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第5章 遂に始動!

41話 流星の末路①

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 ケンジは落ち込み沈んだアーチェとモーリスに帰り際、次の仕事を見つけるまで大変かもしれないが頑張ってくれと言って見送りその姿を見たケンジはもうここには来ないと思い安心するのだった。

 そして二人が帰った時にはすっかり日が暮れて、ミナレス達が夕飯の支度が終わる感じであった。

「あの、ご主人様?あの新しく連れてきた6人の夕飯は奴隷食でよろしいんですよね?」

「あ、忘れてた。あいつ等はどうしてるんだ?」

「ギルが教育すると息巻いてましたが多分倉庫の方にいるとおもいますよ。さっきミイナが奴隷食を持っていきましたので。」

「そっか・・・じゃあ、今日はそのままでいいか。」

「セバス。ちょっといいか?」

「ハイなんでございましょうか?」

「夕飯が終わったら俺の部屋に新しく連れてきた奴らで無傷の女性で錬金術士の人がいるんだが後で呼んできてくれないか?」

「はい!承知しました。」



 そして夕飯が終わりケンジは風呂に入リ終わりゆっくり部屋でくつろいでいた所にセバスが錬金術師の女性を部屋に連れてきたのであった。

「ご主人様よろしいですか?」

 セバスは部屋をノックし女性を案内し部屋に連れてくるのだった。その女性はその日の晩のうちに部屋に呼び出され奉仕をさせられると勘違いし部屋に入るや否や服を脱ぎだしたのだった。

「ちょっと待て!何で服をぬぐ。」

「ですが服を着たままじゃ・・・ケンジ様は服を着たままするほうがお好みですか?」

「何でいきなり奉仕の話になっているんだ。俺は何も言ってないだろ!いいから服を着ろ。」

 その女性はケンジの言われるがまま服を着だしてその場に正座するのだった。

「そこに座らずソファーに座ったらいいよ。」

「ですが・・・」

「俺がいいと言っているから座れって!」

「はい・・・」

「まず君の名前を知りたいのだけど教えてくれるか?」

 女性は聞かれる事には素直に全部答えてくれるのだった。名前はダリアというらしい。

「ダリアに聞きたいんだが君は流星のメンバーと一緒にいたいか?」

「一緒にいたいとはどういうことですか?」

「俺としては君だけこの家にとどまってほしくてな。他のメンバーは必要ないし奴隷商店に売ってしまおうと思っているんだ。もし君が他のメンバーと一緒にいたいと言うならあいつ等は売らずにこの家で飼い殺しになるが置いておこうと思ってな。」

 ダリアは今までの事をケンジに包み隠さず自分の状況がどうであったか説明したのだった。ダリアは同じ故郷の
5人と一緒に村を出て王国の他の町で一旗揚げようと流星というパーティーを立ち上げ頑張ってきたのだが、ダリア自身戦闘はできなくてポーションやパーティーの雑用を頑張ってきたのだが次第にパーティー内でズレが生じてきたのだと説明したのだった。

 はじめはみんなレベルが低くて自分のポーションも役に立っていたのだがみんなのレベルが上がるにつれ回復量がおいつかなくなりパーティー内で役立たずのレッテルを張られるようになってきたのだった。

 だが、ダリアはパーティーの役に立とうと思い料理や買い出し、雑用を頑張ってきたのだが5人は戦闘で役に立たないのだからそういったことはダリアに全部任せて何もしなくなってしまったのだった。
 そればかりか、戦闘で役に立たないからといって荷物持ちをさせ野営もダリアが一番長い時間をやらせたにもかかわらす、報酬も6頭分ではなくて全体の1割だけ渡され残りを5頭分されていたのだった。

「わたしはケンジ様がどのようにしても不満はありませんしどのようにしても不満は言いませんが、わたしの意見を言ってもいいのでしたらわたしはどちらかといえば流星のメンバーと一緒にいたくはありません。」
「だけど、元メンバーの人たちは奴隷商店に売ったとしても欠損奴隷は安くしか買い取って貰えませんよ。」

「やっぱりダリアはあいつ等の事なんてどうでもいいのか?」

「はい・・・ケンジ様には申し訳ないですがわたしはあいつ等と一緒のパーティーでは散々な目にあわされて結果奴隷になってしまいました・・・できたら奴隷になってまで一緒に行動したいとは思いません。」

「もうひとついいか?」

「ハイなんでも聞いて下さい・・・」

「仮にダリアだけこの家に残ったとして君の錬金術師の腕を買いたいんだがお店で売れるようなポーションでヒールやキュア、クリアランスとかは作れるか?」

「ポーションは作れますがわたしの作ったポーションはヒールだけで効果が低いので売れたとしても冒険者でも初心者用でしか売れないかと思います。」

「それっノーマル品しか作れないってこと?」

「いえ・・・なぜか低級品しか作れなくて調子がいい時しかノーマルが作れないのです。」

「ちょっとダリアのステータスを見てもいいか?」

「え?どうやってですか?」

「ああ、俺には特別なスキルがあるから大丈夫だ。」

名前 ダリア
種族 ヒューマン族    レベル32
職業 錬金術師      レベル32
   (ケンジの隷属)

ステータス
HP   520
MP   600
STR   80
VIT   55
INT  125
MID  112
DEX   85
AGI   54
LUK    5

パッシブスキル
練金術      65.27
魔法(光聖属性) 32.00
治療       55.02
キャンプ     67.02
料理       40.00
裁縫       65.47

アクティブスキル
なし

 ケンジはダリアのステータスを見せてもらうと驚きの結果だった。なんとLUK値(幸運)が5しかなかったのである。

「ああ・・・なるほどな・・・ダリア、君は幸運値が5しかないのか・・・」

「なっ!」

「驚かなくてもいいよ。俺は鑑定したらすべてがわかるから大丈夫だ。」

「そんな鑑定スキル聞いたことありませんよ!」

「まあ、俺のは特別だと思ってくれたらいいよ。」

「ってことはその幸運値さえ上げれば普通のポーションが作れるって事だな。」

「幸運値さえ上げれればってそんな簡単に言いますがどうやって上げるんですか?」

「少し時間がかかるかもしれないが方法はいくつかあるよ。」

「そんな方法聞いたことないですよ。レベルを上げても幸運値だけは固定なんですし・・・」

 ケンジは自分の指覇を取り外しダリアに装備する様にいうのだった。だがダリアは主人のアイテムを装備することに躊躇するのだった。

「いいから装備して見てよ。あげるわけじゃないし装備したら自分のステータスを見てくれ。」

 ダリアはケンジの言った通り指輪を装備して自分のステータスをみるとありえないことになっていたのだった。

「ケンジ様!これっていったい・・・」

「その指輪は幸運の指輪って言ってな装備したものの幸運値を+35にするんだよ。」

「こんなアイテムわたし今まで見たことはおろか聞いたこともないですよ!」

「まあ、君達はまだAランクで上級ダンジョンも攻略した事ない冒険者だ。世の中にはまだまだ色んなことがあるんだよ。」

「上級を攻略したことないって・・・・そんな人まだ誰もいませんよ!わたし達が最高の50階層に到達したパーティーなんですから。」

「俺達は上級を攻略し今は超級を拠点にして活動しているんだよ。」

「えええ~~~!そんな人がいるなんてギルドで聞いたことないですよ!」

「ああ、俺達はそのことを正式に報告してないからな。ギルドも表立って国に申請出来ないでいるんだよ。」

「まあ、話は戻るがこういったアイテムは存在するんだ。こういったアイテムが見つかればダリアもポーションが作れるようになるだろ?」

「ですがそんなアイテムわたしが装備するわけにはまいりません・・・」

「いや、いいんだよ。ダリアはこの家で暮らしポーションを作り俺達の役に立ってくれるんならそんなアイテムは安いもんだよ。」

「ですが・・・」

「本当にそんな高価なアイテムを貸していただけるのですか?」

「まあ、手に入るまで時間がかかるかもしれないけどね。手に入ればダリアにわたすよ。」

「はい・・・ありがとうございます。それでわたしはそれまで何をしたらいいのですか?」

「うん、秘薬も薬草も使っていいからポーションを作り続け錬金術のスキルを伸ばしてくれたらいいよ。ただしその自分のスキルを伸ばすのは土の日で後の平日はお店の売り子として働いてくれるか?」

「はい。わかりました。でしたらわたしはもう冒険に出なくてもよろしいのですか?」

「ん?ダリアは冒険者として俺の護衛をしたいのか?だが俺の行く場所は超級ダンジョンだからダリア死んじゃうからやめておいた方が・・・」

「あっ!いえ、そうじゃなくてですね・・・・今まで冒険に出ていたのでよかったらわたしは町で活動していたいです。」

「うん。俺もそのほうが良いと思うぞ。それじゃ明日からお店の方を頼むな!」

「はいわかりました。」

「セバスすまないがダリアにいつものように着替えとか用意してくれるか?」

「あの・・・ケンジ様着替えってなんですか?」

 この後、ダリアはセバスに大部屋に連れていかれシスティナとオリヴィアに説明を受け目を見開き驚いていたのだった。ダリアは今までAランクパーティーの中で肩身の狭い思いをしてきたのでAランク冒険者の時より豪華な暮らしで驚いた。そして涙まで流し幸せを噛みしめるのだった。


 そして、次はダリアに見放された流星のメンバーの番だった。今までダリアをいいように扱ってきた人間の末路が待っていたのだった。

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