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第7章 超級ダンジョン攻略!

45話 反省

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 ケンジは、マイとセバスを部屋において、鍛冶工房に顔を出すのだった。

「なっ?主殿どうしたのだ?」

「ああ、ただいま!ちょっと予想外の事が起こってな・・・帰ってきたんだよ?」

「予想外の事が起きたって、何かあったのか?」

「まあ、そんなベラベラしゃべる事じゃないし、察してやってくれ。」

 ケンジは、ダンギとシェムの追及に、苦笑いを浮かべるのだった。そして、マードックの装備を修理する為、自分の鍛冶のスペースに装備品を出すのだった。

「なにっ?それはマードックの装備品じゃないのか?」
「おいおい!その装備がそんな風に破壊されるような事が起こったのか?」

「ああ・・・だから、このまま進めないから一回帰って来たんだよ。」

「マードックは、大丈夫なのか?」

「ああ、腕が一本無くなっただけだったから、心配はいらないよ。命に別状はないからな!」

「はあ?腕一本切断?なんでそれで大丈夫なんだよ。」

「おいおい・・・俺の、魔法で治したからに決まっているだろ。いくらなんでも、そのままにしておくわけないじゃないか!」

「あ、そうじゃな・・・主殿は、欠損も治せるんじゃったのう・・・」

「で、又、出発するにはこの装備を、修理しないといけないだろ?じゃないと、マードックが、アタッカーとして活躍できないからな。」

「それにしても、その装備をそこまで無残に切り裂くなんて、どんな魔物だったんじゃ?」

「聞きたいか?聞いたらびっくりするぞ?」

「そんなやばい、魔物がいたのか?」

「ああ、スライムだったよ。」

「はぁ?スライムだと?スライムが、どうやってその頑丈な装備を、切り裂くだよ?」

「なあ、驚くだろ?世の中には、まだまだ未知の生物や魔物が、存在するんだよ。」

「気を抜いて、油断をしたらこんなしっぺ返しを、食らう事になるんだよ。」

「むむむ・・・・たしかにな・・・あんな強いマードックが、スライムに腕を切断って、信じられん・・・」

「ダンギ、人ごとの様に聞いているが、お前もしっかり頼むぞ!」

「ああ・・・主殿が、昨日言っていたことがよくわかったよ。」
「そうじゃな・・・ワシらも、しっかり気合を入れて商品を作る事にするよ。」

「ああ!シェムもしっかり頼むぞ。」

 ケンジは、鍛冶工房にいる人間に、しっかり頼みお願いするのだった。そして、マードックの腕の装備を、修理ではなく強化して、作りかえてしまったのである。

プレートアーム ミソロジー級
必要STR   35
防御      50
風属性吸収   ダメージの50%を吸収
スピード    DEXが2倍になり移動が早くなる
ドレイン    与えたダメージの10%を回復
耐久度     耐久値1400/総耐久値1400
相場価格    2400万ドゴン~
備考欄
 マードック専用のプレートアーム。アームの肩口部分にエメラルドの宝石を
神鋼魔石に吸収させ、新たな魔石、神風魔石を埋め込む事で風属性の耐性が付与
されていて、風属性の攻撃は、ダメージの50%を吸収し、10%も確率で
残りの50%のダメージを反射。
 また、スピードが付与されていて、プレートメイルとは思えないくらいの、
移動速度で歩ける。ドレインが付与されており、攻撃力が上がれば上がるほど
回復量が上がる。

 魔宝石を、神鋼魔石に変えただけで、劇的に能力がアップし、ケンジは満足するのであった。時間さえあれば、すべてのパーツを、作り替えてもいいのだが、この腕のパーツの修理が終わったのは、6時間後の事で終わった後は、ケンジのMPは半分に減ってしまうほど、困難な修復作業だったのである。

「ご主人様!そろそろ晩御飯の時間です。」

「ああ!わかった、すぐにいくよ。」

 けんじは、セバスに呼ばれて食堂に顔を出すと、そこにはマードック達が頭を下げ、一列に並んでたっていたのである。

「主、今日はすみませんでした!」

「「「「「すみませんでした!」」」」」

 ケンジは、横目でマードック達を見て、その謝罪には反応を示さず、席につくのだった。

「あ、主・・・」

「お前達、いつまでそんなところで突っ立ているつもりだ?さっさと席に着け。」

「あの・・・謝罪を聞いてほしいのですが・・・」

「そんなのはお前達の、これからの行動にかかっていると思え。俺からはそれしか言わん!」

「主・・・・俺が、調子に乗り過ぎたんだ・・・だから、許してください・・・」

「マードック!お前はそうやって何回謝って来たんだ?」

「それは・・・今回、死にかけて2回目で・・・」

「俺が、言っているのはそういう事じゃなく、悪乗りや調子に乗って、オリヴィアに、何回注意されたんだと言っているんだ?」
「俺は、お前のムードメイカーとしての、人柄を否定するつもりはないよ。だけど、いつも一緒のテンションで、仲間に迷惑をかけるのはどうなんだ?」

「だけど、主・・・迷惑って今回は、俺一人が死にかけただけで・・・」

「お前は、本気でそんな風に、思っているのか?だったら、俺はもう何も言わんよ。」

「そ、そんな・・・」

「今回、お前はスライムだと侮り、突っ込んだだよな?」

「はい・・・」

「俺も、あんなスライムがいるとは思わなかったよ。で、もしあれがスライムでなく、新種のドラゴンだった場合、マードックが早々に戦線離脱したら、どうなっていたんだろうな?」

「・・・・」

「そう、言わなくてもわかるな!全滅だよ・・・」

「でも、俺だってあのスライムが、ドラゴンだった場合、侮ったりしなかったはずだ・・・・」

「ほう!新種のドラゴンの姿が、この間の様に5m級の体格だとなぜ短絡に考えるんだ?あのドラゴンより、強くても手のひらサイズの可愛らしいドラゴンだったら、お前は同じことが言えるのか?」

「それは・・・そんなドラゴンが存在するとは・・・」

「じゃあ、もう一度聞くぞ?お前は、あんな素早くてヒイロカネを簡単に切り裂くような、スライムを見た事があったのか?」

「いえ・・・ないです・・・」

「この土地や、ダンジョンは人の手が入っていないと言っただろ?こんな偉そうに俺は今語っているが、俺だってあんなスライムがいるなんて知らないんだ。」
「なにが、起こったって不思議じゃないんだよ!そうならない為に、油断だけはしちゃいけないんだ。」
「それに、マードックは迷惑をかけていないと言ったが、あんなことが起こらなければ、今頃はもっと先に進んでいた事が分からないのか?」

「・・・・」

 マードックは、ケンジに言い負かされて自分がどれほどみんなに、迷惑を掛けていた事に気づかされるのだった。
 マードックは、取り返しがつかないと思い、膝から力が抜けてその場に、崩れ落ちるのだった。
 ケンジは、ギル達を見つめて今日はもういいから、飯を食え!と言うのだった。周りを見ると、留守番組のメンバーは下を向き、ケンジとの会話をずっと聞いていたのだった。

「ほら、みんなもそんな落ち込んでないで、飯を食うぞ!ご飯をちゃんと食べて力をつけて、明日に備えるんだ!」

 みんなは、それぞれ思う事があり、沈んだ気持ちでその日の夕食を、すませるのだった。



 その日の、夕食の後の会議は当然なかったのであった。そして、ケンジは夕食の後、護衛メンバー全員を、ケンジの部屋に呼び出すのだった


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