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第6章 ケンジの新しい生産力!
55話 ケンジの快進撃①
しおりを挟むケンジの鍛冶スキルは180.00まで成長した事によりアクセサリーの効果で200.00(ゴッド)となったのである。
これによりやっと神鋼魔石の応用が出来るようになったのである。ケンジはまず神鋼魔石をスミスハンマーで打ち付け加工していくのだった。そしてそこに水の魔石を吸収させてしまったのである。
そしてそこには今までには無い新種の魔石ともいえる神水魔石という物が出来たのであった。これは今までの魔石とは異なり少しの魔力ですむという非常に効率の良い綺麗な透き通った青色魔石である。
ケンジはこの神水魔石を使い冷蔵庫の開発をしたのだった。今までの冷蔵庫は熱と湿気を吸い取る物だったが、この神水魔石は冷蔵庫の中の湿気を吸い取ることでを自ら魔力を回復させ、その魔力を使って冷気を放出させることで冷蔵庫の中を冷やす事ができる製品になったのである。
そして、最初に起動させるとずっと1か月ぐらいは余裕で動き続けるとわかるのだった。そして魔力をチャージすることで1年ぐらいは余裕で起動し続けることがわかる、動かなくなった後はこの神水魔石を取り換えることでずっと使えるものとなったのである。
そしてケンジはこの冷蔵庫にもう一つ機能を加えるのである。それは冷凍庫である。この冷凍庫はこの世にはまだない機能で真夏でも氷が手軽に手に入ることはないのだ。ギルドの保管庫もその調整をしたのだがあまりにも魔力がいる事と起動しても1時間で動かなくなるので中止したくらいなのだ。
ここに初の氷をいつでも手に入る冷蔵庫ができたのだった。そしてケンジはまず旧型の冷蔵庫を買ってくれた人たちに話を持って行ったのだった。
いつも親切にしてくれる肉屋の親父さんの所にお邪魔したのだった。
「あのおやっさん!ちょっといいですか?」
「おお!ケン坊じゃないか。どうしたんだ?」
「今度新商品の冷蔵庫を販売することになりまして。」
「なんだって?そりゃねぇぜ・・・この間冷蔵庫買ったばかりなのによう・・・」
「おやっさんすまないな・・・でも聞いてくれないか?おやっさんもその冷蔵庫の噂で売り上げが伸びなかったのは知っているだろ?」
「ああ!まったく腹ただしいことだよな!俺はケン坊の事信じてるしそのまま使わせてもらっているがな。」
「おやっさんありがとな!それでだ!」
「その新商品をただでおやっさんに使ってもらおうと思ったんだよ。まあ、旧型の冷蔵庫と交換だけどな。」
「なに?本当か!」
「そのかわりに使ってみた感想を口コミで広げてほしいんだよ。今回の冷蔵庫は今までとは違う魔石で便器とは違うものだって。」
「そんな事でいいならいくらでも協力させてもらうぞ。で、今回の冷蔵庫はどんなのなんだ?」
「前のと違う事は二つで魔力をチャージするときは本当に生活魔法の初歩程度の魔力がいる位で1か月起動し続けること・・・」
「なに?!一か月だと?旧型の方が性能いいじゃないか?でも魔石を交換したらまた使い続けれるんだろ?」
「いや、それを12回魔力を込めたら交換だよ。」
「なっ・・・ってことは旧型と一緒で1年間交換しなくてもいいって事か?」
「ああ、そうなるな。だけど今回の魔石は買い取りはしないんだけどな。自分達で魔石処理所に持っていってくれたらいいよ。」
「まあ、それがいいだろうな・・・」
魔石処理所は町に何か所かあって使い終わったら持っていく場所である。溜まった魔石は冒険者がダンジョンに持っていき捨てるのである。ダンジョンは何でも吸収するので冒険者が初級ダンジョンに持っていき捨てているのである。
「そんなに持つならお客も買取しなくても文句は出ねえな。」
「それともう一つ新たな機能だが冷凍庫も機能として付けてみたんだよ。」
「冷凍庫ってなんだ?」
「つまり、食材を凍らせて肉や魚を長期保存できるものだよ。」
「はあ?凍らせるだと?!」
「ああ、だから真夏でも水を容器に入れていたら氷が平民でも気軽に手に入れることができるんだよ。」
「なんじゃそりゃ!」
親父さんが驚くのも無理もないのである。真夏に氷なんて貴族が高い金を魔法使いの上級職である魔導士それも水属性を持っている人間に一杯のボウルに作らせるか、高い山の山頂に冒険者に頼み持ってきてもらうしかないのである。
おやじさんに取ったらケンジの言ったことは信じられない事だったのだ。
「ケン坊!それは本当なのか?」
「ああ!これで暑い日の夜も冷たい酒が飲めるって事だよ。だから一か月ほどその冷蔵庫を使ってみてモニターをやってみてくれないか?」
「ああ!そんなことで良いならいくらでもやって近所に宣伝してやらぁ!」
それを聞いてケンジは親父さんとあと数名に協力を募ったのだった。そして店舗には旧型の冷蔵庫をいまだ使い続けている人は新型の冷蔵庫と交換!と店舗に張り紙をして販売日は2か月後と宣伝したのだった。
つまり、旧型の冷蔵庫を使ってくれている人から順に交換を行うと言う事になった。旧型の冷蔵庫の不満を持ったお客は引取れだのお金を変換をしてきたので新型の冷蔵庫はまた後日買い直す羽目となったのである。
今回の冷蔵庫の目玉は何といっても氷が真夏でも容易に手に入ることでこれは親父さん達の口コミであっという間に広がったのである。そして心臓部の魔石は今までとは違い便器と同じ魔石じゃない事も一緒に宣伝してもらったこともお客は興味を引いたのだった。
モニターとして先に使ってもらっていた親父さんの家には知り合いの人が仕事終わりに集まっていたのだった。
「おい!親父ぃ~~~冷蔵庫の氷はできているのか?」
「うるせぇ~~~お前は毎晩毎晩俺の家に寄りやがって他の人にも譲りてぇからお前は今日は我慢しろぃ!」
「そんなこと言わねえで!氷入りのエールをくれよおお~~~!最近はこれだけが俺の楽しみで癒しの時間なんだからよう・・・」
近所ではエールに氷ってと思うが真夏で冷たいエールが飲めるって事は今まで本当に贅沢な事なのである。町の男たちは親父さんの所に毎晩氷を求めてやってきていたのであった。
ケンジもその様子を笑いながらみていたのだ。
「ケンジよう!早くこの冷蔵庫を販売してくれよ・・・」
「すんません・・・先に旧型をいまだに使ってくれている人の分から作っているので当分は無理そうですね。」
「そんなぁ・・・」
「これでも人員は確保して頑張っているから勘弁してください。」
ケンジは苦笑いしながら町の男たちを諫めていたのだった。
毎晩そんな調子で町の人が親父さんやモニターをやってくれている人の家に押しかけて新型冷蔵庫の宣伝をしてくれていたので、ケンジの店には新型冷蔵庫の問い合わせが仕切りなくあったのだ。
店を任されているユエティー達はその対応に追われ毎日クタクタだった。
「それにしてもご主人様はとんでもない物を開発されたよね。」
「ホント!あたし奴隷になった時は人生終わったと思ったけどご主人様に拾われてホント良かったわ。」
「わたしもですよ。」
ユエティー、ウラン、アプリコットはお店の事をしながら楽しく談笑していて、店の奥ではマインやムース達も一生懸命働き日々の暮らしを楽しんでいるようだった。
そして、一方生産ギルドでは慌ただしい雰囲気で会議室で会議が行われていたのだった。その内容は当然だがケンジの新型冷蔵庫であった。前評判があまりに噂になりギルドの保管庫の販売がピタッと売れなくなったのである。
「いったいどうゆう事よ!保管庫の予約もあったのに全部キャンセルになるだなんて!」
「ギルドマスター落ち着いて下さい。」
「落ち着いていれるわけないじゃない!」
「あたしは遅かれ早かれこうなると言ったはずだよ!その時になったら後悔するのはこっちだって・・・」
「いまさらそんなこと言ったって!」
「お姉ちゃん・・・覚悟しておいた方がいいと思うよ。絶対これだけであのケンジが済ますわけないと思うよ。」
「なにいってんのよ!あんたもギルドマスターでしょ!なんかいい案をだしなさいよ!」
「よく考えてよ!今回の冷蔵庫の性能を平民家庭にあの氷をいつでも手に入れることが可能な製品だよ!」
「そんなことわかっているわよ!」
「いいえ・・・わかってないわ!今まで貴族様がボウル一杯の氷を高いお金を支払いやっとの事で手に入れていた氷を真夏に誰でも手軽に手に入れれる商品なのよ?そんなのにどうやって対抗するのよ!」
ミルフィーの言葉にミルファーはもちろんの事ギルド幹部達もただ押し黙って目をつむっていたのだった。
「だったらミルフィーはこのまま黙って見ていろという訳?」
「まあ、そうなるわね・・・」
「そんなことになったらこの責任はだれがとるのよ!」
「そりゃ、お姉ちゃんでしょ!」
「なっ!?」
「あたしはこうなることを予期してもう本部に報告をしているわ。生産者を陥れ製品を売れなくしてギルドの製品を売れるようにしたってね。」
「本部もそのことには信じてもらえなかったけど逐一報告してたから今の状態保管庫が全く売れなくなり、予約もキャンセルになったと言ったら、本部もやっと重い腰を上げてこの間から独自に調査を開始したと聞いているわ。」
「あ、あ、あ、貴方なんて事を!」
「そうよ!この事はお姉ちゃんが独断で突っ走ったことにした。」
「あ、あんた、実の姉を売ったのかあぁ~~~!」
「売ったって人聞きの悪い!あたしはちゃんとあの時止めたのよ!だけどお姉ちゃんが先の事を考えず突っ走っただけじゃない!」
ミルファーは二の句が告げることが出来なかった。
「でも、あんたもギルマスじゃない!」
「だからなによ!あたしはお姉ちゃんの暴走で巻き込まれたくないわ!それにここにいる幹部達に聞いてみるがいいわ。今この状態になったはだれの責任かってね。」
ミルファーは周りを見渡したが幹部は目をそらしたり疑心暗鬼のような目でミルファーを見つめていたのだった。幹部連中もあの時の会議には全員出ていたのでミルファーの言ったことを全員が聞いていたのだった。
その雰囲気を察したミルファーはガクッと腰から砕け落ちるのだった。
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