異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第7章 超級ダンジョン攻略!

26話 グランパス王国へ

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 グランパス王国では一足早く帰って来た早馬によりケンジの情報が国王に報告されていたのだった。それによりケンジは将来王国に多大な功績や日々の生活用品を豊かにしてくれることがわかってくるのである。
 国王は何でこんな人物がテンペの町でくすぶっていた事を疑問に思い部下たちにもっと詳しい情報を持ってくるように指示を出していたのである。
 それにより次々と出てくる噂に国王は絶対にケンジをこの王国に留まる様にしないといけないと思い間違っても他の国に移住しないように今回の事を含め丁寧に謝罪しないいけないと思っていたのだった。

 そして、ケンジ達が謝罪を受けると言う報告がやっと早馬で国王の下に届き国王とその側近達はケンジの到着を心待ちにしていたのだった。



 早馬が王国に着く3日前にケンジ達はテンペの町を出発したのだがテンペの町ではいまだケンジの店が開かず町の人々達の生活はどんどん衰退していくのであった。
 団長はケンジが謝罪を受けると言ったはずなのに何故店が開かないかと疑問にもちケンジの家に行くと団長は驚愕するのだった。また前と同じくケンジの家の敷地には一歩も入れないようになっていたのである。

「これは一体どういうことなのだ?何故また前みたいに結界があるんだ?」

「団長・・・ケンジ殿は本当に国王の謝罪を受けると言ったんですよね?」
「ああ・・・だから俺は安心して肩の荷が下りたと思ったんだからな。」

「じゃあこれはいったいどういう事なんでしょうか?」

 団長はケンジが最後に言った言葉の意味に一抹の不安を覚えるのだった。最後にケンジ殿が本当にいいのか?と念を押した・・・あれはどういう意味だったんだ?と団長はドンドン不安が膨らむのだった。
 だが今となってはケンジと会う事ができずどうしようもないのである。ケンジはその日の朝早くテンペの町を出発してしまったのである。それもその時にはケンジとマイマールそれにいつもの奴隷達6人だけだったので残りの奴隷達はいなかったのでてっきり今日からお店が再開されるとばかり団長は思い込んでいたのである。

 団長と部下達はケンジ宅に大声で呼びかけたりしたが反応はなかった。周りの人間達からしたらいつも通り敷地には入れないはずなのに今更声をかけてもしょうがないだろと呆れた様子であった。 




 一方、ケンジ達はゆっくりとグランパス王国に向かっていたのだった。ケンジの馬車は普通の馬車と比べても大きく土台の車輪部分はオリハルコンやアダマンタイトを使った頑丈で大きい物である。これはハヤテがいる事を前提で製作されたもので普通の馬なら絶対に重すぎて引くことが出来ないのである。
 馬車のなかはゆったりできて馬車とは思えない空間が広がっているのである。中には転移マットを設置して便所に行きたければ転移マットで新居の屋敷に帰る事も出来るのだ。これには女性達が物凄く喜ばれる事となるのだ。
 普通なら旅の間では草陰に隠れて済ますのが普通なのだがこの転移マットのおかげで恥ずかしい思いもしなくてもいいし、このガイアースでは魔物もいるのでその危険もなくなるのである。

「それにしてもケンちゃんこれからどうするつもりなの?」

「どうするもなにも今まで通り自由に行くだけだよ。もっとも今回の事でもう遠慮する事もなくなるけどな。」

「え?どういうことよ?」

「みんな3次職になっただろ?俺ももう生産職としてある程度ギルドとか関係なしに売り上げが上がる商品をいくつか作れるようになっただろ?」

「ええ、そうね。それがどうかしたの?」

「今まで実力を出してなくても目立ってしまう事がわかったしもうやめにしようとおもってな。」

「はぁあ?ケンちゃん今頃になってやっとわかったの?」

 マイがびっくりしたように大声をあげ、それを近くで聞いていたマードックとシスティナは爆笑し他の者は苦笑していたのだった。

「お前達までなんだよ!そんな笑う事ないだろ?」

「主がそんな面白い事言うからだろ。」
「そうですよ!そんなのみんなとっくに気づいている事じゃないですか。」

「お前達は本当にひどい奴らだよな。」

「ご主人様、わたしでさえそんなこと見てたらわかるのに皆さんが笑うのはしょうがないことですよ・・・」

 ケンジはツバキにさえそんな事を言われて本気で落ち込むのだった。

「それでケンちゃん、これから実力を隠さないって事はわかったけど何をするつもりなの?」

「お前達にはもう言わない・・・せっかく教えてやろうと思ったけど気が変わった・・・・国王の所に行くまで内緒だ!」

「「「「ええええ!そんな!」」」」

「マードックがケンちゃんを大笑いしたからケンちゃんがすねちゃったじゃない!」

「えええ・・・・俺のせいかよ・・・とどめを刺したのはツバキじゃんか!」

「あ!マードックその言い方は違うと思います!私はただ客観的に見ても気づくのが遅いと・・・あっ!」

 本当にツバキがとどめを刺してしまったようだった。その後みんながケンジに平謝りした事は言うまでもないがこれからの事を聞けることはなかったのである。




 そして10日の道のりをゆっくり旅をしてきたケンジ達はようやくグランパス王国の王都に到着したのだった。城門でまた、ケンジ達は魔物が馬車を引き天幕の上にアラクネが占拠しているので一時城門付近ではパニックが起きたのだった。ツバキもハヤテも超級ダンジョンでレベルも上がり威圧感が物凄いのである。

「ちょっと待て!その馬車止まるんだ!」

「すいません!どうかしたのですか?」

「そ、それは大丈夫なのか?このまま町の中へ入れるわけにはいかないのだが・・・」

「あ・・・今まで通りもう気にせず来てしまいました・・・だけど俺達はこの町に用事があって・・・」

「用事よりその魔物はどうしたのだ?そんな言う事を聞く魔物なんて聞いたことないぞ!本当に大丈夫なのか?」

「俺はテイマーなのでこいつらの主人でツバキもハヤテも賢いから暴れる事はしません。」

「そ、そうなのか?でもテイマーなんてゴブリンをテイムするのがやっとで役に立たない職業だろ?」

 その言葉にツバキとハヤテは嫌な気分になったのだ。

「ちょっと言葉を慎みなさい!ご主人様が役に立たないとは無礼ですよ!」

「しゃ、しゃべった?魔物がしゃべるのか?」

「おい!ツバキを馬鹿にするのはやめろ!それにさっきから大丈夫だと言っているだろ。」

「なんだお前は!逆らうのか?」

「逆らっていないだろ?それに普通の魔物ならこんな大人しくしている訳ないじゃないか。」

「それはそうだが・・・」

「それに忠告しとくが俺に喧嘩を売らないほうがあんたの為だぞ。」

「なんだその言い方は!俺を馬鹿にしているのか!」

「まあ、待てよ!俺がこの町に来た理由を聞いてからでも遅くないから聞いた方が身のためだと思うぞ。」

「じゃあ、なんだお前がこの町に来た理由は?その魔物を使って王都を壊滅でもさせに来たのか?」

 それを聞いたケンジはニヤリと笑い、マイとギル達はあっちゃあ~という顔をするのだった。

「いいのかそんなこと言って?もう後悔しても遅いぞ!」

「なにもったいぶっているんだ!早く言え!」

「俺の名前はケンジ。そしてこの国のトップに呼び出されたんだよ。」

「はっ?」

「お前のような下っ端でも報せぐらい入ってんじゃないのか?」

 ケンジがそう言いギルドカードを提出すると門番の兵士はどんどん血の気が引いていくのがわかるほど青ざめていくのがわかるのだった。

「し、し、失礼しました!ケンジ様とは知らぬとはいえ無礼な口を聞いてしまい申し訳ありませんでした!」

 兵士は大きな声を出し直立不動でケンジに向かい敬礼をするのだった。

「さてと貴方の名前を聞いておこうか?」

 ケンジはニヤリと悪い笑みを浮かべるのだった。

「あの・・・何故・・・わたしの名前を?」

「そりゃ決まってるだろ。俺は国王の部下のせいでえらく迷惑をかけられ謝罪を受ける為に長い旅路をここまで来たのにまたこんな風に暴言やら迷惑をかけられたんだ。」
「もうこんな事の無いようにあんたの主人に告げ口をする為に決まっているだろ。」

 兵士はそんなことになればどういう事になるのか頭の中で想像し敬礼の恰好から素早く土下座するのだった。

「ケ、ケ、ケンジ様申し訳ございません!それだけはどうぞ勘弁してください!」

「だから後悔することになると言ったじゃないか。いいから名前!」

「それだけはなにとぞ・・・」

 兵士は半泣き状態だった。ケンジは意地の悪い事をしていたみたいでマイにはすぐわかったようだった。

「ケンちゃんそんな事する気はないんでしょ?可哀想だからやめてあげたら?」

「へっ?」

 兵士は半泣き状態で顔を上げるとマイはやれやれと言った顔をしてケンジはニヤッと笑い許してくれるような雰囲気をかもし出すのだった。

「冗談だよ。冗談!俺だからよかったけどもうこんな最初から疑いをかけた聞き取り調査はしないでくれよ。」

 そういいながら馬車を降りてケンジは兵士の肩をポンポン叩くのだった。兵士は、はい!はい!と何回も返事をし気を付けます!と頭を何回も下げるのだった。

「それで俺達はこれからどうしたらいい?今日1日この町で宿屋をとり明日の朝10時ぐらい王城に向かえばいいかな?」

「いえ、ケンジ様がこの町に来たらすぐに通せとのお言葉があり、このまま王城の方へ案内させていただきます!本当に申し訳ございません!」

 この手のひら返しは見事なもんだとケンジは苦笑するのだった。そしてどういう事になるのかケンジは楽しみで胸が躍るのだった。



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