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第7章 超級ダンジョン攻略!

57話 ダンジョンマスター①

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 少し時が戻り、ケンジ達が50階層を攻略した頃、ダンジョンマスターはまだ気楽に構えていたのだった。

「ほうう!あの魔物を・・・グリフォンまで撃破したのか。おい!お前達分かっているな。ひょっとしたら、この冒険者達がこのままここにまで、やってくるかもしれないからちゃんと鍛えておけよ!」

「あはは!わかってますよ!あんたには、救ってもらった恩があるから役に立たせてもらうよ!」

 ダンジョンマスターは、その言葉を言った剣士を殴るのだった。

「あんただと!様を付けろ!様を!誰が、お前のその腕を治してやったと思っているんだ!」

「ぐはっ!」

「す、申し訳ありません・・・ダンジョンマスター様・・・」

「お前達は何で突っ立っているんだ!お前達も一緒に謝らんか!」

「何であたし達まで!」

 アイリーンは口ごたえしたのだった。その瞬間、ダンジョンマスターは女であるアイリーンに、衝撃波のようなものを浴びせたのであった。アイリーンは壁に打ちつけられ、悶絶をうっていたのだった。

「「「申し訳ありませんでした・・・・」」」

 この5人は、【流星】のメンバーである。奴隷として売られ、怪しい魔法使い風の男に買われていき、消息を絶ったと噂されていたのだが、ダンジョンマスターに買われていたのだった。

 ダンジョンマスターはコアである水晶を覗き、ダンジョン内を警戒をしていたのだ。数千年ぶりに、地上を覗くとダンジョンの近くに、町のようなものが出来ていた事に驚き、奴隷を買い流星のメンバー達を、最終防波堤のつもりで用意したのである。

 ダンジョンマスターにとって、流星は護衛であって駒の一つである。それ故に、奴隷制度は本当に都合がよかったのである。
 主には、絶対逆らえないし、言う事を聞かせれるのである。それに、ダンジョンコアのエネルギーを使う事になるが、ダンジョンの宝で元冒険者を簡単に強化でき、最強のボディーガードが作れるのである。
 本来の、奴隷としての使い方はこんなものである。主人の役に立つかどうかなのである。

「お前達は、誰が主人なのかわかっているのか?言ってみろ!」

「「「「ダンジョンマスター様です!」」」」

「今度なめた真似をしてみろ!この世のものとは思えない苦痛を与えるから覚悟しろよ!」

「「「「「はい!申し訳ありませんでした!」」」」」

 5人は、この言葉に震えあがったのである。ダンジョンマスターってだけで謎めいた人物であるのに、この世のものとは思えない苦痛を与えられると言われたのである。
 その苦痛を、5人は買われた当初に、味あわされていたのである。最初5人は、ダンジョンの最奥に連れてこられて、不安になり性格も合わさって、ダンジョンマスターに反抗したのだった。
 すると、あっという間に眠らされ、拘束されてしまったのである。そこからが、5人にとっての地獄が始まったのである。
 流星のマサル、ガイ、マークは、ダンジョンマスターに身体を切り刻まれ、拷問を3日3晩行なわれたのである。
 ダンジョンマスターは、人間の三大欲求を取らなくても、別に構わないらしく3人にとって、地獄を味あわせたのである。
 不眠不休で、死なないように、身体を傷つけられたのである。そして4日目の朝、死にそうになっている3人に、エリクサーを使い完全回復したのである。
 そして、また一から拷問が始まったのである。この拷問は、2週間続いたのである。3人は、ダンジョンマスターに服従を誓い、やっと止めてもらえたのだった。

 そして、アイリーンとミランダは女性にとって、最悪の事を犯られていたのだった。ダンジョンコアの、エネルギーで魔物を生み出されていて、ずっと犯され精神崩壊させられていたのである。
 これも又、3日後にポーションを、使われ正気に戻された挙句、同じことを2週間続けられたのだった。

 この世のものとは思えない苦痛と、言われた5人はそのことを思い出し、震えながら謝罪をしたのであった。

 ダンジョンマスターは、恐怖だけを与えるのではなく、それ以外は食事も満足に与え、武器防具も与え、ダンジョン内ではすきに行動させたのである。
 男たちには、娯楽である酒と女を与えていたし、女たちには服やアクセサリー等も与えていたので、5人はダンジョンマスターの事を恐怖の対象とだけとは思っていなかったのである。

「もういい!お前達は部屋に戻っていろ!」

 この時、ダンジョンマスターは窮地に立たされるとは、思っていなかったのである。ケンジ達が、このダンジョンを攻略できるほどの、実力を持っていると思っていなかったのだ。 

 それから、ダンジョンマスターは水晶のコアを使い、強力な魔物を生み出しケンジ達にぶつけたのだが、難なく撃破していくのである。
 これに、焦ったダンジョンマスターは、コアのコピーを創り出さなければと思ったのだが、強化の方に力を入れ過ぎてしまい、コピーを創るほどの、エネルギーがなくなってしまっていたのだった。
 これに、愕然としてしまったダンジョンマスターは、腰砕けになってしまったのである。

「コピーを創ったのは何千年前だったか・・・コピーって、こんなにエネルギーを使うものだったか・・・・」

 ダンジョンマスターは、平穏の日々を送っていた為、コピーのエネルギーがこんなに使うものだと、忘れてしまっていたのだった。

「おい!お前達、今・・・侵入して来ている冒険者達に勝てるんだろうな!」

「ダンジョンマスター様、何かあったのですか?」

 部屋を、追い出された5人はまた戻ってきて、何事なのかと尋ねてきたのだった。

「いや、今侵入してきている冒険者達だが、もう80階層まで来ているんだ!」

「ダンジョンマスター様、任せておいてください!俺達地上にいる時より、比べ物にならないくらい強くなっているんです。」
「ああ!まさか、こんな上級職があるなんて知らなかったから驚きだぜ!」
「この力があれば、どんなやつだって負けませんよ!」

「そ、そうか?その言葉信じるぞ!」

「で、侵入してきている奴等って、どんなやつらなんですか?」

 ダンジョンマスターはコアを使い、ケンジ達を映し出し流星に見せたのだった。

「こ、こいつらは!」
「ははっ・・・・俺達は運がいいぜ!」
「ここであったが100年目!」

 流星の5人は、いきなり笑い出したのだった。これには、ダンジョンマスターも驚き戸惑うのだった。

「ダンジョンマスター様!俺達を、買っていただき本当に感謝します。」

「お前達どうしたのだ?」

「俺達は、あいつ等に借りがあるんです!」

「ええ!あいつ等には大きな借りがね!」
「ええ!絶対にあいつ等には、復讐してやらないといけないのです。」

「お前達は、あいつ等を知っているのか?」

「あいつらは、俺達を奴隷に落とした張本人ですよ。それまで、優雅な生活をしていたのに、あいつ等のせいで!」

 ダンジョンマスターはこれを見て、流星の5人が気合が入ったとみて少し安心するのだった。復讐の炎に燃える、こいつらが負けるとは、思わなかったのである。

 そして、ケンジ達が100階層に辿り着いたのだった。

「お、お前達、あいつ等がここまで来てしまった!ボス部屋は頼んだぞ!」

「ああ!任せておいてください!絶対に、あいつ等を焼き裂きにしてやります!安心してください!」

「ああ!任せたぞ!」

 そう言って、流星のメンバーは、ボス部屋に配置されていくのだった。ダンジョンマスターは、流星達の意気揚々とした雰囲気に安心するのだ。
 普通、超級ダンジョンの100階層に来るような奴らなら、恐怖に震えるはずなのだが、マサル達は復讐が出来ると言い、自信満々で出向いたのである。
 だが・・・結果は、ダンジョンコアのエネルギーとなって、消えてしまったのである。ダンジョンマスターは、焦りまくったのである。あいつ等が、死んでしまってはもう、自分しか残っておらず、殺されてしまうのである。

「あいつら・・・何が大丈夫だ!死んでも、これポッチのエネルギーにしかなりやがれねぇ!コピーが、作れないじゃないか!」
「どうにかして、助かる道はないのか・・・」

 ダンジョンマスターは、自分が助かる為に少ない時間で考え抜くのだった。コピーさえあれば、オリジナルを持って逃げることが出来るのだが、ダンジョンマスターは逃げることが出来なかったのである。

 コアのオリジナルを、放置して逃げる事も出来るのだが、ダンジョンマスターと、オリジナルコアが100m以上離れて、もしコアを破壊されると、ダンジョンマスターは死んでしまうのである。このコアは、ダンジョンマスターの真の心臓と呼ばれる物で、絶対に放置などできないのである。
 そして、100m以上離れている時に、このコアに他人がふれるのも命取りなのである。

 ダンジョンマスターが100m以上離れている時に、他人がオリジナルコアふれると、コアの主人は触れた者に所有権が移ってしまうのである。そうなると、ダンジョンマスターは只の人となり、今まで生きてきた時間が一気に、襲い掛かるのである。
 そのダンジョンマスターが、何年生きてきたかわからないが、少なくとも自分は、数千年という時の流れが一気に襲いかかるのである。
 そうなると、絶対に死んでしまうのがわかるのである。
 そして、ダンジョンマスターは助かる為に、少ない時間で考え抜き、小さな幼女へと姿を変えるのである。

 間一髪間に合い、ダンジョンマスターは土下座して、ケンジ達を部屋に迎え入れるのだった。


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