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第6章 ケンジの新しい生産力!
20話 話し合い
しおりを挟むケンジは大広間に戻るとそこには暗く沈み切ってテーブルに着席したまま動こうとしないセバスたちがいた。
「お前達いつまでそうしているつもりだ。まあいい・・・俺の言ったことを深く考えることもいいことだ。今日はお店を開けなくてもいい。」
「「ご、ご主人様!」」
「ユエティー、ウランこのままお店を開けたらお客様に迷惑がかかる。いいな!今日から3日休業だ!」
「少ししたらでいいからシスティナとティアナは俺の部屋に来てくれ!後の者は何もしなくてもいい!」
「あの・・・ご主人様・・・」
「ああ!お前達男性たちもだよ。」
「ご主人様!私達男は何もしていなかったじゃありませんか!なんで?」
「ああ、なにもしてなかったな。で、お前達はあのティアナが責められている光景を見て何も感じなかったのか?」
「それは・・・」
「何もしてない事で自分達に責任が無いというのは俺は違うと思うぞ。」
ケンジはそれだけ言って大広間から出て行き店舗の出入り口に【本日休業!皆様にはご迷惑をおかけしますが今日から3日休ませていただきます。申し訳ありません。】とケンジは張り紙をしたのだった。
そして、ケンジは部屋に戻るとそこにはシスティナとティアナが部屋の前でケンジの帰りを待っていたのだった。
「待たせてすまんな。まあ、入ってくれ。」
ケンジは二人を部屋の中に招きソファーへと座らせるのだった。ケンジは二人の顔をじっと見ていただけで何もしゃべろうとしなかった。その雰囲気に耐えられなくなったシスティナは突然涙を流してしまうのだった。
「おい・・・ちょっと待て・・・なぜ、いきなり泣くんだ?」
それを見たティアナもつられて泣き出すのだった。
「「ご主人様・・・・ごめんなさい・・・あたし達が悪かったんです・・・」」
「何を言っているんだ?お前達が悪いわけないだろ・・・言ってみればお前達は被害者の立場だぞ。」
「それともシスティナ今回ティアナをみんなと一緒に責めた立場なのか?」
「うらやましいと思いましたが、前にあたしも同じように責められたことを思い出しあんな思いをさせちゃダメだって思いました。」
「あたしは、システィナの時羨ましいと思い責めちゃったんですがいざ自分がその立場に立ってみて、あたしはなんて事しちゃったんだろうって・・・」
「そっか、それがわかってくれたなら十分だよ。次、誰かが特別な事があってもお前達は責めたてることはしないだろ?」
「「はい!」」
ケンジはその言葉を二人から聞いてニコッと優しい目で見て笑うのだった。それを見た二人はいつもと同じケンジの笑顔に安心し大声で泣き出してしまったのだった。
「おい・・・泣くなって・・・なんで泣くんだよ・・・」
「だって・・・・ご主人様ってば・・・部屋に入ったら怖い目で・・・何も言わな・・・くて・・・やっといつもの・・・顔に戻って・・・ぐす・・・わああ~~~~ん!」
「おい!ティアナ・・・泣くなってば。」
「そうですよ・・・あんな怖い・・・ご主人様初めてです・・・」
システィナもまた瞳に涙をいっぱい貯めてシクシク泣き出すのだった。
「お前達をじっと見ていたのは体調を確認していただけで怒っていたわけじゃないんだ。」
「「でもあんな怖いご主人様はじめてで・・・」」
「いや、何を言っているんだ?俺はいつもと一緒だよ。」
「さっき、食堂でのご主人様は違いました!あの目は悲しくてあたし達は見捨てられるんじゃないかと思ったぐらいでしたよ!」
「さっきの食堂ではちょっとあいつ等を懲らしめようと演技しただけだよ。」
「「えええ~~~!」」
「なんでですか?」
「お前達は何でアイツらの責め立てに何も言わなかったんだ?」
「だって、みんなの羨ましいって気持ちはわかるしあたし達からなにか言えないですよ。」
「じゃあ、お前達は他の者に自慢をしたのか?」
「「え?」」
「ティアナなら散歩に連れてってもらって髪飾り買って貰っちゃったって他の者に自慢をしたのか?」
「そんなことしません!」
「システィナは?」
「あたしもそんな事しませんよ!」
「だったら、あいつ等が勝手に嫉妬して二人を囲んで責め立てただけなんだろ?その行為はお前達は好感を持てたのか?」
「そんなことは無いですが・・・あたし達から何か言っても収まらないからじっと耐えるしかないと・・・」
「それはなはたから見て言えるのは虐めなんだよ。」
「もしお前達がそれをやられて気持ちよくなり自慢しだせば今度はお前達がみんなのマウントを取り出し自滅の道を歩む可能性があるが、あのままずっと責められ続けたら精神に異常をきたすようになるぞ。」
「そんなことは・・・」
「システィナの時は俺が皆とお出かけをすると言ったから収まったからよかったが、何もしなかったらティアナお前はすっきりしたか?」
「あ・・・・」
「多分収まらず今でもシスティナに文句とは言わないが羨ましいと言い続けていたはずだ。こういう事が続いたらいずれどうなるかわかるか?」
「どうなるのですか?」
「俺からのこういった何気ない交流はなくなりお前達は他の仲間からの目が気になり業務的な話しか出来なくなるような生活になるぞ。」
「「なっ・・・」」「そんな事には・・・」
ケンジはじっと二人の目を見つめる。
「本当にそうか?あのまま責められたとして今度また俺は散歩に誘ったらどうだ?」
「そ、それは・・・帰って来た時の事を考えてちょっと怖い感じがします・・・」
「そんな生活は俺の望んでいる楽しくて自由な生活とは言えなくて俺の理想からかけ離れているんだよ。もしそんな事が続くようなら多分・・・・おれは・・・」
「そ、それは!」
「そんな事嫌です!」
「だろ?俺もそんなことにしたくはないから今のうちにみんなの気持ちを考え直さないといけないと思いあんな芝居をしたんだよ。」
「ひょっとしてマイさんもわかってたんですか?」
「ああ、すぐにわかったって言ってたよ。」
「それにしてもわからないのですが何で男性たちの方も同じようにご主人様は注意したのですか?男性たちはあたし達に文句も何もしてなかったじゃ・・・」
「それは違うよ。もし反対の立場で男性陣が一人を責め立てていた場合、女性たちが見てみない振りをしていたらそれは同罪なんだよ。」
「何もしてないのにですか?」
「何もしてないのが問題なんだよ。同じ仲間だろ?だったらそんな醜い言い争いで自分には関係ないとか火の粉が降りかからないようにするのは違うと思うぞ。」
「でも、何もしてなかったですよね?」
「じゃあわかりやすく言ってやろうか。もしギルドでお前達が冒険者達に絡まれた時俺が関係ないとばかりに見てみない振りをしたらどうだ?」
「お前達は何で助けてくれないのと疑問に思うだろ?仲間は助け合うものだと日頃から俺は言ってたのにこうゆうときは助けず見て見ぬふりをしたらどうだ?」
「それは・・・」
「まあ、そんなとき君らはこういうのはわかっているけど私達は奴隷だからしょうがないと・・・だけど俺はそんな付き合いはしていないしやった事ないからな。」
「だからな、仲間が困っているのを見てわかっているのに動かないのは同じように虐めているのと一緒なんだよ。だから男性陣もこの機会に考えてほしくて同じように注意したんだ。」
「この3日であいつ等がどんな考えを出し俺にどのように反省するのか楽しみだな。」
「「ご主人様・・・」」
「お前ら二人は今回被害者の立場だからこうして俺から答えが直接きけただけだが間違ったことをしたらいつでもあちら側になるのを肝に銘じておけよ。」
「「は、はい!」」
「まあ、そんなことにならない事を俺は願っているけどな。」
「「わかってます・・・」」
「まあ、サービスで言っておくが自分がやられて嫌な事はせず普通に生活してればそんなことにはならんから大丈夫だ!」
ケンジの説明にシスティナとティアナは顔を引きつらせながら返事をするのだった。
セバスたちはケンジから仕事を一切させてもらえないでいていたのだったミナレス達も厨房に入ろうとして食事の準備をしようとしたらケンジがマイと一緒に厨房にいて料理を作っていたり、風呂の準備をしようとしてもクリーンで綺麗にしてもう水が張っていたりしていたのだった。
個人的に何かやろうとしても工房には鍵がかかっていて使用不可になっていたのだった。これにより今回の事をみんなで考える事しかできないことになっていたのだった。
セバスたちは自分達の部屋で今回の事を話し合っていたのだった。
「なあ、姉ちゃん。姉ちゃんたちがあんな事したから主は怒ったんだろ?早くみんなであやまってきなよ。」
「マードック!なによその言い方は。」
「だって、主が言ってたじゃないか。そのせいで俺達までとばっちりをうけているんだぞ。」
「マードック少し黙るんだ。」
「ギル・・・なんでだよ!このままじゃ俺達主に見捨てられるぞ・・・それでいいのかよ。」
「マードックよく考えるんだよ。主がただ女性たちが謝ったとして許してくれると本当に思っているのか?」
「俺達も一緒に主から注意を受けたんだ。やっぱり何か主には思うところがあって俺達にも不満があり考えろと言ったんだよ。」
「だけど、俺達は女性奴隷の関係性には触れてはいけないって暗黙の了解みたいなものがあるじゃん!」
女性たちはうんうんと頷きここはマードックの意見に賛同している様子だった。
「それに関してはその通りだな。だがそれを主殿は望んでおるのか?」
「ダンギ!何言っているのよ!女奴隷と主の関係性に男奴隷が口を挟まないのはわかっているでしょ?」
「ウラン。それは儂等もわかっていたからこそ何も言わなかったんじゃよ。」
「それは・・・だけど今ダンギが言ったことは・・・」
「わし達はやっぱり奴隷だからそんな考え方になるのはしょうがないがよく考えてみてくれ主は儂たちの事を奴隷として扱っていたか?」
「それは・・・」
「いつも主はお前達は奴隷という立場だけど俺は仲間だと思っていると言ってくれてたじゃないか。」
シェムの言葉にみんな下を向きうなずくのだった。
「って事は儂らは根本的に主の考えと違うんじゃないのか?」
「シェムどういうことよ?」
「オリヴィア言いにくいんじゃが男奴隷でも遠慮なく口を出したらいいと主は言いたいんじゃないかのう・・・」
「そんな事普通にあり得る事なの?」
「もちろんその口出しは同じように責め立てるんじゃなく間違った行動したら止めると言う意味じゃがのう。」
「だから主は俺達にも同じように考えろって言ったのか?」
「私達はご主人様に又甘えてしまったのでしょうか?」
「ああ、リンダ・・・そうかもしれんなあ。」
「でも私達はそんな甘えている自覚は!」
「リンダ、本当にそうか?ティアナにみんなで責めるしぐさを見せることで主様が自分達にも同じようにしてくれると思ってただろ?」
「トニー・・・そんなことはっきり言わないでよ・・・」
「みんなもそう思っていただろ?俺も主に甘えて自分の言う事を聞いてくれると甘えてた時期があるからよくわかるんだよ。だけどそんな間違った考え方はみんなにはしてもらいたくないよ。」
トニーは自分の間違ってた時のことを例に出してみんなに頭を下げるのだった。
「じゃあ、その考えは女性陣が考えたらいいわけだが何で主は俺達まで注意したんだ?」
セバスはみんなに疑問をぶつけるのだった。
確かに自分達はなにも主に要求をしていない。ティアナやシスティナの事は羨ましくは思うがそういったパフォーマンス的な事は一切していなかったのである。
男性たちは何が悪かったのか頭を捻るしかなかったのである。
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