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第7章 超級ダンジョン攻略!

42話 周辺調査①

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 ケンジは、グランパス王と会見してから、平穏な日々を暮らしていた。後、気になる所は生産ギルドぐらいで、ケンジ達は日々の生活用品は、テンペの町で買いそろえ、高価な物や珍しい物は王都で揃え、平民とは思えない優雅な
暮らしをしていたのだった。

 王都の、売り上げも順調しすぎて、王都の人達もケンジの商品が便利過ぎて、ケンジと少しでも顔見知りになりたいと思い、朝の挨拶とかしてくるようになっていたのだ。
 ケンジもまた、店の売り上げを上げる為、王都の生産ギルドでFランクの依頼など、時々やる様になり平民の人達と仲良くなっていたのだった。

 ケンジは、冒険者達とも仲良くなっており、ケンジの作る武器は、他の者が作る物より切れ味が素晴らしく、今まで討伐できない魔物も倒す事ができるようになり、冒険者の生活が良くなっていたのだった。
 それでも、レベルが足りなくて中級ダンジョンが精一杯で、上級ダンジョンに行けたとしても、浅い階層が精一杯だったのだ。

 そして、生産職の採掘士もまた、今だ初級ダンジョンの浅い階層にしか潜れないのである。魔物が強力になりつつある、この現象は王国や帝国その他の国でも問題となっていたのだった。

 そしてケンジもまた、他国の事もあり、自分の土地の周辺調査をしようと思っていたのだった。

「みんな、聞いてくれ!」

 みんなとの、会議は晩御飯がすんだ後、時間を作り話し合いをする事が日課となっていたのだった。これは気が付いた事や、新たな商品開発または個人的な事でもいいので、みんなと共有することで結束を固めるものだった。

 ケンジが言った瞬間、みんなはケンジに注目をするのだった。

「王都支店は、そろそろ店舗関係者に任せ、俺はこの土地の周辺調査をしようと思う。ユエティー、お前達に任せてもう大丈夫か?」

「は、はい!」

「じゃあ、よろしく頼むな。何かあった時には、報告をしてくれたらいいからな。」

「わかりました。」

 店舗の方で、カウンターの受付や支店の方でお客の案内を、任された仲間達は気合を入れて、賑やかになるのだった。

「そして、マイ準備はいいか?」

「え?なにが?」

「なんだよ・・・話ぐらい聞いてくれよ。この土地の周辺調査に行くぞって、言っているんだよ。」

「あ、ああ・・・いつもと一緒でしょ?だいじょうぶよ。任せてよね。」

「いやいやいや・・・気合入れないと、最悪死亡するかもしれないから気合入れ直せよ!」

「はっ?ケンちゃん、何を言ってんのよ・・・」

「おいおい!ここの土地はまだ未開拓なんだぞ?つまり、人の手が入ってないんだ!」

「そんなのわかってるわよ!」

「全然、わかってないじゃないか!つまりだな、どんな魔物がいるか、未知の魔物がいるかもしれないんだぞ!この家は、結界が張ってあり安全かもしれないが、城門を超えたら、危険度は超級ダンジョン並みに、危険と考えた方がいいんだぞ。」

「え?地上が、超級ダンジョン並みに危険?そんな事がある訳ないじゃない!」

「いやいや・・・この辺り一帯は、景色が拡がってのんびりした感じだが、森の中はどんな感じになっているか、わからないだろ?」

「それでも、ケンちゃん超級ダンジョンは、言いすぎなんじゃないの?」

「まあ、確かに言いすぎた感はあるけど、開拓する成功率って0.1%あるかどうか?なんだろ?」

「まあ、それぐらいでしょうね。でも、ケンちゃんはこの町?を作るのに何日でやっちゃったのよ?」

「まあ、俺と比べるのは間違っているよ。」

「でしょ?だったらこの辺りの、調査もそんな心配する事ないんじゃないの?」

「マイ、それは違うと思うぞ。いつも言っている事だが、マイのそれは油断で、自分の力を過信しているからやったら駄目なやつだ!」

「えっ?」

 マイは、ここのところ王国に対してもそうだが、ケンジの暴力でない強さが当たり前になって来たみたいで、勘違いしているのである。

「マイは、何を基準に自分は強いと思って、そんな余裕で構えているんだ?」

「何を基準って・・・」

「俺が当ててやろうか?最近の俺達は、確かにグランパス王国に対してでも、容赦なく言い負かせて、自分の思い通りに行動しているからだろ?」

「でも・・・それはしょうがないじゃない。あの王国に対して、自分達の要求が通るんだよ?」

「確かに、少し前の俺達じゃ考えられなかった事だよ?それはわかる!けど、だからって天狗になるのは違うんじゃないか?」
「俺達は、暴力じゃない力を持ったのは凄い強みだよ。それにいざとなったら、その暴力もまた持っていて、その力は連合国でも、俺達には敵わないだろう。」
「だけど、超級ダンジョンで初めてビホルダーって、魔物と出会った時を思い出して見なよ。苦戦して、マードックが死にかけたのを、もう忘れたのか?」

「・・・・」

「この土地は、まだ開拓のされていない土地なんだ!街道すらなくて、テンペの町から、ここに来ようと思ったら何が出るかわからないような、深い森を突き切らなきゃいけないんだぞ?」

「ケンちゃん・・・・」

「なんだ?俺の言いたい事がわかったのか?」

「あたし・・・・最近の出来事が、あまりに自分達の都合の良いように、回っていたから調子に乗っちゃってたみたい・・・ごめんなさい・・・」

「ああ、分かったのならいいよ。絶対に油断だけはするなよ。」
「ダンギとシェムもわかったな!」

 ダンギとシェムは、自分には関係ないと思い、食後のエールを楽しんでいたのだった。

 会議中に奴隷がエール?と思うだろうが、あくまでもこの報告会は、食後の延長線のようなもので、今回は、マイがちょっと油断をしてしまっただけで、重苦しい雰囲気になっただけなのだ。
 本来はもっと、エールや果実酒などを、飲んで楽しい雰囲気でやっている事なのである。
 だが、今回はダンギとシェムが空気が読めていなかったのである。いきなり、ケンジに名前を呼ばれた二人はビクッとするのだった。
 
「主殿!なんだ?いきなりびっくりするじゃないか?」

「お前達は、関係ないと思っているようだが、そんなことは無いんだからな。」

「だが主殿・・・、ワシ等は製作部門だよな?魔物とは縁のない世界だと思うのだが・・・」

「いや・・・確かにこの会議は、リラックスしてやるものだが、話はちゃんと聞いておくんだ!今は、他のみんなに対しても重要な事なんだからな。」

「じゃが、今のは魔物に対しての注意じゃないのか?」

「シェム!お前まで何言っているんだ!俺は、調子に乗って油断をするんじゃないと言ってたんだぞ。これは、お前達にも当てはまる事なんだから、こういう時はちゃんとこっちを見て話を聞くもんだ。」

 ケンジは、改めてみんなに説明するのだった。製造部の役割の者は、商品を作り慣れてきた時に、油断して不良品を作らないこと。また、怪我なんてもってのほかだと言う事を言い聞かせるのだった。

 店舗で働く者には、王族や貴族達がちゃんとルールを守り購入しているのを見て、自分達の方が立場が上だと勘違いしないようにとか、慣れてきたら神鋼魔石の種類を間違えないようにとか、ケンジはみんなに口が酸っぱくなるまで言い聞かせるのだった。

 これらの、失敗は全て油断からくるものだと言い聞かせて、王族や貴族が言う事を聞いてくれているが、接客の基本は「お客様は神様です!」の対応をしないといけないと、ケンジはみんなに教えるのだった。

「ご主人様?油断はいけないと言うのは分かりました。けど、そのお客様は神様ってなんですか?」

「みんなは、教会に行き、ティアさんに敬う感じでお祈りをするだろ?」

「ええ。」

「それを、お客様に対しても敬う感じで、接客の対応をするんだよ。」

「え?」

「いいか。このガイアースでは、便利にいい商品が出来たら、ギルドなんかもそうだが、売ってやっていると言う態度だろ?だから、保管庫みたいな使い勝手の悪い物を、堂々と売れるんだよ。」

「だけど、ご主人様が作った商品は、本当に画期的で生活水準が物凄くあがり、商品を買ってくれた人達は、ご主人様に感謝をして少しでも、知り合いになりたがっている人ばかりじゃないですか?」

「確かに俺は、便利のいい商品を作り売っているが、そもそもそれがなんだというんだ?」

「なんだと言われると返答に困りますが、でもそれだけご主人様はお客様に感謝されるという存在と思います。」

「ユエティーのいう、感謝されると言うのはわかるよ。だが、それで威張りちらし自分の立場が上だと思うのは違うんだよ。」
「俺が、この商品を売ってお客様に買って頂いていると思わないといけないんだよ。だけど、この間のように王族が商品を納めよ!と言って来るような奴には抵抗して、お客だと思わなくてもいいんだよ。」

「俺達は、お客様に商品を買っていただき、そのお金で優雅な暮らしをしていると思い、お客様に対して接客しないといけないんだよ。」
「いいかい?そんなギルドのような横柄な態度で対応していたらどうなると思う?もし、俺の商品より便利の良い物が出てきた時、全てのお客様は全部、新しい商品にくら替えされることになるんだぞ?」

「これは、今のギルドと同じ事ですね。」

「セバス、そういう事だ!つまり日頃から、丁寧な対応をしお客様の信頼を掴む事が大事なんだよ。」

 ケンジは、油断をしてお客様に迷惑をかけないと言う事を、ここでも何回も繰り返し教えたのだった。

「まあ、話は脱線した様な感じになったが、俺達は明日からこの土地の周辺を、調べてダンジョンのランクも確認してくる。」

「「「「はい!」」」」」

 ケンジは、みんなにそのように報告してたのだった。また、みんなにはくれぐれも、油断はしないように釘を刺したのだった。


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