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第5章 遂に始動!

3話 ケンジのお店!③

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 ケンジは次の日から一生懸命便器を作り町の人たちに満足してもらおうと作り続けるのだった。
 そのかいあって、ダンギとシェムもケンジもアドバイスしなくとも便器の本体を作れるようになってきていたのだった。

「もう、俺がいちいちアドバイスしなくても大丈夫だよな?」

「ああ!主殿。本体だけなら儂たちに任せてくれたら結構だぞ!」

 形を整え乾燥させるとき水魔法を使い土の中の水分を抜くこともシェムがなんなくケンジとは違うやり方でなんと土魔法でやってもけるのである。

 ノーム族は土や岩、鉱物のエキスパートなのでケンジよりうまく水分を抜くことが出来たのである。これはケンジにも予想していなかったことでケンジが驚くことになったのである。
 ケンジはその結果、神鋼魔石の事だけやったらいいことになり、2種類の形に加工することになった。これは便と便を拭いた紙を吸収する為の物で同じ形だと判らなくなるのを判別する為である。

 こんだけ小さい魔石なので一個に込める魔力は髪の毛の先ほどの魔力で充分なので魔力を使った先からケンジのMPは回復していき全然疲れることはないのだ。



 そんな日常を繰り返して仕事をしていたケンジ達であったが、ケンジの言っていた2週間後にギルドのアプリコットがケンジの家にやってきたのだった。
 店舗で働いていたムースとムーアは制服を着た人が3人ほど来てご主人様と取り次いでほしいと言ってきて驚くのだった。

「少々お待ちください!」といってユエティーがケンジを呼びに行くのだった。


 するとユエティーが居なくなったのを見計らってアプリコットの後ろにいたギルド職員はユエティーの事をヒソヒソ話し始めるのだった。

「あれが元副ギルドマスターまで登った者なのか?」

「ああ・・・今や奴隷になってしまって落ちぶれたもんだよな・・・」

「ああ・・・俺達はエリートだしああならないように肝に銘じような。」

 それを聞いていたウランはこめかみをピクピクさせながらその話を聞いてその職員達を睨んでいたのだった。

「おお!そこにいるのはウランさんだっけ?貴方もここの奴隷に堕ちたんだったよな。」

 ウランはここで言い合いになった場合主人であるケンジに迷惑がかかる為、精一杯の笑顔を作り対応をするのだった。

「はい・・・そうですが何か?あたしはご主人様の奴隷になり幸せでございます。決して堕ちたとはおもいません。」

 あの何を言っても自分が一番みたいな風に対応していたウランが奴隷に堕ちてご主人様の奴隷になれて幸せと言ったウランに驚きを隠せないでいた。そのように胸を張り言い切ったウランにギルド職員の二人は気後れしてしまって何も言えなくなってしまったのだった。
 そこに、ユエティーが戻ってきてアプリコット達3人を奥の屋敷に案内をし屋敷の方に行ってしまったのだった。

 アプリコット達3人は屋敷にある客室に招かれ、ユエティーにご主人様は仕事を切り上げ準備をしていますので、少々お待ちをといわれそこにセバスが入ってきて3人に紅茶をふるまうのであった。




 そこに準備が整ったケンジが客室に入ってきた。

「すいません。お待たせいたしました。で、今日は何の用で?」

「ケンジ様おひさしぶりです。何の用じゃないですよ何回も呼び出ししてもギルドに顔を出さないで!」

「ああ、すいませんね。この通りお店の方を見てもらえばわかる様に俺の作った物が跳ぶように売れるので製作するのに手いっぱいだったんですよ。」

 ケンジは今の状況でギルドに顔を出せない事を説明を笑顔でするのだった。

「状況はわかりましたがギルドから呼び出し要請があった場合それに従ってください。」

「はいはい。これからはなるべく善処したいとおもいます。で、用は?」

「まあ、いいです。今日はケンジ様のお店も開店した様なのでギルドの加盟店になってもらおうと思いケンジ様に同意をもらいに来ました。」

 アプリコットがその言葉を言った瞬間セバスとユエティーは顔色を変えるのだった。理由はご主人様の言った通り2週間経ってからアプリコットが家に来て内容が加盟店の加入の相談となって、ご主人様の頭の中ではどこまでが想定内なのか想像が全然つかなかったからだ。

「えーっと、用はそれだけですか?」

「ええ、加盟店になれば・・・」

「それでしたら、俺の店は加盟店にはなりませんのでお引き取り下さい。」

 ケンジの言葉にギルド職員の3人は「「「えっ?」」」と一言いい固まってしまうのである。

「え?じゃないです。加盟店にはならないです。」

「なんでですか?加盟店になればギルドからの支援やお客様の紹介、もし店員人材が足りなければ派遣させてもらうサービスもできるのですよ。」

 ケンジはやれやれと言った雰囲気で話し始めるのである。

「まず加盟店にならないといった理由はいくつかあるので説明しますね。」

「まず一つお客様の紹介!これは今お店を見てもらったからわかると思いますが、口コミで広がって商品の供給が追い付いていないくらい繁盛しているから、ギルドからしてもらわなくて結構です。」

「2つ目今、商品の供給が追い付いていないが人材は奴隷を買い、今急ピッチで商品が出来上がっているから問題はないしいらない。」

「そして、3つ目ギルドの支援は全くいらない!あれだけ俺に迷惑を掛けたギルドの支援を受けたらまたどんな迷惑を掛けられるかたまったもんじゃないからな。」

「以上の理由から俺の店は加盟店にはならない。」

 ケンジはアプリコットに有無も言わせず加盟店には加入しない理由をあげるのだった。

「ケンジ様ちょっと待ってください!加盟店になれば依頼の納品も10%増しでオリハルコンやミスリルを買い取らせてもらいますし・・・ケンジ様には他にもいっぱい特典があり・・・」

「だが、加盟店になると年会費とかあるんだろ?10%増しにした所で・・・それにもう金には困ってないし!」

「それはケンジ様があまり依頼をお受けにならないので、それに受けるのはFランクの依頼ばかりでAランクの依頼を受けないからですよ。」

「Fランクの依頼ばかりというが俺はこれからもそうゆう感じで生活していくつもりだぞ。何でギルドの為に何回も危険なダンジョンに潜らないといけないんだ?」

「え?」

「Aランクの依頼は1か月に一回やれば十分暮らしていくのに困らないしな。あんたも今俺が作っている商品は噂で聞いて知っているだろ?」

「ええ・・・それなりに耳には入ってきてます。」

「俺にとってギルドの高ランクの依頼はダンジョンにこの魔石を入手するために行くついでで片手間でやるような物なんだよ。いずれオリハルコンもギルドに卸す事も無くなると思うよ。俺の店が広まれば店舗で販売すればいいことだしな!」

 ケンジは神鋼魔石を服のポケットからだしアプリコットに見せるのだった。

「だからギルドはいらん事せず俺がダンジョンに潜って持って帰って来た魔物の素材だけ買い取ってくれたらいいんだよ。」

「「「なっ!?」」」「それでは、ギルドはケンジ様に利用されるだけでは!」

「ああ!その通りだよ。前から言っているように俺はギルドに信頼は置いてないよ。それに長年ギルドは生産者を利用だけしていたじゃないか?反対にそれをやられたら不満を漏らすのは違うと思うぞ。」

「ですがギルドあっての生産者じゃないですか。」

「そうか?ギルドは生産者が居て初めてギルドは運営させてもらってると認識を改めた方がいいとおもうぞ。生産者達に感謝をして寄り添う気持ちが出てきたら俺も考えが変わるのかもしれないぞ。」

「まあ、とにかく加盟店はお断りだ!」

 アプリコットは目をつむり別の話をし出すのだった。

「そうですか・・・加盟店の事は諦めます・・・では聞いてもらいたいことがあります。」

「いやだ!お断りします!」

「まだ何も言ってないじゃないですか!」

「言わなくてもわかる!だからいやだ!俺は今忙しいからギルドの用事をしている暇はないんだ。」

「聞いてくれるぐらいいいじゃないですか?」

「聞いてもギルドのお願いを聞くつもりはないと言ってるだろ?聞くだけ時間の無駄というもんだ。俺は早く製品を作らないといけないんだから早く仕事に戻りたいんだよ。」

「その製品の事でお願いがあります!」

「・・・・」

「聞いてくれる気になりましたか?」




「ならないよ!」

「どうしてですか?」

「あんたたちの言いたいことはどうせ、俺の今作ってる製品・・・先に公衆便所を作れと言いたいんだろ?」

「なぜそれを・・・・」

「あんたたちの最初の目的は最初俺を加盟店に加入させることだ!そしていってみれば加盟店は雇われ店長と同じだ!そのことを利用しギルドの命令を聞かせようとし、俺が断ろうとしたら規約だと言って無理やり自分たちの言う事を聞かせようとしたんだろ!」

「・・・・」
 アプリコットはケンジに全部見抜かれていて歯がゆい気持ちでいっぱいであった。

「だからお前達ギルドは信頼・信用に値しないと言っているのがまだわからないのか?お前達の思惑は全部御見通しなんだよ!」

 アプリコットはケンジには何言っても通じないとみて、今度は泣き落としにかかるのだった。

「ケンジ様!聞いて下さい。ケンジ様の商品は画期的な物で従来にはない物です。先に公衆便所を作ってもらえると町の人たちも助かるというものです。」

「何を言っているんだよ。」

「公衆便所を作ってもらえたら町の人達は悪臭の悩みは無くなり、掃除の手間はなくなりその予算は他の事にまわせるので町の人たちの暮らしは良くなることになりませんか?」

「じゃあ、聞くが公衆便所じゃなく家庭用便器を普及させた方が町全体の悪臭が無くなると思わないか?」

「それは時間がかかるかと思いますが・・・」

「それに悪臭で悩むと言っているがギルドがもっと積極的にFランクの依頼の公衆便所の掃除を斡旋したらその悩みはなくなるだろ。」
「あと、予算と言っているがFランクの依頼の予算なんてたかが知れているだろうが、他に回してもたいしたことできると思わない!」

「いえ・・・それはケンジ様がFランクの仕事だけを見ているからです。誰も受けなかった場合その予算と別に取ってある予算を使いその専属の人たちにお願いをして掃除をしているのです。」

 ケンジはアプリコットが口を滑らせることに成功したとニヤリと口角を持ち上げるのだった。

「ほう!じゃあ、その人たちはどうなるんだ?」

「え?」

「え?じゃないよ。その人たちはどうなるのかと聞いている。」

「えーっと何を言っているのか・・・」

「俺がその掃除をしてくれている人達の存在を知らないとでも思っているのか?」

 アプリコットはケンジが何を言っているのか本当にわからなかったのである。

「だからあんたらは自己中で自分の事しか考えていないと言うんだ。俺が何を言っているのかまだわからないのか?」

「ええ・・・」「ケンジ殿自分らにもさっぱりわかりません!町の人たちが良い暮らしができるのですから協力してくれてもいいじゃないですか?」

「あんたら、三下の二人はだまってたらいいよ。話がややこしくなる!」

「「なっ!」」

「わからないなら説明をしてやるよ!もし俺が公衆便所を全部作り替えたらその人たちはどうなると言っているんだ!」

「それは・・・」

「どうせ、あんたらの事だ!もう用はないと言ってその人たちの生活も考えず切り捨てる腹なんだろ。何が町の人たちの生活が楽になるだ!」

「・・・・」

「なあ、黙ってないで何とか言いなよ。そのことでどれだけの人間が路頭に迷うんだ?そのことでどれだけの家族が奴隷になり、いや・・・食えなくなって自殺するかもしれないんだぞ。」

「それは・・・その人たちの個人の問題であり我々には・・・」

「そんな言い方はないだろ!公衆便所を作った時に仕事をちゃんと回すから安心してくれと契約を結んでいるはずだ。」

「・・・」

「で、便利な物が出来たからお前たちにもう用はないと切り捨てるのは間違っていると俺は思う。もし俺に公衆便所を作れと言うならその人たちに別の仕事を斡旋してから俺にお願いしてくるのが筋だ。」

「でしたら・・・」

「勘違いするな!俺はギルドのお願いを聞くつもりはないから公衆便所を先に作るつもりはないよ。」

「俺と持ちつ持たれつの関係になりたいんなら、加盟店とかそんなすぐばれるような小細工しているようでは無理だと思うぞ!又こんなことを画策したら今度は反対にギルドをはめてやるからな!」

「そんなことを!」

「そんなこと?俺は何回も言っているが町の人の為とか言って俺達を利用しかしないで自分たちの事ばかり考えていないギルドには協力・し・な・い!わかったか?」

「でも・・・」

「わ・か・っ・た・?」

「は、はい・・・」

「じゃあ、俺は忙しいのでお引き取りを!」

「あ、あの!」

「お・ひ・き・と・り・を!」

 ケンジの笑みにアプリコットは恐怖を覚えなにも言えなくなり部下2人を連れてスゴスゴとギルドに帰っていくのだった。
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