異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

文字の大きさ
上 下
244 / 619
第7章 超級ダンジョン攻略!

7話 到着!

しおりを挟む


 超級ダンジョンは騒然として怒号が飛び交っていたのである。

「お前達しっかりしろ!ここを死ぬ気で守り通すぞ!」

 団長は部下たちを勇気づける為必死で大声を出し前衛に立って、ダークミノター(ミノタウルスの上位種)牛の亜人種に立ち向かっていたのだった。唯一の救いはこの魔物達がいっぺんに這い出してこない事だった。
 それでもランクAと称するダークミノターは兵士たちにとって悪夢のような強さだったのである。そしてその魔物を何とか討伐しても次から次へと這い出して来るのである。

「隊長!もう持ちません!」
「ぎゃああああ!」
「ぐほっ!」
 
 ダークミノターの一撃は重く疲れ切った兵士たちが犠牲になるのだった。

「く、くっそおおお~~~!」

「第2兵団と交代だ!」

「「「おおおお!」」」

 団長の掛け声で第1兵団と第2兵団が素早く入れ替わったのだった。そして次には第3兵団が待ち構える事となっていたのだった。第3兵団は第1兵団を担ぎ奥に引きずり休ませるのだった。

「大丈夫か!」
「休憩だゆっくり休め!」

 第1兵団の兵士は声にならない声を上げすまないと言っていた。

「くっそおおお・・・・いつまで這い出して来るんだ!もう30匹は倒しているのに・・・」

 そしてとうとう第2兵団もまた疲れてきて犠牲者が出始めるのだった。

「第3兵団に交代だ!」

「おおおお!」

 第3兵団が前に出ようとした時、後方から光の矢が高速で飛んできてダークミノターの頭が消し飛んだのだった。

「なっ、なにっ?」

 団長が驚き何が起こったのか分からなかったのだ。

「団長さ~~~~ん!兵士たちを引かせてください!」

 団長は声がする方に顔を向けるのだった!そこには遠くの方から尋常じゃないスピードでやってくる馬車があり唯一の希望と言えるケンジの姿があったのだ。

「ケ、ケンジ殿!」
 
 団長は涙が出るほどうれしかったのである。これで何とかなると確信が持てたのだった。そしてダークミノターが倒れるとまたダンジョンから一匹這い出してきたのである。ハヤテのおかげで早馬の兵士と別れてから1時間も経たない時間でケンジは超級ダンジョンの簡易村に着いたのだった。

 ダークミノターが這い出した瞬間、マイが飛び出し天の叢雲を一閃振りぬくのだった。するとダークミノターは一撃で真っ二つになり倒れてしまったのだった。

「な、なにいい~~~~!」

 団長は大声を上げたのだった。自分達は一匹倒すのに何回ソードを叩き斬ったのか分からないのにマイはあのランクAの魔物を立った一振りで叩ききってしまったのである。
 ケンジ達のパーティーは強いと聞いていたが実際目の当たりにすると団長は言葉を失いただただマイやマードック達の戦闘を呆気にとられ開いた口が塞がらないだけであった。

 マイたちにとったらダークミノタは雑魚モンスターであり、ダンジョンから這い出てきたところからただの一撃でドンドン切り捨てている感じだった。マードックが2刀流でマイと切り捨てている最中システィナ達はハヤテを馬車から外し潜る準備をしていたのだった。

「団長大丈夫ですか?」

「へ?」

 ケンジは団長の肩を揺らし覚醒させるのだった。

「あ、ああ・・・ケンジ殿いったいなぜここに?」

「しっかりしてください!今日の朝俺はダンジョンに潜ろうとこちらに向かっていたんですよ。そしたら早馬がテンペの町に向かっていたみたいで途中兵士さんにここの状況を聞いて急いできたんです。」

「え?テンペの町に早馬?」

「ええ。何でも早馬の任務で王国に向かったらしいのですがその任務に就いていた隊長さんが独断で俺に報せるようにと一人だけ向かわせたそうですよ。」

「あいつめ!粋な事を!だがそのおかげで我々は助かったみたいだな・・・」

「まあ、本当に運がよかったと思いますよ。俺の仲間たちの防具が完成して今日偶然俺達がこのダンジョンに来ようと決めたんですからね。」

「それは本当か?じゃあ装備が出来てなかったら・・・」

「はい。当然ですが俺の到着はもっと遅くなってたでしょうね。」

「我々は本当に偶然助かっただけだったのか・・・」

「それにしても何でスタンピードの発見が遅れたのですか?」

「ああ・・・それなんだが魔物が強くなっていたのは知っているよな?」

「ええ、それは当然ですよ。そのおかげで他の町も資材がそろわなくて大変になっているのですからね。」

「だから我々も努力してなるべく深くまで潜る様にしてたのだが魔物が強すぎて5階層がやっとだったのだ・・・」

「なるほど・・・だから発見がどうしても浅い階層までわからなかったんですね。」

「ああ・・・・情けない事だがそうゆうことだ・・・」

 すると、ダンジョンの入り口付近で戦闘をしていたマードックが大きな声でケンジに話しかけてきた。

「お~い!主。ミノタウルスが進行がおさまったみたいだぞ!」

 ケンジと団長がその声に反応しダンジョンの入り口に目を向けるとそこにはミノタウルスの死体の山が出来ていたのだった。

「な・・・・なん・・・だあ!その死体の山は!」

 ダークミノターはダンジョンから這い出た所をマードックとマイに一撃で殺されたことにより傷も少なく上等な素材を残し全部死んでいたのだった。ダンジョン内で死んでいたら死体は吸収されドロップアイテムを残すだけだったのだが這い出た所を殺されたのもだから死体が全部残っていたのだった。

 ケンジは一撃で殺されているダークミノターの死体を全部マジックバックに入れるふりをしてインベントリに収納してしまったのだ。

 後の死体の破損が激しいのは兵士たちが何回も剣で殴っているのがわかりそれらの死体は兵士が討伐したものでケンジに所有権は無かったのでそれ等は残していたのだった。

「ケンジ殿本当にありがとう!お主が来てくれたおかげで犠牲は出たがスタンピードを防ぐことが出来たよ。」

 団長や隊長、兵士たちはケンジを囲んで笑顔で礼をしたのだった。

「それじゃすいませんが王国とテンペの町に早馬を出してください。」

「そうだったな!おい、何人か編成して第3兵団の中から選び出して送ってくれ。」

「はっ!」

 兵士たちは団長の指示に従いテキパキ行動に移るのだった。そしてケンジは団長にダンジョンに潜る許可を得て手続きを行ってもらうのだった。

「ケンジ殿今回は本当に助かった。ありがとう!」

「いえいえ、もうお礼はいいですよ。どうせ潜るつもりで今日はここに来たのですから。」

「そっか・・・ほんとうによかった。で、今回も5階層で採掘をするのか?あんなことがあったしダンジョンの中はどうなっているか分からんから気を付けて潜ってくれよ。」

「いえ、今回は採掘をしに来たんじゃないんですよ。」

「はっ?じゃあ・・・なんでここにきたんだ?」

「今回はこのダンジョンを攻略しにきたんですよ。」

「な・・・・なんだと!?」

 団長が目を見開きケンジを睨みつけるのだった。

「だから、ダンジョンを・・・」

「それは止めるんだ!いくら強いと言ってもそれは無謀だ!」

 団長はこの辺りで唯一超級に潜れるパーティーであるケンジを止めようとしたのだった。それも仕方のない事で今回の様にスタンピードが起きた場合止めることが出来るのはケンジしかいないからだ。
 ここで無理をしてダンジョンで全滅してしまってはこの先どうしようもない事が起きた場合誰にも対処できなくなるからである。

「ケンジ殿それは本当にやめてくれ!君達が死んでしまったら人類の希望がいなくなってしまう!頼む!思いとどまってくれないか?」

「いやいやいや・・・それだとせっかく目標にしてきたことが無駄になるしこの日の為に準備してきたことが無駄になるじゃないか。」

「それはわかるが君達が死んでしまうほうが大事だ!」

「そんなこと言っても俺達は潜るよ。団長さんの気持ちは嬉しいが俺達はこの日のためにみんな頑張ってレベルを上げて来たんだからな。」

「そ・・・」

「それに俺達が潜ると言ったら止める事も出来ないんでしょ?」

「ああ・・・冒険者の自由で死んでしまってもきみ達の責任だ・・・」

「だったら俺達を気持ちよく潜らせてくれよ。もし危ないと判断したら引き返してくるからさ。俺達だってまだ死にたくないのは同じですよ。」

「本当に危ないと思ったら無茶をしないと誓えるか?」

「ああ!それが最優先事項で俺達は今までこのダンジョンに潜って来たからな。今更言われなくとも誓えるよ。」

 団長は目をつむり少し考えてわかったと一言呟いたのだった。

 


 そしてケンジ達は団長の許しを得てダンジョンに潜る期間を3か月と報告し、ギルを先頭にシスティナ、プリム、マードック、セイラ、オリヴィアケンジ、マイそして殿にツバキとハヤテの順番で超級ダンジョンに潜入していくのだった。


 そして、今は団長も思いもしない事が起き、ケンジは偉業を成し遂げることになる。


しおりを挟む
感想 223

あなたにおすすめの小説

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。 突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。 貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。 意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。 貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!? そんな感じの話です。  のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。 ※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

処理中です...