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第8章 Freedom国の設立!

19話 闇ギルドガーライ支部

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 セバスが、ケンジに神妙な顔つきで話しかけてきたのだった。

「セバス、何かあったのか?」

「実は……今日お店に来たお客様同士の話が聞こえてきたのですが、ガーライの町で貴族様が暗殺にあったらしいです」

「な、なに?暗殺だと?それは本当か?」

「ええ!私も会話に入って喋ったわけではないですが、そういう事件が起こったらしいです」

「って事は……」

「ご主人様そうです!ガーライの闇ギルドが復活した恐れがあるのです」

「やっぱり、ひとり逃した結果こんな早く復活するとは思わなかったな……だがセバス、もう俺達には闇ギルドも手出しできないと思うぞ」

「え?なぜですか?」

「考えてもみろよ!俺達に手を出すにはこの国まで来ないといけないんだぞ」

「た、確かに……」

「それも、転移マットに乗ろうとしても、支店の店内の中に入らないと転移マットには乗れないし、悪意のある者は支店に入れないんだからな」

「それもそうですね」

「気を付けないといけないのは、町に買い出しに行くときぐらいだろ?それももう、野菜や肉の買い出しも殆どしないしな」

「もう、殆どの食材はこの国でまかなえますし、これもティアナ達が頑張ったおかげですね」

「まあ、そういうことだな。どうしても町に買い出ししに行く時は、イチカ達に頑張ってもらった大丈夫だろ」

 セバスの心配は杞憂に終わるのだったが、それでもやっぱり心配なのは変わりなく、ケンジは用心の為ミナレス達が買い出しする時は、テンペの町でする様にと念を押したのだった。

 闇ギルドでは、ケンジに対しての報復をしようと計画が立てられていたのだ。だが、ケンジに復讐をしようにも、ケンジの国に行くことが出来ない事が悔しくてしょうがなかったのである。
 ケンジの奴隷を攫うにも、なかなかガーライの町では見かけないのである。それも当然でテンペの町以外は城門を通らなければ町には入れないので、奴隷達だけでは町に入れないのである。
 なので、テンペの町にしか買い出しが出来ないのである。そして、闇ギルドテンペ支部は、ケンジに対して手を出すつもりはないと、協力してくれないのだ。
 闇ギルドテンペ支部は、ケンジの恐ろしさを知っていて不可侵条約を結んでいるのである。これは闇ギルド始まって以来の事で、闇ギルドが個人相手に白旗を振るなどあり得ない事だが、ケンジの武力は一組織というより、一国の戦力に匹敵するので、闇ギルドとしては手を引いたのである。

 これは、闇ギルドテンペ支部の見解であるがこれは間違っていたのだ。ケンジ達の戦闘力は一国の戦力どころか、連合国の戦力に匹敵するのである。

「なぜ、テンペ支部は同じ闇ギルドなのに協力を拒むのだ!」

「我々は、あんな化け物に手を出し、無駄に命を散らしたくないだけだ!それよりお前達こそ、もっと冷静に考えたらどうだ?」

「何が冷静にだ!俺達ガーライ支部は一回全滅させられているんだ!当然報復するだろ!」

「お前達、ガーライ支部の気持ちは分からないわけではないが、ケンジ達の戦闘力をちゃんと考えて行動したらどうだ?」

「何を言っているだ!たかが、一パーティーじゃないか!」

「あの一パーティーはたかがではない!グランパス王国の兵団より強いんだ!あんなの相手にしたら命がいくらあっても足りないんだぞ!」

「ば、馬鹿な!そんな事があるわけないだろ……」

「いいや……これは大袈裟でも何でもないんだ。よく聞け!あの中で筆頭奴隷とされているローグのギルスレインというやつがいるんだが、あいつ一人で王国の飛龍第一騎士団を叩き潰しているんだぞ」

「なっ!」

「ローグが騎士団とやり合って傷一つ負ってなく、圧勝したという情報が入っているんだ。悪い事は言わん!あいつ等からは手を引け!もし、手を出すというなら、俺達テンペ支部の預かりない所でやってくれ!」

 ガーライ支部闇ギルドマスターは、信じられないモノを見たのである。テンペ支部闇ギルドマスターが、ケンジには関わりたくないと頭を下げるのである。

「いいか?ガーライ支部よ!もし、本当に手を出した時は本当に我らは身の安全を図る為、お前達の擁護はしないと思ってくれ!」

「……」

 ガーライ支部闇ギルドマスターは何も言えなくなり、テンペ支部を後にするのだった。ガーライ支部闇ギルドは国や冒険者ギルドなど組織に白旗を上げる事はしょうがないとは思うが、まさか一個人に白旗を上げるとは思わなかったのだ。

 だが、ガーライ支部は一回全滅させられたプライドもあり、間違った選択をしてしまうのである。あれほど、忠告を受けたはずなのに、ガーライ支部だけで復讐を計画してしまうのである。

「どうにかして、ケンジの奴をおびき出さないと……何かいい案はないか?」

「ギルドマスター!本当にケンジに手を出すのですか?」

「なんだ、お前!怖気づいたのか?」

「そういうわけではないのですが……テンペ支部も手を引いた方がよいと言ってたではありませんか?」

「テンペ支部は、闇ギルドの根本を忘れてしまった臆病者だ!あんな奴らの手助けなどもういらん!」

 闇ギルドの幹部はどうにも煮え切らないようだった。テンペ支部といえば、町の大きさからしてもガーライ支部より規模が大きいのである。そのテンペ支部が、弱気になり絶対手を出すなと言っているのだ。

「ギルドマスター!少しよろしいですか?」

「なんだ?」

「ケンジをやるにしても、もう少し情報やFreedom国の、位置を調べた方がよろしいのでは?」

「なにぃ~~~!やっぱりお前達怖気……」

「そうではありません!こういう事はもっと準備を重ね、情報も手に入れた方が、よろしいのではと提案しているのです!」

「う、うむ……」

「その上で、最強のアサシンを送り込むのが良いのではないでしょうか?」

「ウム……確かにそれなら、被害も少なくて済むだろう。すぐに手配をするんだ!」

「「「はっ!」」」

 ガーライ支部闇ギルドの幹部達は、最強アサシンと噂される【シャドーボーパル】に依頼を出すのであった。

 シャドーボーパルとは、最強アサシンの一人で、金さえ出せば確実にターゲットの首を切断するという死神のようなアサシンである。

 そのアサシンが、ケンジを狙う為動き出すのである。今まで、ケンジの身内を攫ったり、卑怯な手を使う者ばかりだったが、ここにきて最強のアサシンが襲ってくる事となるのである。

「シャドーボーパル、相手はこいつだ!確実に息の根を止めるのだ!」

「誰に向かってそんな口を叩いているの?今まで、あたしに狙われた者が生き延びた事があって?」

 シャドーボーパルは全身黒づくめで、鋭い目が光った様に見えたのだった。

「悪かった!そんなに睨むでない!」

「それより、金の準備をしておいてね。あたしに、こんな早く次の依頼をしてきてお金は足りるの?」

「ああ!大丈夫だ!」

 セバスが言っていた、貴族が暗殺されたというのはこのシャドーボーパルの仕業だったのだ。かなり、位の高い貴族であった為、その依頼を成功できるのはこの女だけであったのだ。

「じゃあ、行ってくるわね!期間は3か月ね」

 シャドーボーパルは、音もなくその場から消えてしまったのである。

「くくく!これであのケンジとやらも終わりだな!」

「そうでありますな!」

「これで我らの荷も下りるというものだ」

 闇ギルド、幹部の3人は怪しく笑い、ケンジの暗殺の成功を楽しみにして、ギルドの奥に消えて行ったのである。


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