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第7章 超級ダンジョン攻略!
27話 グランパス王城
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ケンジ達は王都の衛兵達に案内をされ大通りを王城に向けて通ったところ町の中は一種のお祭り騒ぎとなるのだった。
「あれ見て見ろ!バトルウォーホースじゃないか?」
「馬車の屋根の上にはアラクネが乗っているぞ!」
「俺あんな魔物見たの初めてだよ。」
「すげえ!」
テンペの町に初めてハヤテとツバキを連れて帰った時と同じ状態となり町中をあげてパレードの状態となったのである。ツバキはあまりに注目されるものだから馬車の中に入って来てケンジに愚痴っていたのだった。
「ご主人様・・・わたしは見せ物じゃありません!中に入ってもよろしいですか?」
「ああ。別に構わないよ。」
ツバキはそう言って馬車の中に入って来て※①【人化】したのだった。ツバキはこういった騒ぎがあまり好きではなくてブチブチ言いながら馬車の中に入ってきたのだ。
「本当に鬱陶しいわ・・・町を破壊してやろうかしら・・・」
「ちょっと!ツバキそんなことしたらダメよ!」
「だってご主人様に迷惑をかけた国の奴らがいるんでしょ?それなら破壊してもいいでしょ?」
「ダメだってば!」
そんなツバキとマイの会話を聞きケンジは無責任に笑っていたのだった。すると平民街が過ぎ貴族街に入り正面には馬鹿でかい白亜の王城が見えてきたのだった。
ギル達はもちろんの事ケンジもマイもそのお城の美しさには目を瞠る事になるのだった。
「ご主人様凄いですね!」
「ああ・・・本当にこれは凄いな!」
ケンジ達は王城の門をくぐり王城の中に入るのだった。そしてすぐに国王と面会が出来るように手続きを取ると言われたので待合室に通されるのだった。
「ケンちゃん・・・あたしなんか緊張してきたよ・・・・」
「何で王にまだ会ってもいないのに緊張するんだよ。」
「だって王様よ!王様!あたし達普通に生活してたら一生会えない存在なのよ?」
「そんなものなのか?」
「ケンちゃんには分からないかもしれないけどそりゃ大変な事なのよ!」
「ふ~~~ん。俺はこの王城に入った時門をくぐった時が緊張のピークだったよ。」
それを聞いたギル達は自分の主は本当に変わっていると思うのだった。するとそこに兵士は入ってきたのだった。
「ケンジ様お待たせいたしました。王の準備が整いましたので謁見をお願いいたします。」
ケンジ達は兵士達に謁見の間に案内されるのだった。そして謁見の間でケンジ達は国王を待っていたのだった。すると大きな銅鑼の音がなると国王が側近や王子と共に登場したのだった。
本来ここでケンジ達は礼をし頭を下げなければならないのだが、王族や貴族のしきたりを全く知らないケンジはボーっと立ったままだった。マイも同様、ギル達もそんなことは全然知らないのでケンジと一緒にその場でたたずんだままっだったのだ。
「この無礼者共頭を下げぬか!」
王の側近、宰相が怒鳴ってくるのだった。マイ達はその声にビビりすぐさま礼をして頭を下げるのだった。だがケンジは元々そんなしきたりに従うつもりはなくそのままの状態でいるのだった。
「おい!貴様!聞こえているのか?頭を下げるのだ!」
「ケンちゃん?なにしているのよ?頭を下げないと!」
ケンジは本当にこういう時は融通の利かない人間なんだとマイは思い顔を青くしたのだった。
「えーっと、オッサン!何を言っているのかわからんが今回俺が頭を下げるつもりはないよ。俺は謝罪を受ける為に長い道のりをかけてここに来たんだ。」
「「「「なっ!」」」」
謁見の間にいる貴族はもちろん王子王妃騎士達みんな唖然としてしまったのだ。
「ば、馬鹿者!貴様!不敬罪で処刑されたいのか?」
「はぁ?俺はさっきも言ったように王の謝罪を受けに来たと言っただろ?」
「ケンジと言ったか?お主はそんなに突っ張って何が望みじゃ?」
グランパス王が威圧を出しゆっくりしゃべるのだった。
「王さん!悪いが突っ張っているとかじゃないんだよ。俺はここに来るまで本当に王族や貴族、権力者から失礼な事ばかりされて怒っているんだよ。」
「貴様!国王に向かってなんて口の利き方を!」
「おっさんは黙ってろ!横から口を出すな!」
グランパス王はケンジの態度に冷静を装ったが怒りが込み上げていたのが傍から見てもわかるのだった。
「ケンジとやらあまり我々を怒らせないほうが良いぞ?」
「怒らせる?アンタの部下があまりにうるさいからこうなっているのが判らないとはあんたは本当にこの国のトップなのか?」
「お主!それ以上大言を吐くで無い!これ以上は儂でも部下達を止める事は出来ぬぞ!」
ケンジのまわりには騎士たちが自分の主を馬鹿にされたことに我慢が出来ず武器を構えて囲っていたのだった。
「なあ、あんた達は何でそう自分が正しいと思い込んでいるんだ?」
「当たり前じゃ!ワシはこの国のトップだから他の者は降れ伏すのは当たり前だしお前のような礼儀を欠いた者は処罰されるのは当たり前だろう!」
「あんたは俺に謝罪をしたいと呼び出したはずだ!だったらあんたが頭を下げるのが道理だろう!そんなこともわからないからこんな馬鹿な部下ばかりなんだよ!」
「馬鹿者!なんで国王がお前と同じ人間なのだ!国王は選ばれた人間なんだ同じなわけないだろう!」
「っは!誰が選んだんだよ!少なくとも俺は選んだつもりはないね!」
「き、貴様あ~~~~!」
宰相は頭に血が上りケンジに対して怒号を上げるのだった。そして騎士達はケンジの言い草に我慢がならず突撃をしたのだった。
そして我慢が出来なくなった騎士達はケンジに一斉に襲い掛かるのだった。しかしケンジの身体には一切傷がつけることはできず騎士達の槍は全て叩き折られてしまったのである。
「ケンちゃん!(主!)(ご主人様!)」
マイ達はケンジの名前を叫ぶことで精一杯だったのだ。ケンジは生産者のはずなのにと国王、貴族たちは驚くのだった。ケンジは生産者だが冒険者でもある。騎士達など魔法を使わなくともステータスの差で楽勝で勝ててしまうのである。
「国王!またアンタの部下の暴走で俺に迷惑をかけたようだな?」
「お前は生産者じゃなかったのか?」
「ただの生産者が今のご時世ダンジョンに潜れるわけないだろう!でだ、この落とし前はどうつけるつもりだ!」
「何を言っておる!たかが部下の武器を折っただけではないか!」
そのように王が怒鳴った途端ケンジに襲い掛かった騎士達でなくこの謁見の間にいる騎士達が突然バタバタバタと気を失って倒れてしまったのだ。
「なっなんだと?」
それを見た貴族たちは恐ろしくなり部屋から逃げ出そうとパニック状態になるのだった。それを見たケンジは素早い動きで常人には目に止まらないスピードで移動し部屋の扉に※②【ロック】の魔法を掛けてしまったのである。
それによりこの謁見の間から誰も出れなくなってしまったのだった。
「なぜだ!なぜ扉が開かないんだ!」
貴族たちはパニックを起こし扉をドンドン叩き外に逃げ出そうとしたが開くはずもなく部屋の端にたたずむだけであった。
「さてと、これで静かになったな!グランパス王よ。今回俺に対してどのように謝罪するつもりだ?」
「お、お主はいったい・・・・」
「お主じゃない!俺は最初に言ったはずだ!俺は謝罪を受ける為わざわざここに来てやったんだと、それに対してあんた達はどのように責任を取るつもりなんだ?」
「それはお前がちゃんとしきたりを取らぬからこういう目に合うのだ!我々のせいじゃない!」
「そっか・・・お前の意見はよくわかったよ。最初から自分の顕示欲を満たす為だけに俺達をここに呼んだと言う訳だな?」
「そうじゃない!ちゃんとお主が礼儀にのっとり行動しておればこんな事になっておらん!」
「俺は貴族でも王族でも何でもないしな!そんなしきたりは知らないよ!俺はアンタが謝罪したいからここに来ただけだ!それなのに頭を下げずまず俺達に頭を下げろとはどんだけ傲慢なんだよ。」
「それはだな・・・」
「いいか!立場をわきまえろよ!今回あんたは謝罪する側で俺がその誠意を感じ取れるかどうかだ!王族とか貴族とかそんな立場なんてどうでもいいんだよ!」
周りにいた人間すべてがケンジの思い方に絶句してしまったのだった。こんな考え方をする平民が今までにいただろうか?いや絶対にいなかったのである。その堂々とした言い分にグランパス王は言葉を失ってしまったのである。
もちろんだがケンジの仲間であるマイ達も又ケンジは何を言っているのか理解しがたいものだったのである。
「で、王さんよ。この状況でまだ俺に頭を下げろと言うのか?俺の怒りを買う前に頭を下げたほうが良いのはあんたの方だと思うがどうだ?」
そういいながらケンジはグランパス王にゆっくり近づくのだった。
「ま、待て!それ以上近づくでない!わかった・・・わしが悪かった!ゆるせ!」
「ゆるせ?あんたまだ立場がわかっていないみたいだな!俺は同じ人間としての謝罪を要求しているんだぞ?」
ゆっくり近づくケンジの威圧にグランパス王はガタガタ震えはじめるのだった。グランパス王は先ほどまでの余裕がなくなりケンジの瞳が恐ろしくてしょうがなかったのである。
「わしが悪かった!申し訳ありません!次からこのような事は絶対にさせないよう部下を教育させていただきます!だからお許しください!ケンジ様!」
ケンジはグランパス王の前で仁王立ちしながら王の謝罪を受けるのだった。それを見た宰相以下貴族達はいまだ目の前で起こった事が信じられなかったのである。国王がただの平民に土下座しているのである。
「わかった!今回の事はあんたのその土下座に免じてあのオッサンと騎士達の攻撃してきたことは許してやるよ。」
グランパス王はケンジのセリフにホッとため息をつくのだった。
「王さんよ。ホッとするのはまだ早いんだがいいか?」
「ま、まだ何か気に障るようなことが?なにか?」
「まだ何かってなにを言っているんだよ。めんどくさいのにわざわざここに俺はやって来たんだぞ。スタンピードを阻止した功績と騎士団長のアーサーだったか?アイツのやらかした謝罪をまだもらっていないだろうが。」
グランパス王はケンジと言う人物が心底恐ろしくなったのだ。先ほどこの国王である自分に土下座をさせたくせにまだ謝罪を求めるのである。この人間は今まで自分のまわりにはいない人種で悪魔だと思ったのだった。
「え・・・・まだわしに謝罪を求めるのか?」
「今さっきあんたが謝罪したのは部下の暴走とあのオッサンの謝罪だよ。本来ここに来た俺の目的は賠償金を貰いに来たんだ。それを貰ってない。」
これを見たマードックが呟くのだった。
「主って容赦ねえな・・・」
「ば、ばか!マードックあんたはまた!少しは黙ってなさい!」
「だけど姉貴・・・主がもう我慢はやめたって事はこういう事なんだって思い知らされたんだよ・・・」
「いいから!黙ってなさいってば!」
マイ達はケンジのやりたい放題に口を出せずにいたのだった。そしてケンジの言葉にグランパス王は用意していた賠償金を持ってこさせようとしたのだった。
「おい!賠償金それに報奨の証を持ってくるのだ!」
グランパス王はそのように指示を出し報奨金をケンジに差し出したのだった。本来ならケンジよこのたびの働きを見事なものであったと報奨金を受け取れという感じで渡すはずが全然威厳のない感じで申し訳ないと差し出す感じになってしまったのである。
ケンジはその賠償金を見ると虹金貨で100枚と土地の権利書だった。ケンジにとったらこの土地は都合のいいものであり賠償金にしては本当に都合の良いモノであった。
「グランパス王よ!謹んでお詫びを受けさせてもらいます。」
ケンジは今までの恐怖が嘘のように静まり土下座している王の前に片膝をつき礼をしたのだった。これを見たグランパス王は全身の力が抜けその場で腰が抜けた様に脱力したのだった。
*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきたスキルと魔法一覧
※①【人化】
ツバキのスキルで知能の高い魔物が時々持っているスキルで
ヒューマンになることのできるスキル。
このスキルは永久ではなく人化している間MPが継続的に
減っていくのである。MPが高いと長い間変身していることが
できるが、MPがなくなると変身が解けて気絶する。
※②【ロック】
無属性魔法 2階位
消費MP 25
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 1分×レベル
効果対象 一個所
効果範囲 なし
必要秘薬 虹パール1個
備考欄
この魔法は扉に鍵をかける魔法でアンロックと対となる魔法である。
扉に鍵をかけ侵入させない為の魔法である。
魔法使い職業レベル25と魔法スキル30以上で使う事が可能
「あれ見て見ろ!バトルウォーホースじゃないか?」
「馬車の屋根の上にはアラクネが乗っているぞ!」
「俺あんな魔物見たの初めてだよ。」
「すげえ!」
テンペの町に初めてハヤテとツバキを連れて帰った時と同じ状態となり町中をあげてパレードの状態となったのである。ツバキはあまりに注目されるものだから馬車の中に入って来てケンジに愚痴っていたのだった。
「ご主人様・・・わたしは見せ物じゃありません!中に入ってもよろしいですか?」
「ああ。別に構わないよ。」
ツバキはそう言って馬車の中に入って来て※①【人化】したのだった。ツバキはこういった騒ぎがあまり好きではなくてブチブチ言いながら馬車の中に入ってきたのだ。
「本当に鬱陶しいわ・・・町を破壊してやろうかしら・・・」
「ちょっと!ツバキそんなことしたらダメよ!」
「だってご主人様に迷惑をかけた国の奴らがいるんでしょ?それなら破壊してもいいでしょ?」
「ダメだってば!」
そんなツバキとマイの会話を聞きケンジは無責任に笑っていたのだった。すると平民街が過ぎ貴族街に入り正面には馬鹿でかい白亜の王城が見えてきたのだった。
ギル達はもちろんの事ケンジもマイもそのお城の美しさには目を瞠る事になるのだった。
「ご主人様凄いですね!」
「ああ・・・本当にこれは凄いな!」
ケンジ達は王城の門をくぐり王城の中に入るのだった。そしてすぐに国王と面会が出来るように手続きを取ると言われたので待合室に通されるのだった。
「ケンちゃん・・・あたしなんか緊張してきたよ・・・・」
「何で王にまだ会ってもいないのに緊張するんだよ。」
「だって王様よ!王様!あたし達普通に生活してたら一生会えない存在なのよ?」
「そんなものなのか?」
「ケンちゃんには分からないかもしれないけどそりゃ大変な事なのよ!」
「ふ~~~ん。俺はこの王城に入った時門をくぐった時が緊張のピークだったよ。」
それを聞いたギル達は自分の主は本当に変わっていると思うのだった。するとそこに兵士は入ってきたのだった。
「ケンジ様お待たせいたしました。王の準備が整いましたので謁見をお願いいたします。」
ケンジ達は兵士達に謁見の間に案内されるのだった。そして謁見の間でケンジ達は国王を待っていたのだった。すると大きな銅鑼の音がなると国王が側近や王子と共に登場したのだった。
本来ここでケンジ達は礼をし頭を下げなければならないのだが、王族や貴族のしきたりを全く知らないケンジはボーっと立ったままだった。マイも同様、ギル達もそんなことは全然知らないのでケンジと一緒にその場でたたずんだままっだったのだ。
「この無礼者共頭を下げぬか!」
王の側近、宰相が怒鳴ってくるのだった。マイ達はその声にビビりすぐさま礼をして頭を下げるのだった。だがケンジは元々そんなしきたりに従うつもりはなくそのままの状態でいるのだった。
「おい!貴様!聞こえているのか?頭を下げるのだ!」
「ケンちゃん?なにしているのよ?頭を下げないと!」
ケンジは本当にこういう時は融通の利かない人間なんだとマイは思い顔を青くしたのだった。
「えーっと、オッサン!何を言っているのかわからんが今回俺が頭を下げるつもりはないよ。俺は謝罪を受ける為に長い道のりをかけてここに来たんだ。」
「「「「なっ!」」」」
謁見の間にいる貴族はもちろん王子王妃騎士達みんな唖然としてしまったのだ。
「ば、馬鹿者!貴様!不敬罪で処刑されたいのか?」
「はぁ?俺はさっきも言ったように王の謝罪を受けに来たと言っただろ?」
「ケンジと言ったか?お主はそんなに突っ張って何が望みじゃ?」
グランパス王が威圧を出しゆっくりしゃべるのだった。
「王さん!悪いが突っ張っているとかじゃないんだよ。俺はここに来るまで本当に王族や貴族、権力者から失礼な事ばかりされて怒っているんだよ。」
「貴様!国王に向かってなんて口の利き方を!」
「おっさんは黙ってろ!横から口を出すな!」
グランパス王はケンジの態度に冷静を装ったが怒りが込み上げていたのが傍から見てもわかるのだった。
「ケンジとやらあまり我々を怒らせないほうが良いぞ?」
「怒らせる?アンタの部下があまりにうるさいからこうなっているのが判らないとはあんたは本当にこの国のトップなのか?」
「お主!それ以上大言を吐くで無い!これ以上は儂でも部下達を止める事は出来ぬぞ!」
ケンジのまわりには騎士たちが自分の主を馬鹿にされたことに我慢が出来ず武器を構えて囲っていたのだった。
「なあ、あんた達は何でそう自分が正しいと思い込んでいるんだ?」
「当たり前じゃ!ワシはこの国のトップだから他の者は降れ伏すのは当たり前だしお前のような礼儀を欠いた者は処罰されるのは当たり前だろう!」
「あんたは俺に謝罪をしたいと呼び出したはずだ!だったらあんたが頭を下げるのが道理だろう!そんなこともわからないからこんな馬鹿な部下ばかりなんだよ!」
「馬鹿者!なんで国王がお前と同じ人間なのだ!国王は選ばれた人間なんだ同じなわけないだろう!」
「っは!誰が選んだんだよ!少なくとも俺は選んだつもりはないね!」
「き、貴様あ~~~~!」
宰相は頭に血が上りケンジに対して怒号を上げるのだった。そして騎士達はケンジの言い草に我慢がならず突撃をしたのだった。
そして我慢が出来なくなった騎士達はケンジに一斉に襲い掛かるのだった。しかしケンジの身体には一切傷がつけることはできず騎士達の槍は全て叩き折られてしまったのである。
「ケンちゃん!(主!)(ご主人様!)」
マイ達はケンジの名前を叫ぶことで精一杯だったのだ。ケンジは生産者のはずなのにと国王、貴族たちは驚くのだった。ケンジは生産者だが冒険者でもある。騎士達など魔法を使わなくともステータスの差で楽勝で勝ててしまうのである。
「国王!またアンタの部下の暴走で俺に迷惑をかけたようだな?」
「お前は生産者じゃなかったのか?」
「ただの生産者が今のご時世ダンジョンに潜れるわけないだろう!でだ、この落とし前はどうつけるつもりだ!」
「何を言っておる!たかが部下の武器を折っただけではないか!」
そのように王が怒鳴った途端ケンジに襲い掛かった騎士達でなくこの謁見の間にいる騎士達が突然バタバタバタと気を失って倒れてしまったのだ。
「なっなんだと?」
それを見た貴族たちは恐ろしくなり部屋から逃げ出そうとパニック状態になるのだった。それを見たケンジは素早い動きで常人には目に止まらないスピードで移動し部屋の扉に※②【ロック】の魔法を掛けてしまったのである。
それによりこの謁見の間から誰も出れなくなってしまったのだった。
「なぜだ!なぜ扉が開かないんだ!」
貴族たちはパニックを起こし扉をドンドン叩き外に逃げ出そうとしたが開くはずもなく部屋の端にたたずむだけであった。
「さてと、これで静かになったな!グランパス王よ。今回俺に対してどのように謝罪するつもりだ?」
「お、お主はいったい・・・・」
「お主じゃない!俺は最初に言ったはずだ!俺は謝罪を受ける為わざわざここに来てやったんだと、それに対してあんた達はどのように責任を取るつもりなんだ?」
「それはお前がちゃんとしきたりを取らぬからこういう目に合うのだ!我々のせいじゃない!」
「そっか・・・お前の意見はよくわかったよ。最初から自分の顕示欲を満たす為だけに俺達をここに呼んだと言う訳だな?」
「そうじゃない!ちゃんとお主が礼儀にのっとり行動しておればこんな事になっておらん!」
「俺は貴族でも王族でも何でもないしな!そんなしきたりは知らないよ!俺はアンタが謝罪したいからここに来ただけだ!それなのに頭を下げずまず俺達に頭を下げろとはどんだけ傲慢なんだよ。」
「それはだな・・・」
「いいか!立場をわきまえろよ!今回あんたは謝罪する側で俺がその誠意を感じ取れるかどうかだ!王族とか貴族とかそんな立場なんてどうでもいいんだよ!」
周りにいた人間すべてがケンジの思い方に絶句してしまったのだった。こんな考え方をする平民が今までにいただろうか?いや絶対にいなかったのである。その堂々とした言い分にグランパス王は言葉を失ってしまったのである。
もちろんだがケンジの仲間であるマイ達も又ケンジは何を言っているのか理解しがたいものだったのである。
「で、王さんよ。この状況でまだ俺に頭を下げろと言うのか?俺の怒りを買う前に頭を下げたほうが良いのはあんたの方だと思うがどうだ?」
そういいながらケンジはグランパス王にゆっくり近づくのだった。
「ま、待て!それ以上近づくでない!わかった・・・わしが悪かった!ゆるせ!」
「ゆるせ?あんたまだ立場がわかっていないみたいだな!俺は同じ人間としての謝罪を要求しているんだぞ?」
ゆっくり近づくケンジの威圧にグランパス王はガタガタ震えはじめるのだった。グランパス王は先ほどまでの余裕がなくなりケンジの瞳が恐ろしくてしょうがなかったのである。
「わしが悪かった!申し訳ありません!次からこのような事は絶対にさせないよう部下を教育させていただきます!だからお許しください!ケンジ様!」
ケンジはグランパス王の前で仁王立ちしながら王の謝罪を受けるのだった。それを見た宰相以下貴族達はいまだ目の前で起こった事が信じられなかったのである。国王がただの平民に土下座しているのである。
「わかった!今回の事はあんたのその土下座に免じてあのオッサンと騎士達の攻撃してきたことは許してやるよ。」
グランパス王はケンジのセリフにホッとため息をつくのだった。
「王さんよ。ホッとするのはまだ早いんだがいいか?」
「ま、まだ何か気に障るようなことが?なにか?」
「まだ何かってなにを言っているんだよ。めんどくさいのにわざわざここに俺はやって来たんだぞ。スタンピードを阻止した功績と騎士団長のアーサーだったか?アイツのやらかした謝罪をまだもらっていないだろうが。」
グランパス王はケンジと言う人物が心底恐ろしくなったのだ。先ほどこの国王である自分に土下座をさせたくせにまだ謝罪を求めるのである。この人間は今まで自分のまわりにはいない人種で悪魔だと思ったのだった。
「え・・・・まだわしに謝罪を求めるのか?」
「今さっきあんたが謝罪したのは部下の暴走とあのオッサンの謝罪だよ。本来ここに来た俺の目的は賠償金を貰いに来たんだ。それを貰ってない。」
これを見たマードックが呟くのだった。
「主って容赦ねえな・・・」
「ば、ばか!マードックあんたはまた!少しは黙ってなさい!」
「だけど姉貴・・・主がもう我慢はやめたって事はこういう事なんだって思い知らされたんだよ・・・」
「いいから!黙ってなさいってば!」
マイ達はケンジのやりたい放題に口を出せずにいたのだった。そしてケンジの言葉にグランパス王は用意していた賠償金を持ってこさせようとしたのだった。
「おい!賠償金それに報奨の証を持ってくるのだ!」
グランパス王はそのように指示を出し報奨金をケンジに差し出したのだった。本来ならケンジよこのたびの働きを見事なものであったと報奨金を受け取れという感じで渡すはずが全然威厳のない感じで申し訳ないと差し出す感じになってしまったのである。
ケンジはその賠償金を見ると虹金貨で100枚と土地の権利書だった。ケンジにとったらこの土地は都合のいいものであり賠償金にしては本当に都合の良いモノであった。
「グランパス王よ!謹んでお詫びを受けさせてもらいます。」
ケンジは今までの恐怖が嘘のように静まり土下座している王の前に片膝をつき礼をしたのだった。これを見たグランパス王は全身の力が抜けその場で腰が抜けた様に脱力したのだった。
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この話で出てきたスキルと魔法一覧
※①【人化】
ツバキのスキルで知能の高い魔物が時々持っているスキルで
ヒューマンになることのできるスキル。
このスキルは永久ではなく人化している間MPが継続的に
減っていくのである。MPが高いと長い間変身していることが
できるが、MPがなくなると変身が解けて気絶する。
※②【ロック】
無属性魔法 2階位
消費MP 25
詠唱速度 1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 1分×レベル
効果対象 一個所
効果範囲 なし
必要秘薬 虹パール1個
備考欄
この魔法は扉に鍵をかける魔法でアンロックと対となる魔法である。
扉に鍵をかけ侵入させない為の魔法である。
魔法使い職業レベル25と魔法スキル30以上で使う事が可能
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