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第6章 ケンジの新しい生産力!
23話 新たな仲間②
しおりを挟むケンジ達は超級ダンジョンにやってくるのだった。するともう恒例行事のようにダンジョンの守衛している団長が自ら出迎えてくれて歓迎してくれるのであった。
「ケンジ殿いつもありがとな!おかげであの時依頼我々でも5階層ぐらいまでは潜れるようになったよ。」
「そうなんですか?でも気をつけてくださいね。」
「ああ、気を抜いたパーティーが一組戻らなくてね・・・実力者ぞろいだったんだが調子に乗ったみたいで奥まで行った者たちが戻らなかった・・・」
「そ、そうなんですか・・・」
「ケンジ殿も本当に気をつけてくれよ。」
「はい、ありがとうございます!」
「で、今日はどのくらいまで潜るつもりなのだ?」
ケンジは今回も10階層まで潜ると伝えるが中ボスは攻略しないと伝えダンジョンへ入ったのだった。順調にケンジ達はダンジョンの奥へと進んでいき5階層に到達したのだった。6階層へと続く階段は森を抜けて行くのだが、いきなり後方からケンジ達は襲われるのだった。
「き、きゃあぁぁぁ~~~~~~~!」
いきなり絹を裂くような叫び声をセイラが出しそのまま上空へとひっぱりあげられてしまったのだ。
「セ、セイラ!」
上空を見ると木と木の間に大きな蜘蛛の魔物がセイラを粘着糸で、グルグル巻きにして引っ張り上げていたのだった。その姿は上半身は見た事もないような美女で下半身は蜘蛛の魔物であった。そうなのだケンジがテイムしたかった蜘蛛系の魔物である。
システィナにはもし蜘蛛系やワーム系の魔物が現れたなら沈静化を掛けてくれと事前に打ち合わせをしていた為、システィナもその姿を確認したと同時にこの蜘蛛の魔物に沈静化を掛けるのだった。
森の中に響くハープの音色が妙に心地よく魔物はすぐに鎮静化するのだった。木の上に巣を作り巣の真ん中で沈静化してしまった魔物をテイムするには近くまで行かなければテイム出来ないのでケンジは自分自身に【レビテート】を掛け上空に浮き上がるのだった。
ケンジは浮き上がりこの魔物の腕に触りテイムを実行するのだった。さすがに魔物でも超級ダンジョンに生息する魔物の為テイムがなかなか成功しないのである。
そしてその間ずっとシスティナはハープを奏で沈静化をずっと使っていたのだ。そしてテイムが失敗しまた魔物に話しかけの繰り返しをして10回目のテイムでやっと魔物はテイムできたのだった。
テイムが成功したらすぐにセイラを粘着糸から解放してくれとケンジは命令するとなんとこの蜘蛛の魔物は人の言葉を理解ししゃべるのだった。
「ご・・・主人・・・様・・・これ・・・からヨロシ・・・ク・・・」
この蜘蛛の魔物は有名なアラクネだった。Sランクとも言われる魔物で森の暗殺者と異名をとるような魔物であるのだ。アラクネはセイラにごめんと謝罪し丁重に地面に置き粘着糸を綺麗にはがしてくれたのだった。
「け、けんちゃん!これってアラクネだよ!こんな魔物テイムできるなんて凄い事だよ!」
「ああ・・・・そ、それはいいんだが・・・・オリヴィア服を持っていないか?アラクネの上半身に着せてやってくれ!目のやり場に困る!」
オリヴィアは自分の替えの服をアラクネに着せようとしたのだった。
「ご主人様・・・これってなんでしょうか?」
「服だよ。頼むからそれを着てくれ。」
オリヴィアはアラクネに服の着かたを教えてあげるのだった。
「胸がくるしい・・・こんなの着なくても大丈夫・・・着たくない・・・」
オリヴィアの服でさえバストのサイズが小さくてアラクネは着るのを嫌がるのだった。
「アラクネいいから着るんだ。もし着れないと言うならここでお別れだがいいか?」
「なぜ?!ご主人様はわたしの事が嫌いになったのか?」
「お前をいきなりテイムしたのは謝るがこれから一緒に来るんだろ?」
「一緒についていきたい!」
「だったら人間界では服を着ないと外を歩けないんだ。だからそれを着てくれたのむよ。」
「でもこれを着ると胸が苦しい・・・」
横を見るとオリヴィアは自分のバストのサイズに自信があったのにアラクネが苦しい苦しいと言うので落ち込んで膝からガクッとしていたのだった。それを見たシスティナは自分の胸にコンプレックスを持っていた為オリヴィアがバストの事で落ち込んでいたのでなぜかスッとした気持ちになりオリヴィアの背中をさすりながらニヤニヤしていたのだった。
「ご主人様はわたしの胸が隠れればついて行ってもいいと言っているのか?」
「ああ、そうだ!」
するとアラクネはオリヴィアの服を見て自分のお尻の部分から糸を自分に捲きつけていきオリヴィアと同じデザインの服を難なく自分で作ってしまったのだ。
「ご主人様。これなら大丈夫か?」
アラクネの服は自分のサイズにピッタリで気品あふれる服を物の数分で作ってしまったのだった。
「アラクネ!お前凄いな!」
マードックがアラクネの肩を叩き褒め称えるのだった。
「ああ、それなら大丈夫だよ。ほらオリヴィアもいつまでも落ち込んでないでいくぞ。」
この後の進行は本当に楽になったのだった。アラクネが自分が先頭に立つと言いだしたのだった。それによってSランクの魔物であるアラクネに敵はいないようで魔物が現れると同時に粘着糸でぐるぐる巻きにされ猛毒をぶすりと刺され絶命されるのだった。
「ケンちゃん・・・あれってどうなの?」
「ああ・・・・すごいよな・・・・」
「あたし達何もしなくてもどんどん進んでいくよ。」
「主・・・これって俺達いらなくねえか?」
「まあ、いまのところはいらないなあ・・・」
アラクネのおかげで何の苦労もせず10階層まで着いてしまうのだった。
「ご主人様・・・ここまできてどうするんだ?」
「ああ、ここで3週間ほど滞在して鉱石を掘るんだよ。」
「そんな石掘って何にするんだ?えさか?その石はまずくて私は食わないぞ。」
「なんで、鉱石を食べなきゃならんのだ!」
アラクネはケンジには想像できないようなことを言いみんなに笑われていたのだった。
「ご飯ならちゃんとした肉を用意してやるから安心しろ。それより俺が採掘している間は無防備になるから周りを警戒してくれよ。」
「わかった・・・」
「じゃあ、アラクネ周りを頼んだぞ。」
「ご主人様お願いがある。アラクネと呼ばず名前を付けてくれ!」
「え?アラクネじゃないのか?」
「ご主人様・・・貴方は知り合いを呼ぶとき『人間。』とはよばない・・・違うか?」
「あ・・・たしかに・・・アラクネって種族名だもんね。ケンちゃん良い名前をつけてあげてよ。」
「じゃあ白椿と書いて(つばき)ってどうだ?」
「ツバキってなんだ?」
「花の名前だよ。白色の椿の花言葉というのがあってな(完璧な美しさ)(申し分のない魅力)(至上の愛らしさ)という意味がある。ツバキは見た目が綺麗だからどうだ?」
「ツバキ・・・ツバキ!うん気に入った!ありがとうご主人様。」
その瞬間ツバキがパアアアと光り輝くのだった。光が治まると3m以上あったツバキが半分くらいの大きさになってしまったのだった。上半身の人間の部分は変わっていないが下半身の蜘蛛の部分がコンパクトになったのだ。
「ご主人様ありがとうございます!私はネームドモンスターとなりアラクネの異種となったみたいです。」
アラクネはダークアラクネという見た事も聞いたこともない上位異種となり言葉使いもより丁寧に流暢にしゃべりだしたのだった。
「なあ、ツバキ少しステータスをみてもいいか?」
「ステータスとは何でしょうか?」
「まあ、言ってみればお前の強さを確認してみたいんだが。」
「ご主人様なら何をやってもいいです。信用していますから。」
「そっかあ!ありがとな。」
名前 ツバキ(3歳)
種族 ダークアラクネ族 レベル114
ケンジの従属
ステータス
HP 4560
MP 4560
STR 1140
VIT 1140
INT 1140
MID 1140
DEX 1140
AGI 1140
LUK 85
パッシブスキル
魔法 闇邪 100.00
知識 100.00
格闘術 100.00
戦術 100.00
解剖学 100.00
野営 100.00
毒 100.00
耐性 100.00
アクティブスキル
猛毒攻撃
粘着糸
人化
キャンセル かけた相手のバフを消滅
ブレイク かけた相手のステータス値を20分間30%減少
ドレイン かけた相手のHPの20%を吸収そして自分を回復
デビルズハンド 魔法の手が相手に襲い掛かり引きちぎる
デビルフィア 自分のまわり半径2mの敵対対象に恐怖を植えつけ退散させる。
術者の半分のレベルの者はショック死。
デビルズムーブメント かけた相手の移動速度を25%にする。
ケンジはツバキのステータスを見て驚くのだった。まだ生まれて3年しかたっていなくてレベルが100を超えていてスキルは全てグランドマスターであるのだ。それと魔物はレベルが上がると必ずMAX値でステータスが上がるらしく、その値は人類の倍の値であがり、レベルに対してステータス値は最大量まで上がっていたのだった。
そのうえ魔法はスキルで使うらしくスペルブックも秘薬も必要ないらしい。ゆえに詠唱時間が無いのである。
ケンジは魔物が人類より強い理由がわかるのだった。生まれてすぐあんなにレベルがありステータスの上がり方が段違いなのである。
ケンジはそのように理解しツバキを褒めるのだった。ツバキはケンジに褒められたことが嬉しかったのかこの後も率先して魔物が近づいて来たら無双していたのだった。
「ケンちゃん・・・あたし達むっちゃ暇なんだけど・・・」
ツバキがあまりに優秀で野営もお手の物で寝だめが出来るようで後1か月ぐらい眠らなくてもいいそうだ。ケンジにテイムされるまでは食事と睡眠時間が一番危険な時間だったので、睡眠は1か月に一回1時間で十分らしいのである。そのあとの時間は魔物を狩り食事の時間にあてていたらしく上空に糸を張りその下を通る魔物をエサにしていたそうだ。
そうゆうこともありマイたちは野営もしなくても心配はいらなくなりご飯の準備だけをしたらよくなって超級ダンジョンにハイキングしに来た状態になっていたのだった。
「ツバキ!そんなに張り切らなくていいぞ。マイたちにも仕事を与えてやってくれ。」
そのセリフを聞きツバキは自分の主の為と思っていたのに暗く沈んでしまうのである。
「素敵な名前をくれたご主人様の役に立ちたい・・・」
「ああ!ツバキの想いはありがたいがこれからはみんなで楽しく生活していくんだぞ。今までは一人だったかもしれんがマイたちもみんなお前が好きで協力したいって言っているんだ。」
「マイもオリヴィアもみんな私の事が好き?一緒にいたいと思っているの?」
「当たり前でしょ!これからずっと一緒よ。」
「オリヴィア本当ですか?」
「当たり前でしょ!」
オリヴィアがそういった瞬間ツバキは電光石火のごとくオリヴィアに抱きつき口にキスをしたのだった。オリヴィアは一瞬何が起きたのかわからないでいてそのままの状態で固まっていたのだった。
「ちょっと!いきなり何をするのよ!」
オリヴィアはツバキから離れて口を拭ったのだった。
「え?なにって・・・好きと言ったら口にキスをする。違うのですか?」
「わたしにそんな趣味はない!私の身体はご主人様だけのものなの!」
「んん・・・・人間はよくわからないですね・・・」
「ツバキ・・・少しづつ人間社会の事覚えて行こうな・・・」
ケンジは大変な事になったと少し頭を抱えながら採掘を開始したのだった。
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