異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第9章 Freedom国の発展!

16話 頼りになる後輩

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 一週間後、ケンジはギルドカード製作機を完成させたのであった。

「できたぁ~~~~~!」

「ケンちゃん、何が出来たの?」

「これだよこれ!」

「ケンちゃん……なにこれ?」

「マイこれに見覚えないか?」

 ケンジは、水晶球のついた台座を出したのだった。マイは、その見覚えのある水晶に絶句したのだった。

「ケンちゃん……これって?」

「そうだ!ギルドカード製造機だよ!マイ、この水晶に手を置いてみてくれ」

 マイは、ケンジに言われるがまま水晶に手を置いたのだった。すると、隣にあった箱型の魔道具が起動し、ものの数分でカードが出てきたのだった。

「よっしゃあ~~~!完成だ‼」

 ケンジは、喜びながらガッツポーズをしたのだった。ケンジも自分のカードを作ったのだった。

「ケンちゃん、何でギルドカードを?」

「だって、パーティーが組めなかったら不便だろ?」

「確かにそうね。これってお金も入れれるの?」

「そりゃ当然だろ!機能ギルドカードと全く一緒だけど、ギルドのマーク?それは入ってないよ。だから他の町でキャッシュカードとしては使えないし、町に入る時に見せたら偽造と疑われるだろうな!」

「えっ?そうなの!」

「まあ、疑われるけど本物と同じだから、ややこしくなる個も知れないけどな。でも、このカードの利用はパーティー組むだけのアイテムのつもりだから。それ以外に使う気はないかな……それにいずれ、この町でもギルドを再開させなきゃならんし、そうなった時にこの機械は必要になるだろう!」

「えーっと……どういう事?」

「あぁ!この国には、ギルドは入れないって事だよ!この国、独自のギルドを作り、運営するって事だ!」

「えええ!」

「今は、ウランとユエティーとアプリコットが前職の経験を活かして、買い取り業務を何人かでまわしてくれているだろ?」

「うん……」
 
「だったら、それで広げていけば問題なくやっていけるからな!後、話は戻るが、ギル達にもこのカードを作ってもらい、伐採している者達とパーティーを組んでもらった方が都合がいいからな」

 マイは、ケンジの計画を聞き本当に驚くのだった。奴隷同士がパーティーを組むなんて、この世界の人間には普通考えつかないのだ。
 ケンジの説明によると、ギルやマードック達がパーティーリーダーとなり、護衛対象である伐採作業をする生産奴隷の連合を組むのである。これにより、魔物を倒した経験値がみんなに分配する事により、生産者がレベルアップしていくのである。
 そして、レベルアップした生産者のスキルはどんどん上がっていき、国の生産が活発になり国が豊かになるのである。




 すると、ギル達が会議室に入ってくるのである。

「主!今日から初級ダンジョンに行くのですよね?」

「今日じゃないぞ!今日は、お前達がダンジョンに行く準備をするんだ!」

「わ、分かりました。では、町に行って買い出しに行ってきます」

「ギル!ちょっと待ってくれ。今日はこいつらと一緒に行ってきてくれ!」

 ケンジが紹介したのは、テンペの町から奴隷商人を救った時に、譲ってもらったというか厄介払いされたというかタダで貰った奴隷達だった。

 この奴隷達は、元冒険者でCランクまでいったのだが、冒険中にミスをして腕や足を魔物に食われてしまい、ギリギリのところで助けられたが、生活が出来なくなり冒険の失敗で違約金を払えなくて、奴隷に落とされてしまった者達であった。

 その冒険者達は、【雷神】というパーティー名で活動をしていた冒険者達だった。戦士男2名、魔法使い女、ヒーラー女、ローグ男の5名で全員ヒューマンだった。

「主様、マイマール様、初めまして!雷神のリーダーだったロイです」
「タンカーのブンダスです」
「ローグのハイドです」
「魔法使いのデイニーです」
「ヒーラーのパメラです」

 テンペの町が滅亡してから月日が経っていたが、こうして自己紹介は初めてで、ケンジはこの5人と会ったのは2回目だった。
 最初は、奴隷商人が王都に移住するにあたって、こういった欠損奴隷は厄介でしかなかった為、ケンジなら引取ってくれるであろうと思い、数多くの欠損奴隷をタダで引き取った時に治療したのが初めてだった。今回で2回目であり、雷神のメンバーはケンジにちゃんとお礼を言えないでいたのだった。

「主様!我々の治療をしてくださり、そして今日までの生活、本当にありがとうございます!」

「「「「ありがとうございます!」」」」

「これからこの恩を返す為、身を粉にして働くので何でもおっしゃってください!」

 ロイが丁寧なあいさつをしたと同時に、5人がそろってひざまつくのだった。

「そんな硬い挨拶はいいよ!ここに来たのならみんな仲間だと、俺は思っているからな」

「勿体ないお言葉ありがとうございます」

 新しく来た、まだ名前の知らない奴隷達は人数が増えすぎてしまった為、ロイ達は食事や風呂は別館で、ギル達とは違う建物で暮らしているのだ。それ故に、こうしてケンジと同じ部屋に入るだけでも、ロイ達は緊張し恐縮してしまっているのである。

 ケンジも、今どれくらいの奴隷がいて、名前と顔が一致していない奴隷がいるのである。

「うん!これからは君達には、ダンジョンに行く準備を、ギル達に教えて欲しいんだよ」

「「「「「えっ?ギルさんにですか⁉」」」」」

「ああ!冒険者の基礎を、教えてあげてほしい!」

 ロイ達は、筆頭奴隷であるギルに、冒険者の基礎を教える事となったのである。だが、奴隷になった経緯は人それぞれの為、何が分からないのかも個人差があるので、ロイ達は最初びっくりしたが快く引き受けたのである。

「そして、ロイ達も明日から、俺達と一緒に初級ダンジョンに行くから、この金で町に出て準備をしてきてくれ」

「我々も初級ダンジョンに連れて行ってくれるのですか?」

「ああ!君達には外に出ていく生産者達の護衛を任せるつもりだから、しっかりレベルアップしてもらうから、そのつもりでよろしくな!」

「「「「「はい!分かりました‼」」」」」

「それじゃ!マイ、みんなをよろしく頼むな」

「うん。わかったわ!」

 マイ達以下11名は、Freedom店に買い出しに行くのである。そして、移住を決めた元テンペの町の人達も露店を始めており、冒険に必要なものを個人で売り出してきていたのだった。
 中には治療用の包帯や秘薬、ランプや松明など料理スキルで作れるパン(一口食べると力が5上がる)など、ギル達の知らない知識をドンドン教えてくれるのであった。

「なるほど……こういった物を揃えないと行けなかったのか……」

「ギルさんは、今までどのようなものを揃えていたのですか?」

「情けない話なんだが……今まで主に頼りきっていて、ロイ達に教えてもらった物を知らなかったんだよ」

「えっ……」

「例えばこの松明なんかも、主の装備で必要がなかったしな……なんで、松明があるのにランプを用意するのかも知らなかった……」

 松明はダンジョン内を歩くときに使うもので、ランプは野営で使った方が便利が良いのである。ロイに言わせると魔物がいきなり現れた時、松明を魔物に押し付けたりして、反撃できて良いのだと言うのだ。
 初級ダンジョンでも思わぬ事が起きる場合があり、最悪の状況を予想して慎重に行動するのがセオリーだと、ロイに言われるのだった。

「ギルさん!それはなんですか⁉」

 ロイは、ギルの持っているバックに驚くのであった。ギル達にとって、もう普通であるマジックバックにロイ達は驚くのだった。

「ああ……これは主に借りているマジックバックだよ。容量は最小だが便利いいよ」

 ロイ達は、ギル達が奴隷なのに、マジックバックを持っている事に絶句してしまったのだ。ロイ達は奴隷に堕ちる前Cランクまで上がったのに、マジックバックを所有した事がなく、ポーターを雇って冒険をしていたのである。


 ポーターとは荷物持ちであり、戦闘じゃない事をやってもらう職業であり、Dランクに上がってやっと雇えるようになったぐらいなのである。そんなギル達を見て、ギルの言った主に頼ってきたという意味が、分かった気がしたのである。

 マイも又、自分はSSランクに上がっていたのに、ロイ達冒険者はこんなに苦労をして、日々の冒険をしていた事に気づかされたのである。

「ロイ……貴方達って、こんな風に冒険者をしていたの?」

「ええ!これでも私達はポーターが雇えるぐらいになっていたので、恵まれていたと思いますよ」

「そうですね!私達はポーターも雇えてその上僅かだけど、貯金も出来ていた感じでしたからね」

 デイニーとパメラが嬉しそうに答えたのだった。

「だけど、少し調子に乗って自分達には難しい依頼を受けちゃって、奴隷になっちゃった……」

「パメラ……」

「でも、マイマールさん!ご主人様に貰ってもらい反対に良かったですよ。毎日幸せに感じます」

 デイニーとパメラは、奴隷となってしまった事を後悔していないようだった。12人はそんな会話をしながら、ダンジョンの準備を終わらせたのである。


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