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第7章 超級ダンジョン攻略!
43話 周辺調査②
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次の日、ケンジは自国の土地がどれくらいあるのか?そして、ダンジョンはいくつあるのかを、※①【世界地図】で周辺を調べてみるのだった。
すると、ケンジの店から馬車で1時間ほどの所に、ダンジョンが一つ発生しているのが、確認できたのである。
この馬車で一時間と言うのは、当然ハヤテに引っ張ってもらった時間であり、普通の馬車だとゆうに4・5時間かかる距離であり、ひょっとしたら道がない為、普通の馬車では行くことが出来ないのかもしれないのだ。
「ご主人様!今日からダンジョンに行く事になっているのですが、何日ほど留守になさるのですか?」
「ああ、セバスおはよう!大体、1か月を目標に潜ろうと思っているよ。」
「わかりました。絶対に無理はなさらないようにお願いしますね。」
「ああ、分かっているよ。だけど、※②【転移マット】があるから、前の様にずっと留守にする事はないぞ。」
「え?」
「ここに、自分用の転移マットを一つ設置しておけば、ダンジョンに持っていく※③【ハウス】の中に片割れを設置したら、毎日のように帰ってこれるからな。」
「ご主人様!転移マットって、まだあったのですか?」
「ああ、王都支店が落ち着いたら、次の町に設置しないといけないからな。もう、ハウスと転移マットは20セットづつ出してあるよ。」
「な、なんと!」
「それに、俺とマイは個人的に一つづつ所持しているから、旅も楽になっているんだよ。」
セバスは、それを聞いてケンジが無事で帰ってくるのを、これから心配せずともよくなり、ニコニコ顔となるのだった。
ケンジは、そんなセバスを見てそんなにいつも心配だったんだと思い、悪い事をしてたなあと思うのだった。
そして、ケンジ達は朝食を食べた後、町の(ケンジの店だけしかないけど)城門から、ハヤテに馬車を引いてもらい、ダンジョンに向けて出発したのだった。
「ご主人様、今向かっているダンジョンは、詳細ってわかっているのですか?」
「いや・・・ぜんぜんわからんな・・・」
「ご主人様でも、わからないことがあるのですね。なんか、ちょっと安心しました。」
「システィナ・・・お前は俺の事なんだと思ってんだ?そりゃ、俺も分からない事だっていっぱいあるんだぞ。」
「え~~~。日頃から見てて、そんな事感じた事ありませんよ。」
「ほんと、お前も言うようになってきたよな・・・」
「でも、ご主人様。システィナの言う事は、みんな思っている事ですよ。」
「おいおい・・・オリヴィア、お前までそんな事言うのか?いくら、俺だって行った事のない所の、情報なんてわかるわけないだろ?」
「ご主人様、世界地図でこれから行くダンジョンに、カーソルを当ててみました?」
オリヴィアが、なんで世界地図や使用方法を知っているのかと言うと、いつも、薬草や魔物の位置や種類をサーチする時に、やっている事で、ケンジは探しているクリーチャーや薬草や秘薬ぐらいしかその方法をしていなかったのである。
それを知っている、オリヴィアはダンジョンにカーソルを当てて、※④【鑑定】したらケンジの事だから、情報が出てくるんじゃないかと思い、ケンジに聞いてみたのだった。
ケンジは、オリヴィアが言った事を、まさかと思い実践してみたのだった。
「どうでした?」
「あっ!超級ダンジョンで100階層のダンジョンだと出た・・・」
それを聞いた、システィナやオリヴィア達は盛大に噴きだして、馬車の中はみんなの笑い声で、騒がしくなるのだった。
「ケンちゃんって、ホント何でもありね・・・」
マイだけ、笑わず呆れた感じでため息をつくのだった。
「やっぱり、ご主人様は分からない事なんてありませんね。」
システィナは、お笑いしながらケンジに、そう言ってくるのだった。
「こんなのは、たまたまだ!たまたま!」
「でも、ご主人様のたまたまは、いつもの事ですよ。そのおかげで、対策が立てれるから安心なんですけどね。」
「オリヴィアまで、俺を化け物扱いにしやがって・・・」
「まあまあ、主!その主の超人的な能力のおかげで、みんな助かっているんですから、いいじゃないですか!」
ギルまで、そんな事を言ってフォローしてくるのだが、結局は、化け物扱いな言い方で、ケンジは心底落ち込むのであった
ケンジの馬車の中は、これから恐ろしい超級ダンジョンに向かうとは思えない程、笑いで満ちていて、まるでピクニックに行くようであった。
そして、ケンジ達は一時間程でダンジョンに着くのだった。そして、いつもなら簡易村で兵士達に、いつまで潜るとか報告書に書くのだが、それも今回はないのである。
「いいか?みんな、このダンジョンは俺達が初めて潜入するダンジョンだ。絶対に油断をするんじゃないぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
ケンジの言葉で、先ほどまでの雰囲気はなくなり、ギル達みんな気合の入った顔つきになり、ケンジは少し安心するのだった。
「とりあえず、5階層まで潜ることにするから、いつもの隊列で強化魔法をよろしく!」
そういうと、セイラがみんなに強化魔法を唱えていき、マードックとシスティナはダンスとソングスキルを掛けてくのだった。
そして、ギルを先頭に、超級ダンジョンに潜入していくのだった。
すると、このダンジョンはおかしく、超級ダンジョンだと言うのに、初めてエンカウントをした魔物は、なんとスライムだったのである。
「なんだ?本当にこのダンジョンは超級なのか?こんなの目をつむっても倒せるぜ!」
マードックは、拍子抜けした様な感じで、前に飛び出しスライムに斬りかかったのである。
すると、あれだけの攻撃回数と攻撃力を誇っていたマードックの攻撃が一切通じなかったのである。マードックの剣撃は、確かにスライムに当たっているのだが、全て吸収され弾き返されたのである。
そして、スライムは攻撃されたのを感じ取り、自分の身体を薄く変形させ、攻撃を受けたその方向に体当たりをしたのだった。
「マードック!避けるんだ!」
ケンジは、咄嗟に大きな声を出して叫んだのだった!その声に反応し、マードックは身体を横にズラしたのだが、そのスライムのスピードはあり得ないぐらいの速さで、マードックの腕を、簡単に切断してしまったのである。
「ぐわああああああああ!」
「マードック!」
マードックの、腕は切り落とされ、腕だけダンジョンに吸収され、その場にマードックの腕の部分の装備だけが残されたのある。
オリヴィアは咄嗟に、ヒールを飛ばし出血だけは止めたのである。
「なんだ、こいつは?」
ケンジはすぐさま、このスライムを鑑定するのだった。鑑定結果は※⑤【ヘルスライム】と出るのだった。
このスライムは、ランクSSの魔物で物理攻撃は一切受け付けないのである。そして、スライムなのにそのスピードは目にも止まらないほど早く、攻撃された方向に瞬時にいつでも反応できるのである。
物理攻撃が、一切通じないと言う事は、物理防御も一切効かないのである。それ故に、ケンジの作った装備も何の役にも立たず、マードックの腕は切り落とされてしまったのである。
「ちっ!マードックの奴、あれだけ油断をするなと言ったのに!」
ケンジは、みんなの武器に※⑥【ライトオーラ】の魔法を付与したのだった。この魔法は、武器に光属性の適性を持たせて、光属性のダメージを与えることが出来るようになるのである。
これにより、マイ、プリム、システィナの武器には光属性の適性が上乗せされ、ヘルスライムの属性とは逆の属性であり、闇属性に唯一効果のある攻撃方法であった。ケンジはケンジで、光属性の攻撃魔法で応戦し、あっという間にヘルスライムは死亡して、ダンジョンに吸収されてしまったのである。
そして、その場にはドロップアイテムの魔石とスライムゼリーだけが残ったのである。
ケンジはすぐさま、マードックに※⑦【パーフェクトヒール】を唱えて欠損を治したのだった。
「あ、主・・・すまねぇ・・・お、」
マードックが、ケンジに話しかけ油断した事を謝ろうとした時、ダンジョン内に大きな音が鳴り響くのだった。
「なっ!」
ケンジは、マードックの言葉を聞く前に、マードックをグーで殴っていたのだ。ケンジのレベルは500を超えている為、ファイターのマードックが、簡単に吹き飛んだのであった。
「ご主人様!」
ケンジが、マードックを殴ったのを見て、みんな信じられないものをみて固まってしまったのである。ただ、姉のオリヴィアだけはマードックを庇い、ケンジとマードックの間に割って入るのだった。
「痛ぇ~~~!」
「ご主人様!やめてください!」
「オリヴィア!そこをどけ!」
「嫌です!ご主人様、やめてください!」
ケンジの行動は、今までとは違い物凄く怖いものだった。どんな事があっても、ケンジは、今まで自分の奴隷達には、一切手を上げた事がなかったのだ。だから、ギル達もケンジの行動には、何もできなくて、ただ茫然として動けなかったのである。
「マードック!俺は言ったはずだ!絶対油断をするなと!」
「主・・・俺・・・」
「この、ダンジョンは超級だと判っていたはずなのに、何であのスライムが地上にいる普通のスライムだと思って攻撃するんだ!」
「あの一撃で、お前は死んでいたかもしれないんだぞ!ダンジョンで死んでしまったら、肉体は残らず蘇生は絶対無理なんだ!それが何で分からない!」
ケンジは、マードックを叱りながら涙を流していたのだった。
「主!すみませんでした!俺、俺が悪かったです!」
ケンジが、マードックを殴った事はみんな動けなくなったが、ケンジがマードックの事を想い、思わず手が出てしまったのだとわかり、ギル達も何も言えなかったのだ。
マイ達、みんなは3次職になり圧倒的な力を手に入れ、そこになんの変哲もないスライムが出現したのである。今回は、たまたま、マードックが油断をして飛び出してしまったが、自分も同じ行動をしていても、おかしくなかったからである。
ケンジは、何も言わず【ハウス】を取り出し、みんなを家の中に入れるのだった。そして、ケンジは口を開くのである。
*-----*-----*-----*-----*
今回の話は、少し違った雰囲気をかもしだし、ケンジが初めて自分の
仲間に手を出してしまうストーリーでした。
仲間を想う、ケンジの心はマードックに届くであろうと思い、こんな
ストーリーになりました。
いつもこの小説を読みに来てくれている、皆さんには本当に感謝しています。
本当にありがとうございます<m(__)m>
この話で出てきたスキル、アイテム、魔法、魔物、一覧です。
※①【世界地図】
ケンジしか所持者がいないレアスキル。
世界中の地図が見れて拡大縮小も思いのままで、町の中、ダンジョンの中
にも使える便利の良いスキル。
この地図にサーチの魔法を併用して使う事が可能で薬草や魔物を
見つけることも可能である。
※②【転移マット】
超級ダンジョン中ボスの宝物。四角いタイルのようなマットで2つ一組
の魔道具で対になったマット間を瞬間移動できる。
対になったマットには同じルーン文字のようなものが印してありペアの
マットはわかるようになっている。
設置した人間以外が取ろうとしても窃盗防止の処置が出来て取ることが
出来ない様にすることもできる。
※③【ハウス】
超級ダンジョンの中ボスの宝物。物としてはミニチュアサイズの家の玩具
のような魔道具。用途は少しの魔力を込めイメージした家が簡単に建築可能。
そして、ミニチュアに戻し持ち運び可能。テントとして使ったり白亜の王城を
建築したりできる。
※④【鑑定】
ケンジの、レアスキルでパッシブスキルとは別物である。このスキルは神眼
であり、物品は、もちろんあらゆる物が鑑定でき、人のステータスでさえ見る事
ができる。
※⑤【ヘルスライム】
闇属性の魔物で、SSランクとも言われる魔物。物理攻撃は一切通じず、
その攻撃は、極限までに身体を薄く変形させ、体当たりをするのである。
そのスピードは目にも止まらない為、並の人間なら瞬時に真っ二つに
され、絶命してしまうのである。
弱点は唯一、闇属性とは対極にある光属性の攻撃のみであり、他の属性の
魔法攻撃は、HPを回復させてしまうのである。
※⑥【ライトオーラ】
光属性魔法 5階位
消費MP 40
詠唱速度 3.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶 5個
備考欄
この魔法は、装備に掛ける事により、光属性を付与することが出来る。
武器に掛けると、光属性のダメージを与えることが出来る。また、防具に掛ける
と闇属性の攻撃を防ぐことが出来るようになるのである。
魔道士職業レベル50以上魔法スキル100.00で使える。
※⑦【パーフェクトヒール】
聖属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 90秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜、各5個
備考欄
聖属性魔法の回復魔法としては最高峰の魔法。この上には回復魔法は
存在しない。この魔法を使うと命さえ無事ならば部位欠損さえも元通りに
してしまう。この上位になると蘇生魔法になるがそれらの魔法は禁忌になる。
大魔道士職業レベル150以上魔法スキル120.00で使える。
すると、ケンジの店から馬車で1時間ほどの所に、ダンジョンが一つ発生しているのが、確認できたのである。
この馬車で一時間と言うのは、当然ハヤテに引っ張ってもらった時間であり、普通の馬車だとゆうに4・5時間かかる距離であり、ひょっとしたら道がない為、普通の馬車では行くことが出来ないのかもしれないのだ。
「ご主人様!今日からダンジョンに行く事になっているのですが、何日ほど留守になさるのですか?」
「ああ、セバスおはよう!大体、1か月を目標に潜ろうと思っているよ。」
「わかりました。絶対に無理はなさらないようにお願いしますね。」
「ああ、分かっているよ。だけど、※②【転移マット】があるから、前の様にずっと留守にする事はないぞ。」
「え?」
「ここに、自分用の転移マットを一つ設置しておけば、ダンジョンに持っていく※③【ハウス】の中に片割れを設置したら、毎日のように帰ってこれるからな。」
「ご主人様!転移マットって、まだあったのですか?」
「ああ、王都支店が落ち着いたら、次の町に設置しないといけないからな。もう、ハウスと転移マットは20セットづつ出してあるよ。」
「な、なんと!」
「それに、俺とマイは個人的に一つづつ所持しているから、旅も楽になっているんだよ。」
セバスは、それを聞いてケンジが無事で帰ってくるのを、これから心配せずともよくなり、ニコニコ顔となるのだった。
ケンジは、そんなセバスを見てそんなにいつも心配だったんだと思い、悪い事をしてたなあと思うのだった。
そして、ケンジ達は朝食を食べた後、町の(ケンジの店だけしかないけど)城門から、ハヤテに馬車を引いてもらい、ダンジョンに向けて出発したのだった。
「ご主人様、今向かっているダンジョンは、詳細ってわかっているのですか?」
「いや・・・ぜんぜんわからんな・・・」
「ご主人様でも、わからないことがあるのですね。なんか、ちょっと安心しました。」
「システィナ・・・お前は俺の事なんだと思ってんだ?そりゃ、俺も分からない事だっていっぱいあるんだぞ。」
「え~~~。日頃から見てて、そんな事感じた事ありませんよ。」
「ほんと、お前も言うようになってきたよな・・・」
「でも、ご主人様。システィナの言う事は、みんな思っている事ですよ。」
「おいおい・・・オリヴィア、お前までそんな事言うのか?いくら、俺だって行った事のない所の、情報なんてわかるわけないだろ?」
「ご主人様、世界地図でこれから行くダンジョンに、カーソルを当ててみました?」
オリヴィアが、なんで世界地図や使用方法を知っているのかと言うと、いつも、薬草や魔物の位置や種類をサーチする時に、やっている事で、ケンジは探しているクリーチャーや薬草や秘薬ぐらいしかその方法をしていなかったのである。
それを知っている、オリヴィアはダンジョンにカーソルを当てて、※④【鑑定】したらケンジの事だから、情報が出てくるんじゃないかと思い、ケンジに聞いてみたのだった。
ケンジは、オリヴィアが言った事を、まさかと思い実践してみたのだった。
「どうでした?」
「あっ!超級ダンジョンで100階層のダンジョンだと出た・・・」
それを聞いた、システィナやオリヴィア達は盛大に噴きだして、馬車の中はみんなの笑い声で、騒がしくなるのだった。
「ケンちゃんって、ホント何でもありね・・・」
マイだけ、笑わず呆れた感じでため息をつくのだった。
「やっぱり、ご主人様は分からない事なんてありませんね。」
システィナは、お笑いしながらケンジに、そう言ってくるのだった。
「こんなのは、たまたまだ!たまたま!」
「でも、ご主人様のたまたまは、いつもの事ですよ。そのおかげで、対策が立てれるから安心なんですけどね。」
「オリヴィアまで、俺を化け物扱いにしやがって・・・」
「まあまあ、主!その主の超人的な能力のおかげで、みんな助かっているんですから、いいじゃないですか!」
ギルまで、そんな事を言ってフォローしてくるのだが、結局は、化け物扱いな言い方で、ケンジは心底落ち込むのであった
ケンジの馬車の中は、これから恐ろしい超級ダンジョンに向かうとは思えない程、笑いで満ちていて、まるでピクニックに行くようであった。
そして、ケンジ達は一時間程でダンジョンに着くのだった。そして、いつもなら簡易村で兵士達に、いつまで潜るとか報告書に書くのだが、それも今回はないのである。
「いいか?みんな、このダンジョンは俺達が初めて潜入するダンジョンだ。絶対に油断をするんじゃないぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
ケンジの言葉で、先ほどまでの雰囲気はなくなり、ギル達みんな気合の入った顔つきになり、ケンジは少し安心するのだった。
「とりあえず、5階層まで潜ることにするから、いつもの隊列で強化魔法をよろしく!」
そういうと、セイラがみんなに強化魔法を唱えていき、マードックとシスティナはダンスとソングスキルを掛けてくのだった。
そして、ギルを先頭に、超級ダンジョンに潜入していくのだった。
すると、このダンジョンはおかしく、超級ダンジョンだと言うのに、初めてエンカウントをした魔物は、なんとスライムだったのである。
「なんだ?本当にこのダンジョンは超級なのか?こんなの目をつむっても倒せるぜ!」
マードックは、拍子抜けした様な感じで、前に飛び出しスライムに斬りかかったのである。
すると、あれだけの攻撃回数と攻撃力を誇っていたマードックの攻撃が一切通じなかったのである。マードックの剣撃は、確かにスライムに当たっているのだが、全て吸収され弾き返されたのである。
そして、スライムは攻撃されたのを感じ取り、自分の身体を薄く変形させ、攻撃を受けたその方向に体当たりをしたのだった。
「マードック!避けるんだ!」
ケンジは、咄嗟に大きな声を出して叫んだのだった!その声に反応し、マードックは身体を横にズラしたのだが、そのスライムのスピードはあり得ないぐらいの速さで、マードックの腕を、簡単に切断してしまったのである。
「ぐわああああああああ!」
「マードック!」
マードックの、腕は切り落とされ、腕だけダンジョンに吸収され、その場にマードックの腕の部分の装備だけが残されたのある。
オリヴィアは咄嗟に、ヒールを飛ばし出血だけは止めたのである。
「なんだ、こいつは?」
ケンジはすぐさま、このスライムを鑑定するのだった。鑑定結果は※⑤【ヘルスライム】と出るのだった。
このスライムは、ランクSSの魔物で物理攻撃は一切受け付けないのである。そして、スライムなのにそのスピードは目にも止まらないほど早く、攻撃された方向に瞬時にいつでも反応できるのである。
物理攻撃が、一切通じないと言う事は、物理防御も一切効かないのである。それ故に、ケンジの作った装備も何の役にも立たず、マードックの腕は切り落とされてしまったのである。
「ちっ!マードックの奴、あれだけ油断をするなと言ったのに!」
ケンジは、みんなの武器に※⑥【ライトオーラ】の魔法を付与したのだった。この魔法は、武器に光属性の適性を持たせて、光属性のダメージを与えることが出来るようになるのである。
これにより、マイ、プリム、システィナの武器には光属性の適性が上乗せされ、ヘルスライムの属性とは逆の属性であり、闇属性に唯一効果のある攻撃方法であった。ケンジはケンジで、光属性の攻撃魔法で応戦し、あっという間にヘルスライムは死亡して、ダンジョンに吸収されてしまったのである。
そして、その場にはドロップアイテムの魔石とスライムゼリーだけが残ったのである。
ケンジはすぐさま、マードックに※⑦【パーフェクトヒール】を唱えて欠損を治したのだった。
「あ、主・・・すまねぇ・・・お、」
マードックが、ケンジに話しかけ油断した事を謝ろうとした時、ダンジョン内に大きな音が鳴り響くのだった。
「なっ!」
ケンジは、マードックの言葉を聞く前に、マードックをグーで殴っていたのだ。ケンジのレベルは500を超えている為、ファイターのマードックが、簡単に吹き飛んだのであった。
「ご主人様!」
ケンジが、マードックを殴ったのを見て、みんな信じられないものをみて固まってしまったのである。ただ、姉のオリヴィアだけはマードックを庇い、ケンジとマードックの間に割って入るのだった。
「痛ぇ~~~!」
「ご主人様!やめてください!」
「オリヴィア!そこをどけ!」
「嫌です!ご主人様、やめてください!」
ケンジの行動は、今までとは違い物凄く怖いものだった。どんな事があっても、ケンジは、今まで自分の奴隷達には、一切手を上げた事がなかったのだ。だから、ギル達もケンジの行動には、何もできなくて、ただ茫然として動けなかったのである。
「マードック!俺は言ったはずだ!絶対油断をするなと!」
「主・・・俺・・・」
「この、ダンジョンは超級だと判っていたはずなのに、何であのスライムが地上にいる普通のスライムだと思って攻撃するんだ!」
「あの一撃で、お前は死んでいたかもしれないんだぞ!ダンジョンで死んでしまったら、肉体は残らず蘇生は絶対無理なんだ!それが何で分からない!」
ケンジは、マードックを叱りながら涙を流していたのだった。
「主!すみませんでした!俺、俺が悪かったです!」
ケンジが、マードックを殴った事はみんな動けなくなったが、ケンジがマードックの事を想い、思わず手が出てしまったのだとわかり、ギル達も何も言えなかったのだ。
マイ達、みんなは3次職になり圧倒的な力を手に入れ、そこになんの変哲もないスライムが出現したのである。今回は、たまたま、マードックが油断をして飛び出してしまったが、自分も同じ行動をしていても、おかしくなかったからである。
ケンジは、何も言わず【ハウス】を取り出し、みんなを家の中に入れるのだった。そして、ケンジは口を開くのである。
*-----*-----*-----*-----*
今回の話は、少し違った雰囲気をかもしだし、ケンジが初めて自分の
仲間に手を出してしまうストーリーでした。
仲間を想う、ケンジの心はマードックに届くであろうと思い、こんな
ストーリーになりました。
いつもこの小説を読みに来てくれている、皆さんには本当に感謝しています。
本当にありがとうございます<m(__)m>
この話で出てきたスキル、アイテム、魔法、魔物、一覧です。
※①【世界地図】
ケンジしか所持者がいないレアスキル。
世界中の地図が見れて拡大縮小も思いのままで、町の中、ダンジョンの中
にも使える便利の良いスキル。
この地図にサーチの魔法を併用して使う事が可能で薬草や魔物を
見つけることも可能である。
※②【転移マット】
超級ダンジョン中ボスの宝物。四角いタイルのようなマットで2つ一組
の魔道具で対になったマット間を瞬間移動できる。
対になったマットには同じルーン文字のようなものが印してありペアの
マットはわかるようになっている。
設置した人間以外が取ろうとしても窃盗防止の処置が出来て取ることが
出来ない様にすることもできる。
※③【ハウス】
超級ダンジョンの中ボスの宝物。物としてはミニチュアサイズの家の玩具
のような魔道具。用途は少しの魔力を込めイメージした家が簡単に建築可能。
そして、ミニチュアに戻し持ち運び可能。テントとして使ったり白亜の王城を
建築したりできる。
※④【鑑定】
ケンジの、レアスキルでパッシブスキルとは別物である。このスキルは神眼
であり、物品は、もちろんあらゆる物が鑑定でき、人のステータスでさえ見る事
ができる。
※⑤【ヘルスライム】
闇属性の魔物で、SSランクとも言われる魔物。物理攻撃は一切通じず、
その攻撃は、極限までに身体を薄く変形させ、体当たりをするのである。
そのスピードは目にも止まらない為、並の人間なら瞬時に真っ二つに
され、絶命してしまうのである。
弱点は唯一、闇属性とは対極にある光属性の攻撃のみであり、他の属性の
魔法攻撃は、HPを回復させてしまうのである。
※⑥【ライトオーラ】
光属性魔法 5階位
消費MP 40
詠唱速度 3.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶 5個
備考欄
この魔法は、装備に掛ける事により、光属性を付与することが出来る。
武器に掛けると、光属性のダメージを与えることが出来る。また、防具に掛ける
と闇属性の攻撃を防ぐことが出来るようになるのである。
魔道士職業レベル50以上魔法スキル100.00で使える。
※⑦【パーフェクトヒール】
聖属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 90秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜、各5個
備考欄
聖属性魔法の回復魔法としては最高峰の魔法。この上には回復魔法は
存在しない。この魔法を使うと命さえ無事ならば部位欠損さえも元通りに
してしまう。この上位になると蘇生魔法になるがそれらの魔法は禁忌になる。
大魔道士職業レベル150以上魔法スキル120.00で使える。
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子供のころから当たり前になっていた生活に、14歳にもなって飽き飽きしてきた、主人公、グラハム・サンダーランドは、いつもの通り城の掃除を任されて父親の書斎にやってくる。
そこで、録音機が勝手に鳴る、物が勝手に落ちる、などの謎の現象が起こる
そんな謎の現象を無視して部屋を出て行こうとすると、突然、いかにも壊れてそうな機械が音を出しながら動き始める
瞬間、周りが青に染まり、そこを白い閃光が駆け抜けていく──────
目が覚めると...そこは俺の知っているクルパドックではなく、まさかのゲーム世界!?
現実世界で生きる意味を無くしたグラハムは仮想現実にいるという父親と、愛を求めて、仲間と共に戦う物語。
重複投稿をしています!
この物語に登場する特殊な言葉
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※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。
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