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第6章 ケンジの新しい生産力!
38話 潜入開始
しおりを挟むケンジは部屋にサイレンスの魔法を掛け外に声や物音が聞こえないようにして会議を始めたのだった。
「ご主人様。この後どうするのですか?」
「ああ!今日はもう遅いしな。明日の8時ぐらいから潜入しようと思う!」
「場所はもうわかっているのですか?」
「ここから南の町はずれにマークの付けたやつらがたむろって動かないみたいだぞ。たぶんここが闇ギルドのアジトじゃないかと思う。」
「ねえ、ケンちゃん!このまま今行っちゃわない?」
「いや、俺達の目的はこの町の闇ギルドの壊滅だ。夜にかけてあいつ等は行動するはずだから朝方に奇襲かけた方がいいと思う。」
「ああ・・・なるほど。さすがケンちゃんね。」
「それで作戦なんだが・・・」
ケンジはみんなに分かりやすく説明するのだった。まずケンジがアジトに【エアープリズン】を唱え闇ギルドの連中をアサシンもろとも逃げれないようにするという。この魔法は建物や土地にかける範囲魔法で建物の敷地内に透明な空気の壁を作り出すもので建物を囲ってしまう牢屋みたいな物だと説明した。
これにより出口は正面の門だけになり地下道も敷地内の範囲で透明な壁で覆われてしまい逃げ出すことが出来なくなるのである。
「ここまではわかったか?」
「ケンちゃんそんな魔法があるの?」
「ああ!あるよ。それでツバキとハヤテはこの出口を守ってもらう。」
「わたしは一緒に中には入れないのですか?」
「頼むよ!君達が中で暴れると建物自体が耐えれるかわからないからな。言っておくが出入り口の守りは大事な役目だからな。」
「え?そうなのですか?」
「ああ、出口を求めて何にいるかわからんが相当人数が殺到すると思うから生け取りにして殺したらダメだぞ。」
ツバキは嬉しそうな顔をしてケンジの言う事を聞いていた。
「そのあと俺達はアジトに突入し、犯罪者たちを行動不能にしていくんだがみんな気を付けていくんだぞ!」
「主!俺達は超級ダンジョンに行けるんだ!余裕でやってやるよ。」
「マードックお前は・・・何で余裕と言い切れるんだ?」
「なんでって・・・今は魔物が強くなってきて俺達しか超級ダンジョンに行くことが出来ないんだろ?だったら余裕じゃないか?」
「闇ギルドの連中は超級にいけないんじゃないよ。行く必要性が無いだけだ!」
「どういうことですか?」
「なんだオリヴィアもわからないのか?」
「あいつ等は俺達と違って人さらいや暗殺、クスリ等の原料の採取で超級ダンジョンに行く必要性がないだけだ。そしてアサシンはお前達と一緒で上級職なんだぞ!」
「俺は相手を殺さず生け捕りにしろと言っているんだ。それには相当の技量が必要だ!マードック!それでなんで余裕と言い切れるんだ?」
「それは・・・」
「いいか!自信を持つことは大事だけど、お前達は今までは対魔物戦だ。今からやるのは対人戦だぞ。まず負けることは無いだろうが油断だけは絶対駄目だ!いいな!」
「はい!わかりました・・・すいませんでした・・・」
「みんなも一緒だぞ!絶対に油断したらダメだからな!」
「「「「「はい!」」」」」
マードックはケンジに叱られ落ち込んでいたが、ケンジはマードックの存在はありがたかったのだ。こうして調子に乗るやつがいてくれると、前もって注意が出来てみんなの気を締める事が出来て死亡確率を減らす事ができるからだ。
「みんないいな!四肢の切断は構わないが殺したら絶対ダメだからな!」
「「「はい!」」」
ケンジ達はミーティングを終え、宿屋の食堂でお腹いっぱいにご飯を食べ明日に備えてゆっくり眠るのだった。
そして次の日ケンジ達は世界地図で確認したらアジトには予想通り闇ギルドの連中が戻っていているみたいで、アジトの中には人の反応がいっぱいあったのだ。
ギル達もまたすっきりしているみたいで体調はよく準備体操してはやく退治したい様子であった。ケンジ達は宿屋のチェックアウトをして慌ただしく朝の町を活動している人混みをみながら町はずれに向かうのだった。
ケンジ達は物陰に隠れて闇ギルドのアジトを見ていた。すると2名ほど見張りなのか気怠そうにしているのがわかったのだ。
「なあ、あの方が戻ってきているなんて何があったか知っているか?」
「ああ、詳しくはわからないがなんでもあの人の部下が何の抵抗も出来ず返り討ちにあったらしいぞ。」
「本当か?あの人たちのパーティーって俺達とは違って相当強くないと一緒に行動できないんだろ?」
「ああ。そんな人たちが返り討ちになったもんだから今闇ギルドはギルドマスターも今この場所に来ているって噂だぞ。」
「なっ!?ギルドマスターもか?」
「今回のターゲットはどんなやつらなんだ?」
「俺もその辺は分からねえよ・・・だけどあの方が出張るような高難易度に依頼なのは違いねえな・・・」
「依頼って誰だ?」
「なんでも貴族の息子ってことらしいな・・・」
「貴族か・・・また厄介そうだな・・・」
その時、アジトの建物が一瞬だけパアァっと光った。見張りの二人は一体何が起こったと思い建物を見たのだが何もなかったのだ。
「なんか今おこったか?」
「ああ!なんか光ったような・・・」
見張りの二人が建物を見ている隙を突きハヤテに乗ったツバキが粘着糸を吐いてグルグル巻きにして身動きの取れないようにしてあっとゆう間に出入り口を占拠してしまったのだった。入り口付近で見回りをしていたものは異変に素早く気付き警笛を鳴らすのだった。
すると建物の中からわらわらと犯罪者たちが武器を持って出てきたのだったがツバキとハヤテの姿を見た瞬間、闇ギルド構成員達はいったい何が襲ってきたのか解らなかったのだ。
闇ギルド構成員達はレベルが高い者ばかりで50レベル以上なのだがツバキやハヤテに比べると半分ぐらいのレベルしかない者達ばかりでフィア(恐怖)にかられ逃げ出す者が続出したのだった。
だが、ケンジの【エアプリズン】の魔法のせいで見えない壁が出来ており敷地の壁を乗り越えようとも脱出できなかったのである。
「ツバキ、ハヤテご苦労さん!あとはここを頼むな。もしかしたらまだ帰ってきていない闇ギルドの連中がいるかもしれないから門の外にも注意しろよ。」
「はい!」「ぶるるるる!」
「みんな!気合入れてたのむぞ!」
「「「「「「「はい!」」」」」」
セイラが強化神聖魔法の防御、攻撃力、命中率、回避力、攻撃回数、属性魔法耐性、回復力、クリティカル率、クリティカル威力、攻撃速度、攻撃リジェネありとあらゆる強化魔法を唱える。
それと同時にマードックとシスティナは強化スキルの重ね掛けをするのである。この事によりギル達のステータス強化は基本の強さの4倍以上になるのである。
ハヤテとツバキのフィアに耐えた構成員は怒号を上げてケンジ達に襲い掛かってくるが剣の一振りで手足が切断され行動不能になっていくのである。
構成員達はこの状況に何が起こっているのか理解できなかったのである。敷地から逃げれなくなるし、唯一の出入り口にはアラクネとバトルウォーホースが陣取っていて馬からはスリープブレスで近づくだけで眠らされ手足を粉砕されるのである。
そしてアラクネの方に近づけば粘着糸で身動きが取れなくなり麻痺毒を注入され繭のようにくるまれてしまうのである。
そして突入してきた人物たちは圧倒的な強さでドンドン建物の中に侵入しどの部屋に構成員がいるのかわかっているかのように全員を気絶させたり手足を切断しそのあと死なないようにヒールして止血し縛り上げていくのである。
「ギルドマスター大変です!地上に侵入者あり!次々構成員が捕獲されています!」
「なにっ!侵入者は何名だ!」
「魔法使いを筆頭に8名!出入口に魔物が2体です!」
「ま、まさか!」
「バーキン知っているのか?」
「ギルドマスター!今回のターゲットですよ。何でアイツらがこの場所を?」
「くっ・・・まずいぞ!非常口から全員撤退!急げ!」
「ギルドマスター・・・・それが・・・」
報せに来た構成員はなんとも歯切れの悪い報告をしたのだった。
「はっきりいえ!どうしたんだ?」
「敷地内から出ることが出来ないのです・・・」
「どうゆう事だ?」
「この建物がなにかの結界に封じ込められているのか・・・見えない壁で出ることが出来ないのです。」
「なんだと?」
「今調べたのですが地下道も見えない壁で・・・脱出不可能です。」
バーキンが戦力を集中させ正面突破させるよう指示を出す。それを聞き部下は気合を入れるのだが報告をしに来た人間はちがったのである。
「どうした?はやく他の者たちにも報告しに行くんだ!」
ギルドマスターが怒鳴るのであった。しかし報告しに来た構成員は暗い顔をして言ったのだった。
「もう残っているのは貴方達だけなのです・・・」
ケンジ達の突入がそれほどまでに迅速で上に報告が上がるまでに殆どの構成員は再起不能に陥り敷地内からも出れず全滅していたのだった。
脱出しようにも出入り口は一つだけでその唯一の出口にはSランクとSSランクの魔物がふさいでいて、それよりも強い人間たちが攻め入って来ているのでしょうがないと言えばしょうがないのである。
その時この部屋のドアがバアァ~~~ンッと大きな音をたてて蹴破られるのだった。
「やぁあああっと見つけたぜ!お前達が最後だ!」
マードックが切り込み隊長のごとく颯爽に部屋の中に飛び込んできたのだった。そのあとマイ、プリム、システィナと続々と流れ込んできたのだった。
「き、貴様らぁ~~~!ここをどこだと思っている!」
「そんなの決まっているだろ!社会のごみ溜めが集まる場所だよ!」
そしてケンジが一番最後に部屋に入ってきた。そしてギルドマスターにバーキンと呼ばれた男を睨みつけるのであった。
「お前だな!俺の家にアサシンを送り込んだ者は!部下が捕らえられお前だけ逃げれると思ったのか?」
「逃げるだと・・・お前は俺達闇ギルドに目をつけられたんだ!これからお前達は俺達闇ギルドから一生つけ狙われることになる!」
「ああ!わかっているよ。だからこうして大元であるお前達を潰しに来たんだ。それに聞きたいことがあるんだがお前達に依頼を出した人間は誰だ?」
「そんなの知らねえな!知ってても言えるわけがないだろ!」
「ああ・・・だよなそういうしかないのはわかっているからお前達を潰す!」
ケンジがそう言った瞬間バーキンが一瞬のうちに踏み込みマードックに斬り込んできたのだった。マードックは余裕でその攻撃を見切り回避するのだった。
バーキンはマードックの回避力に驚愕し信じられないと思った。その瞬間マードックの剣がバーキンの腕を切り落とすのだった。
「ぐわあぁぁぁぁ!」
「な、なんだと・・・」
「「「「バーキン様!」」」」
ギルドマスターと部下たちは青ざめた顔をして大声を出すのだった!バーキンはこの闇ギルド最強のアサシンでありその人物の腕が一瞬にして吹き飛んだのである。
それも見た目は20にも満たないようなダークエルフに余裕で切り落とされ、バーキンは苦悶の表情を浮かべていたのである。
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