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第4章 生産無双へ!

32話 ギルドのピンチ③

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 ケンジ達が帰っていったギルドでは気絶した職員を起こしたり、ケンジの威圧に当てられ失禁してしまった者や倒れてしまったときに崩れた書類等片づけけるのに必死の職員やこれからどうなるのか不安で何も手の付かない職員で溢れていたのである。

「ユエティーさんこれからどうしたらよろしいですか?」

「ま、ま、ま、まずはおち・・・おちつ・・・落ち着いて・・・」

「ユエティーさんなんでそんなものをもってウロウロしてるんですか?」
 
 ユエティーはどうしたらいいのか何をしたらいいのか全然頭がまわらずにいたのだった。その証拠にカウンターに置いてあった観葉植物の小さい鉢を持ってウロウロしているだけであったのだ。

「このままじゃ・・・わたしは奴隷に落とされる・・・」

「ユエティーさん!なにをしたらいいですか?」
 ウランも目が覚めてユエティーに指示を仰ぐが何やらブツブツ言っているだけで役に立たなかったのである。生産ギルドの幹部もいたがわしは知らんとかユエティーに聞けなど責任逃ればかりして知らぬ存ぜぬで通すだけで夜逃げを計画する者もいたのであった。

 冒険者や生産者は自分には関係ないと思いギルドからそそくさ出ていく者やギルドの酒場でさっきの事を肴に飲み始めるものや色々いるのだった。





 そうして徐々にギルド内は落ち着くものも増え、徐々に自分は何をすべきなのか自分で考え行動してくるものが増えてきたところに4人のギルドマスターが部下を連れて帰ってくるのだった。

「ん?なんだちょっと様子が・・・」

 各部署のギルドマスターたちは少しの異変も見逃さず眉をしかめるのだった。

「それじゃ今回の会議でのまとめは後で報告し合うようにしてまずは留守にしていた自分たちの仕事をかたずけ上に報告しましょう。」

 各ギルドマスターは自分の部屋に入って行くのであった。生産ギルドのギルドマスターが部屋に入るとそこにはユエティーが土下座をしながらギルドマスターを迎えていたのだった。
 その後景を見たギルドマスターはあわててユエティーに何があった?と聞きただすのであった。

 ユエティーは午前中にあったことをギルドマスターに報告、それを聞いたギルドマスターはそれは本当の事なのか?と頭を抱えるしかできなかったのである。
 オリハルコンのインゴットが1個4000万ドゴンで買い取ったのか?多分5個は魔道ギルドで買い取って貰えるが後の15個は在庫になってしまうのである。

「ユエティー!こんなことはギルド始まって以来のことだ!どうするつもりだ!」

「す!すいません!」

「まずは金を作らないとどうしようもないが、他の町に応援を出しても、金が届くには最低1か月はかかるし8億なんて今の時期にそうそう集まるとは到底思えんし・・・」

「え?なぜですか?」

 ギルドマスターの説明はこうであった。ここのところ魔物の強さが各地で強くなってきておりダンジョンに潜れる冒険者がBランクでも中級ダンジョンは危うくなりBランク冒険者が初級に潜っている有様で碌な素材が出回っていないらしく、そうなるとギルドの売り上げも軒並み前年度を下回り赤字続きなのだ。

 今回の会議の内容はそのことで持ちきりだったそうなのだ。それゆえどの町のギルドも自分のギルドで精一杯な状態なのでお金を集めれないだろうとのことだった。

「ユエティー!まずはインゴットを魔道ギルドでできるだけ買い取ってもらうのだ。」

「はい!わかりました。」

 ユエティーは依頼主である魔道ギルドにインゴットを持っていきできるだけ買い取って貰うよう交渉を始めるのだった。
 魔道ギルドでは5個以上はやはり買い取って貰えないのであった。ユエティーはピンチなのもあり一個5000万の提示したのだがそれは高すぎて魔道ギルドも買い取れないと言うのだった。
 依頼額は1個2000万ドゴンだったのでギルドの取り分は1000万魔道ギルドは3000万しか払えなかったのである。

「ユエティーさん・・・いくらオリハルコンが高沸してるとはいえ5000万ではとてもじゃないが買取できませんよ・・・」

「でしたらいくらなら?」

「当然依頼した金額は3000万ですのでそれ以上はこの時期では無理ですよ・・・あなた方の事情はわかりますが・・・」




 魔道ギルドでオリハルコン?と首を傾げるが実はオリハルコンとアダマンタイトを錬金術師が精錬し2つのインゴットを掛け合わせる事でヒイロカネ少量を生み出すのである。
 実はこのヒイロカネは魔力を大量に含んでおり、町を魔物から守る結界に利用され、貴族街の街頭等や魔道具のエネルギーとしているのである。
 このヒイロカネはレジェンダリー採掘師でも掘ることが出来ないので、こうして錬金術師が生み出しているのである。

 ここでなぜ、ケンジは120.00で掘れるのかというと幸運値が作用しているのである。なのでケンジも採掘した鉱石の全体の10%も掘れていないのだが120.01以上になると掘れだしてくるのである。
 そして採掘のスキルが150.00になるとヒイロカネもインゴットに精製するのに100%成功するのである。

 このことから魔道ギルドでもオリハルコンとアダマンタイトが必要不可欠な鉱石なのである。

「わかりました・・・交渉の末ユエティーは当初の金額でしか売ることができなかったのである。」

 オリハルコンを5個売ることはできたのだが一個1000万のマイナスになるのだった。

 そしてギルドマスターは貴族ギルドに足を運び交渉するのだが、貴族ギルドでは使い道が無い為門前払いをされ、交渉さえもできなかったのである。

「ウラン!ちょっときてくれ!」

「はい!なんでしょうか?」

「ギルドにはいくら資産が残っている?早急に調べてくれ!」

「はい!それならもう調べてあります。5億4千万と853万と3ドゴンです。」

「借金に使うとしたら1億は残しておかないと立ち行かなくなるな・・・」

「ユエティーはどうした?まだ帰らんのか?」

「ただいま帰りました・・・ギルドマスターすいません・・・1個3000万ドゴンでしか買ってもらえませんでした・・・」

「残りはどうなった?」

「5個以上は資金が無くなるそうで買取は無理だそうです・・・」

「むぐぐぐ・・・こういったときは協力してくれてもいいだろうに・・・冷たいやつらだ・・・他の職員達はどうなっておる?」

 ギルドマスターは焦っていた。まさか自分が責任を取り奴隷に落とされることになるのではないかと・・・後15個のインゴットを買い取ってくれる可能性がある所を考えるのだった。

「そうだ!ユエティー!メイガン商会にアポを取るのだ!」

 ギルドマスターは面白いようにケンジの思った通りの行動をとるのであった。そしてユエティーはギルドマスターと共にメイガン商会に走るのだった。

「やあやあ!生産ギルドのギルドマスター今日はどうかなさいましたか?いきなりあってくれだなんてめずらしいですね。」

 ガンスはケンジの言った通りに生産ギルドが連絡をよこしたことに驚き、インゴットで儲けれると思い笑顔で生産ギルドを迎え入れるのだった。

「ガンス殿申し訳ないんだが、早急に買い取っていただきたいものがあるのだが見てもらえないだろうか?」

「何を買い取ればよろしいのですか?」

「このオリハルコンのインゴットなんだが15本ある。」

「おおお!これはすごい!この時期にどう入手されたのですか?」
 ガンスはケンジから聞いていたが演技をして知らない振りをするのだった。

「入手先は聞かないでほしいのだが1本5000万ドゴンで買い取ってほしいんだが・・・」

「な!5000万とな?ギルドマスターいくら何でも不足しているからと言ってもそれはぼり過ぎというものだよ。」

「じゃあ、いくらなら買ってもらえるんだ?」

「そうですな・・・15本全部となると高額になるから1本2000万ドゴンで3億が精いっぱいだ・・・」

「なっ・・・1本2000万だと・・・」

「何を驚いているのです。この値段はギルドで提示されてた値段で本来なら1000万ドゴンのはずだが。」

「いや・・・・こっちも事情があってな5000万で買い取ってほしいのだ。」

「確かにギルドとは今までの付き合いもあるがいくらなんでも高すぎる・・・申し訳ないが他を当たってくれないか・・・」

「頼むこの通りだ・・・もうメイガン商会しかたよるとこがないのだ・・・」

 ギルドが頼れるところは他の職員達が当たっており個人店でオリハルコンが欲しいとこはあったのだがこの不況で個人店はオリハルコンが買えなくなっていてもう商会しか頼る所が無かったのである。

「ギルドマスター頭を上げてくれ・・・ちょっとこれを見てくれるか?」店の一角に売ってある物をガンスは指さすのであった。

 そこにはオリハルコンのインゴットが売られて店頭に飾られていた。

「こ、これはどこで入手されたもの・・・」

「これは、わし達の独自のルートで購入したものだよ。」

「ま、まさか、ケンジからじゃないだろうな!」

「ん?どういう意味だ?それに独自の入手先は言えんぞ!」

「そうじゃないんだが・・・ギルドに持ち込まれたインゴットはケンジからの物で・・・わしらを邪魔をしたのかと・・・」

「それはないだろう!あんたらの持つインゴット15個ここにある5個合わせて20個ものオリハルコンをこのご時世にどうやって揃えるんだ?」
「まあ、ケンジの噂は儂のところにも噂が届き、活躍しているらしいがここにはアダマンタイトも売っているんだぞ。」

 ここでユエティーがギルドマスターにケンジ様が持ってきたのは20個です。ここのも合わせれば25個となりそれは幾らなんでも考えられませんとギルドマスターに言うのであった。

「ガンスさん申し訳ないわしの邪推だったようだ・・・」

「まあ、わかってくれたらいいんだが、わしらはわかる様に独自でオリハルコン、アダマンタイトを入手できるルートを持っておる。だから申し訳ないが1個5000万はどうあがいても出す事は出来んのだ。わかってくれ。」

「じゃあ、いくらなら?」

「さっきも言ったように2000万ドゴンだ。これ以上は儂らのとこでは無理だ・・・」

 ギルドマスターは15個売れて3億、先ほど魔道ギルドで売れた1億5千万、ギルドに残っている資産は1億残して4億4千万ギリギリ8億8千万という大金を作ることが出来ると思い、渋々ガンスの提示する金額で売ることにしたのだった。

「こ、これで儂は奴隷に落とされないですむ・・・」ギルドマスターは呆けながら呟くのだった。

 だが、ギルドマスターは安心すると、なぜワシがここまで緊張しなければならんのだ!とイライラし始めるのだった。元はと言えば何も考えず受注書を出したユエティー受付に判を押したウランが原因じゃないかと怒りがめらめらとし出すのだった。

 部屋に帰ったギルドマスターはケンジを呼び出す前にユエティーとウランを部屋に呼び出したのだった。

「お前たち何故呼ばれたかわかるな。」

「はい・・・」「・・・・」

 ユエティーは呼ばれた原因がわかり返事をするが、ウランは上の指示で受付業務をしただけだったので返事をしなかったのだ。

「ウランお前はわからないのか?」

「わかるもわからないもわたしは受付業務を上の指示に従っただけです。」

「何を言っておる!お前が受注したおかげで我がギルドは大きな損失がでて、ワシまで奴隷に落とされるところだったんだぞ!」

「ですがわたしは上の指示に従いいつも通りの事をしただけです。」

「そんなことはしらん!お前達にはそれなりの責任を取ってもらう事にしたから覚悟をしておけ!」

「そ!そんな!ギルドマスター待ってください!」

「言い訳はいい!おって責任を取ってもらう!ケンジに連絡をしギルドに来るように言え!」

 ユエティーとウランはなにも言い訳をさせてもらえずギルドマスターの部屋から追い出されてしまったのだった。





「ユエティーさん・・・貴方を恨みますよ・・・わたしの華々しい受付嬢としての人生をどうしてくれるのですか!」

「ちょっと!何を言っているのですか?わたしも努力し副ギルドマスターまで上り詰めた努力が貴方にわかるわけない!」

「うるさい!早くケンジを呼んでこんか!馬鹿たれ~~~!」

「「はい!すいません!!」」

 二人はギルドマスターに怒鳴られすぐにケンジを呼びに行くのだった。その呼びに行っている間にギルドマスターは奴隷商人をよび何やら画策をしているのであった。
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