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第7章 超級ダンジョン攻略!

3話 準備③

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 一方こちらはセバスとギルが居なくなった部屋の中男性陣が沈み切っていたのだったが、マードックがみんなを元気づけていたのだった。

「みんな!何?暗くなってんだよ。」

「マードックよ。主殿が自分が死んだ時のことを言ったんだぞ・・・」
「ああ!今までそんな言い方した事なかったじゃないか・・・」
「やっぱり超級は主様でも自信が無いのか?」

「ば、馬鹿野郎!そんなわけないだろ!あの言葉は一応だ一応!」

「だけどよう・・・」

「だけどもくそもない!もし危なくなっても絶対俺が主を助けるんだよ!」

「だが・・・超級ダンジョンだろ?」

「だからなんだよ!」

「未知の空間で誰も行ったことのないとこなんじゃろ?」

「シェム!何が言いたいんだ?」

「だからの・・・そんな危険な場所で危なくなったらマードックがいくら強くてもその地点で全滅になったことを心配しておるんじゃよ・・・」

「何言ってんだよ!俺達護衛メンバーが絶対主を守るんだよ!」

「そんなこと言っても何が起こるか分からないだろ?」

「お前達まで何言ってんだ!主が負ける前提で動いたことが今まであったかよ!俺は主を信じるし今までの恩を忘れない!」

「それは儂も同じじゃよ。」

「だったら何で主の言っていることを信じられないんだよ!主は最初に今の俺達なら余裕で超級ダンジョンを攻略できるって言ってたじゃないか。」

「それは儂らを心配してそういってくれたからじゃよ。」

「だったらそれを信じて家の留守を守ってくれたらいいじゃねえか。」

 そのようにマードックが訴えてもダンギを中心に暗く下をうつむいたままだった。

「ったく・・・やってられねえぜ!俺はなお前達と違う!主が言ったことを信じそれを遂行するだけだからな!主が言ったことは全部正しいし俺達を危険な目にあわせた事一回もなかったしな!今回も絶対大丈夫なんだよ!」

「なあ、マードックは何でそんなに妄信的な事を言うんだ?俺達も主様の事は信じているよ。だけど今回は超級ダンジョンだ・・・世の中で攻略されたことのないダンジョンなんだぞ。」

「何言ってんだよ!上級だって今まで攻略されたことなかったじゃねえか。」

「いや、上級ダンジョンはその昔何人かには攻略されたと文献に残っておるよ。だけど超級はその文献にも残っておらぬよ。」

 上級ダンジョンはその昔何回か攻略した事がある記録が残っているのだ。今の人たちはできなくなっていた上級が昔の人間にはできていたとあるのだがこれは少し訳があるのである。
 その昔上級ダンジョンが出来たばかりで今の様に100階層も育っていなかったからである。その為今の中級ダンジョンと同じくらいの難易度だったため昔の人間たちも攻略が出来ていたのである。つまり上級ダンジョンは長い年月をかけて育ち今の様に100階層という難易度の高いダンジョンとなったのである。


 余談ではあるが当然その難易度の高い上級ダンジョンを攻略したのはケンジ達が初めてであり昔の文献を残した人間でさえ今の難易度を攻略しろと言われても無理なのである。

「それにしたって俺は主の事を信じて攻略をするだけだ!」

「だがのう・・・わし達はできたら主殿たちに超級には行ってほしくないのう・・・」

「俺はこの町に来る前奴隷商人が魔物に襲われていた時姉貴と一緒に囮にされて放り出されたんだ。命からがら逃げだして一命をとりとめたんだ。その時襲われて手も足も出なかった魔物はゴブリンだったんだよ。」

「マードックいきなりなんだよ?」

「まあ、聞けよ。姉貴に至っては腕を引きちぎられ後一日主と会うのが遅かったらこの世にはもういなかっただろうよ・・・」
「いいか。主はこう言い方は嫌がるが俺達護衛組は主がピンチの時は身を捨てて主とマイさんだけも逃がす覚悟はいつでもできているんだ。」
「それが俺のできる恩返しのつもりでもあるしいつでも俺は主の為に命を捨てる覚悟ができているんだよ!」
「お前達はどうなんだよ!主に恩を感じているなら主には心配するな。留守は主が帰ってくるまで命を懸けて守るっていうくらい言えないのかよ!」

 マードックは息を切らしながらダンギたちに怒鳴りケンジに心配はいらないと思わせるくらい気持ちよく出発させてやれよと訴えかけるのだった。

「マードックすまなかった・・・」

「俺に謝んじゃねぇよ。謝んなら主にだろうが!主は優しいからよ謝っても気にするなというだけだがお前等ホントにいつまで主に甘えてんだ。」

「ワシらは甘えてなんか・・・ただ心配なだけで!」

「はあ?それがすでに間違っている事に気づかないのかよ!誰が誰の心配だって?客観的に見たってお前達の方が頼りねぇじゃないか!」

「「ぐっ・・・・」」

 そこにセバスとギルがケンジの部屋から帰って来たのだった。

「あははは。ダンギ、マードックに一本取られたみたいだな。」

「ギル・・・何笑ってんだよ。」

「うむ、ダンギお前が心配するのはわかるよ。だがそれは100%主の事を心配しているのか?」

「そりゃ当り前だろう!」

「おまえらもか?」

「「「「そりゃそうでっせ!」」」」

「そうか?俺にはもし主が亡くなった時自分達はどうなるんだって気持ちが入っているように思えるんだがな?」

「そんなことは・・・」

「だったら主の強さは知っているんだし主を信じて留守を守って帰ってくるとおもっていたらいいだろ?」

「そ、それは・・・」

「主の戦闘力は俺達よりはるかに上だしその主が大丈夫と言っているんだ。それも主が主体に戦うんじゃなく俺達で余裕と言っているんだぞ?それのなんの心配があるんだ?」

「それにダンギさっきご主人様の所に行ってきてご主人様はこうも言っておられたよ。」

「セバス主殿はなんて言っておられたのだ?」

「確かにこの段階でみんなに報告したのは早かったかもしれないが早く言う事でご主人様が超級ダンジョン出発時にはみんなの気持ちが落ち着き冷静になれる。そしたら自分達がダンジョンに行っている間私達が心配で夜も寝れない事はなくなるだろうってな。」

「主殿がそんなことまで?」

「ああ、ご主人様はいつでも私達の事を心配なされていたよ。」

「見て見ろ!だから言ったんだ!いつまで主に甘えているんだってな。主はいつでも俺達の事を考えて心配してくれているんだぞ。なのにお前達はいつまでも主におんぶに抱っこで情けなくないのかよ!」

 マードックの言葉にダンギたちは下を向いたまま何も言えなくなってしまっていたのだった。

「マードック!お前はちょっと言い過ぎだぞ。」

「だってギルお前だってそう思うだろ?」

「だからってお前がダンギ達に言う事じゃないだろ。」

 マードックは少し黙りギルの言う事も確かだと思いダンギたちに謝罪するのだった。

「ダンギたちもそう落ち込むな。主は俺達の事を想っているんだからその気持ちに報い明日から家の事を頑張ったらいいんだよ。そしたら主もそれを見て安心するだろうからな。」

「ああ・・・わかったよ・・・」

 その言葉でマードックとギル、セバス以外はベットに潜り込むのだった。

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