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第6章 ケンジの新しい生産力!

24話 新たな仲間③

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 ケンジはツバキにも仲間との連携を教えこれからはみんなで生活していくことを教えることにしたのだった。ギル達はツバキの事を歓迎し晩御飯を食べるとき色々とこれからのルールというものを教えていくのだった。

「人間ってめんどくさい事を考えて生きているのね・・・わたしは今まで気に入らなければ殺しご飯にするだけだった・・・」
「でも、こうしてあなた達人間は初めて見たけどしゃべってみてなんか安心する・・・」

「安心するって・・・今までダンジョンにはツバキの仲間はいなかったのか?」

「ここにいる連中はみんなみたいに話さないしわたしも今まで話す事しなかった。食うか食われるの世界・・・いつも独りぼっちだったもの・・・」

「そっか。だから安心っていう感想だったのか。でもこれからはずっと一緒だからな。」

 ツバキはケンジの言葉にニッコリ笑うのだった。

「家に帰ったらツバキにも仕事はやってもらうけどいいか?」

「仕事って何ですか?」

「仕事とはご飯を食べる為にやらないといけないものなんだが、ツバキは今まで見るものは全てご飯と思い襲っていたが人間社会でそれをやったら犯罪行為となって処分されてしまうんだよ。」

「なっ!そんなめんどくさい事しないといけないのですか?」

「ああ、だけどちゃんと仕事をして他人の嫌がることをしなければ、今食べているご飯が毎日食べられるんだよ。」

「わたし仕事します!」

 今までツバキは狩った魔物を生で食べていただけでケンジ達が料理したご飯を食べた事がなく、こういった美味しいご飯が食べれるならどんなこともしようと張り切るのだった。

「その仕事というのはツバキの糸が欲しいんだよ。無理をしないようにわけてくれないか?」

「え?そんなものでいいのですか?」

「ああ、粘着糸じゃなく足場にするほうの糸がほしいんだ。この服のように気品ある服を作りたいんだよ。」

「この糸で美味しいご飯が食べれるのですか?」

「ああ。この糸で作った服は鉄の鎧より丈夫で耐性もあるから俺達にとってはお宝なんだよ。」

「ご主人様のお願いならこれ位いくらでも出せるからいいですよ。」

「ありがとな。そういってくれると嬉しいよ。」

「あのそれとお願いがあるのですが・・・ご主人様はこうやってこの場所に来るときわたしも一緒にきてもいいですか?」

「ああ、ツバキが来てくれるなら戦力が上がるからこっちも大歓迎だし、テイムモンスターは一人で町の中歩くことできないから俺とずっと一緒に行動することになるよ。」

 それを聞いたツバキはケンジと一緒に入れると思いニコッと静かに笑うのだった。

 その夜はツバキが寝ずの番をしてくれると言ってくれたので甘えることにした。だがツバキ一人では不測の事態になったらいけないのでギル達が交代でツバキとペアとなり見張りをすることになったのである。
 寝るときはケンジの【サンクチュアリ】の魔法を唱えるので滅多な事は起きないがここは超級ダンジョンなので用心はすることが鉄則なんである。

 次の日ケンジはツバキならこのダンジョンの事をよく知っていると思い馬系の魔物がいないか聞いてみたのだった。

「そんな魔物、料理にするのですか?」

「いや・・・ツバキみたいに仲間にしたいんだよ。俺達人間は地上で移動するとき馬に乗り物を引かせて移動するんだよ。」

「へええ。自分の足で歩かないのですか?」

「歩くこともするが長距離だとそっちの方が便利だからな。魔物の馬なら馬力も違うし移動速度が段違いに速いから仲間になってほしいんだよ。」

「あいつ等はしゃべれないし食うものと思っていた・・・人間の考える事楽しいですね。」

「この階層の広原エリアに真っ黒な馬がいたはずですよ。」

「真っ黒な馬?」

「肉食で凶暴な馬です。肉が無ければ雑草も食べるので広原エリアによくいるのですよ。」

 ツバキの言葉にギルが反応を示すのだった。

「主・・・その馬ってもしかしたら・・・」

「ギルは知っているのか?」

「ええ・・・多分ですがバトルウォーホースだと思います。Aランクの魔物で滅多に見かけない馬の魔物ですよ。」

「そうなのか?じゃあぜがひにもテイムしたいな。」

「今日は広原エリアに足を延ばそう。システィナ真っ黒な馬を見かけたら沈静化を頼むな。」

「はい。わかっています。任せておいてください!」

 ケンジ達は鉱山エリアから抜け出しツバキの案内で広原エリアに向かうのだった。




 そしてそこは広い原っぱが広がり草木のにおいがする気持ちの良い場所でここが入り込んだら瞬殺されると言われた恐ろしい超級ダンジョンと忘れそうな場所であった。

「主!超級ダンジョンにこんな気持ちいい場所があるんだな。」

「マードックもそう思ったのか?実は俺もなんだ。」

「ケンちゃんここでお弁当広げたら本当にピクニックに来たみたいだよね。」

「ああ、そうだな。」

 ケンジは周りを見るとそこには貴重な薬草があちらこちらに無造作に生えていたのだった。

「おい!システィナみてみろよ。こんなとこに一杯薬草が!」

「本当ですね。これ全部採取したらいくらになるかわかりませんよ。」

 そこには月光草、陽光草、魔力のキノコ、精霊草、活力の実等普段では絶対に見られないレア草やキノコなどがあちらこちらに生えていたのだった。

「すごい!こんなにいっぱいあるなんて信じられないです。」

「ホントだな!」

 システィナとケンジはこんな機会はそうそうないと思い採取し始めるのだった。その間他の者は周りを警戒してもらうのだった。







「ねえ、ケンちゃん・・・もうそろそろ目的のバトルホースを見つけに行こうよ。」

「あ、ごめんごめん・・・ちょっと夢中になりすぎたな・・・」

 ケンジとシスティナはマイの言葉に謝罪したのだった。そしてケンジはレアスキルの世界地図を開きバトルホースをサーチすると東にすこし行ったところに反応を見つけるのであった。

「あっちにバトルホースの集団がいるみたいだ。」





 ケンジ達はその場所に向かって慎重に歩き出しなるべく足音を立てずに近づくのだった。




 すると、その場所には数頭のバトルホースの群れがいたのだが、1頭だけ仲間外れにされているバトルホースがいたのだった。そのバトルホースは身体に傷があちこちにできていて仲間に入りたいのか集団に近づくとその集団から攻撃を受けていたのだった。



 その傷を見た瞬間仲間たちにやられたものだとケンジ達はすぐに理解したのだった。

 その仲間外れにされていたバトルホースは何回も集団に近づいては攻撃を食らい追い出される感じを繰り返していたのだが、もう仲間に入れないと悟りトボトボと集団から離れていくのだった。

 そしてケンジは一際身体の大きいそのバトルホースをテイムすると決めてシスティナに合図を送るのだった。

「ケンちゃん、あの馬をテイムするつもりなの?怪我してて前足折れてるみたいだよ?それになんか他の馬よりなんか違う感じがするんだけど・・・」

 マイが言った通りそのバトルホースは他のより身体が大きく色も漆黒に近い色をしていたのだった。そのせいで仲間に入れてもらえないとケンジもすぐにわかるのだった。

「ああ、あの馬はバトルウォーホースじゃないよ。」

「そうなの?」

「ああ、鑑定したらあいつはナイトメアホースだ。」

「なにそれ?聞いたことないよ?」

「ああ・・・そうだろうな。たぶん人類はまだ見た事ない魔物だと思うぞ。」

 ケンジの鑑定結果を聞いたギル達も驚き聞いた事がないと言っていた。

「多分、突然変異した上位異種のバトルホースなんだろ・・・魔物ランクはSランクで災害級の魔物だよ。」

 ギル達はその説明を聞きさらに驚くのだった。ケンジはシスティナの沈静化が聞かないかもしれないと思い作戦を立てるのだった。

「まず。ウォールオヴストーンで俺があのナイトメアの逃走経路を遮断するからシスティナは沈静化もし失敗したら挑発し、ナイトメアをシスティナに向かうように仕向けてくれ。」
「そしてみんなはあのナイトメアを逃げないように足にだけに攻撃を繰り返してくれ。攻撃方法は刃のない方でよろしくたのむ。」
「そしてツバキは粘着糸でナイトメアを縛ってくれると助かる。」

「だが最初の段階のシスティナの沈静化が効いたら周りの警戒をみんなでやってくれ。」

「「「「「「「はい!」」」」」」


 そして災害級のバトルホースをテイムする計画が始まったのである。


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