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第5章 遂に始動!
18話 ある日の一日
しおりを挟むケンジがアプリコット、ギルドの計画を叩き潰し多くの損失を出して半年がたったある日、お店に苦情を持ち込んできた人がいるのであった。
「あのお客様・・・なにかあったのでしょうか?」
「この魔石なんだがな!ここで買ったものだが機能しないんだよ!」
「え?本当でございますか?少々お待ちください!店主を呼んできます。」
ユエティーはウランにケンジをすぐ呼んでくるよう指示を出したのだった。
ウランはすぐ屋敷の方にケンジを呼びに行き事情を説明したのである。それを聞きケンジもすぐにお店の方に出向き苦情のあったお客に説明するのだった。
「お客様、このたびは本当にすいませんでした。こちらが機能が出ない魔石ですか?」
「ああ!そうだよ!どう落とし前を付けるつもりだ?」
ケンジはこの態度から少し怪しいとおもうのだった。
「あのお客様?ちょっとお聞きしたいのですがよろしいですか?」
「なんだ?なにがききたいんだ?聞いてももこの状況は変わらないと思うぞ!」
苦情を持ち込んだ男はこんだけ繁盛している店だ損害賠償はたんまりぶんどれると思いヤラシイ笑みを浮かべるのだった。
「この魔石を確認したのですが通常に働いて見えるのですがどのようにどの場所でお使いになったのですか?」
「この魔石って便所で使ったら便を吸収してくれる物なんだろ?」
「ええ。そのとおりです。」
「だから俺は公衆便所の掃除の依頼を受けたんだよ。これをつかったら楽に掃除ができると思い便の中にこの魔石を放り込んでも全然吸収しないじゃないか!」
ケンジは男の言い分を聞き唖然としてしてしまったのだった。そうこの町でギルドの依頼でFランクだが他の依頼よりかは汚れ仕事なので報酬が少し多めのトイレ掃除があるのだ。
ケンジもまたこの仕事は町には必要な仕事だと思いこの依頼を受けたことがあるので良く知っていたのだがこうゆう使い方をされるとは思ってもいなかったのである。
「お客様、申し訳ありません!そんな使い方されても魔石が働かないのはあたりまえですよ。」
「なんでだよ!これは便を吸収してくれるアイテムなんだろ?」
「はい!その通りですがあくまでもこの便器とセットで使用しないと働かない仕組みになっているのです。だからこの魔石だけを便の中に放り込んでも吸収しない仕組みになっております。」
「なっ・・・」
「驚いているようですがこちらも商売です。そんな使い方されたら商売上がったりになるのでちゃんと予防していますよ。」
男はその説明を受けグウの音も言えないくらいケンジに言い負かされてしまったのであった。ケンジは男に魔石を返しちゃんとした普通の使い方をしてくださいねと言うのだった。
男は勝つ気満々で苦情を言いに来たので恥ずかしさで顔を真っ赤にして帰っていったのだった。
12人体制で製作し便器も大量に売り出され町の人たちはトイレ掃除の作業から解放されてケンジの感謝していたのだった。
最初に売り出されて買えた人たちから魔石を買い替える時期になり、多くの人たちが替えの魔石を買いに来ていてそのついでに買い物もしてくれてお店は繁盛していたのだった。そしてお店に老夫婦の奥さんが魔石を買いに来たのだった。
「あら、ケン坊やおひさしぶりですね。」
「あ!ミッシェさんおひさしぶりです。今日は魔石をお買い求めで?」
「そうなのよ!ホントケン坊やのおかげでトイレ掃除を人に頼まなくて良くなり家計が助かるわ~本当にありがとう。」
「いえいえ、俺もお役に立ててうれしいですよ。」
今までの便所は小さな川に小屋を作りまたいでトイレをしていたか、昔懐かしいぼっとん便所がふつうだったので、ぼっとん便所の場合、便が貯まると重労働なので人を雇い汲み取り作業をし処理場に持っていかないといけなかったのである。その作業がケンジの商品のおかげで一切必要が無くなったので人を雇わなくてよくなり出費が無くなったのである。
それゆえに老人でも簡単に魔石を取り換え楽に掃除ができるのである。その上使えなくなった魔石は新しい魔石と交換で買い取って貰えるので家庭をあずかる主婦にとってはありがたい話である。
老婦人のミッシェさんはケンジにお礼を言い帰っていくのだった。
「旦那様!ここ1週間で使えなくなった魔石を買いっとっているのですがこれはどこに捨てたらいいのですか?」
「なっ!何で捨てるんだよ!ちゃんとおいておいてくれよ。」
「え?これって何かに使うのですか?」
「使わないものを買い取る訳ないだろ・・・その辺もちゃんと考えているから安心しなよ。」
このころになると新しく入った奴隷たちの元妻達はケンジのことをご主人様ではなく旦那様と呼ぶようになっていたのだった。
「あの、それとだな・・・」
「なんでございますか?」
「その旦那様という呼び方何とかならないか?」
「なりません!旦那様は旦那様です!」
「だが、なんかむずかゆくて・・・システィナ達みたいにご主人とか・・・なんか、お前と夫婦みたいな感じでおかしいだろ?それにお前たち5人には旦那がいるじゃないか。」
「あの人は私達を買いに行ってくれと旦那様にお願いしてくれたことは感謝しておりますが亭主じゃないです。元亭主でございます。」
「じゃあ、どうしても呼び方はそのままなのか?」
「はい!旦那様は旦那様です!」
奴隷の女性はそう頑なに言い続けるのでケンジは諦めるしかなかった。
「それで旦那様?この魔石は何に使うのですか?」
「なんだと思う?」
「わたしにはわからないです・・・」
「楽しみにしてな!これがまた爆発的な商品になる事間違いないよ。」
「ええ~~~おしえてくださいよ~~~。」
奴隷の女性はケンジに色仕掛けを使いシナをつくのだった。ケンジはそれを見てさすが人妻だった人間だと感心するほど艶のある仕草だった。
「シナをつくなシナを!」そう言ってケンジは女性にデコピンをかますのだった。
「いたっ・・・旦那様酷い・・・教えてくれてもいいじゃないですか?」
はたから見ると新婚夫婦がいちゃついているようにしか見えなかったのであり、使い終わった魔石置き場の近くで作業をしていたティアナ、フィアナは白い目でケンジを見ていたのだった。
「やっぱりご主人様もあんなにおっぱいが大きな人に弱いみたいね・・・」
「ん・・・わたし達もいずれああなる・・・今は我慢・・・」
ティアナ、フィアナはケンジ達のイチャイチャに満腹状態になり黙って畑仕事に戻っていくのだった。
「旦那様!これって何に使うのですか?教えてください!」
「俺の口癖知っているだろ!出し惜しみは知っている者の」
「「特権だ!」」
「ちゃんとわかってるじゃないか!」
「じゃあ、ヒント下さい。ヒント!」
女性奴隷はケンジの腕に手を回してくるのだった。ケンジも男性で美しいお姉さんに言い寄られて悪い気分ではなく鼻の下が伸びていたのだった。
「ったく・・・」
その言葉に驚きハッとして後ろを振り向くとマイ、システィナ、プリム、オリヴィアが腕を組みケンジと女性を突き刺さるような視線で睨んでいたのだった。
「ケンちゃん!みんな一所懸命働いているのに店の裏で2人で何いちゃついてんのよ!」
「ま、待て!マイ!それは誤解だ!」
「何が誤解よ!どう見ても鼻の下が伸び切っていたじゃない。」
「違う!この使い終わった魔石の説明をしていただけだ!いちゃついてなんかないよ!」
「でも旦那様はいつもの調子で教えてくれなかったんですよ!」
ここにきて奴隷から突き放された気分になるケンジだった。
「いや・・・それはだな・・・」
「ケ・ン・ち・ゃ・ん!言い訳はしない!さっきあたし達の接近に気づいていなかったでしょ?いつもはあんなに周りに気を使っているケンちゃんなのに!」
「いや・・・キヅイテタ・・・ヨ・・・」
「「「ご主人様なんで、そんなカタコトなんですか?」」」
「それにケンちゃん!いちゃついた今の姿をティアナ、フィアナに見られたのにきづいていた?」
「えっ・・・・」
まさかティアナ、フィアナにも見られていたとは思っていなかったケンジはただ黙って正座して聞くしかなかったのだった。
女性たちに追及を受けるケンジを初めてみたギルとマードックはハーレムも大変だよなあと横目で見て気配を消す事に努めるのだった。
数時間後、女性たちに開放されたケンジはくたくたになってロビーのソファーに体を預けて倒れ込むのだった。
「ご主人様・・・大変でございましたね・・・くっくっくっくっ・・・」
「あ~~~!セバスお前笑ったな!」
「いやあ~~~あんなご主人様はじめて拝見いたしました。ここ最近で一番面白い経験でしたよ。」
そういいながらセバスは笑いをこらえながら満面の笑顔であった。
「いや・・・俺もこんな事になるとは思ってもいなかったよ。女性って怖いもんだよな・・・・」
「でも、ご主人様にしては珍しいですね。周りが見えなくなるって・・・」
セバスに言われてケンジもマイたちが新しい気配探知阻害スキルを手に入れたんじゃないかと思うほど気がつかなかった自分に驚いていたのだった。
「ホント自分でも驚いたよ。なんか浮気をして追い詰められている気分になったよ・・・」
「浮気とは何ですか?」
このガイアースの世界には浮気という概念が無かったのである。まあ、確かに一夫多妻制の世界に浮気という概念が無いのは当たり前である。
「ああ、セバスにはわからないか。俺の元居た世界じゃ一夫多妻制じゃなく一夫一妻制だから結婚や恋人になったらその人だけを相手に選ぶ制度だから、他の女性に手を出したら奥さんや恋人から責められるんだよ。」
「その行為が浮気というんだ。」
「へええ!そんな世界があるのですね。」
「まあ、平和な世界だったからな。この世界みたいに魔物もいないし男性が少ないと言ったこともないから、男性が優秀な子孫を残すっていった義務感みたいなものもなかったからな。」
「そうなんですね・・・」
「その証拠に前の世界はヒューマンしか人類はいなかったがこのガイアースと同じ星に人類人口は約85億人はいるといわれていたよ。」
「はっ・・・85億人?」
「そんな人数どこに住めるのですか?」
「まあ、魔物のいない世界だからなここのように城壁で町を囲み防御しなくてもいいんだよ。俺もこの世界に来て初めてこの世界の町をみて驚いたよ。」
「ホントこの世界は命が軽い世界なんだってな・・・盗賊や魔物・・・病気で短い人生しか送れなかった子供が沢山いるんだっておもったんだ。」
「なんですかその言い回し・・・」
「良く気づいたな・・・」
「もうご主人様とは長いですからね。で、なにがいいたいのですか?」
「うん、だからなこの便器が作れて良かったとしみじみ思えてな。」
「この便器と子供が死なない事って何か関係があるのですか?」
「ああ、俺は充分関係が出てくると思っているぞ。」
「どんな関係があるのですか?」
「今までの町の衛生面は最悪の状況だったのはわかるよな?」
「はい・・・」
「それでこの便所がこの町に普及し、今では公衆便所のまわり位だろ嫌な臭いがしているのって。」
「まあ、そうですね。その匂いが消えることと子供が死なない事が関係あるのですか?」
「臭いじゃなく今まで処理がめんどくさくて便を道端に捨てる奴や立ち小便する奴が多かっただろ。それによって耐性の弱い子供が感染し病気になり死亡が多かったんだよ。」
「この便所のおかげで処理が楽になり便を道端に捨てる奴がいなくなったおかげで衛生面が向上しこういった病気になる子供が激減するはずだ。」
「ほ、ホントでございますか!」
「ああ!数年後の町の様子を楽しみにしてな。子供が増えて賑やかになっているはずだから!」
「ご主人様はそれも目的の一つでこの商品を作ったのですか?」
セバスは興奮しケンジに色々聞いてきたのだった。
「まあ、そこまで最初は考えていなかったよ。ただこの町に来たとき匂いがきつくてな・・・何とかしたいと思ってただけだよ。」
そんなことを話しながらケンジのゆっくりした時間が過ぎていくのだった。
*-----*-----*-----*
この小説をいつも見に来てくれて本当にありがとうございます。
次回からはこの使い終わった神鋼魔石の使い道の話を書いていき
ドンドンお店が成長していく話を書いていきたいと思います。
その中で超級ダンジョンの事や噂を聞き他の町からの要請や
その中で起きる問題を書いていけたらと思っています。
そして、新しく入った奴隷15人についてはこれから起こる
トラブル?でいまだケンジはこの奴隷たちの名前を呼んだ事が
ありません。この人間関係もまた楽しみにしていてください。
本当にいつも読んでいただき本当にありがとうございます。
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