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第9章 Freedom国の発展!
13話 久しぶりの中級ダンジョン③
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マイ達、護衛メンバーはこんなはずではと思い焦っていたのだった。ここに来る前、ケンジは何を言っているんだと思っていたのだが、実際ここにきて愕然としたのだ。
ダンジョン内の、魔物達は力をつけていてオークでさえ、ケンジの装備がなければ、あれほどまでに苦戦を強いられたのだ。
「マイさん!この先にワイルドベアーが3体います!」
「わかった!」
マイ達の気配に気づいた、ワイルドベアーが突進してきたのだ。いつも通り、システィナは挑発したのだった。
システィナは、先ほどの事もあり今回は慎重に構えて、ワイルドベアーの太い腕から繰り出される爪攻撃を、受け止めるのではなく力の方向を変えるように薙ぎ払うのだった。
そして、プリムは全集中し、ワイルドベアーの急所を狙って、只の突きを繰り出し一撃で仕留めたのである。
「プリム、よくやったわ!システィナも冷静に対処して良かったわよ!」
「「ありがとうございます!」」
マイのこの言葉は、士気を上げる為にもリーダーとして必要な事である。そして、マイ達はどんどん先に進んだのだった。
「マイさん!40分経ちそうです」
「セイラ!補助魔法をお願い!」
「はい!」
システィナとマードックも、補助スキルを同時に掛けたのだった。そして、そのまま奥へと進むのだった。
「マイさん!奥にオーガが1体います」
「みんな、コイツを倒したら2階層よ!」
「「「「「はい!」」」」」
すると、オーガが侵入してきた、マイ達の姿を発見し、大きな丸太のような武器を振り回し、突進してきたのだった。
システィナは、いつも通りオーガを挑発したのだった。オーガは、近づくと判明したのだがオーガの上位種、オーガファイターであった。
「コイツは……只の、オーガじゃなくてオーガファイターよ!みんな気を付けて!」
ここにきて、ダンジョン内が薄暗い事で近くに来るまで、只のオーガだと思っていたのが、オーガファイターだったのである。
システィナは、オーガの武器に対して、意識を集中させ力を分散させる様に構えを取るのである。
一撃一撃が凄く重いオーガファイターの攻撃は、システィナに少しづつではあるが、ダメージを蓄積させていくのである。
オリヴィアは、ヒールの回復量を見極め、最大値になる様に唱えていくのである。その間、プリムとマードックはオーガファイターの後ろに回り込みドンドン攻撃を繰り返し、オーガファイターのHPを削っていくのである。
二人は、マイの命令でオーガの肩口に集中して、攻撃を繰り返していくのだった。その時、マードックの一撃が決まったのである。ブチっという音が聞こえ、それと同時にオーガファイターの丸太のような腕が切断されたのだ。
『グワァァァァァァァァァァ!』
オーガファイターの咆哮だった!通路から広くなった、広場のような部屋中に響き渡ったのである。その咆哮にシスティナとマードックが、麻痺したように動かなくなったのである。
「ゥぐ……」
「きゃっ!」
オーガファイターは、その瞬間を見逃さなかったのである。システィナに向けて、その丸太のような残った左腕で振りかぶり、システィナを殴りかかったのだ。
セイラは、システィナに向けて※①【クリアランス】を唱えたのだが、MPがこの連続の戦闘により足らなくなっていたのだ。クリアランスは失敗し、セイラが気絶したのだった。
「セイラァ!」
マイは叫ぶが、もうどうしようもないのだ。その瞬間、システィナは動けない状態でオーガファイターに殴られ、吹っ飛ぶのだった。
システィナは、麻痺をしていた為、叫び声も上げられず壁に打ち付けられ、気絶してしまったのだった。
オーガファイターの足元には、動けなくなったマードックがただ佇むだけで、オーガファイターはイヤらしい笑みを浮かべ、マードックを睨むのだった。
マイはやばいと思い、構えを取るのだった。
※②「立花極心流……奥義!覇殺拳‼」
これは、前にも使った奥義で、相手の心の臓に衝撃を叩き込み、鼓動を止める一撃必殺の技である。
マイの拳は、オーガファイターの心臓に拳が決まったのだ。オーガファイターはグラッと上体が揺れ、膝から力が抜けたと思った瞬間……また、力が復活したように持ち直したのだった。
マイの、覇殺拳が決まらなかったのだ。マイも、休憩してMPが全回復してなかった為、MPが足らなかったのである。そのため、オーガファイターにダメージを与えたのだが、心臓にまで衝撃波が十分に与える事が出来ず、心臓を停止させるだけの力が伝わらなかったのだ。
プリムは、※③【旋風陣】を放ちたかったのだが、麻痺を起こしてマードックが近くにいる為、放つ事が出来なかったのだ。
その為、通常攻撃を繰り返していたのだが、壁役であるシスティナもいなくなり、オーガの攻撃を避けながら攻撃を繰り出す事となり、なかなか致命傷を与える事が出来なくなっていたのだ。
「どうやらここまでのようだな……」
ケンジは、マイ達が死んでしまうと思い、手を出す事にしたのだった。ケンジは※④【コキュートス=レイ】をオーガファイターに撃ったのである。
一閃の矢の様に飛んで行った魔法はオーガファイターに当たり、その瞬間でオーガファイターの細胞全てが、活動停止し凍りついたのだった。
それを見た、マイとプリムはその場に崩れ落ちた様に、膝をついたのだった。ギルとオリヴィアも、その後景に安心した様で、やっと終わったのかという疲れで呆然としたのだった。
「ギル、オリヴィア!システィナとセイラの救護!プリムはマードックを運んできてくれ!」
「「「は、はい!」」」
ケンジはこの場所にハウスを出し、家の中にみんなを入れるのだった。マイをはじめ、ギル達は自分の不甲斐なさに落ち込むのであった。
ケンジは、前衛で戦っていたマイ達に※⑤【パーフェクトヒール】を唱え、システィナとMP切れのセイラにはベットで休んでもらう事にしたのだ。
「みんなも、システィナとセイラが目覚めるまでゆっくりしてろよ!話はそれからだ」
「「「「「はい……」」」」」
「ケンちゃん!ちょっと待ってよ」
「何か言いたい事があるのか?」
「これで終わりって言わないよね?」
「……」
ケンジは、マイの目をジッと見て悲しそうな顔をするのだった。
「何で何も言ってくれないのよ?」
「後で、言おうと思っていたが……本当にいいのか?」
「あたし達は、まだ終わってない!まだ頑張れるから!」
「だけど、あの時……俺が手を出していなかったらどうなってた?」
「そ、それは……」
「もし、今回これがギルドの依頼で、俺じゃない生産者の護衛としてのミッションだった場合、マイは今の様にまだ失敗してないと駄々をこねるのか?」
「……」
「いや……それ以前に全滅してたら、こうして文句も言えなかったかもしれないんだぞ?」
ケンジの言葉に、マイをはじめギル達も下を向き、悔しそうな顔をしていたのだった。
「いいか?マイ!今回の件でよくわかったと思うが、お前達は今の中級ダンジョンの1階層も、越える事が出来ない実力なんだ!」
「これは、ちょっと思ってた事と違って!」
「マードック……そうだろうな……今までなら、自分でも考えられない程の攻撃回数で圧倒していたのに、たかが2回攻撃になってびっくりしただろ?」
「はい……」
「マードック!勘違いしたら駄目だぞ。それがお前の基本スペックであり実力なんだ」
「そっ!」
「そんなじゃないんだ!冒険者達は普通その装備でお前よりもレベルが低いが、慎重にダンジョン攻略をしているんだ。それに今の中級ダンジョンは、また力をつけて強力な魔物が横行しているんだ」
「……」
「マードックもそう思わないか?たかがオークが、あんなに強いとは思わなかったろ?」
「それは……」
ケンジは、マードックにそういって話を続けるのだった。
「これで終わりじゃないぞ?お前達には、当分その装備で初心を思い出して貰うから、覚悟しておけよ?」
「主!初心ってどういう事だ?」
ケンジは、マードックに訳を話さなかった。ここで話すより、ケンジが後方から護衛をし、実戦で自分で気づいてもらわないと分からないと思ったからだ。
「とにかくだ!セイラ達が目覚めたら、いったん国に帰るから全てはそれからだよ。お前達は、ダンジョンに潜ろうという、準備からなっていないから、こういう事になったのが分からないようだからな!」
「そ、そんな!主は準備の時、アイテムを確認した時、何も言ってくれなかったではありませんか!」
「ギル……お前は、あの時自信を持って大丈夫だ!と、俺に答えたじゃないか!あれは嘘だったのか?」
「そうではありません!もし足りないのであれば、あの時に言ってくれても!」
「それで、丁寧に教えてお前は身に染みて覚えるというんだな?」
「そ、それは……」
「今回の事は、お前自身身に染みたと思う!何が足りなかったか、よく分かったんじゃないか?」
「はい……」
ギルは、ケンジが言っている事がよくわかるのである。まずランタンがあれば、もっと先まで見通せる事が出来、罠にも引っかからなかったと思うのだった。ポーションも数が、全然足りない事も分かったのだった。
「いいか?ギル。それが経験だよ!俺が悪かったと言ったのは、それらの事をギル達に、経験させなかった事なんだよ……いきなり強力な装備を与えた事により、それらの経験をすっ飛ばしてしまったんだよ。本当に悪かった……」
ケンジは、ギル達に頭を下げたのだった。そして、それを見たギル達は下を向き、黙っているしか出来なかったのだ。
数時間した後、システィナとセイラが目を覚めた事により、ダンジョンから脱出し、簡易村だった場所にハウスを建てて、Freedom国に帰るのだった。
*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきたスキル、魔法一覧
※①【クリアランス】
神聖魔法 5階位
消費MP 25
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 ひとり
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考欄
状態異常の仲間を治療する魔法。この魔法は毒とかパラライズ、沈黙等
殆どの状態を治す事ができて便利である。
唯一、治せないのは呪いだけであり、MP消費が高いのが欠点だろう。
クレリック、プリースト職業レベル60信仰心スキル50.00で使用可能。
※②【立花極心流奥義 覇殺拳】
表の奥義 相手の心臓の鼓動に合わせ拳を打ち込む奥義。
心臓麻痺を起こす一撃必殺技
※③【旋風陣】
竜巻を前方に打ち出し嵐の中に閉じ込めエアカッターで、なます切りに
して上空に舞い上がらせ落下させる技
※④【コキュートス=レイ】
水属性魔法 10階位
消費MP 80
詠唱速度 85秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶15個
備考欄
水属性魔法の最高位魔法で絶対零度の冷気を直接体内に
打ち込む魔法。当たった瞬間炎でさえ凍らせてしまう魔法。
一撃必殺の攻撃魔法である。
ダメージは無し命中した瞬間ありとあらゆる物は活動停止
し死亡してしまうからである。
大魔道師の職業レベル200・パッシブスキル魔法120.00で使うこと
が可能。
※⑤【パーフェクトヒール】
聖属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 90秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜、各5個
備考欄
聖属性魔法の回復魔法としては最高峰の魔法。この上には回復魔法は
存在しない。この魔法を使うと命さえ無事ならば部位欠損さえも元通りに
してしまう。この上位になると蘇生魔法になるがそれらの魔法は禁忌になる。
大魔道士職業レベル150以上魔法スキル120.00で使える。
ダンジョン内の、魔物達は力をつけていてオークでさえ、ケンジの装備がなければ、あれほどまでに苦戦を強いられたのだ。
「マイさん!この先にワイルドベアーが3体います!」
「わかった!」
マイ達の気配に気づいた、ワイルドベアーが突進してきたのだ。いつも通り、システィナは挑発したのだった。
システィナは、先ほどの事もあり今回は慎重に構えて、ワイルドベアーの太い腕から繰り出される爪攻撃を、受け止めるのではなく力の方向を変えるように薙ぎ払うのだった。
そして、プリムは全集中し、ワイルドベアーの急所を狙って、只の突きを繰り出し一撃で仕留めたのである。
「プリム、よくやったわ!システィナも冷静に対処して良かったわよ!」
「「ありがとうございます!」」
マイのこの言葉は、士気を上げる為にもリーダーとして必要な事である。そして、マイ達はどんどん先に進んだのだった。
「マイさん!40分経ちそうです」
「セイラ!補助魔法をお願い!」
「はい!」
システィナとマードックも、補助スキルを同時に掛けたのだった。そして、そのまま奥へと進むのだった。
「マイさん!奥にオーガが1体います」
「みんな、コイツを倒したら2階層よ!」
「「「「「はい!」」」」」
すると、オーガが侵入してきた、マイ達の姿を発見し、大きな丸太のような武器を振り回し、突進してきたのだった。
システィナは、いつも通りオーガを挑発したのだった。オーガは、近づくと判明したのだがオーガの上位種、オーガファイターであった。
「コイツは……只の、オーガじゃなくてオーガファイターよ!みんな気を付けて!」
ここにきて、ダンジョン内が薄暗い事で近くに来るまで、只のオーガだと思っていたのが、オーガファイターだったのである。
システィナは、オーガの武器に対して、意識を集中させ力を分散させる様に構えを取るのである。
一撃一撃が凄く重いオーガファイターの攻撃は、システィナに少しづつではあるが、ダメージを蓄積させていくのである。
オリヴィアは、ヒールの回復量を見極め、最大値になる様に唱えていくのである。その間、プリムとマードックはオーガファイターの後ろに回り込みドンドン攻撃を繰り返し、オーガファイターのHPを削っていくのである。
二人は、マイの命令でオーガの肩口に集中して、攻撃を繰り返していくのだった。その時、マードックの一撃が決まったのである。ブチっという音が聞こえ、それと同時にオーガファイターの丸太のような腕が切断されたのだ。
『グワァァァァァァァァァァ!』
オーガファイターの咆哮だった!通路から広くなった、広場のような部屋中に響き渡ったのである。その咆哮にシスティナとマードックが、麻痺したように動かなくなったのである。
「ゥぐ……」
「きゃっ!」
オーガファイターは、その瞬間を見逃さなかったのである。システィナに向けて、その丸太のような残った左腕で振りかぶり、システィナを殴りかかったのだ。
セイラは、システィナに向けて※①【クリアランス】を唱えたのだが、MPがこの連続の戦闘により足らなくなっていたのだ。クリアランスは失敗し、セイラが気絶したのだった。
「セイラァ!」
マイは叫ぶが、もうどうしようもないのだ。その瞬間、システィナは動けない状態でオーガファイターに殴られ、吹っ飛ぶのだった。
システィナは、麻痺をしていた為、叫び声も上げられず壁に打ち付けられ、気絶してしまったのだった。
オーガファイターの足元には、動けなくなったマードックがただ佇むだけで、オーガファイターはイヤらしい笑みを浮かべ、マードックを睨むのだった。
マイはやばいと思い、構えを取るのだった。
※②「立花極心流……奥義!覇殺拳‼」
これは、前にも使った奥義で、相手の心の臓に衝撃を叩き込み、鼓動を止める一撃必殺の技である。
マイの拳は、オーガファイターの心臓に拳が決まったのだ。オーガファイターはグラッと上体が揺れ、膝から力が抜けたと思った瞬間……また、力が復活したように持ち直したのだった。
マイの、覇殺拳が決まらなかったのだ。マイも、休憩してMPが全回復してなかった為、MPが足らなかったのである。そのため、オーガファイターにダメージを与えたのだが、心臓にまで衝撃波が十分に与える事が出来ず、心臓を停止させるだけの力が伝わらなかったのだ。
プリムは、※③【旋風陣】を放ちたかったのだが、麻痺を起こしてマードックが近くにいる為、放つ事が出来なかったのだ。
その為、通常攻撃を繰り返していたのだが、壁役であるシスティナもいなくなり、オーガの攻撃を避けながら攻撃を繰り出す事となり、なかなか致命傷を与える事が出来なくなっていたのだ。
「どうやらここまでのようだな……」
ケンジは、マイ達が死んでしまうと思い、手を出す事にしたのだった。ケンジは※④【コキュートス=レイ】をオーガファイターに撃ったのである。
一閃の矢の様に飛んで行った魔法はオーガファイターに当たり、その瞬間でオーガファイターの細胞全てが、活動停止し凍りついたのだった。
それを見た、マイとプリムはその場に崩れ落ちた様に、膝をついたのだった。ギルとオリヴィアも、その後景に安心した様で、やっと終わったのかという疲れで呆然としたのだった。
「ギル、オリヴィア!システィナとセイラの救護!プリムはマードックを運んできてくれ!」
「「「は、はい!」」」
ケンジはこの場所にハウスを出し、家の中にみんなを入れるのだった。マイをはじめ、ギル達は自分の不甲斐なさに落ち込むのであった。
ケンジは、前衛で戦っていたマイ達に※⑤【パーフェクトヒール】を唱え、システィナとMP切れのセイラにはベットで休んでもらう事にしたのだ。
「みんなも、システィナとセイラが目覚めるまでゆっくりしてろよ!話はそれからだ」
「「「「「はい……」」」」」
「ケンちゃん!ちょっと待ってよ」
「何か言いたい事があるのか?」
「これで終わりって言わないよね?」
「……」
ケンジは、マイの目をジッと見て悲しそうな顔をするのだった。
「何で何も言ってくれないのよ?」
「後で、言おうと思っていたが……本当にいいのか?」
「あたし達は、まだ終わってない!まだ頑張れるから!」
「だけど、あの時……俺が手を出していなかったらどうなってた?」
「そ、それは……」
「もし、今回これがギルドの依頼で、俺じゃない生産者の護衛としてのミッションだった場合、マイは今の様にまだ失敗してないと駄々をこねるのか?」
「……」
「いや……それ以前に全滅してたら、こうして文句も言えなかったかもしれないんだぞ?」
ケンジの言葉に、マイをはじめギル達も下を向き、悔しそうな顔をしていたのだった。
「いいか?マイ!今回の件でよくわかったと思うが、お前達は今の中級ダンジョンの1階層も、越える事が出来ない実力なんだ!」
「これは、ちょっと思ってた事と違って!」
「マードック……そうだろうな……今までなら、自分でも考えられない程の攻撃回数で圧倒していたのに、たかが2回攻撃になってびっくりしただろ?」
「はい……」
「マードック!勘違いしたら駄目だぞ。それがお前の基本スペックであり実力なんだ」
「そっ!」
「そんなじゃないんだ!冒険者達は普通その装備でお前よりもレベルが低いが、慎重にダンジョン攻略をしているんだ。それに今の中級ダンジョンは、また力をつけて強力な魔物が横行しているんだ」
「……」
「マードックもそう思わないか?たかがオークが、あんなに強いとは思わなかったろ?」
「それは……」
ケンジは、マードックにそういって話を続けるのだった。
「これで終わりじゃないぞ?お前達には、当分その装備で初心を思い出して貰うから、覚悟しておけよ?」
「主!初心ってどういう事だ?」
ケンジは、マードックに訳を話さなかった。ここで話すより、ケンジが後方から護衛をし、実戦で自分で気づいてもらわないと分からないと思ったからだ。
「とにかくだ!セイラ達が目覚めたら、いったん国に帰るから全てはそれからだよ。お前達は、ダンジョンに潜ろうという、準備からなっていないから、こういう事になったのが分からないようだからな!」
「そ、そんな!主は準備の時、アイテムを確認した時、何も言ってくれなかったではありませんか!」
「ギル……お前は、あの時自信を持って大丈夫だ!と、俺に答えたじゃないか!あれは嘘だったのか?」
「そうではありません!もし足りないのであれば、あの時に言ってくれても!」
「それで、丁寧に教えてお前は身に染みて覚えるというんだな?」
「そ、それは……」
「今回の事は、お前自身身に染みたと思う!何が足りなかったか、よく分かったんじゃないか?」
「はい……」
ギルは、ケンジが言っている事がよくわかるのである。まずランタンがあれば、もっと先まで見通せる事が出来、罠にも引っかからなかったと思うのだった。ポーションも数が、全然足りない事も分かったのだった。
「いいか?ギル。それが経験だよ!俺が悪かったと言ったのは、それらの事をギル達に、経験させなかった事なんだよ……いきなり強力な装備を与えた事により、それらの経験をすっ飛ばしてしまったんだよ。本当に悪かった……」
ケンジは、ギル達に頭を下げたのだった。そして、それを見たギル達は下を向き、黙っているしか出来なかったのだ。
数時間した後、システィナとセイラが目を覚めた事により、ダンジョンから脱出し、簡易村だった場所にハウスを建てて、Freedom国に帰るのだった。
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この話で出てきたスキル、魔法一覧
※①【クリアランス】
神聖魔法 5階位
消費MP 25
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 ひとり
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考欄
状態異常の仲間を治療する魔法。この魔法は毒とかパラライズ、沈黙等
殆どの状態を治す事ができて便利である。
唯一、治せないのは呪いだけであり、MP消費が高いのが欠点だろう。
クレリック、プリースト職業レベル60信仰心スキル50.00で使用可能。
※②【立花極心流奥義 覇殺拳】
表の奥義 相手の心臓の鼓動に合わせ拳を打ち込む奥義。
心臓麻痺を起こす一撃必殺技
※③【旋風陣】
竜巻を前方に打ち出し嵐の中に閉じ込めエアカッターで、なます切りに
して上空に舞い上がらせ落下させる技
※④【コキュートス=レイ】
水属性魔法 10階位
消費MP 80
詠唱速度 85秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶15個
備考欄
水属性魔法の最高位魔法で絶対零度の冷気を直接体内に
打ち込む魔法。当たった瞬間炎でさえ凍らせてしまう魔法。
一撃必殺の攻撃魔法である。
ダメージは無し命中した瞬間ありとあらゆる物は活動停止
し死亡してしまうからである。
大魔道師の職業レベル200・パッシブスキル魔法120.00で使うこと
が可能。
※⑤【パーフェクトヒール】
聖属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 90秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜、各5個
備考欄
聖属性魔法の回復魔法としては最高峰の魔法。この上には回復魔法は
存在しない。この魔法を使うと命さえ無事ならば部位欠損さえも元通りに
してしまう。この上位になると蘇生魔法になるがそれらの魔法は禁忌になる。
大魔道士職業レベル150以上魔法スキル120.00で使える。
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