異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

文字の大きさ
上 下
222 / 619
第6章 ケンジの新しい生産力!

45話 ギルドの要求①

しおりを挟む

 ケンジが冷蔵庫を販売し始めて、町の人たちは次の販売日はいつなのか?次は何台販売するのか?お店の方に問い合わせが連日続いたのである。
 ケンジの販売した冷蔵庫はそれほどまでに画期的で今までの保管庫のように魔石に魔力を注入しなくても起動し続けるものだから当たり前なのである。
 これにより魔法使いの役目が無くなることで収入減が無くなり迷惑になるかと思っていたが魔法使いもこれには大助かりなのだ。この注入の依頼をするとそのあと魔力切れで3日は動けなくなり自分の仕事が出来なくなるからで依頼料が多少高額だが全体的に考えるとマイナスになるので、魔法使いや魔道ギルドも早くこの冷蔵庫が普及してほしいと思っていたのだった。

 そして嬉しい誤算もあったのである。当初この冷蔵庫は平民の一般家庭用として考えられたものだが、ケンジのお店には外食店のオーナーから業務用で大きめの冷蔵庫は作ってもらえないのかと要望が殺到したのだった。
 ケンジは業務用も製作するかを悩んだのだった。ダンギたちの製作時間を伸ばさないとそこまで手が回らないのである。

 当然だがダンギたちは夜中の2時ぐらいまで働かせてくれと言ってくるのだがケンジはそんなことはできないと断るのだった。

「主殿!業務用冷蔵庫になれば一般家庭用の何倍も高価なものとなりますしワシ達頑張るから製作させてくれ!」

「頑張ってくれるのは嬉しいが夜中の2時まで働き次の日はまた朝の6時から活動したらお前達過労死するぞ。」

「そんなもの一時的な忙しさじゃよ。それより主殿の役に立てるんじゃ。今頑張らないでいつ頑張るんじゃ!」

「ダンギ、シェム!その気持ちは嬉しいよ。だが、俺はそんなのは絶対容認するつもりないからな。」

 部下たち10人もやる気を出しているらしくケンジの言う事も考慮にいれて6人が1日づつ交代で残業したらどうだ?とか提案してくる始末である。
 ケンジもまたそんな苦労するなら業務用冷蔵庫は家庭用が落ち着いたら作ったらいいと提案するがダンギとシェムがそんなのいつになるかわからんというのだった。

「ちょっと待ってくれ!お前達の心意気は本当にうれしいよ。だがそんな長時間働くことは絶対にしないでくれ。」

 ケンジは自分の父親が会社から無理難題を言われ家族の為に無理をし残業をしいられ最後には過労死してしまったことを思い出していたのだった。

 確かに自分の父親と違うところは企業に家族を人質に取られるような言われ方をして理不尽な働き方をしようとしていない所だ。
 ダンギたちは自ら俺の為になるなら今頑張ると言ってくれているのである。だけどケンジにはそれを了承できなかったのだ。自ら働いてくれると言ってもやっぱりそんな無理をしたらダンギたちは倒れてしまうのは必然であり休みも必要なのだ。それに無理をしたら結局は仕事の効率は下がるし体がふらふらになればどんな事故が起こるかわからないのである。


「結局はこれしかないか・・・」

「主殿わかってくれたのか?」
「やっぱお客様を待たせてはいけないじゃものな。」
「みんな!気合入れろよ!」
「「「「「おおおお!!」」」」」

「ちょっと待て!何を勘違いしたのか解らんがお前達は今まで通りのペースで家庭用冷蔵庫を製作してくれ!」

 そういってケンジは鍛冶工房を出ていくのだった。

「主殿どこに行くんだ?」

「ちょっと思う事があるからお前達はそのまま仕事を続けてくれ!」





 ケンジは店舗の方に出向きそしてアプリコットを呼び出した。

「アプリコットいるか?」

「はい!なんでしょうか?」

「アプリコットって種族はドワーフだったよね?」

「ええ・・・それがどうかしましたか?」

「アプリコットは鍛冶工房で今やっている冷蔵庫の手伝いってできるかな?」

「いえ・・・・それは無理ですよ・・・・」

「ドワーフって手先が器用でなんでもできるって聞いたんだがちがうのか?」

「どこの情報なんですか?それは!」

「ちがうのか?」

「いえ・・・違わないですがあたしには鍛冶等のスキルを持っていません。ドワーフは手先が器用で生産系のスキルを覚えやすいと言う特徴を持っているので他の種族より早く覚えると言う事なのです。」

「ってことは・・・」

「もし今からわたしが鍛冶工房の方に入るならこれからスタートとなり即戦力になるのは数年後という事ですね。」

「そうなんかあ・・・」

「ご主人様はドワーフという種族をどのように誤解されていたのですか?」

「いやあ・・・ドワーフは生まれながらに鍛冶や生産職が万能だと思ってた・・・」

 それを聞いたアプリコットやユエティー達は大きなため息をつくのだった。

「それじゃあ、やっぱりこれしかないか・・・」

「ご主人様どうしたのですか?」

「いや・・・なんでもないよ。」

 そういってケンジはフラッと出て行ってしまったのだ。後ろでアプリコットがケンジを呼び止めていたがケンジは気にせず町の雑踏に消えて行ってしまったのだった。

 




 数時間してケンジは家に帰って来たのだった。するとギル達が慌ててケンジの側に駆け寄ってきたのだった。

「主!どこ行ってたのですか?」

「どこって奴隷商店だよ。」

 ケンジの後ろには5人の男奴隷が着いてきていたのだった。その奴隷たちはやっぱり腕が無かったり顔に大きな傷があったりともう売れないような奴隷達であった。

「もし出かけるならいきなりではなくて我々の誰かに言付けぐらいしていってくださいよ!」

「あ、ああ・・・悪かった。考え事してて忘れていたよ。」

「本当にビビったぜ・・・・主が居なくなったって聞いてどこかに行って帰ってこないかとおもったんだぞ・・・」

「マードックも悪かったな。」

「まあ無事に帰ってきてくれて良かったけどよ。」

「ギル、マードック悪いが一緒に来てくれ。みんなも屋敷の方に入ってくれ。」

「「「「「はい!」」」」」

 ケンジは新しい奴隷達に【パーフェクトヒール】を唱え欠損部分を完治させ、これからの事を説明するのだった。欠損を治してもらった奴隷たちはケンジに感謝しどんなことでもすると息巻いていた。

「ギル。悪いがみんなを連れて服や日用雑貨、ベットを人数分よろしくな。」

「はい!」

 ケンジが服を買ってやってくれと言ったので奴隷たちは何を言って居るのか解らずギルとマードックに連れられて服屋や雑貨屋につれられ必要なものを買って貰うのだった

「みんな、この家では信じられない事ばかりだと思うが徐々になれてくれるしかないから覚悟したほうが良いよ。」

「マードックさん・・・本当に俺達にこんな服や雑貨品ベットまで用意して貰えるのですか?」

「ああ。主は変わった人がけど頼りになり優しい人だよ。みんなも主の為に早く役に立ってくれよな。」

「こんな待遇で頑張らないとかありえませんぜ。」
「ああ!」
「俺も頑張るぜ!」

 男たちはマードック達とギルの後ろについて息巻いていたのだった。そして必要なものを買って帰って来たらすぐにケンジの待っている大広間に男たちを連れてきたのだった。

「おかえり!」

「主様!あんなに立派な日用品を買ってくれてありがとうございました。」

 男たち全員が頭を一斉にさげるのだった。

「ああ。必要なものだしね。お礼はいいよ。それより君達にやってもらいたいことがあるんだよ。」
「ギル、マードックありがとうな。」

「「はい!」」

「「「「「何なりとご命令してください!」」」」」

 ケンジは鍛冶工房に5人を連れて行ったのだった。ダンギとシェムはケンジの連れてきた奴隷たちに驚いたのだった。

「主殿まさか!奴隷を購入してきたのか?」
「わし達が頑張ると言ったじゃろ?なんでそんな勿体ない事を!」

「まあ、いいからいいから!みんなにはこの商品を作ってもらうからダンギとシェムを親方と思い何でも相談するようにな。」

「ダンギ親方とシェム親方よろしくお願いします!」
「「「「よろしくお願いします!」」」」

「「ああ!よろしくな!」」

「ダンギ、この者たちは以前鍛冶屋で働いていた者たちだから作業を教えたら自分達で作業できると思うからよろしくな。兄弟子たちと協力して業務用冷蔵庫をそして家庭用を新人に任せたりして段取りよく製作してくれ。」
「まあ、その辺はダンギに任せるからよろしくな。」

「はい!主殿いつもワシたちの事を気遣ってくれてありがとうな。」

「なんだよ急に・・・恥ずかしいからやめろよ。」

 ケンジは顔を真っ赤にして自分の作業に戻っていくのだった。そして新人達の協力もあって業務冷蔵庫と家庭用冷蔵庫と2種類の製品を同時進行で製作していくのだった。この製品はテンペの町でなくてはならない製品の一つになり重宝されることになった。
 当初冷蔵庫の神鋼魔石は1年は持つだろうと思ていたのだが調整するにあたって半年が限界になり半年に一回のペースで神鋼魔石を交換する事になったのである。
 それでも町の人たちは食材の保管が一般家庭でもできるようになり食材を腐らす事がなくなりさらに町の衛生面でも貢献できるようになって食中毒がテンペの町ではほとんどなくなったのだ。

 1年前ケンジが言った通り町には食中毒や不衛生で子供が亡くなることが減り町では子供の笑い声が増えたのだった。
 町の人たちは子供の死亡率が減ったのはケンジのおかげだと思い町の人たちはケンジに何かあった時は自分達が何か力になろうと常に思っていたのだった。

 そして順調に冷蔵庫が売れていたある日ケンジの店にまたギルドから呼び出しがあったのだった。

「ご主人様。失礼します!」

 セバスが慌ててケンジの部屋に入ってきたのだった。それを見たケンジはハアと大きなため息をついたのだった。

「セバス慌ててどうしたと言うよりこの先の展開が読めてなんかうんざりだよ・・・・」

「あのご主人様。ギルドから呼び出しがありました!いかがなさいましょうか?」

「まあ、放っていたらいいんじゃないかな。どうせ冷蔵庫がらみだと思うし・・・」

「やっぱりそうですか。」

「まあ、それしかないだろう・・・・たぶん1週間後ぐらいに向こうからやってくるとおもうしそのままにしておいて!」

 ケンジはギルドの態度が全然直っていない事に癖壁していたのだった。ケンジがあれだけ言っているのに生産者達はもう初心者ダンジョンの5階層にもたどり着けなくなっていて地上の鉱山で細々とその日暮らしを余儀なくされていたのだった。
 それにもかかわらずギルドは支援のひとつもやらずにのうのうとしているのである。たぶんこのままの状態だと今度は流通の問題で町の人たちに何かの支障が出てくるのが目に見えている状態なのである。現に他の町では食料が満足に取れなかったり資材が手に入らなかったりしているのである。

 この町ではケンジの肥料のおかげで食糧問題はないし結界の方もギリギリになったらケンジがダンジョンに潜りオリハルコン、アダマンタイト、ミスリルを納品するし、マイが魔物の素材を持ち込むので何とかなっている状態であるのだ。
 その噂を聞きつけテンペの町に移住してくる冒険者や他の町の住民が移住してくるためこの2年で税収が上がってきているらしいのだ。






 もうこの町はケンジが居てなんぼの町になってきていたのである。着実にケンジが思い描いていた状況になりつつあるのだ。

 そして裏の世界、闇ギルドもまた動き出していたのだった。


しおりを挟む
感想 223

あなたにおすすめの小説

収納大魔導士と呼ばれたい少年

カタナヅキ
ファンタジー
収納魔術師は異空間に繋がる出入口を作り出し、あらゆる物体を取り込むことができる。但し、他の魔術師と違って彼等が扱える魔法は一つに限られ、戦闘面での活躍は期待できない――それが一般常識だった。だが、一人の少年が収納魔法を極めた事で常識は覆される。 「収納魔術師だって戦えるんだよ」 戦闘には不向きと思われていた収納魔法を利用し、少年は世間の収納魔術師の常識を一変させる伝説を次々と作り出す――

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした

鈴木竜一
ファンタジー
 健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。  しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。  魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ! 【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】  ※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

処理中です...