異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第5章 遂に始動!

33話 肥料③

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 ケンジはティアナにギルを呼んできてほしいと頼むのである。

「あの・・・わたし達はホントに行かなくてもよろしいのですか?」

「フィアナそんなに気を使うな。お前たちは畑仕事で十分に役に立ってくれているよ。」

 するとそこに二つの影が姿を現すのだった。ケンジはその二つの影の方に目線を移すのだった。

「あの・・・主様・・・その役目俺達にやらせてもらえないですか?」

「なんだ、お前達?やぶからぼうに!」

「俺達この数週間ずっと腐ってました・・・だけど、この間からの主様とティアナたちの会話で目を覚ますことが出来たんです。」
「だからどうかその役目を俺達にやらせてもらえないですか?」

「お前達・・・」

「「主様すいませんでした!俺達主様に甘えていました。だからお願いします。」」

 リンダとマーサの元旦那の奴隷たちはケンジ土下座をして謝罪するのだった。

「お前たちはまだ勘違いしているようだな・・・」

「「えっ?」」

「お前たちはいつまで俺に甘えるつもりだ?もし本当に反省するつもりならお前達も初心に戻り何をすべきかもっとよく考えろ!」

 二人はケンジの言っていることがわからなかったのである。二人はケンジの役立てる事まずは便所の処理場に行き汚れ仕事をやりたいと思い申し出たのだがケンジに断られてしまうのだった。

「「な、なんで・・・・」」

「俺からはお前たちに何か仕事を与えるつもりはないと言ったはずだろ!もし仕事をやりたいなら勝手にやったらいいよ。俺から言えるのはそれだけだ。」

 ケンジは二人にそういってその場を去っていくのだった。その場に残された二人とフィアナはケンジの冷酷なまなざしを見て固まってしまっていたのだった。

 男たち二人は勇気を出して主人に話しかけたのだが、優しかった主があそこまで素っ気ない態度をとるとは思いもしなくてその場に泣き崩れてしまったのだった。

「あ、あの・・・」

 フィアナはあまりにご主人様の態度が自分とは違いすぎたため二人が物凄く不憫におもえてしまったのである。

「「・・・・・・」」

「二人とも元気出してください・・・ご主人様は・・・」

「「う!うるさい!」」

 フィアナは男の大きな声にビクッと体を硬直させてしまうのだった。その姿を見て男達はすぐに謝罪するのだった。

「あ・・・すまん・・・」
「もうしわけない・・・」

「あのご主人様は理由もなくあんな態度を取るとは思いません・・・だから・・・」

「もういいよ・・・フィアナ・・・」
「ああ・・・俺達は主様を怒らせてしまったから理由もなくと言ったが十分見限られる理由があるから・・・」

「そ、そんな・・・」

「やっぱり俺達は死ぬまで反省しこのままなんだよ。」
「ああ・・・そうだな・・・」

 男たち二人は肩を落とし倉庫の中に引き篭もってしまうのだった。フィアナは心配になり倉庫の中に様子を見に行くのだが男たちにもう放って置いてくれと言われてしまうのだった。




 フィアナはケンジになぜあんなことを言い放てるのか聞きに行くのであった。

「ご主人様!ちょっといいですか?」

「ん?なんだと言うよりあの二人の事だな?」

「そうですよ・・・なぜあんな態度を取ったのですか?ご主人様らしくないですよ。」

「フィアナは優しいな。そう思うならお前がアドバイスしてやったらいいよ。俺はアイツらが自発的に動こうとするまで関与するつもりないからな。」

「やっぱりご主人様はあの人たちを見捨ててないのですね?だったらなぜもっと今まで通り接してあげないのですか?」

「それをやったらあいつらはやっぱり俺を優しいと思い甘えるだろ?また繰り返しになるだけだからな。」

「でも、あんなふうに勇気出してきたのに突っぱねたらまた引き篭もっちゃいますよ。」

「それがあいつ等の選択した事だからしょうがないよ。それに勇気出すなら俺じゃなく違うところに出さなきゃ意味がないからな。」

「勇気の出す所が違うのですか?」

「ああ、フィアナにもこの間教えただろ?行き詰まったなら初心に帰れと!」

「ではあの二人も初心に帰れというのですか?」

「まあ、その辺は想像に任せるよ。フィアナはあいつ等に構ってないで自分のやれることを頑張ればいいよ。」
「ギル、マードック用意できたか?」

 ケンジはそれだけ言って公衆便所の処理場に出て行ってしまったのだった。




 フィアナはケンジの言ったことを男たちに伝えようと倉庫に入っていったのだった。男たちはフィアナが倉庫に入って来てもシーツを被りうずくまったままである。

「もう・・・俺達に構わないほうがいいよ・・・」
「もう放って置いてくれ!」

「あの・・・ご主人様に先ほどの事を聞きに行ってきました。」

 男たち二人はピクッと反応を示したがフィアナの方を向くことはなかったのだった。

「やっぱり主様はこんな俺達のことをどうでもいいと言っていたのか?」

「いえ・・・あなた達がご主人様に対して勇気を出すのは違うと言ってました。勇気を出す所が違うと・・・」

 男たち二人はフィアナの言葉にガバっと起き上がるのである。

「「それってどうゆうことなんだ?」」

「わかりません・・・それしか言われなかったです・・・そしてこのままあなた達が引き篭もって何もしなかったとしてもそれはあいつ等の選択だからそれはそれでしょうがないとも言われておられましたよ。」

「だが・・・主様に謝らないとどうしようもないだろ?」
「だから俺達は汚れ仕事でも主様の役に立とうと思って勇気出して声をかけたんだ・・・」
「それなのに・・・やっぱり俺達の事を許せないみたいだからあんな目で俺達をみたんだよ・・・」

「この間ご主人様はわたしとティアナにこんな事言ってましたよ。行き詰ったら初心に帰れって!あなた達も初心を思い出して冷静に考えたらいいのでは?」



 そういってフィアナは倉庫から出ていくのだった。フィアナは男たちの意見を聞いてて、なぜかイライラしてしまっていたのだった。
 ご主人様は何を言いたいのかフィアナにはよくわからないし、大の男二人はご主人様の事を理解しようとせず、愚痴ばかり言っていたのだった。フィアナはここにはもういたくない気持ちが大きくなりそれだけ言って自分の仕事をしようと思い倉庫から出ていくのだった。




 男たち二人はフィアナに初心に帰れと言われ何が何だかよくわからずシーツを被りふて寝していたのだった。

 男たちが幸運だったのは同じ境遇なのが一人じゃなかったからである。もしこの境遇が一人ならいつまでたってもこの状況から動くことはなかっただろう。そのことを考える事が二人だからこそ夜中に男たちはケンジの言った初心に帰れと言う言葉について話し合っていたのだった。

「なあ、初心に帰れってどうゆうことなんだ?」
「俺にはよくわからん・・・」
「初心って主様に買われてここに来たばかりの頃だよな?」
「ああ・・・なぜ俺はあんな事を言ってしまったんだろうな・・・戻れるならあの頃に戻りたいぜ・・・」





 次の日、ケンジは買い取った神鋼魔石をインベントリに入れて限界値まで吸収していない魔石を仕分けしていたのだった。限界値まで吸収している神鋼魔石は全部加工し直し肥料に作り替えるのだった。

 ケンジはこの肥料をティアナとフィアナに渡し半年の間使ってくれと指示を出すのだった。

「ご主人様?まだ何か問題あるのですか?」
「肥料は成功したんじゃ・・・」

「成功はしたが食糧の事だからな念のため半年の間様子を見ることにする。それで何もなかったら本格的に売り出そうと思う。」

「え~~~今のままでも問題ないと思いますよ。」
「そうですよ。」

「いや・・・食の安全は第一に考えなきゃいけないんだぞ!」

「「そうゆうものなんですか?」」

「もし、ティアナの大事な人がこの肥料で作った野菜に問題があって死亡したり、副作用で体が思い通り動かなくなったとしたらどうおもう?」

「それは・・・この肥料を作った人を恨んで・・・」

「そう思うのが普通だよな。だから安全に売り出せる自信が出来るようになるまで実験の回数を重ねなきゃだめなんだよ。」

「「なるほど!」」

「だからこの畑の一角だけはこの肥料用で使ってくれ!」

「「はい!わかりました。」」

 ティアナとフィアナはケンジの言う通り半年の間試作品の肥料を使い続けて何の問題ないと結果が出るまで肥料を使い続けるのだった。




 そして半年後、何の問題が無いとなり満を持してケンジの店で肥料を売りだす事になったのである。そして、この事が原因でまたしても厄介事が向こうからやってくることになるのだった。

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