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第4章 生産無双へ!
33話 ギルドのピンチ④
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二人は急いでケンジ宅に向かってケンジを呼びに行くのだった。二人はケンジ宅に着きケンジを呼び出すのだが出てきたのは執事のセバスだけでご主人様は今日は戻られないと言われるのであった。
「ど、どこにいったのですか?」
「ええ!用事があるとのことで今日は戻らないと言ってギルとシスティナを護衛にして出かけられどこに行ったか分かりません。」
「そ、そんな・・・」
「明日には必ず帰ると言ってたのでお伝えしておきましょう。生産ギルドの方ですよね?」
「はい!よろしくお願いします。」
セバスは家の中に戻り、ユエティーとウランはケンジが居ないんじゃしょうがないとギルドに帰っていくのだった。
セバスは家の中にある地下工房にはいりケンジに今あったことを伝えるのだった。
「ご主人様ホントに居留守を使って良かったのですか?」
「ああ、構わないよ!だが呼びに来たと言う事はお金がそろったと言う事か・・・やっぱりギルドマスターには強みがあるようだな・・・」
ケンジはそう思ったのだが次何かあればギルドは崩壊することにケンジは気が付かなかっただけなのである。お金がそろった=なにか隠し玉があるとおもっていたのだった。
そして、ユエティーとウランは何もできずギルドに帰るしかなかったのである。ギルドに帰ると、ギルド内はお金がそろったことでなんとかいつもの様子に戻り、ギルド職員も笑顔が戻りつつあったのだった。
「ウランさんギルドマスターからお金がそろった報告がありましたよ。」
「ええ・・・そうね・・・」
「何かありましたか?お金がそろったそうですよ。もう大丈夫らしいです。」
「わたしはこの騒動の受注を考え無くしたせいでどうなるかわからないのよ・・・手放しで喜んでいられないわ・・・」
それを聞いたウランの後輩の受付嬢は事の事態を察して暗くなってしまうのである。
「あ・・・あなたまで暗くなる必要はないから・・・ごめんね、ちょっとわたしはギルマスに用事の報告があるから行ってくるわね。」
「はい・・・ごめんなさい・・・」
そういってユエティーとウランはこの後どうゆうことになるのか不安でしかたなかった。
ギルドマスターの部屋の前に立ち、ユエティーとウランは覚悟を決めノックをして部屋の中に入るとギルドマスターはニコニコしながら言うのだった。
「おう!二人とも帰って来たか?それでケンジはつれてきたのか?」
「それが・・・ケンジ様はどこかに用事で出かけてしまっており留守でした。」
ギルドマスターはニコニコ顔が消え、額に青筋が浮かび上がるのである。
「どうゆうことだ?お前たちはその言葉を鵜呑みにし帰って来たと言わないだろうな?」
「ですが、執事の奴隷に言うにはどこに行ったか聞いてないようで、帰ってきたら伝えてくれるとのことです。」
「明日にはギルドに顔を出してくれる約束をしてきたので・・・」
「ぬう・・・怒鳴って悪かった。いないんじゃしょうがないな・・・じゃあ、明日ケンジが来たらわしの部屋に通せ!お前達も同席するんだぞ。」
「「はい・・・わかりました・・・」」
「じゃ、それまで仕事に戻れ。」
「「はい、失礼いたしました。」」
そして次の日、ケンジ達はギルドに顔を出しギルドマスターの部屋に呼ばれるのだった。
「失礼します!ウランです。ケンジ様がギルドに来たのでお連れしました。」
「うむ!入れ。」
ケンジ達はウランに案内され、ギルドマスターの部屋に入るとそこにはギルドマスターと思われる男性とユエティーが頭を下げて待っていたのだった。
「ケンジ殿このたびは不肖であるこのユエティーとウランが迷惑を掛けたこの通りだ。申し訳ない!」
ケンジは拍子抜けをしてしまうのである。てっきり憎まれ口を叩かれるものとばかりおもっていたのであったからだ。
「まあ、とりあえず席に座ってくれ・・・」
ケンジは席に座り、するとお茶が出されたのだった。
「このたびは本当に申し訳なかった。ケンジ殿にも無理を言ってインゴットを出してもらったにもかかわらず御金の工面が出来なかったことを本当に反省すべき事でこれから職員達一同こんな事がないように徹底させるからゆるしてくれ。」
ギルマスとユエティー、ウランは頭を下げるのだった。
「まあ、ギルドマスター頭をお上げください。俺の方は報酬金額を出して頂けたら文句はないので構いませんよ。それと昨日は留守にしていて申し訳ありません。」
ケンジも丁寧な謝罪を受けたので昨日居留守を使ったことを謝罪するのだった。
「それでお金の方は用意できたのですか?」
すると、ギルドマスターは暗い顔になり、それを見たケンジは嫌な予感がした。
「ケンジ殿すまん・・・8億4千万までは用意できたんだが、後4千万がどうしても用意できなかったんだ!」
それを聞いたユエティーとウランはえっ!?という表情になる。ケンジはやっぱり用意できなかったのかとそれで4千万負けてくれと言う為にあんな下手に出ていたのかとおもうのだった。
「えーっとそれで、4千万負けてくれというつもりであんな下手に出たと・・・」
「「ちょ!ちょっと!」」
「お前たちは黙っておれ!」
ユエティーとウランは全額揃っていると思っていたためなぜ減額をお願いするのかわからなく戸惑いが隠せなかったそしてギルドマスターの怒りにだまるしかなかったのだった。
「ケンジ殿本当に申し訳ない負けてほしいのは確かなんだが今回の騒動の発端を思い出してほしい。」
「発端?」
「そうだ、普通ならインゴットが欲しいと思ってもあんなオリハルコンを20個も用立ててほしいと言うはずないとおもわないか?それに上の指示だからといって何も考えず受注してしまう受付嬢もおかしいと・・・」
「まあ、普通はないと思うが、そんなことはギルド内で注意してくれ。俺に同意求められても困る!」
「まあ、聞いてくれ!この騒動でギルドはつぶれかけたのは本当だ・・・だからこの二人にもその責任を取ってもらう事にしたんだよ。」
「ギルドマスターどうゆうことですか?」
「わたし達聞いてません!」
ギルドマスターは二人の言い分を無視しケンジに交渉をし始めるのだった。
「足りない分の4千万ドゴンはこいつらを奴隷になってもらいそのお金で残りの4千万にしてもらえないだろうか?」
ギルドマスターはケンジに頭を下げるのだった。そしてそのことを聞いたユエティーとウランは絶望とゆう崖っぷちに立たされた感じになり、膝から抜け落ちた感じになっていたのだった。
「ギルドマスター俺はこの通り奴隷にはもう困っていません・・・お金で支払ってもらえないですか?」
「この二人がいらなければ奴隷商人に売ってしまえばいい。どのみちこの二人には今回の事は責任を取らせるつもりで借金は4億以上になる。」
「ってことは、ギルドの資産を今回だしたのですか?」
「ああ、そうだ!これからの運営資金もあるから全部は出せないがギリギリまで出せる金額だったんだがどうしても4千万がでないのだ・・・だから頼む!足りない分はこいつらに責任を取らせるしかないのだ・・・」
「それで二人の査定は4千万だったと・・・」
「ああ、この二人は君のところの奴隷と違い戦闘力はないがギルドの受付が出来る位見た目が良いのと計算、語学ができるからその値段になるそうだ。」
「ケンちゃんどうするつもりなの?」
「どうすると言ってもこれ以上お金がないと言うならしょうがないだろ。」
しょうがないと言う事は二人を奴隷として売ると言うことになり、ウランとユエティーは目から涙が溢れて止まらなくなっていたのだった。
二人は反抗する気力も失てしまっていたのだった。確かにこの騒動の発端は自分たちにあり何も考えずに行動したことを後悔するのだがもう遅かったのだ。
「それじゃ、それで承諾してくれるのか?」
「そうじゃないとギルドがつぶれてしまうんだろ?」
「ああ・・・」
「俺もギルドがつぶれるのは望んでいないからしょうがない!それで手を打つことにするよ。」
「そうか!よかった!ほんとうにありがとう・・・これからギルド職員の教育を徹底する様にするから。約束する!」
ギルドマスターは二人に責任を押し付けて奴隷に落としてしまったのだった。自分ひとり今の地位を手放したくない一心でこの計画を立てたのだったが、数日後ギルドマスターは今年度の赤字の責任を取らされ、ギルドを首になるのだが、ギルドマスターはまだわかっていないのである。
「それじゃ、今回のオリハルコンの報酬と利子と二人を合わせて8億8千万だ。このあと奴隷商店に付き合ってほしいがいいか?」
「ああ、当然だ!」
ユエティーとウランはシスティナ、オリヴィア、セイラ、プリム4人に両腕をがっちり抱えられケンジの後を連れていかれるのだった。
そして二人は今回の事の責任を取らされケンジの奴隷として契約させられてしまうのだった。
そして、ギルドにケンジとギルドマスターは帰ってきてギルド職員の部屋に案内し、ウランと、ユエティーの部屋の物をケンジに出すのだった。この二人はギルド職員だったためギルド内に部屋を格安で借りて住んでいたのだった。奴隷になった二人の所有物は全てケンジの物となり、ケンジは部屋の中の物を全てマジックバックに詰め込んでしまったのだった。
「それじゃこれで全部ですね。」
「ああ、全部持って行ってくれてこっちも助かるよ。」
「それじゃこれからはこんなこと無いようにこれからもよろしく頼む。」
(まあ、アンタはもう長くその地位にいられるとは思わんが・・・)
そしてケンジ達はギルドでの騒動がやっと終わり屋敷に帰るのだった。そして大広間にみんなを集め、新しく入った二人を紹介するのだった。
「訳があって俺の仲間(奴隷)になったユエティーとウランだ。みんな仲良くしてやってくれ。」
セバスたちはユエティーとウランを歓迎するのだが二人はそんな事を考えられないでいた。二人はこれからどんな暮らしが待っているのか不安で不安でしかたなかったのである。
「二人ともよく聞いてくれ。俺の奴隷になるのはいやか?」
「それは!貴方の奴隷がいやとかではなく奴隷事態になるのがいやです!」
「そ、そうです!わたし達を元に戻してください!」
二人は涙を流しながらケンジに訴えるのだった。
「元にとは解放という事か?解放してもいいが本当にいいのか?」
そう解放しても奴隷紋は消えるのに数十年かかる。そのことを二人はよく知っているので解放されると町ではどのようにあつかわれる事もよく知っていたのである。その為二人は黙り込んでケンジを睨むしかなかったのである。
「まあ、二人はギルドからしっぽ切りにあったことは不憫に思うが、自業自得な部分も否めないと俺は思うんだ。」
「そうよ!貴方があんな条件を出さなければわたし達はあのままギルドで幸せになれていたのよ!」
「俺はウランには何回も忠告してたはずだぞ。このままでいいのか?もっと考えて行動した方がと!」
「だが、重要な事を上には報告しない、言われたことだけやってて自分のいいように解釈し、俺の事を何回も利用だけしようとして、不利になったらこれは普通でとばかっり否定を続けて、事なかれ主義がこうゆう結果になっただけだとおもわないのか?」
「だけど!・・・・」
「だけどなんだ?」
「わたしが言っていたことは普通一般的な事で変な事を言ってたとは思いません・・・・」
「それはお前たちの認識であってそれを俺に押し付けるなと何回も言ったはずだが?」
「まあ、ユエティーに関しては何も言うことは無いけどな。たぶんだが後さき考えず多くのインゴットを納品させこの不足気味の中大量に納品をさせることで自分の手柄にしたかったんだろ?」
それを聞きウランはユエティーを睨みつけるのであった。
「あんたのせいでわたしは奴隷になんかに落とされたの!わたしの人生返してよ!」
ウランは涙ながらにユエティーに胸ぐらをつかむのだった。ユエティーは自分の愚かさとウランに対して罪悪感に虐げられ下を向くだけだった。
「ウラン!落ち着きなさい!」
「マイマールに何がわかるのよ!奴隷に堕ちたのよ私は!」
「確かに奴隷に堕ちて悲しさはあたしにはわからないわ・・・けどよく考えてあなたが普通普通と言ってたことがここでは通用しない事ばかりなのよ。」
「マイ!勝手な事を言うなよ・・・」
「だって、ケンちゃん・・・ウランやユエティーが可哀想で・・・」
「どうゆうこと?」
「じゃあ、説明しようか・・・俺はお前たち二人には家の管理やこれから店を出す為に役立ってもらいたいと考えている。」
「確かにその辺りを考えたら平民より良い暮らしをしていたお前達にはやりづらいかもしれないが多分奴隷に堕ちた今の方が贅沢な暮らしを俺はお前達に提供すると約束したならどうだ?」
「え?どうゆう事・・・ですか・・・・?」
「多分お前たちにの普通は奴隷は住むところも馬小屋みたいで食事も1日一回奴隷食、着るものも奴隷着だと思っているんだろ?」
「「それが普通じゃないですか!」」
「お前たちは俺の事を普通じゃないとか普通はそうでしょ?とちゃんと見てないから今の状況下に陥るんだよ。」
「いいか?もしそんな状況だったらギル達はもっとみすぼらしい恰好をしているとおもわないか?」
そういわれて二人は周りを見回すとギル達男性は筋肉がしっかりつきたくましくシスティナ達女性は健康的で女性特有の肉づきで丸みをおび美しいのである。二人は今まで奴隷という事でギル達をしっかり見ていなかったのである。
「ここの暮らしは奴隷も関係ないのよ。食事は1日3回部屋は大部屋になるけどベットも用意され、服も1週間別の物を着れるくらい与えられるわ。」
「多分だけど今までの暮らし以上の事が保証されているの。」
「ああ、俺もそのつもりでお前たちを借金の方に買い取っただが、それでも解放を望むのか?」
「「本当にそんな暮らしができるの?いや・・・できるのですか?」」
「ああ、俺は理不尽な事や権力を振りかざしたりするのが嫌いだからな!ただし、家の事はしっかり頼むことになるがいいか?」
ユエティーとウランは目を見合わせうなずくのだった。
「「これからどうぞよろしくお願いします。」」
「ホントウランは現金なんだから。」
「ああ、それと言っておきたい事が一つ。お前たちをしっぽ切りをしたギルドマスターだが心配しなくてもいいぞ。」
「「どうゆう事?」」「心配どころかあんな奴地獄におちればいいのよ!」
ウランはギルドマスターへ恨みが噴出するかのごとく大きな声を出すのだった。
「まあ、見てなってもうすぐ決済時期なんだろ?たぶんアイツはもっと上の連中から責任を取らされ、今の地位を失い路頭に迷う事になる。」
「えええ!何でそんなことになるってわかるのですか?」
「当たり前だろ!8億で買った商品を4億で売りさばくなんて愚の骨頂だぞ。ギルドマスターがそんなことしか思いつかないなんてどうしようもない・・・」
「確かに一時的には助かったが上の連中にしてみたらこいつに本当に任せて不安材料になるだろ。それならもっと優秀な人材が派遣されるに決まってるだろ。」
「「な、なるほど・・・」」
「ギルドマスターって一番偉いように錯覚するがそれはこの町での話だからなあ。中央に行けばもっとえらいさんがいるのを忘れたらドツボを見ることになる。」
「まあ、俺はそれを狙っていたんだけどな。」
ケンジの言葉にユエティーとウランは絶句したのだった。
とにかくケンジは二人の荷物を大部屋に出し用意してある家具とベットを二人に提供するのである。
二人は今までギルドの宿舎で寝泊まりしていたがベットはそこのとは比べ物にならないくらいフカフカのベットに驚くのだった。
そして食事時にはケンジと同じ食卓につき、ご飯も同じものをお腹いっぱいに食べることが出来るのだった。
そして驚いたことはやっぱりお風呂に入れる事だった。ユエティーもウランもお風呂に入れるとは思っておらず初めてのお風呂を体験するのだった。
家族みんながお風呂に入った後お風呂掃除をするのだがご飯はいっぱいたべ、お風呂に浸かり疲れも吹き飛んでいて掃除など気にならないくらい元気になるのだった。
ウランはベットの中で今までケンジに対して普通はこうだと言い続けていたことを後悔するのだった。自分がこの暮らしを体験した後では私が言っていた普通がどれだけ非常識だったのがよくわかるのである。
ケンジの普通はこうゆうことでありわたしの言う普通は普通じゃない事がよくわかったのだった。
そう思って無口になっていたところにシスティナとプリムがウランに声をかけてきたのだった。
「ウラン、よく聞いてね。ご主人様はああゆうお方で非常識な面が沢山あるわ。」
ウランはシスティナ達が何が言いたいのかよくわからないでいた・・・
「あたし達からすればウランの言ってたことが普通な事でご主人様の事の方が違和感があるの。」
「で、何が言いたいのかしら?」
「今日の事を普通と思わないでちょうだい!これは異常な事で普通と思ってご主人様の好意を忘れたらダメ!ということよ。」
「本来ならわたし達はこんな立派な暮らしはできない事を肝に銘じていてほしいの!もしこれが普通だと思ったらご主人様が許してもわたしたちが許さないから覚悟してちょうだい!いいわね。」
そうなのである。ウランはまた自分の都合のいいように解釈をしていたのだった。ずっとギルドで見ていたシスティナ達はウランの考えている事が解ったのである。
そして忠告の意味も込めてウランにそのことを告げるのだった。そしてウランはシスティナ達の目をみて黙って頷きベットに入り込むのだった。
「ど、どこにいったのですか?」
「ええ!用事があるとのことで今日は戻らないと言ってギルとシスティナを護衛にして出かけられどこに行ったか分かりません。」
「そ、そんな・・・」
「明日には必ず帰ると言ってたのでお伝えしておきましょう。生産ギルドの方ですよね?」
「はい!よろしくお願いします。」
セバスは家の中に戻り、ユエティーとウランはケンジが居ないんじゃしょうがないとギルドに帰っていくのだった。
セバスは家の中にある地下工房にはいりケンジに今あったことを伝えるのだった。
「ご主人様ホントに居留守を使って良かったのですか?」
「ああ、構わないよ!だが呼びに来たと言う事はお金がそろったと言う事か・・・やっぱりギルドマスターには強みがあるようだな・・・」
ケンジはそう思ったのだが次何かあればギルドは崩壊することにケンジは気が付かなかっただけなのである。お金がそろった=なにか隠し玉があるとおもっていたのだった。
そして、ユエティーとウランは何もできずギルドに帰るしかなかったのである。ギルドに帰ると、ギルド内はお金がそろったことでなんとかいつもの様子に戻り、ギルド職員も笑顔が戻りつつあったのだった。
「ウランさんギルドマスターからお金がそろった報告がありましたよ。」
「ええ・・・そうね・・・」
「何かありましたか?お金がそろったそうですよ。もう大丈夫らしいです。」
「わたしはこの騒動の受注を考え無くしたせいでどうなるかわからないのよ・・・手放しで喜んでいられないわ・・・」
それを聞いたウランの後輩の受付嬢は事の事態を察して暗くなってしまうのである。
「あ・・・あなたまで暗くなる必要はないから・・・ごめんね、ちょっとわたしはギルマスに用事の報告があるから行ってくるわね。」
「はい・・・ごめんなさい・・・」
そういってユエティーとウランはこの後どうゆうことになるのか不安でしかたなかった。
ギルドマスターの部屋の前に立ち、ユエティーとウランは覚悟を決めノックをして部屋の中に入るとギルドマスターはニコニコしながら言うのだった。
「おう!二人とも帰って来たか?それでケンジはつれてきたのか?」
「それが・・・ケンジ様はどこかに用事で出かけてしまっており留守でした。」
ギルドマスターはニコニコ顔が消え、額に青筋が浮かび上がるのである。
「どうゆうことだ?お前たちはその言葉を鵜呑みにし帰って来たと言わないだろうな?」
「ですが、執事の奴隷に言うにはどこに行ったか聞いてないようで、帰ってきたら伝えてくれるとのことです。」
「明日にはギルドに顔を出してくれる約束をしてきたので・・・」
「ぬう・・・怒鳴って悪かった。いないんじゃしょうがないな・・・じゃあ、明日ケンジが来たらわしの部屋に通せ!お前達も同席するんだぞ。」
「「はい・・・わかりました・・・」」
「じゃ、それまで仕事に戻れ。」
「「はい、失礼いたしました。」」
そして次の日、ケンジ達はギルドに顔を出しギルドマスターの部屋に呼ばれるのだった。
「失礼します!ウランです。ケンジ様がギルドに来たのでお連れしました。」
「うむ!入れ。」
ケンジ達はウランに案内され、ギルドマスターの部屋に入るとそこにはギルドマスターと思われる男性とユエティーが頭を下げて待っていたのだった。
「ケンジ殿このたびは不肖であるこのユエティーとウランが迷惑を掛けたこの通りだ。申し訳ない!」
ケンジは拍子抜けをしてしまうのである。てっきり憎まれ口を叩かれるものとばかりおもっていたのであったからだ。
「まあ、とりあえず席に座ってくれ・・・」
ケンジは席に座り、するとお茶が出されたのだった。
「このたびは本当に申し訳なかった。ケンジ殿にも無理を言ってインゴットを出してもらったにもかかわらず御金の工面が出来なかったことを本当に反省すべき事でこれから職員達一同こんな事がないように徹底させるからゆるしてくれ。」
ギルマスとユエティー、ウランは頭を下げるのだった。
「まあ、ギルドマスター頭をお上げください。俺の方は報酬金額を出して頂けたら文句はないので構いませんよ。それと昨日は留守にしていて申し訳ありません。」
ケンジも丁寧な謝罪を受けたので昨日居留守を使ったことを謝罪するのだった。
「それでお金の方は用意できたのですか?」
すると、ギルドマスターは暗い顔になり、それを見たケンジは嫌な予感がした。
「ケンジ殿すまん・・・8億4千万までは用意できたんだが、後4千万がどうしても用意できなかったんだ!」
それを聞いたユエティーとウランはえっ!?という表情になる。ケンジはやっぱり用意できなかったのかとそれで4千万負けてくれと言う為にあんな下手に出ていたのかとおもうのだった。
「えーっとそれで、4千万負けてくれというつもりであんな下手に出たと・・・」
「「ちょ!ちょっと!」」
「お前たちは黙っておれ!」
ユエティーとウランは全額揃っていると思っていたためなぜ減額をお願いするのかわからなく戸惑いが隠せなかったそしてギルドマスターの怒りにだまるしかなかったのだった。
「ケンジ殿本当に申し訳ない負けてほしいのは確かなんだが今回の騒動の発端を思い出してほしい。」
「発端?」
「そうだ、普通ならインゴットが欲しいと思ってもあんなオリハルコンを20個も用立ててほしいと言うはずないとおもわないか?それに上の指示だからといって何も考えず受注してしまう受付嬢もおかしいと・・・」
「まあ、普通はないと思うが、そんなことはギルド内で注意してくれ。俺に同意求められても困る!」
「まあ、聞いてくれ!この騒動でギルドはつぶれかけたのは本当だ・・・だからこの二人にもその責任を取ってもらう事にしたんだよ。」
「ギルドマスターどうゆうことですか?」
「わたし達聞いてません!」
ギルドマスターは二人の言い分を無視しケンジに交渉をし始めるのだった。
「足りない分の4千万ドゴンはこいつらを奴隷になってもらいそのお金で残りの4千万にしてもらえないだろうか?」
ギルドマスターはケンジに頭を下げるのだった。そしてそのことを聞いたユエティーとウランは絶望とゆう崖っぷちに立たされた感じになり、膝から抜け落ちた感じになっていたのだった。
「ギルドマスター俺はこの通り奴隷にはもう困っていません・・・お金で支払ってもらえないですか?」
「この二人がいらなければ奴隷商人に売ってしまえばいい。どのみちこの二人には今回の事は責任を取らせるつもりで借金は4億以上になる。」
「ってことは、ギルドの資産を今回だしたのですか?」
「ああ、そうだ!これからの運営資金もあるから全部は出せないがギリギリまで出せる金額だったんだがどうしても4千万がでないのだ・・・だから頼む!足りない分はこいつらに責任を取らせるしかないのだ・・・」
「それで二人の査定は4千万だったと・・・」
「ああ、この二人は君のところの奴隷と違い戦闘力はないがギルドの受付が出来る位見た目が良いのと計算、語学ができるからその値段になるそうだ。」
「ケンちゃんどうするつもりなの?」
「どうすると言ってもこれ以上お金がないと言うならしょうがないだろ。」
しょうがないと言う事は二人を奴隷として売ると言うことになり、ウランとユエティーは目から涙が溢れて止まらなくなっていたのだった。
二人は反抗する気力も失てしまっていたのだった。確かにこの騒動の発端は自分たちにあり何も考えずに行動したことを後悔するのだがもう遅かったのだ。
「それじゃ、それで承諾してくれるのか?」
「そうじゃないとギルドがつぶれてしまうんだろ?」
「ああ・・・」
「俺もギルドがつぶれるのは望んでいないからしょうがない!それで手を打つことにするよ。」
「そうか!よかった!ほんとうにありがとう・・・これからギルド職員の教育を徹底する様にするから。約束する!」
ギルドマスターは二人に責任を押し付けて奴隷に落としてしまったのだった。自分ひとり今の地位を手放したくない一心でこの計画を立てたのだったが、数日後ギルドマスターは今年度の赤字の責任を取らされ、ギルドを首になるのだが、ギルドマスターはまだわかっていないのである。
「それじゃ、今回のオリハルコンの報酬と利子と二人を合わせて8億8千万だ。このあと奴隷商店に付き合ってほしいがいいか?」
「ああ、当然だ!」
ユエティーとウランはシスティナ、オリヴィア、セイラ、プリム4人に両腕をがっちり抱えられケンジの後を連れていかれるのだった。
そして二人は今回の事の責任を取らされケンジの奴隷として契約させられてしまうのだった。
そして、ギルドにケンジとギルドマスターは帰ってきてギルド職員の部屋に案内し、ウランと、ユエティーの部屋の物をケンジに出すのだった。この二人はギルド職員だったためギルド内に部屋を格安で借りて住んでいたのだった。奴隷になった二人の所有物は全てケンジの物となり、ケンジは部屋の中の物を全てマジックバックに詰め込んでしまったのだった。
「それじゃこれで全部ですね。」
「ああ、全部持って行ってくれてこっちも助かるよ。」
「それじゃこれからはこんなこと無いようにこれからもよろしく頼む。」
(まあ、アンタはもう長くその地位にいられるとは思わんが・・・)
そしてケンジ達はギルドでの騒動がやっと終わり屋敷に帰るのだった。そして大広間にみんなを集め、新しく入った二人を紹介するのだった。
「訳があって俺の仲間(奴隷)になったユエティーとウランだ。みんな仲良くしてやってくれ。」
セバスたちはユエティーとウランを歓迎するのだが二人はそんな事を考えられないでいた。二人はこれからどんな暮らしが待っているのか不安で不安でしかたなかったのである。
「二人ともよく聞いてくれ。俺の奴隷になるのはいやか?」
「それは!貴方の奴隷がいやとかではなく奴隷事態になるのがいやです!」
「そ、そうです!わたし達を元に戻してください!」
二人は涙を流しながらケンジに訴えるのだった。
「元にとは解放という事か?解放してもいいが本当にいいのか?」
そう解放しても奴隷紋は消えるのに数十年かかる。そのことを二人はよく知っているので解放されると町ではどのようにあつかわれる事もよく知っていたのである。その為二人は黙り込んでケンジを睨むしかなかったのである。
「まあ、二人はギルドからしっぽ切りにあったことは不憫に思うが、自業自得な部分も否めないと俺は思うんだ。」
「そうよ!貴方があんな条件を出さなければわたし達はあのままギルドで幸せになれていたのよ!」
「俺はウランには何回も忠告してたはずだぞ。このままでいいのか?もっと考えて行動した方がと!」
「だが、重要な事を上には報告しない、言われたことだけやってて自分のいいように解釈し、俺の事を何回も利用だけしようとして、不利になったらこれは普通でとばかっり否定を続けて、事なかれ主義がこうゆう結果になっただけだとおもわないのか?」
「だけど!・・・・」
「だけどなんだ?」
「わたしが言っていたことは普通一般的な事で変な事を言ってたとは思いません・・・・」
「それはお前たちの認識であってそれを俺に押し付けるなと何回も言ったはずだが?」
「まあ、ユエティーに関しては何も言うことは無いけどな。たぶんだが後さき考えず多くのインゴットを納品させこの不足気味の中大量に納品をさせることで自分の手柄にしたかったんだろ?」
それを聞きウランはユエティーを睨みつけるのであった。
「あんたのせいでわたしは奴隷になんかに落とされたの!わたしの人生返してよ!」
ウランは涙ながらにユエティーに胸ぐらをつかむのだった。ユエティーは自分の愚かさとウランに対して罪悪感に虐げられ下を向くだけだった。
「ウラン!落ち着きなさい!」
「マイマールに何がわかるのよ!奴隷に堕ちたのよ私は!」
「確かに奴隷に堕ちて悲しさはあたしにはわからないわ・・・けどよく考えてあなたが普通普通と言ってたことがここでは通用しない事ばかりなのよ。」
「マイ!勝手な事を言うなよ・・・」
「だって、ケンちゃん・・・ウランやユエティーが可哀想で・・・」
「どうゆうこと?」
「じゃあ、説明しようか・・・俺はお前たち二人には家の管理やこれから店を出す為に役立ってもらいたいと考えている。」
「確かにその辺りを考えたら平民より良い暮らしをしていたお前達にはやりづらいかもしれないが多分奴隷に堕ちた今の方が贅沢な暮らしを俺はお前達に提供すると約束したならどうだ?」
「え?どうゆう事・・・ですか・・・・?」
「多分お前たちにの普通は奴隷は住むところも馬小屋みたいで食事も1日一回奴隷食、着るものも奴隷着だと思っているんだろ?」
「「それが普通じゃないですか!」」
「お前たちは俺の事を普通じゃないとか普通はそうでしょ?とちゃんと見てないから今の状況下に陥るんだよ。」
「いいか?もしそんな状況だったらギル達はもっとみすぼらしい恰好をしているとおもわないか?」
そういわれて二人は周りを見回すとギル達男性は筋肉がしっかりつきたくましくシスティナ達女性は健康的で女性特有の肉づきで丸みをおび美しいのである。二人は今まで奴隷という事でギル達をしっかり見ていなかったのである。
「ここの暮らしは奴隷も関係ないのよ。食事は1日3回部屋は大部屋になるけどベットも用意され、服も1週間別の物を着れるくらい与えられるわ。」
「多分だけど今までの暮らし以上の事が保証されているの。」
「ああ、俺もそのつもりでお前たちを借金の方に買い取っただが、それでも解放を望むのか?」
「「本当にそんな暮らしができるの?いや・・・できるのですか?」」
「ああ、俺は理不尽な事や権力を振りかざしたりするのが嫌いだからな!ただし、家の事はしっかり頼むことになるがいいか?」
ユエティーとウランは目を見合わせうなずくのだった。
「「これからどうぞよろしくお願いします。」」
「ホントウランは現金なんだから。」
「ああ、それと言っておきたい事が一つ。お前たちをしっぽ切りをしたギルドマスターだが心配しなくてもいいぞ。」
「「どうゆう事?」」「心配どころかあんな奴地獄におちればいいのよ!」
ウランはギルドマスターへ恨みが噴出するかのごとく大きな声を出すのだった。
「まあ、見てなってもうすぐ決済時期なんだろ?たぶんアイツはもっと上の連中から責任を取らされ、今の地位を失い路頭に迷う事になる。」
「えええ!何でそんなことになるってわかるのですか?」
「当たり前だろ!8億で買った商品を4億で売りさばくなんて愚の骨頂だぞ。ギルドマスターがそんなことしか思いつかないなんてどうしようもない・・・」
「確かに一時的には助かったが上の連中にしてみたらこいつに本当に任せて不安材料になるだろ。それならもっと優秀な人材が派遣されるに決まってるだろ。」
「「な、なるほど・・・」」
「ギルドマスターって一番偉いように錯覚するがそれはこの町での話だからなあ。中央に行けばもっとえらいさんがいるのを忘れたらドツボを見ることになる。」
「まあ、俺はそれを狙っていたんだけどな。」
ケンジの言葉にユエティーとウランは絶句したのだった。
とにかくケンジは二人の荷物を大部屋に出し用意してある家具とベットを二人に提供するのである。
二人は今までギルドの宿舎で寝泊まりしていたがベットはそこのとは比べ物にならないくらいフカフカのベットに驚くのだった。
そして食事時にはケンジと同じ食卓につき、ご飯も同じものをお腹いっぱいに食べることが出来るのだった。
そして驚いたことはやっぱりお風呂に入れる事だった。ユエティーもウランもお風呂に入れるとは思っておらず初めてのお風呂を体験するのだった。
家族みんながお風呂に入った後お風呂掃除をするのだがご飯はいっぱいたべ、お風呂に浸かり疲れも吹き飛んでいて掃除など気にならないくらい元気になるのだった。
ウランはベットの中で今までケンジに対して普通はこうだと言い続けていたことを後悔するのだった。自分がこの暮らしを体験した後では私が言っていた普通がどれだけ非常識だったのがよくわかるのである。
ケンジの普通はこうゆうことでありわたしの言う普通は普通じゃない事がよくわかったのだった。
そう思って無口になっていたところにシスティナとプリムがウランに声をかけてきたのだった。
「ウラン、よく聞いてね。ご主人様はああゆうお方で非常識な面が沢山あるわ。」
ウランはシスティナ達が何が言いたいのかよくわからないでいた・・・
「あたし達からすればウランの言ってたことが普通な事でご主人様の事の方が違和感があるの。」
「で、何が言いたいのかしら?」
「今日の事を普通と思わないでちょうだい!これは異常な事で普通と思ってご主人様の好意を忘れたらダメ!ということよ。」
「本来ならわたし達はこんな立派な暮らしはできない事を肝に銘じていてほしいの!もしこれが普通だと思ったらご主人様が許してもわたしたちが許さないから覚悟してちょうだい!いいわね。」
そうなのである。ウランはまた自分の都合のいいように解釈をしていたのだった。ずっとギルドで見ていたシスティナ達はウランの考えている事が解ったのである。
そして忠告の意味も込めてウランにそのことを告げるのだった。そしてウランはシスティナ達の目をみて黙って頷きベットに入り込むのだった。
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