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第9章 Freedom国の発展!
12話 久しぶりの中級ダンジョン②
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ケンジ達は、中級ダンジョンへと侵入開始した。久しぶりに入った中級ダンジョンは、薄暗く先が見えずらかったのだ。
ギル達の、今までの装備には※①【ナイトサイト】が付与されていた為、ダンジョン内も又陽の光の下の様に明るかったのである。だが、その効果もなくダンジョン内は薄暗かったのである。
「ケンちゃん!ちょっと暗いんだけど……明るくしてくれない?」
「何言っているんだ?お前達で何とかしろ!今回、お前達は俺の護衛で5階層まで、連れて行かなければならないんだぞ!」
今回の目標は、ケンジを生産者と思って5階層の採掘現場に連れて行かなければ行けないのである。ギルドを追放され、パーティーが組めなくなっていたケンジ達であったが、パーティーリーダーをマイにして、ダンジョンに侵入開始していたのだった。
つまり、生産者であるケンジが※②【ライト】の魔法を使う事は無いのである。ケンジは、クローティアからもらったバックから、魔道具であるランタンを取り出したのだった。
「そ、そんな……」
マイ達は明るくする道具を用意していなかったのだ、ダンジョン内はヒカリゴケの影響で薄暗くて、真っ暗闇ではないものの10m先は見えなかったのだ。
フィールドエリアである、5階層までずっと暗いままなのである。入った早々、マイ達はピンチに襲われるのであった。
「ギル!ランタンとか買ってきてる?」
「いえ……私達も買ってきておりません……」
「しょうがないわね……このまま進みましょう!ギルは罠には気を付けてね」
「はい!わかりました……」
「そんな事で、本当に大丈夫なのか?」
ケンジはマイに、挑発するような事を言ったのだ。マイは、悔しかったが用意していなかった自分が悪いと思い、何も言えなかったのだ。
侵入スピードは当然遅くなり、予定の2日以内に、5階層に着けるかどうかわからなくなってきたのだった。
ぴしゅっと小さな音が鳴ったのだ。
「ぐっ!」
まさかの状況に、みんなが驚いたのである。ギルが罠に引っかかったのだ。
「ギル!大丈夫?」
「だ、大丈夫です……す、すいません……」
「オリヴィア!すぐにキュアをギルに唱えるんだ!」
「えっ?」
「ギル!お前も何が大丈夫だ!」
オリヴィアは、ケンジに怒鳴られすぐに※③【キュア】を唱え、解毒したのだった。罠は毒針で、ギルは薄暗くて石つぶてが、とんできたと勘違いしたのだ。
「マイ!お前もリーダーなら、ちゃんと指示を出さないといけないだろ」
「ギル!お前も、1階層の罠に引っかかってどうするんだ?」
「す、すいません……」
毒が治ったギルは、進行を開始したのだった。
「この先に、魔物がいます!」
するとオークが5匹こっちに突っ込んできたのだった。システィナとプリムが前衛となりフォーメーションを変えたのだった。
システィナは、挑発にしてオークを引きつけるのだった。
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」
オークは、システィナに対して、棍棒を振り上げたのである。
「きゃああああああ!」
システィナは、まともにオークの攻撃を受け止め為、あまりの衝撃に吹き飛んでしまったのである。エルフのシスティナがあんなでかい棍棒をまともに受けると、吹き飛ばされるのは当然であり、本当なら力を受け流さないといけないのだ。
システィナも、最初の時に比べてケンジの作った装備に頼り、力任せで正面から受け止めていたのだった。プリムは、これを見て早くオークを倒さなければと思い、前に飛び出したのだ。
そして、オークに対し3段突きをくりだしたのだった。ダンジョンタイプの通路では槍を振りまわす事は出来ず、ハルバードの攻撃方法が限られ突き攻撃になるのである。
いつもなら一撃で倒せるはずなのに、オークは傷つけられた事に怒り狂い、プリムに反撃してきたのだった。
「なっ!なぜ倒れないの⁉いつもなら……」
プリムの武器も、マジックアイテムではないのだ。今までの様に、ストレングスとフォーカスの効果がついていないノーマル武器である。これにより、ダメージ量は今までの3分の1になり命中率がつかなくなり、オークの急所に上手く当たらなかったのである。
「な、なぜ心臓に当たらないのよ!くっ……」
「プリム!俺に任せろ!」
今度は、マードックが前に飛び出るのだった!当然の事だが、マードックの攻撃方法は手数にあり、あり得ないくらいの攻撃回数で、魔物を切り刻み絶命させるのである。
「な、なにぃ~~~~~⁉」
「グオォォォォォォォォォ!」
マードックの、攻撃回数はたったの2回だけだったのだ。2刀流の為、片手1回づつの攻撃だった。その攻撃ではオークを倒せる事は出来ず、マードックも反撃を食らい、重そうな棍棒で殴られるのだった。
「ぐはっ!」
マードックは、ダンジョンの壁に叩きつけられてしまったのだった。マイ、ギル、オリヴィア、セイラは、いったい何が起こっているのか、目の前で起きている事が信じれなかったのだ。
仮にも、自分達は超級ダンジョンを攻略したのに、目の前ではオーク5匹に苦戦しているのである。
「マードック!何をやっているのよ!相手はオークなのよ!」
「そんな事わかっている!それより姉貴、ヒールをくれ!」
オリヴィアは、ヒールをちゃんと唱えていたのである。ただ、マードックの立ち回りが遅くて、オークに攻撃を受けまくっていて、ダメージの蓄積が多すぎるのだ。
「ちゃんと、ヒールをやっているわよ!あんたも、文句を言ってないで、上手く立ちまわりなさいよ」
こうなっては、パーティー連携はバラバラで、オーク5匹だというのに全滅の危機に陥ってしまったのである。
「みんな!下がってあたしがやるわ!」
マイが前衛に経ち、ミスリル製の刀を抜いたのだった。
※④「立花極心流、裏秘奥義!千烈斬‼」
マイは、オーク5匹を一瞬にして、切り刻んでしまったのである。千烈斬とは、一気に気を爆発させ攻撃回数を増やし、流れるようにすべての敵を切り捨てる技である。
「ふうう……」
「マイさん!さすがです!」
ギル達が、マイを称えるのだった。そして、マイはケンジの顔を見たのである。
「ケンちゃん……休憩してもいい?」
「マイが、パーティーリーダーだ!お前の好きにしたらいいよ」
マイは、その場所で座り込んでしまったのだ。この技は精神を物凄く消耗するみたいで、マイのMPは1割しか残っていなかったのである。
「マイさん……これを」
「オリヴィア……これは?」
「万が一の時に為の、リストアポーションです」
「ダメよ!これは、オリヴィアが使う時の為に取っておかないと……」
それを見ても、ケンジは動こうとしなかったのである。そればかりかその辺にある岩場に腰かけ、マイ達がどのように行動するのか観察するようにみていたのだ。
今までのような戦闘とは違い、たかがオークと思い侮った結果、戦闘時間は15分以上かかり、MPも大量消費してしまい、マイは休憩をしなくてはいけなくなってしまったのだ。
本来ならば、ダンジョンに突入する時に、セイラとマードックとシスティナは、補助魔法とダンス・歌スキルを掛けておかなければいけなかったのである。
今までは、装備が強力過ぎるのと、ハヤテとツバキがいるおかげで、ダンジョンボスに挑む前だけ補助魔法を使っていたのである。
その為、今回マイ達の戦闘能力は補助魔法無しの、基本スペックだけであったのだ。これでは基本能力がいくら高くても、魔物相手では苦戦を強いられる当たり前なのだ。
ケンジは、休憩しながら周りを警戒していたのだったが、先ほどの戦闘でマイ達は疲労困憊になっていて、セイラとギルが警戒をしていたのである。
(あいつ等は何をやっているんだ……ここはセイラに補助魔法を唱えさせて、セイラを休まさなければ後が続かないだろ)
4時間後、マイのMPが半分ぐらい回復したので、出発を決めたのである。
「ケンちゃん!出発するわよ」
「もう行くのか……それで大丈夫なのか?これからどんどん魔物は強くなっていくんだぞ」
「そんなのわかっているけど、このペースじゃ3日経っても5階層に辿り着けないわ」
「そっか……」
(本当に5階層に辿り着けると思っているのか?この調子で行くと2階層で全滅するぞ……)
「セイラ、マードック、システィナ、補助魔法をお願い!」
「「「えっ?」」」
「マイさん、ここはまだ1階層ですよ?」
「だから何よ!補助魔法がないと、先になんか進めないわ!」
マードック達は、マイの言う様に確かにこのままでは、魔物相手に戦えないと思い、補助魔法を全員に掛けたのである。
「オリヴィアは40分になったら教えて。いいわね!」
「はい!」
補助魔法の、効果時間が無くなると先ほどの様にピンチになる為、きれる前にかけなおして先に進む計画を立てたのである。だがここでも、計画が狂ってきたのである。セイラは補助魔法を使った事により、MP残量が25%になってしまったのだ。
いつもならボス部屋に入り、そんなに動き回らずMPの回復を待ちながら、魔物の攻撃から身を守るのだが、今回は瞑想も出来ず、ダンジョンの奥へと侵入していかないといけないのである。
だが、セイラは犯罪奴隷の立場であり、自分の意見を言うのが苦手なのだ。マイ達も、普段なら余裕がありセイラの気持ちにも気づけるのだが、今回は自分達の事で精一杯になっていて、余裕がなくなっていたのだった。
(この調子だと、2階層にも辿り着けず俺の出番が来そうだな……)
ケンジは、そんな事を思いながら、マイ達の後をついていくのだった。
*-----*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきた魔法、スキル一覧
※①【ナイトサイト】
夜目の効果で、ダンジョン内でも明るく見通せる、マジックアイテムの
効果
※②【ライト】
光属性魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 1秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 40分
効果対象 1つの対象
効果範囲 10cm四方×レベルの範囲(任意に調整可能)
必要秘薬 なし
備考欄
この魔法は生活魔法と言われる魔法で誰でも使うことが出来て
スペルブック、秘薬が無くとも術者に光属性の適性があればいいのである。
つまり、MP消費のみで使う事が出来る便利な魔法である。
石にかけてその石を光らせる事でランタンの代わりにすることが出来る。
職業レベルなし魔法スキル5.00で失敗なしで使う事が可能。
※③【キュア】
神聖魔法 1階位
消費MP 20
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 ひとり
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考欄
毒の効果を浄化することが出来る神聖魔法、ヒーラーの魔法にも同じ
ような解毒魔法はあるが、こちらはMPだけで使い勝手の良い魔法である
クレリック、プリースト職業レベル40信仰心スキル20.00で使用可能。
※④【立花極心流、裏秘奥義!千烈斬】
気を爆発させ、大量の敵を一気に切り刻む技。使った後は気が殆ど尽きて
休まなければいけなくなる。
ギル達の、今までの装備には※①【ナイトサイト】が付与されていた為、ダンジョン内も又陽の光の下の様に明るかったのである。だが、その効果もなくダンジョン内は薄暗かったのである。
「ケンちゃん!ちょっと暗いんだけど……明るくしてくれない?」
「何言っているんだ?お前達で何とかしろ!今回、お前達は俺の護衛で5階層まで、連れて行かなければならないんだぞ!」
今回の目標は、ケンジを生産者と思って5階層の採掘現場に連れて行かなければ行けないのである。ギルドを追放され、パーティーが組めなくなっていたケンジ達であったが、パーティーリーダーをマイにして、ダンジョンに侵入開始していたのだった。
つまり、生産者であるケンジが※②【ライト】の魔法を使う事は無いのである。ケンジは、クローティアからもらったバックから、魔道具であるランタンを取り出したのだった。
「そ、そんな……」
マイ達は明るくする道具を用意していなかったのだ、ダンジョン内はヒカリゴケの影響で薄暗くて、真っ暗闇ではないものの10m先は見えなかったのだ。
フィールドエリアである、5階層までずっと暗いままなのである。入った早々、マイ達はピンチに襲われるのであった。
「ギル!ランタンとか買ってきてる?」
「いえ……私達も買ってきておりません……」
「しょうがないわね……このまま進みましょう!ギルは罠には気を付けてね」
「はい!わかりました……」
「そんな事で、本当に大丈夫なのか?」
ケンジはマイに、挑発するような事を言ったのだ。マイは、悔しかったが用意していなかった自分が悪いと思い、何も言えなかったのだ。
侵入スピードは当然遅くなり、予定の2日以内に、5階層に着けるかどうかわからなくなってきたのだった。
ぴしゅっと小さな音が鳴ったのだ。
「ぐっ!」
まさかの状況に、みんなが驚いたのである。ギルが罠に引っかかったのだ。
「ギル!大丈夫?」
「だ、大丈夫です……す、すいません……」
「オリヴィア!すぐにキュアをギルに唱えるんだ!」
「えっ?」
「ギル!お前も何が大丈夫だ!」
オリヴィアは、ケンジに怒鳴られすぐに※③【キュア】を唱え、解毒したのだった。罠は毒針で、ギルは薄暗くて石つぶてが、とんできたと勘違いしたのだ。
「マイ!お前もリーダーなら、ちゃんと指示を出さないといけないだろ」
「ギル!お前も、1階層の罠に引っかかってどうするんだ?」
「す、すいません……」
毒が治ったギルは、進行を開始したのだった。
「この先に、魔物がいます!」
するとオークが5匹こっちに突っ込んできたのだった。システィナとプリムが前衛となりフォーメーションを変えたのだった。
システィナは、挑発にしてオークを引きつけるのだった。
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」
オークは、システィナに対して、棍棒を振り上げたのである。
「きゃああああああ!」
システィナは、まともにオークの攻撃を受け止め為、あまりの衝撃に吹き飛んでしまったのである。エルフのシスティナがあんなでかい棍棒をまともに受けると、吹き飛ばされるのは当然であり、本当なら力を受け流さないといけないのだ。
システィナも、最初の時に比べてケンジの作った装備に頼り、力任せで正面から受け止めていたのだった。プリムは、これを見て早くオークを倒さなければと思い、前に飛び出したのだ。
そして、オークに対し3段突きをくりだしたのだった。ダンジョンタイプの通路では槍を振りまわす事は出来ず、ハルバードの攻撃方法が限られ突き攻撃になるのである。
いつもなら一撃で倒せるはずなのに、オークは傷つけられた事に怒り狂い、プリムに反撃してきたのだった。
「なっ!なぜ倒れないの⁉いつもなら……」
プリムの武器も、マジックアイテムではないのだ。今までの様に、ストレングスとフォーカスの効果がついていないノーマル武器である。これにより、ダメージ量は今までの3分の1になり命中率がつかなくなり、オークの急所に上手く当たらなかったのである。
「な、なぜ心臓に当たらないのよ!くっ……」
「プリム!俺に任せろ!」
今度は、マードックが前に飛び出るのだった!当然の事だが、マードックの攻撃方法は手数にあり、あり得ないくらいの攻撃回数で、魔物を切り刻み絶命させるのである。
「な、なにぃ~~~~~⁉」
「グオォォォォォォォォォ!」
マードックの、攻撃回数はたったの2回だけだったのだ。2刀流の為、片手1回づつの攻撃だった。その攻撃ではオークを倒せる事は出来ず、マードックも反撃を食らい、重そうな棍棒で殴られるのだった。
「ぐはっ!」
マードックは、ダンジョンの壁に叩きつけられてしまったのだった。マイ、ギル、オリヴィア、セイラは、いったい何が起こっているのか、目の前で起きている事が信じれなかったのだ。
仮にも、自分達は超級ダンジョンを攻略したのに、目の前ではオーク5匹に苦戦しているのである。
「マードック!何をやっているのよ!相手はオークなのよ!」
「そんな事わかっている!それより姉貴、ヒールをくれ!」
オリヴィアは、ヒールをちゃんと唱えていたのである。ただ、マードックの立ち回りが遅くて、オークに攻撃を受けまくっていて、ダメージの蓄積が多すぎるのだ。
「ちゃんと、ヒールをやっているわよ!あんたも、文句を言ってないで、上手く立ちまわりなさいよ」
こうなっては、パーティー連携はバラバラで、オーク5匹だというのに全滅の危機に陥ってしまったのである。
「みんな!下がってあたしがやるわ!」
マイが前衛に経ち、ミスリル製の刀を抜いたのだった。
※④「立花極心流、裏秘奥義!千烈斬‼」
マイは、オーク5匹を一瞬にして、切り刻んでしまったのである。千烈斬とは、一気に気を爆発させ攻撃回数を増やし、流れるようにすべての敵を切り捨てる技である。
「ふうう……」
「マイさん!さすがです!」
ギル達が、マイを称えるのだった。そして、マイはケンジの顔を見たのである。
「ケンちゃん……休憩してもいい?」
「マイが、パーティーリーダーだ!お前の好きにしたらいいよ」
マイは、その場所で座り込んでしまったのだ。この技は精神を物凄く消耗するみたいで、マイのMPは1割しか残っていなかったのである。
「マイさん……これを」
「オリヴィア……これは?」
「万が一の時に為の、リストアポーションです」
「ダメよ!これは、オリヴィアが使う時の為に取っておかないと……」
それを見ても、ケンジは動こうとしなかったのである。そればかりかその辺にある岩場に腰かけ、マイ達がどのように行動するのか観察するようにみていたのだ。
今までのような戦闘とは違い、たかがオークと思い侮った結果、戦闘時間は15分以上かかり、MPも大量消費してしまい、マイは休憩をしなくてはいけなくなってしまったのだ。
本来ならば、ダンジョンに突入する時に、セイラとマードックとシスティナは、補助魔法とダンス・歌スキルを掛けておかなければいけなかったのである。
今までは、装備が強力過ぎるのと、ハヤテとツバキがいるおかげで、ダンジョンボスに挑む前だけ補助魔法を使っていたのである。
その為、今回マイ達の戦闘能力は補助魔法無しの、基本スペックだけであったのだ。これでは基本能力がいくら高くても、魔物相手では苦戦を強いられる当たり前なのだ。
ケンジは、休憩しながら周りを警戒していたのだったが、先ほどの戦闘でマイ達は疲労困憊になっていて、セイラとギルが警戒をしていたのである。
(あいつ等は何をやっているんだ……ここはセイラに補助魔法を唱えさせて、セイラを休まさなければ後が続かないだろ)
4時間後、マイのMPが半分ぐらい回復したので、出発を決めたのである。
「ケンちゃん!出発するわよ」
「もう行くのか……それで大丈夫なのか?これからどんどん魔物は強くなっていくんだぞ」
「そんなのわかっているけど、このペースじゃ3日経っても5階層に辿り着けないわ」
「そっか……」
(本当に5階層に辿り着けると思っているのか?この調子で行くと2階層で全滅するぞ……)
「セイラ、マードック、システィナ、補助魔法をお願い!」
「「「えっ?」」」
「マイさん、ここはまだ1階層ですよ?」
「だから何よ!補助魔法がないと、先になんか進めないわ!」
マードック達は、マイの言う様に確かにこのままでは、魔物相手に戦えないと思い、補助魔法を全員に掛けたのである。
「オリヴィアは40分になったら教えて。いいわね!」
「はい!」
補助魔法の、効果時間が無くなると先ほどの様にピンチになる為、きれる前にかけなおして先に進む計画を立てたのである。だがここでも、計画が狂ってきたのである。セイラは補助魔法を使った事により、MP残量が25%になってしまったのだ。
いつもならボス部屋に入り、そんなに動き回らずMPの回復を待ちながら、魔物の攻撃から身を守るのだが、今回は瞑想も出来ず、ダンジョンの奥へと侵入していかないといけないのである。
だが、セイラは犯罪奴隷の立場であり、自分の意見を言うのが苦手なのだ。マイ達も、普段なら余裕がありセイラの気持ちにも気づけるのだが、今回は自分達の事で精一杯になっていて、余裕がなくなっていたのだった。
(この調子だと、2階層にも辿り着けず俺の出番が来そうだな……)
ケンジは、そんな事を思いながら、マイ達の後をついていくのだった。
*-----*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきた魔法、スキル一覧
※①【ナイトサイト】
夜目の効果で、ダンジョン内でも明るく見通せる、マジックアイテムの
効果
※②【ライト】
光属性魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 1秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 40分
効果対象 1つの対象
効果範囲 10cm四方×レベルの範囲(任意に調整可能)
必要秘薬 なし
備考欄
この魔法は生活魔法と言われる魔法で誰でも使うことが出来て
スペルブック、秘薬が無くとも術者に光属性の適性があればいいのである。
つまり、MP消費のみで使う事が出来る便利な魔法である。
石にかけてその石を光らせる事でランタンの代わりにすることが出来る。
職業レベルなし魔法スキル5.00で失敗なしで使う事が可能。
※③【キュア】
神聖魔法 1階位
消費MP 20
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 ひとり
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考欄
毒の効果を浄化することが出来る神聖魔法、ヒーラーの魔法にも同じ
ような解毒魔法はあるが、こちらはMPだけで使い勝手の良い魔法である
クレリック、プリースト職業レベル40信仰心スキル20.00で使用可能。
※④【立花極心流、裏秘奥義!千烈斬】
気を爆発させ、大量の敵を一気に切り刻む技。使った後は気が殆ど尽きて
休まなければいけなくなる。
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