そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。 「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

処理中です...