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第6章 ケンジの新しい生産力!
39話 まさかの強敵
しおりを挟むいきなり腕を切り落とされたバーキンは何が起こったのか理解できなかった。あのタイミングなら絶対に猛毒の塗ったダガーがあのダークエルフに突き刺さったはずなのである。
だがいきなりあのダークエルフはダンス張りのステップを繰り出し回転し自分の攻撃を回避したのだった。膝をついてしまったバーキンは痛みに堪え下を向いた瞬間、マードックに顎を蹴り上げられてしまったのだ。
そしてアサシン最強の男は気絶し床に倒れ込んだ。その姿を見た部下たちはいっせいにマードックに飛びかかるのだった。そのスピードはバーキンに比べたら圧倒的に遅く、後ろにいたシスティナ、マイ、プリムが前に出て余裕で剣をさばき、気絶させてしまったのである。
「さてどうする?残りはお前だけだが・・・お前がギルドマスターか?」
「ああ、そうだ!俺様にこんなことして只で済むと思うなよ!」
「只で済むと思うなよって・・・この状況でどうなるっていうんだよ。この町の闇ギルドのトップがこうして後がない状況なんだぞ。そして俺の暗殺依頼を出したゴードンは何もできず犯罪者で逮捕だ。」
「なっ!」
「おいおい!ギルドマスターがそんな動揺してどうするんだ?今の反応で依頼主がばれたぞ。」
「あんたは手下共々このまま衛兵に突き出されてこの町の闇ギルドはつぶれる事になるんだ。」
「そんな訳あるかぁ~~~~!俺がどんな思いで闇ギルドの支部の頂点に成りあがったかか知らないくせに生意気言うぅなぁ~~~~!」
「どうせならもっとまっとうな事をやればよかったのにな!まあ、悪は栄えず淘汰されるのがお決まりだ!」
そういうとギルドマスターは何を思ったのか腕の魔道具を作動させたのだった。ギルドマスター身体には影のようなものがまとわりつき忍者刀を抜いたのだった。
「主!あぶねぇ!」
マードックが叫んだ時には遅かったのだ!ケンジはギルドマスターの忍者刀を避けることが出来なかったのだ。
「ぐはははは!終わりだぁ~~~~!」
その瞬間ガキィンッという金属音が鳴り響くのだった。忍者刀は確かにケンジの首筋に当たったのだが、ケンジの首筋は何の切り傷もなく無傷だった。
「なんだ!貴様ぁ~~~?お前本当に人間か?」
「お前・・・職業は忍者なのか?」
「ああ!俺はこの職業に目覚めこの地位まで上り詰めた!貴様になんかに負ける俺ではないわ!」
「主!忍者って何だ?それより大丈夫なのか?」
「ああ!ちょっと焦ったけどな・・・俺には不意打ちは効かないよ!」
ケンジには物理攻撃は【ストーンスキン】の魔法で全く効かないのである。
「それよりみんなあいつは危険だぞ!忍者って職業は3次職だ!アサシンの上級職で攻撃のすべてがクリティカル判定があり油断したら首は吹っ飛ぶぞ。」
ギル達は驚愕しそんな職業があるとは思わなかったのである。それに自分達にもまだ成れていない3次職が目の前にいる闇ギルドマスターなのだ。
システィナが前に出る。挑発を繰り返しギルドマスターの攻撃を全て受け止めるのである。その忍者刀の攻撃は全てが重く早い攻撃力が恐怖の一撃なのである。
そしてプリムが3段突きを繰り返すのだが全てあの影のような物でギルドマスター本体に命中しないのである。マードックもギルも後方から回り込み攻撃するのだが全く当たらないのである。
オリヴィアも闇ギルドマスターに【スロウ】等デバフを掛けたりするのだが本体が見え隠れして魔法がかからないのである。
「どうなってんだよ!全然当たらねえ!」
「ぐははははは!俺様に勝とうと思うのは100年早かったな!後悔して死んで行け!」
闇ギルドマスターは勝ち誇ったように忍者刀をシスティナに斬りつけていくのだった。
「みんな・・・おねがい・・・もうもたないよ・・・」
ケンジも手数の多いマジックミサイルを撃つのだが全て影に吸収されるのである。この影はどうゆう仕組みなのか物理攻撃は空間をゆがめ回避させ魔法攻撃は吸収するのである。
「システィナ!頑張れ!俺達がなんとか!」
「無駄だ!この魔道具はダンジョンで取れた最強の防御を誇る防具だ!今まで誰にも攻略されたことは無い!あきらめろ!」
システィナは闇ギルドマスターにいいように攻撃されているのである。だがシスティナもケンジの防具で何とか凌いでいた。ケンジの防具でなかったらとっくの昔に首と胴体は離れ離れになっていただろう。
ケンジは撤退するか悩んでいたのだった。このまま攻めていても攻略が出来ないのである。だが、逃げる事もまたできなかったのである。
後ろを向き逃げようなら闇ギルドマスターの忍者刀が襲ってくるのは目に見えていたからだ。そうなれば自分は助かるとは思うがギル達は絶対に助かるはずがないのである。隙を見せればクリティカルHITで首が飛ぶのが確実であった。
「くっそおおお!いったいどうしたら・・・」
「無駄だよ!無駄!お前達はここで死んでいく運命だ!」
闇ギルドマスターはイヤらしい不快な笑みを浮かべシスティナに集中攻撃をしていたのだった。
「にしてもお前も何なんだ!エルフのくせにタンカーでこんな固いやつ初めてだ!」
「エルフのくせにってのは余計よ!これでもあたしはご主人様の盾となり一生懸命頑張ってきたのよ!あたしがこうしてあなたの攻撃を受けに受けて仲間たちが必ずあんたを攻略してくれるわ!」
「がはははは!そんなことある訳ねぇよ!お前はこのまま死んでいくだけだ!覚悟しろ!」
その時後方でマイが叫ぶ!
「みんなぁ~~~!退いて!」
マイがケンジの作った日本刀を居合の構えで構えたのだった!柄を握る手に魔力を込めるのだった。魔力を込めた一撃を放つ!
「裏立花極心流!裏奥義!次元斬っ!」
マイが魔力を込めた居合い抜きは、剣士のアクティブスキルのスラッシュに似ていて、剣気を飛ばすような技であった。普通なら闇ギルドマスターに覆われた影のような防御に吸収されるはずがマイの放った次元斬は影を切り裂き闇ギルドマスターの腕に装備した魔道具に命中するのだった。
そしてその魔道具の核となる魔宝石にガキンと音がして崩れ去ったのである。するとさっきまで闇ギルドマスターを覆っていた影がスーッとなくなって姿が現れたのだった。
「そ、そんなバカなあああああ~~~~~!」
「みんな・・・後は頼んだわよ・・・」
マイは次元斬を放つと気を失ってその場に倒れてしまったのだった。
【次元斬】
裏立花極心流 裏奥義の秘奥義のひとつで次元斬という。
この奥義は精神を全て使う事によりどんなものでも切り裂くことができる。
マイはこの奥義を地球で習得しどんな固い物でも切り裂くことが出来たが
ガイアースに来て魔力を精神として強化することが出来るようになった。
魔力という物理的に強化できるようになり次元斬は形のないものも
切り裂き、文字通り次元をも切り裂き攻撃することが出来る。
ただしこの奥義を連発することはできない。なぜなら一撃必殺の奥義で
ありMPを全て込める事により発動させるからだ。次元斬を放つとMPが
全てなくなりその場で気絶はまのがれない為、仲間がいる所でないと
大変な事になるのである。
「マイ!」「「「「「マイさん!」」」」」
ケンジはマイの側に駆け寄り抱きかかえたのだった。ギル達は闇ギルドマスターに剣を構え攻撃に移るのだった。
「ちょ、ちょっとまて!」
「待てと言われて待つかあ!マイさんの敵だ!食らえ!ダブルスラッシュ!」
マードックは渾身の一撃を放ったのだった。闇ギルドマスターは身体を少しずらしたが避けきれず武器を持った利き腕が跳んだ。
「がああああああ!」
プリムも続いて渾身の突きを繰り出した。今度は闇ギルドマスターの右足が吹き飛ぶ!ギルも同時にダガーでクリティカルブロウを繰り出した。ギルの一撃は左足の膝に命中し膝から下が吹き飛んだのだった。
「がああああああ!」
闇ギルドマスターは痛みのあまりのた打ち回りそこらじゅう自分の血液を捲き散らすのだった。死んではいけないと思いオリヴィアがヒールを唱え出血を防ぐのだった。
闇ギルドマスターは文字通り肉ダルマになり這いずり逃げようとしたがシスティナに呆気なく捕まり縛られてしまったのだった。
「主!マイさんは大丈夫・・・」
ギル達は急いでケンジの側に駆け寄ってマイを見たらケンジの腕の中で気持ちよさそうに寝ていたのだった。
「ああ・・・気持ちよさそうに寝たみたいだ。多分あの技はMPを全て刀に込め放つ技に違いない。」
「そんな剣技があるのですか?」
「ああ、たぶんこの世界ではマイしか使えないだろうな・・・だがマイのおかげでみんな助かったよ。」
「ああ!あのマイさんの技凄かったよな!たぶん次元を切り裂いたんだぜ。」
「ああ・・・確かにすごかったな。」
ギル達みんなマイのおかげで助かったことを喜び、部屋にいるアサシンたち全てを縛り身動きの取れないようにしたのだった。
そしてこの部屋にある金庫をギルに解除してもらうと金塊と共に犯罪の記録が出るわ出るわで下級貴族の犯罪の証拠が沢山出てきたのだった。
そしてまた、ケンジにとって頭の痛いものが出てきたのだった。
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