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第8章 Freedom国の設立!
15話 ギルドの実態
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ギルドマスターは今、かつてないほど焦っていたのである。ついこの間まで、ギルドだけでインゴットを入手する手段ができて、利益もこれから出てくるものとばかり思っていたのに、まさか初級ダンジョンでCランク、いやもうすぐBランクに上がろうという手練れの冒険者が、太刀打ちが出来ない魔物が出現するとは、ギルドマスターは思いもしなかったのだ。
偵察部隊の報告では、大量に魔物があふれ出すようなスタンピードではなく初級ダンジョンの5階層では絶対にありえない魔物で、オーガクロスロードだったのだ。
この魔物はオーガロードの変異種であり、炎のブレスや肉体強化など使ってくる魔物で、Aランク冒険者が苦労して倒せるような魔物である。それ故に、Bランク冒険者のパーティーでも太刀打ちできないのだ。
「ギルドマスターいったいどうするつもりですか?」
「そうです!だから我々が言ったじゃないですか!」
「Cランクパーティーではなく、時間をおいてAランクパーティーが護衛できる準備が整うまで、休憩期間にしたらよいと!」
「えぇ~い!黙れ!あんな魔物が出るなんて不測の事態だろ!お前等は、あんな魔物が5階層に出現すると思ったのか!」
「それは確かに思いませんが、時間を置いたらAランクパーティーが護衛できていたのです!」
「そうです!これは不測の事態ではなく、あきらかにギルドマスターのミスです!」
「我々全員、今回の件については反対したはずです!ですがギルドマスターが利益優先し、暴走した結果でございます」
「なんだ!貴様達は!お前達も俺の案には賛成して、少々の無茶を推奨していたではないか!」
「ですが、今回のCランク冒険者を護衛にする事には、止めたじゃありませんか!」
「そうです!」
「だが、採掘出来る時にしておかねばならんとも、言っていただろう!」
「あのぉ!今そんな責任の擦り合いしている場合ですか!もっと大事な事があるんじゃないのですか?」
「うるさい!そもそもレーラお前が、奴隷達を初級ダンジョンに送り込めと提案したから、こんな状況になっているんだろうが!」
「なっ!それはあまりに酷いです!私は只この状況を打破したいが為に!」
「ん!たしかに、受付嬢を長くやっているからと言って、出しゃばった提案したのも問題だな!」
「そうだ!こんな時の為の打開策もなしに提案したのも問題が!」
「やはり、受付嬢の提案を鵜呑みしてしまった我々が馬鹿だった!」
レーラは愕然としたのだった。あれほどいい案だと言っていたギルドマスターをはじめ幹部連中が手のひらを返したように、レーラを責めてきたのだ。
「お主が提案した案件だ!この責任をどうとるつもりだ!」
「そうだ!これでギルドは更なるピンチになってしまったではないか!」
「そ、そんな!この状況は、どう考えてもギルドマスターが暴走した結果ではありませんか!」
「えぇ~い!うるさい!元はと言えばお主がこんな馬鹿な提案をしたから、こんな状況になっているのではないか!ホントなら少ないながらも地上の採掘をしていれば、採掘士を死なせずに済んだんだ!」
「そ、そんな!」
「それと、覚悟しておけよ!レーラとお前の部下二人には責任をとってもらうからな!」
「お前達の意見は、もう聞くに値はしないから会議室から出ていけ!」
「ちょ、ちょっと待ってください‼」
「そ、そうですよ!」
「私達は、ギルドを良くしようとしただけで!」
「こいつらの処分は後でするから、牢に閉じ込めておけ!」
「ギルドマスター待ってください!」
「こんな事って……」
「やめてよ!触らないで!」
レーラと受付嬢二人は必死に抵抗したが、ガードマンに腕を取られて部屋から出されてしまうのだった。
この出来事は、幹部連中がギルド職員中に誤って広めてしまうのであった。
「今回の提案は、レーラがしたらしいよ」
「やっぱり、長い事受付嬢をやっていると出しゃばってしまうのね」
「私達は、あまりでしゃばらないようにしないとね……」
「私達、どうなってしまうの?」
「こんな事って……」
「二人ともごめんなさい……私のせいで……」
「「そんな!」」「レーラさんのせいじゃないですよ!」
「だけど、こんな状況でもうどうしようもないわ……」
「「これから、私達どうなってしまうのかな?」」
「今までの、ギルドの行動からしたら……私達は奴隷に落とされ責任を取らされるでしょうね……」
「「えええぇ~~~!」」
「そんなの嫌です!」
3人は、ギルドの地下牢で抱き合って、涙を流していたのだった。するとそこに、声だけ聞こえてきたのだった。
「だから、言っただろ?転職をしろって!」
「だ、だれ?」
牢の前に、スーっと姿を現したケンジが立っていたのだった。
「ケ、ケンジ様?」
「「いったいどこから?」」
「静かにしろって!今助けてやるから。ギル頼む!」
すると、カチャリと音がしたと同時に、ギルの姿が現れるのだった。鍵が開いたと同時に、ケンジが牢の中に入り転移マットを設置したのだった。
「ほら!3人とも転移マットの上に乗って、ギルと先に向こうで待っていてくれ」
「ケンジ様は?」
「俺は、この転移マットを持って帰らないといけないから、後から行くから心配するな!」
「ご主人様、気を付けてくださいね」
「ああ!わかってるよ」
ギルが、ケンジを心配そうに3人の後から、転移マットに乗ってFreedom国に転移していくのだった。
本来ならギルが、後から転移マットを持って帰りたいところなのだが、転移マットを持ち帰るには、設置した人しか取り外すしかないのである。
だったら、ギルが設置したらと思うのだが、設置するにはそれ相応の魔力がいるのである。その為、どうしてもケンジが設置しないといけないのである。
そして、4人とも転移した後、ケンジは転移マットを外し、牢屋からでて※①【ロック】を掛けたのである。
それからケンジは、※②【インビジビリティー】をかけ姿を消してギルドから脱出したのだ。ケンジはその足で屋敷に向かい、屋敷の中から自国に転移したのだった。
そして、会議が終わったギルドでは、受付嬢達3人が忽然と姿を消した事で大騒ぎになったのはいうまでもないのである。
自国に戻ったケンジの前には、土下座しているレーラ達が居たのだ。
「ケンジ様、このたびはありがとうございます!」
「「ありがとうございます!」」
「だから、言っただろ?あんなギルドの為に役に立ってもいい事ないって!」
「どうして、私達が牢に入れられたことが?」
「あのギルマスの事だ、ああいう状況になったら絶対レーラさん達に、責任を押し付けるのはわかっていたからな」
「でも、すぐに助けに来たじゃないですか?」
「それは、そういうスキルがあってな。牢に入れられた事がわかったんだよ」
ケンジは依頼を受けに行った時、ギルドの状況を聞きレーラの危機が近づいていた事がわかっていたのだ。その時に、世界地図のサーチをレーラ達に合わせていたのである。
「で、これからどうするんだ?」
「「「……」」」
「このまま、戻ってもすぐに捕まってしまうしどうしたものかな……」
「あの、ケンジ様!私達をこのままここで雇ってくれませんか?」
「ここなら、ケンジ様の独裁国家ですし、私達が捕まる心配はなくなります!」
「ちょっと待て!独裁国家とはなんだ!俺は独裁政治なんかしてないぞ。失礼な!」
「すいません!ですが私達はもうケンジ様しか頼る所がないのです!」
「「お願いします」」
「まあ、あんた達の境遇は不憫だとは思うが、ここで雇う事は無理だな」
「なんでですか?」
「ここには、企業秘密の物がいっぱいあるからな。他所者には知られたくない事ばかりなんだよ」
「そんな、助けてくれた恩人に恩を仇で返す様な事なんてしません!」
「口ではなんとでも言えるからな」
「「そんな!」」
「それと俺が、君達の事を本当の意味で信じきれない所は、他にもあるからしょうがないんだよ。」
「何でそんな事を言うのですか?」
「今までのあんた達の行動だよ。俺が生産ギルドのやり方を何回も見直せと言っても、今までギルドはとか、ギルドの方が上という立場を崩さなかっただろ?」
「それは……」
「そういった性格は、そうそう直るもんじゃないしな」
「ここにいさせてくれるなら、ちゃんと直しますから!」
「いや、そういう事を言っているんじゃないんだよ。君達は優秀なんだが、なんか頑なというか融通が利かないんだよ」
「「「どういう意味ですか?」」」
「もし、ここで俺が君達をこの国に置いたとして、俺とマイにはちゃんとすると思う。だが、俺は他のみんなを仲間と思っているが、君達はギル達を奴隷と思って接するだろ?」
「それは当然ではありませんか。実際奴隷なんですから!」
「俺はそんな君達を仲間として接することが出来ないし、ここではギル達と一緒にご飯を食べたり普通の暮らしをしているんだよ。」
「なっ!なぜそんなことを?」
「確かに、俺とギル達の立場は主人と奴隷だが、俺はギル達の事を仲間いや家族と思っているからだよ。」
「そんなの変ですよ!奴隷じゃないですか?」
「だからな、そういうところなんだよ。今回、君達がピンチだったから助けたが、この国で住まわせようとは思っていないんだよ。」
「だったら私達はどこに行ったらいいのですか?」
「それは、帝国領にでも行き、静かに暮らしていけばいいと思うよ。」
「そんなの無責任です!」
「そんな知らない土地に行って、どうやって生活すればいいのですか?」
「君達は、算術とか読み書きができるんだろ?なら大丈夫だよ」
実際の所、このガイアースでは算術、読み書きができる人間の就職は引手数多で職に困ることは無いのである。つまり、女性3人で他の見知らぬ土地に移住しても十分暮らせていけるのだ。
「そんなこと言わずにここで雇ってくれませんか?」
「いいや!それは絶対に無理です。ここの商品の秘密も知られたくないし、もし知ったら、絶対に外には出さないし監禁生活になるよ。それなら、知らない土地で自由に暮らせた方が幸せだよ」
「君達なら、ギルド受付嬢になれるくらい器量もあるんだから、幸せな結婚もできるだろう」
「「「……」」」
レーラ達は、ケンジが何を考えているのか全然理解できなかったのだ。こんな風に放り出すなら無責任に助けてくれなくても良かったとさえ思うのだった。
自分達はもう脱獄者であり、実家にも帰れないしどうしたらいいのか分からなくて、目から涙が溢れてくるのである。
「なんで、泣くんだよ」
「だって、私達はもう脱獄者でこれから、知らない土地に行ったとしても、ビクビクしながら暮らしていかなければならないんですよ!」
「そうです!自由ですが幸せになれるなんて到底思えません!」
「どうしてくれるんですか!こんなことになるなら……」
ケンジは、受付嬢を睨み言葉を制した。
「あのまま、責任を押し付けられ奴隷になったほうがマシだったか?」
「そうです!これからどうやって生活していけば全然わからないです!」
ケンジはため息を一つつき、受付嬢達に意見しだした。
「君達は、本当に自分で考えることをしないんだな……」
レーラ達は、ケンジをにらみつけて、涙をこらえていたのだった。
「おれは、君達がどこに行こうと、何をやろうとしらないよ。だが、あのまま責任を取らされ、奴隷になるのがよかったなら助ける事はしなかったよ。」
「いいか?俺が他の土地に行けと言ったが、なぜそれをそのまま実行に移そうと考えるんだ?」
「それは、ケンジ様がそうしろと!」
「じゃあ、俺が君達に死ねと言ったら、君達は自殺するのか?」
「そんなのするわけないじゃないですか!」
「だったら、君達が最善の事をなぜ自分で考えない。どうしたら、この状況を打破できるかを想像して行動しないんだ?」
「そんなんだから、今回の採掘の件でもずっと、俺からのアドバイスをそのままやり、採掘士達を犠牲にしたことがわからないのか?」
「それは、ケンジ様が!」
「俺は君達の上司なのか?ギルドマスターなのか?違うだろ?君達は、ギルドを少しでも良くしたいと言っていただろ?だったら、色々考えて行動しないと良くなんかならないだろ?違うのか?」
「ケンジ様は、いったい何を考えているのですか?」
「そんなの決まっているだろ!平民達は暮らしやすいようにしたいんだよ。ギルドは、平民達の暮らしには必要な物なんだ。それは俺もちゃんと理解しているつもりだぞ」
「だけど、ケンジ様はギルドを嫌っていたではありませんか?」
「嫌いだったら、Fランクの依頼なんかも受けないよ。ずっと自分お店だけやっていたらいいだろうが!」
「俺が嫌いなのは、権力者や自分の事しか考えていない奴らだよ」
「「「……」」」
「俺の言った事をちゃんと考えろ!自分達が何をすべきなのか?どうしたら幸せになれるのか?」
「そ、そんなこと言われても……」
「考えつかなければ、本当に逃亡生活になるだけだな。まあ、俺には関係の無い事だ!勝手にすればいいよ」
「幸せになりたいんだろ?必死で考えろ!」
レーラ達は、ケンジの気迫に押されながらも3人で話し合いを続けたのだった。そして一つの案に辿り着くのだった。
「ケンジ様!」
「ようやくわかったのか?で、どうするんだ?」
「私達は、ギルド本部に行く事にします。そして今回の事を訴えようと思います。」
「そっか!それも大変な事になると思うけど、大丈夫なんだな?」
「「「はい!」」」
ギルド本部は、地球で言うと東京に位置にするところにある聖都と呼ばれる地にあるのである。そこにはありとあらゆる生産者や冒険者、魔道師たちが集まり商業が盛んな都市なのである。
そして、不正は正され少しでも良い環境になるように運営されているが、本部から離れると、目が届きにくい分テンペの町のような権力者が幅をきかせているのである。
そして、レーラ達はこんな不条理な事を本部に訴えに行き、自分達を保護してもらおうというのである。この無実が立証されれば、反対にギルドマスター達が処分される事となるのである。
その結果、レーラ達はまた受付嬢に戻る事になり、安心した生活に戻れるのである。それには一刻も早く本部に着かなければいけないのである。
「それじゃ、私達は一刻も早く聖都に行く事にします」
「まあ、待てよ。君達がそれを自分でやると決めたんだ!ここからは俺も協力させてもらうよ」
ケンジからしたら、他人がただ頼ってこられても困るのである。こうして、自分の事を目標を決めて行動しようとするなら、協力は惜しまないつもりだったのだ。
「えーっと、なにを?」
「セバス、少しの間、ギル達と留守にするから、後の事はよろしく頼む。」
「はい!承知いたしました。」
セバスは一礼をして、部屋から出ていくのだった。そしてケンジは、新たな転移マットを部屋に設置して、レーラ達を馬車の所に連れ出すのだった。
そして、ハヤテを見て驚くのだった。存在は、テンペの町では有名だったが、こんな間近で見るのは初めてだったのだ。
「もしかして、ケンジ様の馬車で聖都まで送ってくれるのですか?」
「ああ!ハヤテの足ならそんな時間もかからないだろうからな」
「「「あ、ありがとうございます!」」」
「いいよ、気にしなくても。この考えに気づいてくれて本当によかったよ。あのままじゃ、本当に追い出していたところだ」
「ケンジ様も、本当に人が悪い……最初から教えてくれてもいいのに……」
「そんなことしたら、あんた達はずっと変わらないからな!これからはちゃんと考えて行動しろ!」
ケンジは、顔を赤くしてきつい言葉を言うのだった。
「ったく、主はホント素直じゃねえんだからな」
「マードックなんか言ったか?」
「いいや!なんにも言ってねぇよ」
レーラ達はそんなやり取りを見て、本当にケンジは奴隷達を奴隷と思っていなくて、家族のように思っているんだなあと思うのだった。
*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきた魔法一覧
※①【ロック】
無属性魔法 2階位
消費MP 25
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 1分×レベル
効果対象 一個所
効果範囲 なし
必要秘薬 虹パール1個
備考欄
この魔法は扉に鍵をかける魔法でアンロックと対となる魔法である。
扉に鍵をかけ侵入させない為の魔法である。
魔法使い職業レベル25と魔法スキル30以上で使う事が可能
※②【インビジビリティー】
光属性魔法 2階位
消費MP 10
詠唱速度 2秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 レベル×1分
効果対象 術者のみ
効果範囲 なし
必要秘薬 ケサランパサラン2個
備考欄
魔法を唱えると唱えた人間を透明化する。
光の屈折反射をなしにすることで透明になる。
故に目の見えない魔物や熱や音に反応するアンデット
または、インフラビジョンを持つ種族には効果なし。
インフラビジョンとはエルフなどが持つ魔眼の一種で
熱を感知する眼の事を言う。地球で言うならサーモグラフィーの
様に見えるのである。
魔法使い職業レベル30と魔法スキル40以上で使う事が可能
偵察部隊の報告では、大量に魔物があふれ出すようなスタンピードではなく初級ダンジョンの5階層では絶対にありえない魔物で、オーガクロスロードだったのだ。
この魔物はオーガロードの変異種であり、炎のブレスや肉体強化など使ってくる魔物で、Aランク冒険者が苦労して倒せるような魔物である。それ故に、Bランク冒険者のパーティーでも太刀打ちできないのだ。
「ギルドマスターいったいどうするつもりですか?」
「そうです!だから我々が言ったじゃないですか!」
「Cランクパーティーではなく、時間をおいてAランクパーティーが護衛できる準備が整うまで、休憩期間にしたらよいと!」
「えぇ~い!黙れ!あんな魔物が出るなんて不測の事態だろ!お前等は、あんな魔物が5階層に出現すると思ったのか!」
「それは確かに思いませんが、時間を置いたらAランクパーティーが護衛できていたのです!」
「そうです!これは不測の事態ではなく、あきらかにギルドマスターのミスです!」
「我々全員、今回の件については反対したはずです!ですがギルドマスターが利益優先し、暴走した結果でございます」
「なんだ!貴様達は!お前達も俺の案には賛成して、少々の無茶を推奨していたではないか!」
「ですが、今回のCランク冒険者を護衛にする事には、止めたじゃありませんか!」
「そうです!」
「だが、採掘出来る時にしておかねばならんとも、言っていただろう!」
「あのぉ!今そんな責任の擦り合いしている場合ですか!もっと大事な事があるんじゃないのですか?」
「うるさい!そもそもレーラお前が、奴隷達を初級ダンジョンに送り込めと提案したから、こんな状況になっているんだろうが!」
「なっ!それはあまりに酷いです!私は只この状況を打破したいが為に!」
「ん!たしかに、受付嬢を長くやっているからと言って、出しゃばった提案したのも問題だな!」
「そうだ!こんな時の為の打開策もなしに提案したのも問題が!」
「やはり、受付嬢の提案を鵜呑みしてしまった我々が馬鹿だった!」
レーラは愕然としたのだった。あれほどいい案だと言っていたギルドマスターをはじめ幹部連中が手のひらを返したように、レーラを責めてきたのだ。
「お主が提案した案件だ!この責任をどうとるつもりだ!」
「そうだ!これでギルドは更なるピンチになってしまったではないか!」
「そ、そんな!この状況は、どう考えてもギルドマスターが暴走した結果ではありませんか!」
「えぇ~い!うるさい!元はと言えばお主がこんな馬鹿な提案をしたから、こんな状況になっているのではないか!ホントなら少ないながらも地上の採掘をしていれば、採掘士を死なせずに済んだんだ!」
「そ、そんな!」
「それと、覚悟しておけよ!レーラとお前の部下二人には責任をとってもらうからな!」
「お前達の意見は、もう聞くに値はしないから会議室から出ていけ!」
「ちょ、ちょっと待ってください‼」
「そ、そうですよ!」
「私達は、ギルドを良くしようとしただけで!」
「こいつらの処分は後でするから、牢に閉じ込めておけ!」
「ギルドマスター待ってください!」
「こんな事って……」
「やめてよ!触らないで!」
レーラと受付嬢二人は必死に抵抗したが、ガードマンに腕を取られて部屋から出されてしまうのだった。
この出来事は、幹部連中がギルド職員中に誤って広めてしまうのであった。
「今回の提案は、レーラがしたらしいよ」
「やっぱり、長い事受付嬢をやっていると出しゃばってしまうのね」
「私達は、あまりでしゃばらないようにしないとね……」
「私達、どうなってしまうの?」
「こんな事って……」
「二人ともごめんなさい……私のせいで……」
「「そんな!」」「レーラさんのせいじゃないですよ!」
「だけど、こんな状況でもうどうしようもないわ……」
「「これから、私達どうなってしまうのかな?」」
「今までの、ギルドの行動からしたら……私達は奴隷に落とされ責任を取らされるでしょうね……」
「「えええぇ~~~!」」
「そんなの嫌です!」
3人は、ギルドの地下牢で抱き合って、涙を流していたのだった。するとそこに、声だけ聞こえてきたのだった。
「だから、言っただろ?転職をしろって!」
「だ、だれ?」
牢の前に、スーっと姿を現したケンジが立っていたのだった。
「ケ、ケンジ様?」
「「いったいどこから?」」
「静かにしろって!今助けてやるから。ギル頼む!」
すると、カチャリと音がしたと同時に、ギルの姿が現れるのだった。鍵が開いたと同時に、ケンジが牢の中に入り転移マットを設置したのだった。
「ほら!3人とも転移マットの上に乗って、ギルと先に向こうで待っていてくれ」
「ケンジ様は?」
「俺は、この転移マットを持って帰らないといけないから、後から行くから心配するな!」
「ご主人様、気を付けてくださいね」
「ああ!わかってるよ」
ギルが、ケンジを心配そうに3人の後から、転移マットに乗ってFreedom国に転移していくのだった。
本来ならギルが、後から転移マットを持って帰りたいところなのだが、転移マットを持ち帰るには、設置した人しか取り外すしかないのである。
だったら、ギルが設置したらと思うのだが、設置するにはそれ相応の魔力がいるのである。その為、どうしてもケンジが設置しないといけないのである。
そして、4人とも転移した後、ケンジは転移マットを外し、牢屋からでて※①【ロック】を掛けたのである。
それからケンジは、※②【インビジビリティー】をかけ姿を消してギルドから脱出したのだ。ケンジはその足で屋敷に向かい、屋敷の中から自国に転移したのだった。
そして、会議が終わったギルドでは、受付嬢達3人が忽然と姿を消した事で大騒ぎになったのはいうまでもないのである。
自国に戻ったケンジの前には、土下座しているレーラ達が居たのだ。
「ケンジ様、このたびはありがとうございます!」
「「ありがとうございます!」」
「だから、言っただろ?あんなギルドの為に役に立ってもいい事ないって!」
「どうして、私達が牢に入れられたことが?」
「あのギルマスの事だ、ああいう状況になったら絶対レーラさん達に、責任を押し付けるのはわかっていたからな」
「でも、すぐに助けに来たじゃないですか?」
「それは、そういうスキルがあってな。牢に入れられた事がわかったんだよ」
ケンジは依頼を受けに行った時、ギルドの状況を聞きレーラの危機が近づいていた事がわかっていたのだ。その時に、世界地図のサーチをレーラ達に合わせていたのである。
「で、これからどうするんだ?」
「「「……」」」
「このまま、戻ってもすぐに捕まってしまうしどうしたものかな……」
「あの、ケンジ様!私達をこのままここで雇ってくれませんか?」
「ここなら、ケンジ様の独裁国家ですし、私達が捕まる心配はなくなります!」
「ちょっと待て!独裁国家とはなんだ!俺は独裁政治なんかしてないぞ。失礼な!」
「すいません!ですが私達はもうケンジ様しか頼る所がないのです!」
「「お願いします」」
「まあ、あんた達の境遇は不憫だとは思うが、ここで雇う事は無理だな」
「なんでですか?」
「ここには、企業秘密の物がいっぱいあるからな。他所者には知られたくない事ばかりなんだよ」
「そんな、助けてくれた恩人に恩を仇で返す様な事なんてしません!」
「口ではなんとでも言えるからな」
「「そんな!」」
「それと俺が、君達の事を本当の意味で信じきれない所は、他にもあるからしょうがないんだよ。」
「何でそんな事を言うのですか?」
「今までのあんた達の行動だよ。俺が生産ギルドのやり方を何回も見直せと言っても、今までギルドはとか、ギルドの方が上という立場を崩さなかっただろ?」
「それは……」
「そういった性格は、そうそう直るもんじゃないしな」
「ここにいさせてくれるなら、ちゃんと直しますから!」
「いや、そういう事を言っているんじゃないんだよ。君達は優秀なんだが、なんか頑なというか融通が利かないんだよ」
「「「どういう意味ですか?」」」
「もし、ここで俺が君達をこの国に置いたとして、俺とマイにはちゃんとすると思う。だが、俺は他のみんなを仲間と思っているが、君達はギル達を奴隷と思って接するだろ?」
「それは当然ではありませんか。実際奴隷なんですから!」
「俺はそんな君達を仲間として接することが出来ないし、ここではギル達と一緒にご飯を食べたり普通の暮らしをしているんだよ。」
「なっ!なぜそんなことを?」
「確かに、俺とギル達の立場は主人と奴隷だが、俺はギル達の事を仲間いや家族と思っているからだよ。」
「そんなの変ですよ!奴隷じゃないですか?」
「だからな、そういうところなんだよ。今回、君達がピンチだったから助けたが、この国で住まわせようとは思っていないんだよ。」
「だったら私達はどこに行ったらいいのですか?」
「それは、帝国領にでも行き、静かに暮らしていけばいいと思うよ。」
「そんなの無責任です!」
「そんな知らない土地に行って、どうやって生活すればいいのですか?」
「君達は、算術とか読み書きができるんだろ?なら大丈夫だよ」
実際の所、このガイアースでは算術、読み書きができる人間の就職は引手数多で職に困ることは無いのである。つまり、女性3人で他の見知らぬ土地に移住しても十分暮らせていけるのだ。
「そんなこと言わずにここで雇ってくれませんか?」
「いいや!それは絶対に無理です。ここの商品の秘密も知られたくないし、もし知ったら、絶対に外には出さないし監禁生活になるよ。それなら、知らない土地で自由に暮らせた方が幸せだよ」
「君達なら、ギルド受付嬢になれるくらい器量もあるんだから、幸せな結婚もできるだろう」
「「「……」」」
レーラ達は、ケンジが何を考えているのか全然理解できなかったのだ。こんな風に放り出すなら無責任に助けてくれなくても良かったとさえ思うのだった。
自分達はもう脱獄者であり、実家にも帰れないしどうしたらいいのか分からなくて、目から涙が溢れてくるのである。
「なんで、泣くんだよ」
「だって、私達はもう脱獄者でこれから、知らない土地に行ったとしても、ビクビクしながら暮らしていかなければならないんですよ!」
「そうです!自由ですが幸せになれるなんて到底思えません!」
「どうしてくれるんですか!こんなことになるなら……」
ケンジは、受付嬢を睨み言葉を制した。
「あのまま、責任を押し付けられ奴隷になったほうがマシだったか?」
「そうです!これからどうやって生活していけば全然わからないです!」
ケンジはため息を一つつき、受付嬢達に意見しだした。
「君達は、本当に自分で考えることをしないんだな……」
レーラ達は、ケンジをにらみつけて、涙をこらえていたのだった。
「おれは、君達がどこに行こうと、何をやろうとしらないよ。だが、あのまま責任を取らされ、奴隷になるのがよかったなら助ける事はしなかったよ。」
「いいか?俺が他の土地に行けと言ったが、なぜそれをそのまま実行に移そうと考えるんだ?」
「それは、ケンジ様がそうしろと!」
「じゃあ、俺が君達に死ねと言ったら、君達は自殺するのか?」
「そんなのするわけないじゃないですか!」
「だったら、君達が最善の事をなぜ自分で考えない。どうしたら、この状況を打破できるかを想像して行動しないんだ?」
「そんなんだから、今回の採掘の件でもずっと、俺からのアドバイスをそのままやり、採掘士達を犠牲にしたことがわからないのか?」
「それは、ケンジ様が!」
「俺は君達の上司なのか?ギルドマスターなのか?違うだろ?君達は、ギルドを少しでも良くしたいと言っていただろ?だったら、色々考えて行動しないと良くなんかならないだろ?違うのか?」
「ケンジ様は、いったい何を考えているのですか?」
「そんなの決まっているだろ!平民達は暮らしやすいようにしたいんだよ。ギルドは、平民達の暮らしには必要な物なんだ。それは俺もちゃんと理解しているつもりだぞ」
「だけど、ケンジ様はギルドを嫌っていたではありませんか?」
「嫌いだったら、Fランクの依頼なんかも受けないよ。ずっと自分お店だけやっていたらいいだろうが!」
「俺が嫌いなのは、権力者や自分の事しか考えていない奴らだよ」
「「「……」」」
「俺の言った事をちゃんと考えろ!自分達が何をすべきなのか?どうしたら幸せになれるのか?」
「そ、そんなこと言われても……」
「考えつかなければ、本当に逃亡生活になるだけだな。まあ、俺には関係の無い事だ!勝手にすればいいよ」
「幸せになりたいんだろ?必死で考えろ!」
レーラ達は、ケンジの気迫に押されながらも3人で話し合いを続けたのだった。そして一つの案に辿り着くのだった。
「ケンジ様!」
「ようやくわかったのか?で、どうするんだ?」
「私達は、ギルド本部に行く事にします。そして今回の事を訴えようと思います。」
「そっか!それも大変な事になると思うけど、大丈夫なんだな?」
「「「はい!」」」
ギルド本部は、地球で言うと東京に位置にするところにある聖都と呼ばれる地にあるのである。そこにはありとあらゆる生産者や冒険者、魔道師たちが集まり商業が盛んな都市なのである。
そして、不正は正され少しでも良い環境になるように運営されているが、本部から離れると、目が届きにくい分テンペの町のような権力者が幅をきかせているのである。
そして、レーラ達はこんな不条理な事を本部に訴えに行き、自分達を保護してもらおうというのである。この無実が立証されれば、反対にギルドマスター達が処分される事となるのである。
その結果、レーラ達はまた受付嬢に戻る事になり、安心した生活に戻れるのである。それには一刻も早く本部に着かなければいけないのである。
「それじゃ、私達は一刻も早く聖都に行く事にします」
「まあ、待てよ。君達がそれを自分でやると決めたんだ!ここからは俺も協力させてもらうよ」
ケンジからしたら、他人がただ頼ってこられても困るのである。こうして、自分の事を目標を決めて行動しようとするなら、協力は惜しまないつもりだったのだ。
「えーっと、なにを?」
「セバス、少しの間、ギル達と留守にするから、後の事はよろしく頼む。」
「はい!承知いたしました。」
セバスは一礼をして、部屋から出ていくのだった。そしてケンジは、新たな転移マットを部屋に設置して、レーラ達を馬車の所に連れ出すのだった。
そして、ハヤテを見て驚くのだった。存在は、テンペの町では有名だったが、こんな間近で見るのは初めてだったのだ。
「もしかして、ケンジ様の馬車で聖都まで送ってくれるのですか?」
「ああ!ハヤテの足ならそんな時間もかからないだろうからな」
「「「あ、ありがとうございます!」」」
「いいよ、気にしなくても。この考えに気づいてくれて本当によかったよ。あのままじゃ、本当に追い出していたところだ」
「ケンジ様も、本当に人が悪い……最初から教えてくれてもいいのに……」
「そんなことしたら、あんた達はずっと変わらないからな!これからはちゃんと考えて行動しろ!」
ケンジは、顔を赤くしてきつい言葉を言うのだった。
「ったく、主はホント素直じゃねえんだからな」
「マードックなんか言ったか?」
「いいや!なんにも言ってねぇよ」
レーラ達はそんなやり取りを見て、本当にケンジは奴隷達を奴隷と思っていなくて、家族のように思っているんだなあと思うのだった。
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この話で出てきた魔法一覧
※①【ロック】
無属性魔法 2階位
消費MP 25
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 1分×レベル
効果対象 一個所
効果範囲 なし
必要秘薬 虹パール1個
備考欄
この魔法は扉に鍵をかける魔法でアンロックと対となる魔法である。
扉に鍵をかけ侵入させない為の魔法である。
魔法使い職業レベル25と魔法スキル30以上で使う事が可能
※②【インビジビリティー】
光属性魔法 2階位
消費MP 10
詠唱速度 2秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 レベル×1分
効果対象 術者のみ
効果範囲 なし
必要秘薬 ケサランパサラン2個
備考欄
魔法を唱えると唱えた人間を透明化する。
光の屈折反射をなしにすることで透明になる。
故に目の見えない魔物や熱や音に反応するアンデット
または、インフラビジョンを持つ種族には効果なし。
インフラビジョンとはエルフなどが持つ魔眼の一種で
熱を感知する眼の事を言う。地球で言うならサーモグラフィーの
様に見えるのである。
魔法使い職業レベル30と魔法スキル40以上で使う事が可能
10
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