異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第8章 Freedom国の設立!

6話 生産ギルドの苦悩

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 水道を、販売開始して以来Freedom店は、2つの町からのお客で賑わいお祭り騒ぎであった。それほどまでに、この水道は画期的なもので、ケンジの言った通り、我先にお客は水道を買い求めたのだ。

 この水道の配管は、1mの長さのネジ式で、接続のソケットと組み合わせれば、手軽にどこまでも伸ばす事が可能なのが人々にうけたのだった。
 接続のソケットは直線と90度に曲がったのと2種類あって組み合わせにより、庭にある井戸から家の中にまで引くことができるのである。

 この商品の存在を知ったギルドは又、冷や汗が流れる事となるのだ。ギルドの構成員である生産者が発明した、家の中で使う事ができる、貯水タンクが使い物にならなくなったのだ。

 この魔道具はやっぱり魔力をたくさん使う事で、水魔石から水を出す事で貯水タンクに溜め、蛇口から水が出る仕組みの魔道具である。

 イメージとしては、ワインを作るときの樽みたいな感じだと思ってくれると分かりやすいのだが、樽の上に水魔石を設置し、魔力を込めると水魔石から水が発生し、樽の中に水が溜まる仕組みである。

 この魔道具に、水を溜めるにはやっぱり魔法使いを雇い2、3人で魔力を込める事で、樽いっぱいの水を創り出すのである。
 そして、水魔石は1週間で使い物にならなくなり、交換しないといけないのだ。その結果、この貯水タンクは一切売れなくなったのである。



 そして、ここテンペと王都生産ギルドの、二つの場所では緊急会議が開かれていたのである。

「どういうことだ!貯水タンクが一切売れなくなってしまったではないか!」

 ブロッサムが、顔を青くしながら怒鳴っていたのである。幹部連中もどうしたらいいのか分からず、下を向いて黙っているしかなかったのだ。

 ギルドマスターが、怒鳴るしかないのは無能だからである。本来なら、意見を出し合い会議を進行させる事が重要なのだが、こういった組織ではよくある事である。
 上司が部下にいい案が出ない事で、威圧的な態度に出ても何もいい事がないのに、苛立ちを部下にぶつけてしまうのである。

 この貯水タンクも又、昔生産者が発明した物で、ギルドが無理やり生産者から開示させたものである。ギルドの加盟店に参加した事が仇となり、開示させられたのである。

 それ故に、それ以上便利の良いモノが生み出す以前に、ギルドは新しい物を考え出す事が出来ないのである。
 
「ギルドマスター!あの水道をギルドの商品にはできないのでしょうか?」

「それは無理だ……ケンジは加盟店ではないし、商人ギルドにさえ所属していないんだ!」

「……」

 幹部達は、その言葉でまた黙ってしまった。いつもの様に加盟店を理由に商品の開示させて、ギルドの商品にはできないのである。
 そして、ギルドもこの商品と同じものを作ろうとしたのだが、魔道具の核である神水魔石が、どういうものか全然わからなかったのである。
 神鋼魔石に水の魔石を、吸収させたものとはギルドには全然分からないのである。神鋼魔石ですら他の者には採掘出来ない物なのに、それを加工し新しいタイプの魔石など、絶対にギルドには作り出せないのだ。

 つまり、ギルドはケンジに頼み込み、この商品をギルドに卸してくれと言うしかないか、この商品より便利な商品を新しく開発するしかないのだ。

「おい!この商品をギルドに卸してもらう様に、交渉してくるんだ!」

「ギルドマスター!そんなことは無理だとわかっているはずです!」

「お前達が、不甲斐ないからこんな状況になっているのが分からないのか!」

「そんな事……歴代のギルドマスターのせいじゃありませんか!私達のせいにしないでもらいたい!」

「うぐっ……お前達私に逆らうつもりか!」

「逆らうつもりはないです!ですがそんなことを今、言ってもどうしようもないではありませんか!」
「「「そうです!私達のせいにしないでください!」」」

 ブロッサムは、部下達にこんなに表だって、逆らわれたのは初めてだった。

「じゃあ、どうすればよいのだ!」

「我々では、もう貯水タンクは……」

「どうしたらよいのだ!このままでは保管庫に続き貯水タンクも売り物にならなくなるんだぞ!」

「ですが、もうどうしようもないではありませんか……」

「なっ!何を言っておるのだ!最近では依頼の素材も満足に揃えられない!」
「それに、魔道具も売れなくなったら、ギルドの経営は立ち行かなくなるんだぞ!わかっているのか?」

「そんなのは、分かっております!ですが、あんな便利な良いモノが出てきては、太刀打ちできないのはしょうがないではありませんか!」



 こうして、テンペの町のギルドでは無駄な時間だけが過ぎ去っていたのだった。
 それはまた、王都のギルドも同じ事であり、王都のギルドマスターはケンジに商品を卸してくれと頼みに行くが、きっぱり断れるのである。

 王都では、まだ資金があるみたいで、新商品を開発を始めるのである。貯水タンクではなく、別の商品開発に乗り出すのだが、そううまくいく事はなく苦労していたのだった。




 ギルドが慌て蓋向いている時、ケンジはFreedom店の周りの城壁の外側に、もう一つ城壁を作っていたのである。
 ケンジの魔力でも、広大な土地を囲む様に、掘りを掘った土を城壁に使い、琵琶湖を背にした街を作っていたのである。ケンジは土地を広げ、内壁と外壁の間に町を作ろうと、計画していたのである。
 大工職人達は、ギル達に護衛してもらい、自国の森に行き木材を伐採しに出かけたのだった。
 この世界の人間は、職人になる場合大抵の人間は採取から始めるのである。ケンジもまた、鍛冶士になる前には採掘士となった様に、素材を集める事から修業が始まるのである。
 新しく入った大工職人達は、伐採のパッシブスキルを持っていて、奴隷になる前は護衛出来る人間を雇い、森に入り材木を揃えていたのだ。

 ガイアースでは、伐採をしても1か月から2か月ぐらいで、森は元に戻り資材の調達は本当に楽なのである。魔素のおかげで、植林という作業はいらないのだ。
 切り株さえ残しておけば、元に戻るのである。これは切り株だけでなく、薬草も採取する時、根を残しておけば短時間で元に戻るのである。
 地上でもそんなに早く復活するのだが、ダンジョンのような魔素の濃い場所では、当然1か月も待たなくても復活するのだ。

 その為、生産者はベテランになると、護衛を雇い、初級ダンジョンに潜り資材を揃えるのである。ベテランになればお金も入り、マジックバックも用意出来て、レア資材を採取しより良い物を作り販売するのである。
 伐採も又、ダンジョンに行けばレア木材が手に入るのである。地上の木材とは違い、頑丈で真っ直ぐな木材が採取できたり。火に強い木材やひんやりした冷気を帯びた木材なんかも取れたりするのである。
 これらは、ダンジョンの奥じゃないと伐採できない為、持ち帰れたら高額で取引できるのである。

 ケンジは、そんな木材はまだいらないからと言い、ギル達には地上の材木を伐採してくるようにと指示を出すのであった。
 
 ケンジは、みんなが帰ってくるまでに材木の乾燥させる倉庫を建てたのだった。倉庫の中には、すぐに乾燥できるように、神水魔石を設置して加工段階で調節し、木材の水分を吸収させるようにしたのだ。

「ご主人!この材木はどこにおいておけばいいですか?」

「よかった無事帰って来たか?この倉庫に材木を保管しておいてくれ!」

「「「「「わかりやした!」」」」」

 新人達は、ケンジから預かっていたマジックバックから材木を出し倉庫にドンドンおいていくのだった。ここでシスティナ達が、ケンジに反論する様に意見を言ってくるのだった。

「ご主人様!あたし達がいるんだから、みんな無事に帰ってこれますよ!」

「ああ、そうだな……でも、やっぱ目の届かない所だと心配になってな」

「「「ご主人様!あたし達の気持ちが分かりましたか?」」」

 システィナとプリムとオリヴィアが、ここぞとばかりにケンジに意見してくるのだった。

「何の事だ?」

「ご主人様はよく独りで出歩くじゃありませんか?その間、あたし達がそういう思いで、ご主人様を心配していたんですよ」

「いやいやいや……お前達は心配しすぎなんだよ」

「「「なんでですか?」」」
「今回のと一緒じゃないですか!」

「なんで一緒なんだよ」

「じゃあ、どこが違うというのですか?」

「いいか?まず第一に、俺は新人達と違い戦闘力があるだろ?言ってみたらお前達より強いのに、お前達が心配する意味が分からないだろ」

「うっ……」

「第二に、俺は一人で出歩いたりするが今回の様に未開の地を一人で出歩いた事はした事ないだろ?テンペの町や王都の町の中だけだ」

「……」

「第三に、お前達が心配してくれるのは有り難いと思うが、Fランクの依頼ですら心配だと言い、護衛と言ってついてくる始末だ」

「……」

「これのどこが一緒だというんだ?分かりやすく俺に説明してくれないか?」

 この言葉に、システィナ達は何も言えなくなり、う~~~とか、え~っととか、言って何も言えなくなってしまっていた。

 ケンジは、その3人のその姿を見て、ふうっとため息をつくのだった。

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