上 下
241 / 619
第7章 超級ダンジョン攻略!

4話 準備④

しおりを挟む


 そのころこっちは女性陣の部屋はシスティナ、オリヴィア、プリム、セイラが手分けしながら女性たちをなだめていたのだった。特に年齢の低いサーシャは泣き続けていたのだった。

「サーシャよく聞いてご主人様がいなくなることは無いよ。」

「だ・・・・ヒック・・・・だって、ご飯の時・・・・自分がいなくなったときの・・・・ヒックヒック・・・・ことを・・・」

「いい?そうならないようにあたし達がご主人様を護衛するんじゃない。それとも日ごろあたし達の訓練を見ててそんなに頼りなく思う?」

 サーシャは首を横に振る。それを見てシスティナはニッコリ笑うのだった。

「だったらそんなに泣くのはおかしいでしょ?」

「うん・・・」

「ほら!あんた達は大人なんだから何暗くなって沈んでいるのよ!」

 オリヴィアが両手を叩いて気合を入れるのだった。その音にユエティーやウランたちがビクッとなるのだった。

「ヴィア・・・そんなこと言ったって暗くなるのはしょうがないよ。」

「何で暗くなる必要があるのよ。ご主人様は超級に行って死んじゃうの?」

「何でそんなこと言うのよ!」

「あんた達もご主人様が死んじゃうなんて思ってないんでしょ?」

「そんなの当り前じゃない!」

「だったら何を暗くなる必要があるのよ!わたし達がご主人様を護衛して無事帰ってくるって言っているのよ?」

「でも・・・行くのは超級ダンジョンの奥底なんでしょ?」

「ご主人様はわたし達の装備を作ってくれて余裕で攻略できるって言ってたじゃない!それを信じなくてどうすんのよ!」

「でもあたしもギルドで長く勤めていたけど超級はおろか上級だって攻略したって聞いたことなかったんだよ?」

「それは他の冒険者達が弱すぎなのよ!ご主人様と比べるほうがナンセンスだわ!」

「それにあたし達はもっと弱いころにAランク冒険者に勝っているのよ。今じゃあの頃に比べてもだいぶん強くなった自負もあるしね。」

「でも、誰も攻略した事のない超級ダンジョンなのよ。」

「あのね・・・こんな事言いたくないけどご主人様はあたし達の戦闘力でダンジョンを攻略できるって言ったのよ。だったらそれを信じご主人様の期待に応えることが日ごろの恩を返す事になるの!」
「あんた達みたいにグチグチ言ってご主人様の足を引っ張ることは容認できないわ!」

「そんな!グチグチって!」

「そうじゃない!ご主人様がわたし達で充分大丈夫だって言っているのにそれを信じられないんでしょ?本来ならあなた達はご主人様の帰還を信じていつも通りの生活をしてご主人様を安心してもらうことでしょ?」

「・・・・」
 こっちでも、留守番組の人たちはオリヴィアの言葉に言い返せなくて黙ってしまうのであった。

「ちょっと・・・なんでそこで黙っちゃうのよ。」

「だってそんなこと言われたらその通りだし反論できないわよ・・・」

「だったらどうすんの?」

「そんなすぐに結論出せないわよ!」

「あたし達明日からまた畑仕事がんばるよ。ね?フィアナ!」
「ん・・・それでご主人様が安心してくれるなら・・・」

「ほら、見なさい!まだ成人したばっかりのティアナ、フィアナでさえああ言って頑張ろうとしているのよ。あんた達は身体ばっかり成長して情けなくないの?」

 リンダ達は隅っこの方で暗くしていたがプリムに言われてビクッとするのだった。

「うん・・・そうよね。あんな小さな子たちが頑張ろうとしているのにわたし達がこんな事じゃ旦那様に申し訳ないよね。」

 そういって明日の朝が早いと言ってティアナやフィアナはさっさとベットに潜り込むのだった。それを見た大人たちも元気を無理やり出してベットに潜り込むのだった。

 セイラも何か言いたそうにしていたが自分が奴隷でもみんなとは違う立場なので何も言えなかったのだった。

「みんなごめん・・・わたしも言いたいことはたくさんあったけどえんごできなくてごめんなさい・・・」

「セイラ。そんなこと言わなくていいよ。あんたの気持ちはわたし達ちゃんとわかっているからね。」

 セイラはプリムたちの言葉に涙をためて感謝するのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~

暇人太一
ファンタジー
 仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。  ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。  結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。  そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?  この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

処理中です...