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第5章 遂に始動!

2話 ケンジのお店!②

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 奴隷を5人連れて帰り大広間にみんなを集合させたがお店の方でいる人間はそのままにがんばってもらった。

「まず、店舗で働いてもらうのはこの3人しかいなかったんだよ。じゃ順に自己紹介してくれ。」

「天翔族のマインです・・・どうぞよろしくお願いします。」

 天翔族のマインは羽の生えた天使のような種族でプリムと同じ種族で、プリムは真っ白な羽根の持ち主だがマインは少し青みかかった羽根が特徴である。

「猫獣人で姉のムースです。」
「猫獣人で妹のムーアです。」「「どうぞよろしくお願いします・・・」」

 生粋の獣人である二人はアイリのように人間に猫耳尻尾がついているわけではなく、地球で言う狼男のように猫が2足歩行し、手足は人間のように5本指があり肉球はついていないのである。

「あのご主人様・・・あたし達腕が無いのですが本当に働けるのでしょうか?」

「ああ、その辺は大丈夫だ。」
「この家では外に秘密にしていることがいっぱいある。今から見ることは絶対内緒にしておいてくれ!みんなわかった?」

「「「「「はい・・・・」」」」」

 ケンジはムースとムーアに【パーフェクトヒール】を唱えると二人は物凄い光の渦に包まれ、光が収まるとそこには両腕と尻尾がちゃんと元通りになった二人がいたのだった。

「もう大丈夫だ!腕も尻尾も元通りだ。」

「「え?・・・・」」

 二人はお互いを見つめて元通りになっていることを確認したらお互い涙が溢れてきて抱き合って喜ぶのであった。

「主殿!これはいったいどうゆう事なんだ?欠損ってエリクサーしか治らないと思っていたが・・・」

「ああ、これらの事を絶対に内緒にしてほしいんだ。」

「ああ・・・こんなことが世間に知れ渡ると大変なのがわかるからな・・・絶対にしゃべらないと約束するよ。」

「ああ、助かるよ。」

「まあ、わし等には奴隷条約とゆう物があるからしゃべることもできないんだけどな。がはははは!」

 ケンジはドワーフとノームの二人を見て気さくなおっさんだと思い気分がよくなっていた。

「ご主人様・・・妹(姉)を治していただき本当にありがとうございます。わたし達はこの恩を返すべく身を粉にしてご主人様の役に立つと約束します。これからどうぞよろしくお願いします。」

「ああ、こちらこそよろしく頼むな!」
「じゃあ、続いてこっちの二人は店の手伝いではなく俺の仕事を手伝って貰う為に来てもらった二人だ。自己紹介をたのむ。」

「ワシはドワーフ族のダンギだ。よろしくたのむ。」

 ダンギはドワーフ族の男性でずんぐりむっくりした体形でイメージ通り頑固一徹職人気質のような風貌で顔にはひげが生えているのだ。

「わたくしはノーム族のシェムと申す。よろしく。」

 シェムはノーム族で温和な種族でどちらかというと精霊に近い種族で土の精霊魔法を使うのである。人間界の土魔法とは違い、精霊の力を借りて土の魔法を使用するのである。
 シェムも新調は150cmと低く洞窟での活動がしやすく、顔には長いひげを生やし眉毛も仙人様のように長いのが特徴である。

「この二人には今俺が作っている便器を製作を手伝ってもらおうと思うんだ。」

「なっ!ワシに武器以外の物を作れと言われるのか?」

「ああ、たのむよ・・・いずれ武器も作ってもらおうと思うが今はこっちの方が大事だからな!」

「だが、便器って便所じゃないのか?」

「ああ、そうだぞ!その便器はな画期的でものすごく人気な商品で今町の人達がいっぱい完成するのを待ってくれているんだ。」

「だが・・・・」

「まあ、ダンギよ。主殿の命令だぞ!我らに逆らう事は出来ぬよ。それに考えてみよ!主殿はいずれ武器や防具を作らせてくれると言っておる。こんな主は他にいないとおもうがの・・・」

 シェムがダンギを説得している姿に他の奴隷たちは好感をもちシェムに任せているようだった。

「主殿・・・わしが悪かった・・・ゆるしてくれ・・・わしはあんたの奴隷だ・・・主殿の手足となり何でも言ってくれ。」

「わかってくれてありがとな!シェムも説得してくれてありがとう。」

「それじゃ悪いけどセバスはマインとムースとムーアの事をよろしく頼むぞ。」

「はい!承知いたしました。」

「じゃあ、ダンギとシェムはこっちで手伝ってくれるか?」

「「ああ!わかった。」」

 二人は工房についていき工房の中の様子を見て驚きを隠せなかった。

「主殿!便器ってこれのことかの?」

「ああそうだ。これを作ってもらいたいんだよ。」

「こいつはすごいのう!確かに今までにない便器じゃな・・・」

「で、これだけで落とした便はどうなるんだ?この入れ物では小さくていちいち処理をしなくてはいけないと思うが・・・綺麗な入れ物だが大変だと思うが・・・」

「いやいやいや。そんなの作っても売れるわけないじゃないか。まあ、説明より使った方が早いと思うからさここに設置してある便所があるから使ってみたらわかるよ。」

「うむ・・・そうじゃな・・・したくなったら借りるとしよう。」

 ケンジは二人に作業の工程を説明し土の塊を便器の形に魔法で作ってもらう様にいい、その後道具のへらで形を整えてもらう様に指示を出した。
 そのあと、陶器を作る様に魔道反射炉に入れるのだがそのまま入れると割れてしまうので水魔法で土の中の水分を抜くのだと説明をするのであった。

 そして、次にこの液体をかけるんだ。それからもう一回焼き入れをたのむ。そして出来上がった物がこの真っ白な便器という事になる。

「注意するのは一回目は800度ぐらいで焼き入れで設定して、2回目の焼き入れは1350度ぐらいで焼き入れしてくれ!後はこの液体は満遍なくムラなくよろしく頼むな。」

「おう!わかったよ。それより主殿・・・便所を貸してくれんか?」

「ああ、いいよ便所はそこだ!し終わったらこの部分のひねりを捻ったら大丈夫だ。」

「ウム・・・」


 すると便所から出てきたダンギがものすごく興奮し出てくるのだった。

「主殿!なんだあれは?すごい画期的じゃないか!それに椅子のように座ってするのも足腰の弱った人には助かる!」

「だろ?」

「ああ!こんな便所は初めてだ!それに清潔で匂いも残らないんだな。」

「ダンギ?そんなにすごいものなのか?」

「ああ!お前も使ってみたらよくわかるぞ。」

「今すぐに出るもんじゃないし・・・後で使わせてもらうよ。」

「この便所は町の人たちで噂が噂を呼び今では便所を知り合いの家で借りるほど人気が出ているんで早く作らないといけないんだ。」

「ああ。これは一回使ったら今までの便所は使えないだろうな・・・」
「主殿。それにこの黒い石は何なのだ?」

「これも今のところ世界で扱えるのは俺だけで新種の鉱石とゆうか魔石で神鋼魔石とゆうものなんだ。」

「主殿しか使えないってどうゆうことなんだ?」

「これも特に言わないでほしいんだが採掘のスキルが180.01になった時初めて採掘できる魔石なんだよ。」

「「は?」」「今何といったのだ?」

「うん・・・だから採掘のスキルが180.01以上になったら採掘できる魔石なんだよ。」

「「はああぁ!?」」「なんだよそのスキルが180.01って?120.00が最高値じゃろ?」

「今までの認識だとそうなんだが俺の発見したのは200.00でGODの称号が最高値なんだよ。」

「主殿は今GODなのか?」

「ああ、そうだ!この神鋼魔石は超級ダンジョン以上からしか掘れない物なんだよ。そしてこの魔石の凄い所は魔力を込めて登録することで何でも吸収できることなんだよ。」

「なんでも吸収できるって確かにすごいとは思うがわしにはよくわからん・・・」

「俺が次の商品を考えているのは食糧の保管庫なんだが、食料が痛むのは何が原因だと思う?」

「そりゃ・・・暑いとこに置いておくと痛みは早くなるな・・・」

「だから今、食堂や貴族の家にしかない魔道具あるだろ?それって水魔石を使い、保管庫の中を冷やす魔道具で食材を長く持たせる道具なんだよ。だが水魔石の威力を上げる為魔力を沢山込める必要がありその割には1週間ぐらいしかもたないんだよ。」

「それはわかったがそれとこの魔石とどんな関係があるんだ?」

「わからないか?この魔石に保管庫の中の熱を吸収させるんだよ。」

「「あっ!」」

「この便所は便を吸収させているためこの大きさの魔石では1か月ぐらいで使えなくなるんだが、保管庫の中の熱を吸収させるぐらいなら半年以上は持つはずなんだよ。」
「それに従来の物は寝る前に魔力をいちいち込めてから寝ないと魔道具が止まってしまうけど、この神鋼魔石を使った物ならそんな心配もなくなるからな。」

「何もせんでも保管庫に入れておけば食材が半年は持つようになるのか?そいつはすごい!」

「まあ、まずはこの便器をこの町の人たちに普及させたいんだけどな。」

「ああ、わかった!この仕事は本当にやりがいのある仕事だとわかった。最初は駄々をこねた自分がはずかしいとおもう・・・」

「いや、もうそのことは気にするな!これから気合い入れてやってくれたら俺からは文句ないよ。これからヨロシクたのむな。」

「「ああ、こちらこそよろしく頼む主殿!」」

「じゃあ、早速だが作業に取り掛かってくれ!仕事終わりは5時までだからな。よろしく頼む!」

「「5時?」」「それは幾らなんでも早すぎないか?」

「ああ、うちのルールで朝8時から夕方5時までが仕事だ!残業はゆるさんからな!それと土の日は自分のスキルを伸ばす日で自分の強みであるスキルを伸ばす事!そして聖の日は完全休暇だからよろしく!」

 それをきいた二人は口をあんぐり開けて呆けて固まってしまったのだった。ケンジの家に来た奴隷はあり得ない待遇により動かなくなってしまうのである。

「ほら!いつまで固まっているんだ。早く作業にかかれ!」

 二人はなんか裏があるんじゃないかと恐る恐る作業にかかるのであった。




 夕方5時になり作業終わりの合図のようにセバスがケンジを呼びにくるのだった。

「ご主人様。そろそろ時間でございます。」

「うん分かった!二人とも今日は終わりにするから反射炉の火を落として井戸で汗を流してくれ!」

 ダンギとシェムはケンジの言葉に驚くのだった。ホントに5時で仕事が終わりになるのである。ダンギとシェムの二人はそんな事がないだろうと思っていたのである。普通奴隷は日が変わるか変わらない時間まで働かされるのが普通なのである。

 それゆえにダンギは朝の5時まで働く事も覚悟していたぐらいだった。

「ほらダンギ。何をしているんだ早く汗を流さないと晩御飯が食べれないじゃないか。」

「「ああ・・・主殿・・・わかったよ・・・」」



 すると表の店もお客さんが帰っていく様子がわかり、マインとムーアとムースが何が起こっているのか解らずセバスに連れてこられ井戸で綺麗にして大広間まで来るようにと言われているのだった。

 お店の方も戸締りがすみ、みんな一同食堂にそろったのである。

「ほら!新しく入った5人も早く席にすわれよ。この家ではみんな一緒にご飯を食べるルールなんだからな。」

「だが、主殿・・・こんな美味しそうなご飯をくれるのか?」
「それに主殿と一緒の席でよいのか?」

「ああ!この家では奴隷食も与えることは無いよ。みんな一緒の物をいただくんだ。ちゃんと栄養を取りちゃんと働いてもらうから気にすることは無い。」

「あ、ギルとシスティナ!後でこの5人に寝室を案内してやってくれ。」

「はい、わかっています。」

「それじゃみんないただきます!」

「「「「いただきます!」」」」新人の5人以外がいつも通り挨拶をして食事をしだす。5人は本当に何が起きているのかがわからなかったのである。
 そしてセバスに気にせずともいいから早く食事をしなさいと言われ5人は恐る恐るステーキにかぶりつくのだった。

 そして、今日一日の報告を食事をしながらだが聞くと店舗での3人は呑み込みが早く即戦力で問題はなく働いていたことがわかる。この調子なら3人で充分店が回ることがわかってケンジは満足であった。

 ケンジの作業も手先の器用な二人が手伝ってくれたおかげで後一週間で2000個の便器が完成できると見積もりを立てるのだった。


 するとセバスから報告があるようで口をはさんでくるのだった。

「ご主人様ちょっとよろしいですか?」

「ん?なにかあったのか?」

「ええ、また生産ギルドからの呼び出しがございましていかがしましょう?」

「ああ・・・そういえばなんか連絡が来てたような・・・まあ、放って置いたらいいよ。今は自分の仕事が大事だからな。」

 それをきいたダンギはギルに「主殿はいつもあんなかんじなのか?」とヒソヒソ聞いていたのであった。

「ああ、主は普段は優しいが見切りをつけた人間や権力を行使してくる人間には物凄くおそろしい・・・ダンギも気をつけるんだぞ・・・」

「ギル・・・聞こえているぞ!俺の印象が悪くなるようなことは言うんじゃない!」

「はいっ!」ギルはビクッとなって席を立ち敬礼の恰好になるのだった。

 それを見たダンギはがはははは!と笑うのだった。

「で、ご主人様本当に放って置いてよろしいのですか?」

「ああ、ギルドの言いたいことは大体の予想はつくからな。俺にはメリットのないことだよ。」

「どうゆうことで?」

「多分だが俺の店もギルドの加盟店になってくれといいたいんだろ。そして加盟店になったらこんな特典が付くとか俺にはこんなメリットがつくとか言いたいんだとおもう。そして加盟店になったら町に公衆便所があちこちにあるだろ?あれを先に作れと言いたいんだとおもうぞ。」

「「「「「あああ・・・・」」」」その場にいた人間全てがため息交じりの返事をするのだった。

「そんなの先に作ったら家庭用が売れなくなるから作る訳ないのにそれがわからんのがギルドなんだよなあ!」

「そうですよね・・・」

「あいつらは自分の事しか考えないんだからな・・・それにそんなの作ったら公衆便所の掃除をして生活をしている人間の迷惑になるからな。」

 ケンジは公衆便所の必要性は何もトイレの機能面だけではなくそれを糧に生活をして仕事がある人間の事も考えていたのである。




「それとみんなよく聞いてくれよ!次の便所の販売日は問題ないとは思うがそろそろ貴族連中には十分気をつけてくれ!」

「「「「あ・・・・は、ハイ!」」」」

「この商品は多分貴族が目を付けるはずだ!もし店頭で理不尽な事を言う人間が居たら俺に真っ先に報せてくれたらいいからな!」

「はい!わかりました!」

 それを聞きムーアとムースは過去の事を思い出したみたいで下を向き震えていたのである。

「ムーア、ムース心配するな!もし何かあっても俺がちゃんと守ってやるから心配せずに今はちゃんと食べろ!」


 そして気になっていることがもう一つ食堂にはユエティー、ウランの姿も復活していたのであった。ケンジに逆らう事ばかり言っていた二人は奴隷生活を10か月ほど続けさせられており、つい2か月前にケンジ許されることになったのである。

 今ではすっかり他の人間と同じようにどうすれば自分の主の役に立てるか?そのことを軸に行動しているのである。今では衣食住すべてが皆と一緒になっているのだった。



「そうゆう訳だからセバス!このまま放って置いたら必ずあのアプリコットが家にやってくる。たぶん2週間後だな。そうしたら俺を呼んでくれ!」

「はい!承知いたしました。」

 ムーアとムースは不思議そうな顔をして隣にいたミイナになぜ2週間後ってご主人様にはわかるのですか?と聞いていたのだった。ミイナはウィンクを一つし二人にこう話すのだった。

「ご主人様は怖い人よ。先手先手を予想して行動しなさるから楽しみにしてたらいいわ。信じられないかもしれないけどその通りにギルドは動くから。」

「「・・・・」」

 二人は信じられない様子で周りを見ると他のみんなは笑顔でうなずくのだった。




 そして食事は終わりケンジは浴場に行き水が張ってある湯船の魔道具を起動させ風呂の準備をするのだった。

 そしていつも通り風呂から上がったらマイが入り、女性陣が風呂に入る時ムーア、ムース、マインが驚き固まってしまうのだった。

「ええ?奴隷なのにお風呂に入れるのですか?」

「ええ。そうよ。チャント綺麗にしなきゃね。ご主人様に嫌われるわよ。」とオリヴィアが3人に笑顔で言うのだった。



 そのあと男性陣が入る事になるが同じような事でダンギとシェムが驚き固まるのである。

「なあ・・・主殿はいったい何者なんだ?奴隷に平民・・・いやこれはもう貴族以上の暮らしだぞ・・・」

「ああ。俺らも最初は戸惑ったさ・・・だけどこんな生活をくださる主にはいつも感謝を忘れず主の為だけに生きようと思っている。」

「それにこんな事と言っては語弊があるがまだまだ驚くことがあると思うから早くこの家のルールってやつになれるんだな。」
 
 ギルはそう言いながら湯船にタオルを付けて顔を拭きフーと息を吐くのだった。

 そのギルの安心しきった顔を見てダンギとシェムもまた湯船につかり今日一日の疲れをいやすのであった。


「ワシらはソロって貴族の奴らに騙され奴隷になってしもうたがまだまだ女神様から見放されては無かったかもしれんなあ・・・」

「ああ・・・あんな優しい主殿に買われたのはホント幸運以外なにものでもないな・・・」

 おじさんはそろって浴場の天井を見上げケンジと女神クローティアに感謝をささげるのであった。

 
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