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第5章 遂に始動!

15話 生産ギルド再び②

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 セバスたちはケンジの考えが先読み先読みで本当に不思議で一華とケンジの事を話しながら帰って来たのであった。

「ご主人様ただいま帰りました。」

「セバス、一華ありがとな。」

「ご主人様、ちょっとよろしいですか?」

「ん?なにかあったのか?」

「いえ・・・別に何かあったわけではございませんが、ご主人様はどうやってギルドの情報をつかんでたのですか?」

「わたし達それが不思議でしょうがなくて二人でご主人様の事を話しながら帰って来たのですよ。」

「情報を掴んでと言われてもなあ・・・何となくとしか言えないな・・・まあ、なんにしてもギルドのやることというか他人を利用するだけのやつの行動はわかりやすいってことだよ。」

「ですが、ギルドは秘密裏に便器の開発をしてたんですよ。」

「それこそわかりやすいだろ!」

「なんでですか?」

「一華、よく考えろよ。今町にドンドン俺の作った便器が普及し町から嫌な臭いが薄れていき今までの便所が無くなってだろ?」

「はい、それは重々わかってますよ。」

「でだ、その商品が作れるのは俺だけで生産が追い付いていないだろ。」

「毎週のように行列ができてお客様が待ちに待っている状態ですね。」

「だからだな!ギルドは町の人の事を考えてとか言って公衆便所を作ってくれとか言ってるんだけどな、それは口実で俺を出し抜くために言っているだけなんだよ。あいつ等の本当の目的は他の町に売りに出したいんだよ。」

「「あっ!」」「なるほどお~~~!」

「おいおい!セバスもわかっていなかったのかよ・・・でだな、この神鋼魔石は誰も掘れないだろ?」

「はい、そうでございますね。」

「他の町で売りに出すとこの町みたいに一気に火が付くとこの町のギルドに莫大な売上金が入るという訳だ。」

「はああ・・・・ご主人様の功績をだまし取ろうというわけございますか・・・・」

「そうゆうことだな!だからギルドの考える事なんて手に取る様にわかるんだよ。」

「ご主人様はギルドには協力しないんですよね?」

「ああ、するつもりはないよ。」

「他の町にはこの便器は売るつもりはないのですか?売ったら物凄い売り上げが出るのにもったいないですね・・・」

「まあ、お金にはもう全然困ってないし俺はお前達と楽しく暮らせていければ満足だからな。」

「「ご主人様!」」

「ただ、注意しないといけないのがこの先のギルドの行動だよな・・・」

「え?まだ何かしてくるのですか?」

「当然だろ!ギルドは秘密裏に行き当たりばったりで便器の開発をしているだ。生産者に協力を募って神鋼魔石を掘りに行かせたり、便器に塗る浮薬の材料の解明、人件費等々莫大な費用がかさんでいるはずだ。」

「「・・・・」」

「それをもう何もできないからといって諦めることはしないはずだからな。」

「ご主人様はそんなことまで考えて行動していたのですか?」

「いや、ギルドの行動はわかるがギルドの事なんて考えないよ。」
「俺が考えるのは貴族さえも手が出しずらくなるほど暴力じゃない俺だけの力を手に入れる事だよ。」

「「それって・・・」」

「そう!この神鋼魔石を使った商品が世の中に浸透し、なくてはならない存在になり俺にしか扱えない物を作りだす事だよ。」

「まあ、見てなって2,3日中・・・いや5日後くらいにまたアプリコットが家にやってくるとおもうぞ。」

「え!またやってくるのですか?」

「でだ、俺はこれから生産効率を上げる為奴隷を買ってくるからあとは家の事頼むな?」

「ご主人様なんでこのことから奴隷を買ってくるのですか?よくわからないのですが?」

「ああ、すまん・・・先走りすぎたな・・・」

「で、何で奴隷をお求めに?」

「さっき、5日後にギルドが来ると言っただろ?それに対応する為だよ。」

「対応ってどうゆう事ですか?」

「いいかセバス、一華!今俺達に足りない者は生産力だ!これはわかるな。」

「「はい・・・」」

「ギルドはその弱みを突いてくるのはわかり切った事だろ。」

「ですが弱みを突いたからといってどうにかなるものなのですか?」

「ギルドはこういってくると思うぞ。私達ギルドを大いに利用してくれてかまわないと!生産力を上げる為人員を派遣させてほしいと言ってきてその人員の費用を神鋼魔石を納品して欲しいと言ってくるに決まってるだろ。」

「な・・・なるほど・・・」

「確かに人員は俺の欲しい所でもあるんだ。それで、ギルドは即戦力として便器を開発したものを何人か送り込もうとしてくるんだよ。」

「送り込む?」

「そうだ!俺達の動向を解明するためのスパイだな。今日セバスたちがギルドにいって上級攻略の事を言ってきただろ?」

「は、はい!」

「そんなパーティーの強さや俺の生産力等色んなことをスパイしたいんだよ・・・ギルドはな。」
「それを最初から阻止するために人員を確保して5日の間の内に生産力を上げてしまえばギルドに突き詰められなくてすむだろ。だから奴隷を何人か仲間にしてしまえば余計な心配はなくなるというわけだ。」

「ホント、ご主人様には頭が下がります・・・」

「とゆうわけで、ギルと奴隷商店に行ってくる。後は頼むな!」

「はい!わかりました。いってらっしゃいませ。」




 ケンジはギルと奴隷商店に行き、生産者の経験がある者の奴隷や欠損した使い物にならない者を中心に契約を結んだのであった。奴隷商人はケンジを凄く気に入っていたのだった。

 そのわけは欠損奴隷を買い取ってくれるからである。もう役に立たなくて死んでいくだけの奴隷だが安くても
買い取ってくれて欠損を治してしまい労働力にしているからである。
 この商人はケンジが超級ダンジョンに潜りエリクサーを出していると思っているのである。奴隷にエリクサーを使用するなんて頭がおかしいんじゃないのかと思っているが奴隷商人にとってケンジは上客なのに変わりないので
いつも愛想よく対応してくれるのである。


 そして、人数は10人、うちわけドワーフが4人、ヒューマンが2人、ノームが2人魔族が2人で全員男性である。

 ドワーフの二人だけが欠損していなかったが後の者は何か辛い過去の持ち主だったのであろう理不尽な目にあって死んだ目をして絶望していたのだった。





 ケンジは10人を家に連れて帰ってきて工房に入れるのである。

「みんなにはこの便器をこれから作ってもらいたい。分からない事があったら先輩であるダンギとシェムに聞いてくれ。」

「主様・・・聞いておきたいのですが、我々ドワーフ二人は問題ないと思うが後の8人はこの作業は無理だと思うんだが・・・」

「ああ、それも大丈夫だ!だがここで起こった事は外には絶対内緒にしてほしい。約束してくれ!」

「ああ、分かりました!そんな約束しなくても主様の事は絶対だからな。」

 ケンジは一人一人順に【パーフェクトヒール】をとなえていき8人の腕や足を治していくのだった。

「これでもう大丈夫だ!みんな働けるだろ?」

 その後景に10人は口を掛けたまま驚き固まってしまうのだった。少ししてケンジが声をかけると8人は涙を流しケンジに感謝をするのだった。

「ダンギとシェムを工房の親方として尊敬し働いてくれよ。他に要望があるなら俺が聞くから何でも言ってくれたら構わないからな。」

 新しく来た10人はダンギとシェムの下に5人づつ就き、わからない事やなんの商品なのか丁寧に聞いていたのだった。
 この10人はある程度職人の経験のある者ばかりなので手先はみんな器用であるのでこの作業が慣れたら即戦力になるのがわかっていた。

「ギル!マードックと一緒に買い出しに行ってくれないか?」

「はい。新しくやってきた10人のベットや家具ですね。」

「ああ、そうだ。頼むな!」

「プリム~~~!」

「はい、なんでしょうか?」

「お前は3時ごろでいいからシスティナと一緒に10人連れて着替えを買いに行ってくれないか?」

「はい!わかりました。任せてください!」

「セバス!ちょっといいか?」

「はい。なんでしょうか?」

「男部屋って10人追加してまだ入れるか?」

「ええ、店舗の2階部分なので敷地は広いですからね。部屋は寝るだけの場所なので今の奴隷の倍の人数でもいけますよ。」

「そっか、それなら心配する必要はないな。うちも大所帯になってきたから心配だったんだよ。」

「いつも我々の事を気にかけてくれてありがとうございます。」

「ああ、気にするな!これも主人の義務だからな。」

「ありがとうございます。」

「それとセバスちょっと一緒についてきてくれないか?」

「どこへ行くのですか?」

「ああ、ちょっとメイガン商会へ行きたいんだ。」

「商会へなにを購入するのですか?」

「魔道反射炉を3つほど買いに行こうと思ってな。今ある4つをフル稼働させて生産量をあげるんだ。」

「ああ、なるほど!作っても焼けないんじゃ意味がありませんものね。」

「そうゆうことだ。」

 ケンジはセバスと共にメイガン商会へ魔道反射炉を買いに行くのだった。

「ダンギ!反射炉を3台買ってきたからこれもフル稼働して生産力を上げてくれないか?」

「主殿!反射炉なんて高い物を3台も買ってきたのか?」

「ああ!3台ぐらいないと便器が焼けないだろ?」

「ちょっと待ってくれよ・・・あの10人達は確かに経験者だがまだそんな早く作れないから反射炉3台もいらないぞ。」

「ああ・・・そっか。たしかに先走り過ぎてしまったか・・・まあ、いいよ。いずれ使う事になるんだしな。」

「・・・・」

「そうだ。あの10人は2時くらいで今日は上がらせてくれよ。」

「ああ、さっきシス嬢ちゃんが連絡くれたよ。」

「そっか、ならそれできょうは頼むな。」

「ああ、わかっとる。」

 ケンジはインベントリから魔道反射炉を工房に設置し満足げにみていたのだった。するとそこにシェムがやってきてケンジに話しかけてくるのだった。

「主殿ちょっと聞いてくれるかのう・・・」

「ん、なにかあったか?」

「先ほど主殿と契約してきた5人の者の事なんだが・・・」

「何か不都合でもあったのか?」

「あやつらなんだが他の町で奴隷になったらしくて貴族に騙されたらしいんだよ。」

「ふむふむ・・・」

「それで先ほどの奴隷商店にあやつらの奥さんだったものも一緒に奴隷に落とされたらしくてのう・・・」

「おい!シェムそんなこと主殿に聞かせてどうするつもりなんだ。いくらなんでも図々しいかとおもうぞ!」

「だが・・・あの5人を見てたらなんか気の毒でのう・・・」

「シェムはどうしてほしいんだ?」

「無理ならいいんじゃが・・・最後に一目あいつらを奴隷商に連れて行ってやって会わせてやってくれないか?」

「それって、名残惜しくならないのか?確かに貴族からの理不尽で奴隷に落とされて気の毒に思うがもう夫婦でもないんだぞ。」

「なあ、主殿あつかましいお願いだとは思うが主殿がその奴隷たちと契約を・・・」

「シェム!それはいかんぞ!あまりに図に乗り過ぎだ!こんなことギル達に聞かれたらシェムがどうなるかわからんぞ!」


 そうギル達護衛メンバーとセバス達家の管理を任されているメンバーは他の者たちとは少し違いすぎる思い方を
していてケンジが奴隷たちを甘やかしても決して図に乗らず自分からの要望は決して言わなかったのである。

 ダンギはケンジに今聞いたことは忘れてくれと土下座してシェムの言ったことを謝罪するのだった。

「二人とも顔を上げてくれ!俺は怒ってないから。二人の気持ちはよくわかるし俺もそれを聞いたら助けてあげたいと思うが元旦那だったものはそれで納得しているのか?」

「どういうことじゃ?」

「元妻が俺の奴隷になるってことだぞ。近くに存在し安全な場所にいることが出来るのはメリットだが、デメリットはもう簡単に触れることもできないし話すことが出来るのはご飯時ぐらいしかできないとおもうがホントにそれを耐えれるのか?」

 シェムはその状況を想像し黙ってしまうのだった。

「だったら、辛いけど元奥さんの事は良い主人に買われることを祈り前を向いたほうが良いんじゃないのか?」

「主殿の言う通りだよ。シェム・・・確かにその方がいいと思うぞ!」

「だがのう・・・あやつら手足を治してもらって嬉しいはずなのに元奥さんの事が気になるのか・・・ずっと沈んだままなのじゃよ・・・」

「たしかに、このままだと仕事の効率が上がらないのも問題だが主殿にそれは関係ないだろ!俺らは奴隷なんだ。仕事はこなさないといけないんだよ。」

「そ、そうじゃな・・・主殿、わしが甘えていたようじゃ・・・すまんかった・・・」




 それを工房の前で聞いていたセバスはダンギがちゃんとしてくれたと思い安心して仕事に戻っていくのだった。

 ケンジは少し考えて元妻のいる5人を呼ぶのだった。

「主殿!ワシらが甘えていたんじゃ・・・もう忘れてくれ・・・」

 ケンジが5人の所事情を聴きに行こうとしたのでシェムは慌ててケンジに謝罪してくるのだった。

「まあ、ちょっと落ち着けってシェム。」

「だがのう・・・主殿の事じゃ5人に意見を聞いたらそれをかなえてやろうとするじゃろ?」

「まあ、なるべくならな。だが俺もただ甘やかす事はしないぞ。」

「いや、主殿はそう思ってないかもしれないがワシらからすれば十分甘やかせてもらっているとおもうぞ。」

「ダンギもそう言うな!」

 ケンジは5人の所に行き意見を聞くと助けてもらえるなら自分らは何でも言う事を聞くし、一生尽くす事を誓うというのだった。
 先ほどケンジが言っていた自分の元妻がケンジの奴隷になると言う事も自分たちが知らない主人に買われるなら側にいられるだけでいいとまでいうのだった。

「そこまで言うならわかったよ。」

「「主殿!」」

「まあ、そういうなって。これでお前たちは仕事を心置きなくやってくれるんだな?」

「「「「「はい!」」」」」
 実に清々しい返事をするのであった。ケンジは護衛にオリヴィアを呼び外に行くから護衛を頼むと言い奴隷商店に向かうのだった。

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