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第9章 Freedom国の発展!

22話 ランスロット達の命運②

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 ランスロット達は、まさかこんな事になるとは夢にも思わなかったのだ。お暇を貰い、すっきりした気分でFreedom国に戻り、ケンジの役に立つつもりだったのである。
 だが、そんな事をすれば主君の怒りに触れる事になると、なぜ思わなかったのだろうと、ランスロットは今更ながら後悔したのだった。
 だが、今更そんな事を愚痴ってももう遅いのだ。数日もすれば、騎士団14番隊は鉱山へと強制連行されてしまうのである。

「だ、団長!我々はこのまま死ぬまで鉱山で……」

「お前達……すまない俺がこんな事を提案したばかりに……」

 ランスロットは、牢屋の中で部下達に土下座して謝罪したのだった。

「団長!頭を上げてください!」
「そうですよ!団長が謝る事なんかありません!」
「そうです!理不尽なのは王国ですよ‼」
「「「「そうだ!そうだ!」」」」

「お前達止めるんだ!」

「ですが!」

「お前達の気持ちは分からんではないが、王国の……主君の批判をしては駄目だ!」

「団長……俺は悔しいです……団長は、テンペの町を守ろうと引き返したではありませんか。俺達は、あの時さすが団長と思ったんですよ!」

「俺らもそうです!」
「団長は卑怯者ではありません」
「そうだ!」
「俺達はあの雄志を見て感動さえしたのです!」

「だが、俺の考えは浅はかだった……俺の独りよがりで、お前達まで奴隷に……」

「団長!俺達は鉱山でも一緒です!俺達はずっと14番隊として団長に付いていきます!」

「「「「「団長!俺達もずっとついていきます!」」」」」

「お前達……すまん!」






「国王!少々相談したいことがあります。よろしいでしょうか?」

「伯爵!なんだ?申してみよ!」

「今回の件での、ギルドの責任についてです。年間莫大な費用を使って、町の結界を任せているのに、結界の維持が出来なかったから、我が王国領はテンペの町を失い縮小したのです!」

「うむ!確かにその通りだ!」

「ですから、損害賠償としてギルドに請求し、又これからのギルドの結界に対しての費用をまけさせるのです!」

「うむ!でかしたぞ。いい案だ!伯爵その商談はお主に任せたぞ。よきに、はからうがよい!」

「ははぁ~~~~~!ありがたき幸せ!早速その準備に掛らせていただきます」

 伯爵はニヤリと笑い、謁見の間から退出したのだった。

(くくくっ!笑いが止まらぬわ!今回の件で、ギルドも王国には強く出れないはず!大きく費用をまけさせ、その一部を我の懐に入れても分かりはしないはずじゃ!)




 そして、それから1か月後ようやくランスロット達は、鉱山送りの準備が整ったことにより、牢屋から出されるのだった。そのころにはもう、ランスロット達の面影は変わり果て見る影もなかった。

 これから、ランスロット達には過酷な運命が待っているのである。食事は一日一回の奴隷食で、睡眠時間も3時間ほどで、死ぬまで鉱山の採掘をさせられるのである。
 その前に、鉱山までの道のりは1か月以上、採掘場に着くまでに何人かは耐力が尽き果て犠牲者が出るだろう。
 奴隷の輸送とはそれほどまでに過酷な旅となるのである。だが、女性隊員はこの旅で力尽きた方が、幸せと言えるであろう。
 向こうに着いたら着いたらで、監視官の慰み者になるのが普通で、昼間は働かされ夜は奉仕と、休む事さえできないのである。

「出発するぞ‼今日はお前達が歩いてついてくるのだ。遅れたら罰を与えるわかったな!」

「……」

「返事はどうした!」

 14番隊の仮の主人になった者は、いい気になり鞭を振るい、ランスロット達を痛めつけるのだった。

「「「「「はい……」」」」」

「お前達は、これから死ぬまで鉱山で働き、返事は肯定のみだ!わかったな‼」

「「「「「はい……」」」」」

 そして、ランスロット達は馬車に引きずられる様に、囚人鉱山に出立したのである。


 1ヶ月後……

「お前達!何をやっておる!進行が遅れてまだ到着出来ないではないか‼」

「ハイン様!申し訳ございません……」

 ぱぁ~~~~~ん!主であるハインが苛立ち、ランスロットに鞭を振るったのだ。

「ぐっ!」

「お前の元部下達はホントひ弱だよな!1ヶ月では到着出来ない、それどころかここに来るまでに、3分の1が脱落して、呆気なく死んじまってよ!」

 ランスロットは、そんな心ない言葉に涙が出そうになって、奥歯を噛みしめ仮の主を睨みつけるのだった。

「なんだぁ!何睨んでやがる!お前は、まだ立場が分かってないのか?」

 ハインは、またランスロットに鞭を振いまくったのである。

「うぐ!ぐううう!」

 ランスロットは、何回鞭で叩かれたのかわからない程で、とうとう気を失ってしまったのだ。

「なんでぇ!気絶しちまったじゃないか。お前達こいつを運べ!すぐに出発するぞ!」

「団長!大丈夫ですか?」

「気絶してるから返事なんてしねえよ!はははははは!」

 その日の夜、野営をしていた時、その出来事は起こったのであった。

「ぎゃああああああ!」
「ぐわああああああ!」
「た、たすけてくれええええ!」

 その叫び声に、奴隷の主・護衛の冒険者・奴隷達が一斉に目を覚ましたのだった。

「なんだ?今の声は!」

 すると見張りをしていた奴隷が、テントの中に入ってきたのだった。

「急いで逃げてください!魔物です!」

 護衛の冒険者達は、野営をしていたのだが一瞬の出来事だったのだ。襲ってきたのは、ブラッドタイガーでこんな街道沿いに出現するような魔物ではなかったのだ。

「こんな街道沿いなら、護衛の冒険者が片づけてくれるだろうが!」

「魔物はブラッドタイガーです!早くお逃げください多分耐えられないかと……」

「なんだと……災害級の魔物ではないか!なぜこんなとこに?」

「分かりません!早くお逃げください!」

 ハインは、急いでテントから顔を出したのだった。その瞬間、首が吹き飛んだのだった!護衛の冒険者は、あっという間にやられ、その場に残ったのはブラッドタイガーとランスロット達だけになったのだ。

「お前達は早く逃げろ!」

 目を覚ましていたランスロットは、部下達に指示を出したのだった。ハインが亡くなった為、ランスロット達は廃棄奴隷となり、その首には隷属の首輪が出現していたのだった。

「団長を置いて逃げるなんてできません!」
「俺達はもう……」
「そうです!一蓮托生!死ぬときは一緒です!」

「お前等……」

 ブラッドタイガーは、ジリジリ間合いを詰めて、ランスロット達を追い詰めて行ったのだった。



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