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第7章 超級ダンジョン攻略!
21話 グランパス王国の後悔
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テンペの町でケンジの家を案内してもらい今の状況を確認した兵士は驚きで目を見開くのである。
そこには何も変わらない町の風景があるはずなのだがケンジの家に一歩踏み込もうとした時その敷地内には見えない壁のようなものが全てを拒絶すように立ちはだかっていたのだ。
「な、なんだこれは?」
「だから言っただろう?一応言っておくが弓矢はおろか剣撃、魔法を撃ち込んでもびくともしなくて、地下道から行っても同じように見えない壁でふさがれていたよ。」
「高さは?」
「弓矢が届く範囲まで見えない壁は上に続いていたよ。我々では本当にどうしようもないんだよ・・・」
「なんてことだ・・・我々はそんな優秀な人材に誤解だとはいえ犯罪者に仕立て上げ逮捕しようとしたのか?」
「そういうことだな・・・だがもう遅いのかもしれないな・・・」
「遅いとはどう言う事だ?」
「ケンジ殿とあまり交流をしていないギルドや生産者達や冒険者達の事だよ。今回俺はケンジと仕事関係とは別にコミニュケーションを取っていたため俺達は飛龍騎士団の団員達とは別に考えてもらいケンジがお情けで助けてくれたに違いないんだよ。」
「そうじゃなかったらこの町の兵士達も同じように腕を切られ兵士を引退させられたに違いないよ。」
「それって・・・」
「ああ、今まで噂に聞くケンジ殿は町の結界で使うインゴットの納品、町の人達の為Fランクの依頼を率先して受けていたり、町の人達の為に暮らしを豊かにしていたんだ。」
「町の人達の暮らしをよくする?」
グランパス王国で務める兵士には何を言っているのかここでも頭に疑問符を浮かべるのである。
「王国にはまだ無かったんだな。ケンジ殿は最初画期的な商品で便器を製作したんだ。それにより町には嫌な臭いがしないだろ?」
「あ・・・そういえば・・・」
兵士はそのように言われ始めて気が付いたのである。王国の中央でも便の臭いは充満していて出店がこんなにも活気に溢れてはいないのだ。
「それで町全体が清潔になり疫病や伝染病で死ぬ子供達が激減したんだ。」
「そういえばこの町には子供が多い感じがするな。」
「そして、次には食糧事情だ!」
「はあ?まだあるのか?」
「ああ、こんなのはまだ最初だぞ。とにかくケンジ殿は徹底的に町の人達と仲良くし、ギルドや横暴な人間から矢面に立ち抵抗しながら今の立場になったんだよ。」
「横暴な人間とは何だ?」
「この町のギルドマスターなんだがケンジがこの町に来てから3年弱だがもう5人就任しているんだよ。」
「はああ?5人目だと?」
「これがどういうことかわかるか?」
兵士には皆目見当がつかなかったのである。
「噂では歴代のギルドマスターがケンジのこの画期的な商品の上前や商品自体をギルドの物にしようとしたり、ケンジ殿に無理な要求をして全員失敗に終わり首になったそうだよ。まあ、自業自得だがな。」
兵士はその話を聞き今の王国の事件と照らし合わせるのだった。
「ケンジ殿は昔なにがあったのかは知らないが理不尽な要求や権力者に対して日頃では見せない顔があるんだよ。」
「冒険者や生産者の中にも個人的にケンジ殿と付き合いのある人間はいるんだがそういう人間に対しては日頃穏やかなんだが自分や自分の奴隷達、知り合いにピンチがあると徹底的に打ちのめし最後は歴代のギルドマスター達の様に今の地位が全部失う事になるんだよ。」
「お、おい!それって国王にも当てはまるんじゃ・・・」
「ああ、そうかもしれないな・・・・」
「なんで、お前はそんな冷静なんだ!」
「冷静でなんかあるか!我が王の立場が危ういんだぞ!」
兵士は団長の言う事に鬼気迫る苛立ちを感じ取ったのだ。その兵士のびっくりした顔に団長は「あっ!」と思い冷静になるのだった。
「怒鳴ってスマン・・・」
「い、いや・・・俺が悪かった・・・」
「とにかく今はケンジ殿がどこに行ったのかさえも分からないんだ・・・対処のしようがないんだ。そんな中慌てて間違った選択をしてみろ増々国王に迷惑がかかるかもしれないんだぞ。」
「まず、お前はこれからどうするつもりだ?」
「我々はテンペの町の外を捜索してみようと思っている。あの奴隷達の人数がいっぺんにいなくなったなら移動速度も速くないはずだしな。」
「なるほど!俺はこの町の事を報告しに王国に帰ることにするよ。先に報せに帰ったやつらより重要な情報だ!それにケンジの行動も気になるしな。それにしても本当に国王に平民が落とし前などつけることが出来るのか?」
「俺はこの町でケンジ殿を見てきたから言うがケンジ殿を普通の平民と思わないほうが絶対にいいぞ。そんな考えじゃ足元をすくわれることになる。」
「お前ほどの奴がそんな事を言うとはな・・・」
「いいか!心して聞かないと本当に後悔することになるぞ。その旨を国王にちゃんと報告するんだ!」
団長の鬼気迫る説得に兵士は背筋が伸びたのだった。
「我々は引き続きケンジ殿を捜索しケンジ殿を見つけたら国王とアーサー騎士団長の誤解から生じた事を謝罪する様にする。」
団長は今までの付き合いから自分からケンジ殿に説明さえできればまだ何とかなると思っていたのだった。確かに王国はケンジに賠償金を払うなどして損害は出るかもしれないが最悪の状況は回避できると思い込んでいた。
実際これが団長に思うようになるのかは本当に賭けでしかないと言葉が出そうになったが飲み込むのであった。
そして一方ケンジ達であったがゴブリンがよく出没する森の中で【ハウス】で優雅に生活していたのだった。
すぐにでも王国に向かうと思っていたケンジだったのだがダンジョンに3か月も潜っていたのでゆっくり体を休ませていたのだった。その場にはギル達もまたすることが無くゆっくりくつろいでいたのであった。
「ケンちゃん、これからどうするつもりなの?」
「そんなに気になるのか?」
「そりゃ当り前じゃない!あたし達グランパス王国から指名手配されているのよ。」
マイがこんなに怒っているのはケンジがみんなを救いに行った時騎士団長に言い放った言葉にあるのだ。普通王国の騎士に対して国王の事を馬鹿にする事なんて自殺行為である。そんなことが知られたらいっぺんに不敬罪で打ち首になるからだ。
「そんな気にするな!」
「するわよ!」
「大体だなあの騎士団長が悪いんだよ。何の罪もないサーシャ達を弓矢で攻撃の指示を出したんだぞ!そんなのありえないだろ。」
「それはあたし達が授賞式を辞退したから王様のプライドが傷つけたからこんな事になったんでしょ?」
「それだよそれ!何で王様のプライドで俺達が犯罪者になるんだよ!そんな事絶対あり得ないだろ!」
「ケンちゃんは何にもわかってないのよ!王族や貴族に逆らったり不満を漏らしただけで処刑されるのよ。この世界は!どうしようもない事なのよ!」
「確かにマイはマイマールとしての人生を18年生きてきたからそう思うんだよ!だけど俺はこのガイアースにきてまだ3年だ!それも俺は赤ちゃんから育ってきてないんだよ。」
「だからこのガイアースのルールにはある程度従うつもりで生活してきたがこんな理不尽な事ばかり起きるし世界を回している人間や権力のある者の横暴さには辟易しているんだよ。」
「実際、今の俺の気持ちはギル達やマイ、テンペの平民の人達と知り合えた事以外後悔しているよ。」
「ケンちゃん・・・」
「ガイアースに来たとき俺は前世でできなかった事を自由に楽しくしようと思ったさ。だが現実はどうだ?地球にいた時より理不尽不条理上に立つ人間は自分の欲望に忠実でもううんざりだよ。」
ケンジはみんなの主人として色々我慢をして頑張ってきてしっかりしているように見えるが地球ではまだ大学生の年齢だ。色々不満が貯まって爆発してしまったのである。本当なら恋や勉強友人との交流でキャンパスライフを楽しんでいてもおかしくないのである。
「ケンちゃんの気持ちはよくわかるよ。でも、ここはガイアースであって地球じゃないのよ。郷に入っては郷に従えって言葉があるでしょ?」
「ああ!それはわかっている。」
「だったら・・・」
「だから俺はなるべく波風立てないで生活してきたつもりだよ。でもマイの言う通りその言葉に習い俺が行動したならばどうなるかわかっているのか?」
「そりゃ当然、王族・貴族達には逆らわず波風立てないようにするのが普通でしょ。」
「いいや、違うね!権力がある者に従う事がこの世界のルールならば王族や貴族達が俺を敬い波風を立てないで生活することになるんだ!」
「なんでそうなるのよ!」
「そんなの当り前だろ!俺はこんな考え方を押し付けたくはないがテンペの町はどうだったんだ?俺がいないともう経済はまわらないだろ。町の結界は誰が維持をしていた?ギルドの収益は?あと数か月もしてみろ。まずは便器が使い物にならなくなり不衛生になり元通りだ。」
「そして肥料の在庫切れになり食事事情もいつも不況に陥ることになりテンペの町はまた元に戻っていくのは目に見えているだろ?違うか?」
「それに今回スタンピードが起こりマードックとマイお前がいなかったら王国全土はどうなってたと思う?」
「それは・・・・」
「どう考えてもあいつ等の法律に照らし合わせるなら俺の方が立場は上になるだろう。それをあいつ等は自分の都合とペラペラのうっすいプライドで俺達に対して波風を立てたとおもわないか?」
「でも・・・」
「だから俺はもう我慢はしない!誰が強者なのか思い知らせてやることにするんだ。今はその力を発揮する為に休憩しているんだよ。」
完全にケンジはキレている様子で無茶苦茶な事を言っていたのである。するとそれを聞いていたセバスがケンジとマイの話に割って入ってくるのだった。
「ご主人様!それは本当でございますか?」
「本当ってどういうことだ?」
「誰が強者なのか思い知らせてやると言うところですよ。」
「だったらどうしたんだ?」
「もしご主人様がそれをギル達に強要するなら私を奴隷商人に売ってもらえませんか?」
「ハアァ?セバス何を言っているんだ?」
まさかセバスが自分に対してそんなことを言ってくるとは思わなかったのだ。そしてそれは当然ケンジとマイが口論となっていた事もあり二人のまわりにはギル達もいて話に口を出せずにいたこんなケンジを見たのは初めてのことでどうしたらいいのか解らなかったののである。そしてセバスのセリフに一同驚き戸惑うのだった。
そこには何も変わらない町の風景があるはずなのだがケンジの家に一歩踏み込もうとした時その敷地内には見えない壁のようなものが全てを拒絶すように立ちはだかっていたのだ。
「な、なんだこれは?」
「だから言っただろう?一応言っておくが弓矢はおろか剣撃、魔法を撃ち込んでもびくともしなくて、地下道から行っても同じように見えない壁でふさがれていたよ。」
「高さは?」
「弓矢が届く範囲まで見えない壁は上に続いていたよ。我々では本当にどうしようもないんだよ・・・」
「なんてことだ・・・我々はそんな優秀な人材に誤解だとはいえ犯罪者に仕立て上げ逮捕しようとしたのか?」
「そういうことだな・・・だがもう遅いのかもしれないな・・・」
「遅いとはどう言う事だ?」
「ケンジ殿とあまり交流をしていないギルドや生産者達や冒険者達の事だよ。今回俺はケンジと仕事関係とは別にコミニュケーションを取っていたため俺達は飛龍騎士団の団員達とは別に考えてもらいケンジがお情けで助けてくれたに違いないんだよ。」
「そうじゃなかったらこの町の兵士達も同じように腕を切られ兵士を引退させられたに違いないよ。」
「それって・・・」
「ああ、今まで噂に聞くケンジ殿は町の結界で使うインゴットの納品、町の人達の為Fランクの依頼を率先して受けていたり、町の人達の為に暮らしを豊かにしていたんだ。」
「町の人達の暮らしをよくする?」
グランパス王国で務める兵士には何を言っているのかここでも頭に疑問符を浮かべるのである。
「王国にはまだ無かったんだな。ケンジ殿は最初画期的な商品で便器を製作したんだ。それにより町には嫌な臭いがしないだろ?」
「あ・・・そういえば・・・」
兵士はそのように言われ始めて気が付いたのである。王国の中央でも便の臭いは充満していて出店がこんなにも活気に溢れてはいないのだ。
「それで町全体が清潔になり疫病や伝染病で死ぬ子供達が激減したんだ。」
「そういえばこの町には子供が多い感じがするな。」
「そして、次には食糧事情だ!」
「はあ?まだあるのか?」
「ああ、こんなのはまだ最初だぞ。とにかくケンジ殿は徹底的に町の人達と仲良くし、ギルドや横暴な人間から矢面に立ち抵抗しながら今の立場になったんだよ。」
「横暴な人間とは何だ?」
「この町のギルドマスターなんだがケンジがこの町に来てから3年弱だがもう5人就任しているんだよ。」
「はああ?5人目だと?」
「これがどういうことかわかるか?」
兵士には皆目見当がつかなかったのである。
「噂では歴代のギルドマスターがケンジのこの画期的な商品の上前や商品自体をギルドの物にしようとしたり、ケンジ殿に無理な要求をして全員失敗に終わり首になったそうだよ。まあ、自業自得だがな。」
兵士はその話を聞き今の王国の事件と照らし合わせるのだった。
「ケンジ殿は昔なにがあったのかは知らないが理不尽な要求や権力者に対して日頃では見せない顔があるんだよ。」
「冒険者や生産者の中にも個人的にケンジ殿と付き合いのある人間はいるんだがそういう人間に対しては日頃穏やかなんだが自分や自分の奴隷達、知り合いにピンチがあると徹底的に打ちのめし最後は歴代のギルドマスター達の様に今の地位が全部失う事になるんだよ。」
「お、おい!それって国王にも当てはまるんじゃ・・・」
「ああ、そうかもしれないな・・・・」
「なんで、お前はそんな冷静なんだ!」
「冷静でなんかあるか!我が王の立場が危ういんだぞ!」
兵士は団長の言う事に鬼気迫る苛立ちを感じ取ったのだ。その兵士のびっくりした顔に団長は「あっ!」と思い冷静になるのだった。
「怒鳴ってスマン・・・」
「い、いや・・・俺が悪かった・・・」
「とにかく今はケンジ殿がどこに行ったのかさえも分からないんだ・・・対処のしようがないんだ。そんな中慌てて間違った選択をしてみろ増々国王に迷惑がかかるかもしれないんだぞ。」
「まず、お前はこれからどうするつもりだ?」
「我々はテンペの町の外を捜索してみようと思っている。あの奴隷達の人数がいっぺんにいなくなったなら移動速度も速くないはずだしな。」
「なるほど!俺はこの町の事を報告しに王国に帰ることにするよ。先に報せに帰ったやつらより重要な情報だ!それにケンジの行動も気になるしな。それにしても本当に国王に平民が落とし前などつけることが出来るのか?」
「俺はこの町でケンジ殿を見てきたから言うがケンジ殿を普通の平民と思わないほうが絶対にいいぞ。そんな考えじゃ足元をすくわれることになる。」
「お前ほどの奴がそんな事を言うとはな・・・」
「いいか!心して聞かないと本当に後悔することになるぞ。その旨を国王にちゃんと報告するんだ!」
団長の鬼気迫る説得に兵士は背筋が伸びたのだった。
「我々は引き続きケンジ殿を捜索しケンジ殿を見つけたら国王とアーサー騎士団長の誤解から生じた事を謝罪する様にする。」
団長は今までの付き合いから自分からケンジ殿に説明さえできればまだ何とかなると思っていたのだった。確かに王国はケンジに賠償金を払うなどして損害は出るかもしれないが最悪の状況は回避できると思い込んでいた。
実際これが団長に思うようになるのかは本当に賭けでしかないと言葉が出そうになったが飲み込むのであった。
そして一方ケンジ達であったがゴブリンがよく出没する森の中で【ハウス】で優雅に生活していたのだった。
すぐにでも王国に向かうと思っていたケンジだったのだがダンジョンに3か月も潜っていたのでゆっくり体を休ませていたのだった。その場にはギル達もまたすることが無くゆっくりくつろいでいたのであった。
「ケンちゃん、これからどうするつもりなの?」
「そんなに気になるのか?」
「そりゃ当り前じゃない!あたし達グランパス王国から指名手配されているのよ。」
マイがこんなに怒っているのはケンジがみんなを救いに行った時騎士団長に言い放った言葉にあるのだ。普通王国の騎士に対して国王の事を馬鹿にする事なんて自殺行為である。そんなことが知られたらいっぺんに不敬罪で打ち首になるからだ。
「そんな気にするな!」
「するわよ!」
「大体だなあの騎士団長が悪いんだよ。何の罪もないサーシャ達を弓矢で攻撃の指示を出したんだぞ!そんなのありえないだろ。」
「それはあたし達が授賞式を辞退したから王様のプライドが傷つけたからこんな事になったんでしょ?」
「それだよそれ!何で王様のプライドで俺達が犯罪者になるんだよ!そんな事絶対あり得ないだろ!」
「ケンちゃんは何にもわかってないのよ!王族や貴族に逆らったり不満を漏らしただけで処刑されるのよ。この世界は!どうしようもない事なのよ!」
「確かにマイはマイマールとしての人生を18年生きてきたからそう思うんだよ!だけど俺はこのガイアースにきてまだ3年だ!それも俺は赤ちゃんから育ってきてないんだよ。」
「だからこのガイアースのルールにはある程度従うつもりで生活してきたがこんな理不尽な事ばかり起きるし世界を回している人間や権力のある者の横暴さには辟易しているんだよ。」
「実際、今の俺の気持ちはギル達やマイ、テンペの平民の人達と知り合えた事以外後悔しているよ。」
「ケンちゃん・・・」
「ガイアースに来たとき俺は前世でできなかった事を自由に楽しくしようと思ったさ。だが現実はどうだ?地球にいた時より理不尽不条理上に立つ人間は自分の欲望に忠実でもううんざりだよ。」
ケンジはみんなの主人として色々我慢をして頑張ってきてしっかりしているように見えるが地球ではまだ大学生の年齢だ。色々不満が貯まって爆発してしまったのである。本当なら恋や勉強友人との交流でキャンパスライフを楽しんでいてもおかしくないのである。
「ケンちゃんの気持ちはよくわかるよ。でも、ここはガイアースであって地球じゃないのよ。郷に入っては郷に従えって言葉があるでしょ?」
「ああ!それはわかっている。」
「だったら・・・」
「だから俺はなるべく波風立てないで生活してきたつもりだよ。でもマイの言う通りその言葉に習い俺が行動したならばどうなるかわかっているのか?」
「そりゃ当然、王族・貴族達には逆らわず波風立てないようにするのが普通でしょ。」
「いいや、違うね!権力がある者に従う事がこの世界のルールならば王族や貴族達が俺を敬い波風を立てないで生活することになるんだ!」
「なんでそうなるのよ!」
「そんなの当り前だろ!俺はこんな考え方を押し付けたくはないがテンペの町はどうだったんだ?俺がいないともう経済はまわらないだろ。町の結界は誰が維持をしていた?ギルドの収益は?あと数か月もしてみろ。まずは便器が使い物にならなくなり不衛生になり元通りだ。」
「そして肥料の在庫切れになり食事事情もいつも不況に陥ることになりテンペの町はまた元に戻っていくのは目に見えているだろ?違うか?」
「それに今回スタンピードが起こりマードックとマイお前がいなかったら王国全土はどうなってたと思う?」
「それは・・・・」
「どう考えてもあいつ等の法律に照らし合わせるなら俺の方が立場は上になるだろう。それをあいつ等は自分の都合とペラペラのうっすいプライドで俺達に対して波風を立てたとおもわないか?」
「でも・・・」
「だから俺はもう我慢はしない!誰が強者なのか思い知らせてやることにするんだ。今はその力を発揮する為に休憩しているんだよ。」
完全にケンジはキレている様子で無茶苦茶な事を言っていたのである。するとそれを聞いていたセバスがケンジとマイの話に割って入ってくるのだった。
「ご主人様!それは本当でございますか?」
「本当ってどういうことだ?」
「誰が強者なのか思い知らせてやると言うところですよ。」
「だったらどうしたんだ?」
「もしご主人様がそれをギル達に強要するなら私を奴隷商人に売ってもらえませんか?」
「ハアァ?セバス何を言っているんだ?」
まさかセバスが自分に対してそんなことを言ってくるとは思わなかったのだ。そしてそれは当然ケンジとマイが口論となっていた事もあり二人のまわりにはギル達もいて話に口を出せずにいたこんなケンジを見たのは初めてのことでどうしたらいいのか解らなかったののである。そしてセバスのセリフに一同驚き戸惑うのだった。
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