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第4章 生産無双へ!
12話 中級ダンジョン攻略後①
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ケンジ達は3週間ぶりに地上に無事戻ることが出来るのだった。するとびっくりした表情でダンジョンを守っていた兵士が声をかけてくるのだった。
「おおお~ケンジ殿!無事に戻ってきたのだな!本当に良かった!しかもダンジョン攻略もするとは信じられない!本当に君はすごいんだなあ!」
矢継ぎ早に兵士はケンジに抱きつきケンジの無事を本当に喜んでいるようすであった。
「うわ!なんですかいきなり!」
「あ、すまんすまん!無事に帰ってきてくれて本当に安心したよ!」
「あ・・・なんか心配かけちゃったみたいですね。心配してくれて本当にありがとうございます。」
「マイマールさんアンタもホント無事に良く帰ってきてくれた。」
「え?あたしも心配していてくれたんですか?」
「当たり前じゃないか!有望な若い人が自分の力を試し何人もの人間がダンジョンで命をおとしているんだぞ。」
「そして君達よく主人を無事に守ったな!よくやったな!」
ギル達も兵士に褒められるとおもってもいなくてびっくりし、目を見開きそのあと兵士に向かってお辞儀をするのだった。
「それで、ちょっと聞きたいのだがいいか?」
「え?なんですか?」初級ダンジョンの事もありケンジは身構える。
「ああ、初級ダンジョンみたいなことは無いから安心してくれたまえ。聞きたいのはダンジョンボスはなんの魔物だったか聞きたいだけなんだ。」
「それだけですか?」
「ああ、それだけだ。」
「えーっと、兵舎の方に行ったらいいのですか?」
「いやいやいや、ここでそれだけ言ってくれたらいいよ。」
ケンジは本当に初級ダンジョンの時みたいなことにならないみたいでホッとするのだった。
「中級ダンジョンのボスはレッドタイガーの変異種でしたよ。」
「レ、レッドタイガーだと!それも変異種とはどうゆう事だ?」
「レッドタイガーブレスとゆう炎のブレスを吐く魔物みたいですね・・・」
「それが本当ならすぐにでも王国に報告せねばならん・・・」
ここの中級ダンジョンもまた強力な魔物が発生していたことにケンジは知らなかったのだ。本来はジャイアントタイガーであり、レッドタイガーが出るのも驚くようなことなのに変異種だったことが大問題だったのである。
「え?俺達がですか?」
「いやいや・・・報告は我々の仕事だ!君達は何もしなくてもいいよ。ただ、証拠になるなんかを見せてもらえないだろうか?」
ケンジは鞄からレッドタイガーの魔石を出して兵士に見せるのだった。
「これでいいですかね?」
「なんだ?この魔石は!」
ケンジが見せた魔石は本来レッドタイガーから取れる魔石とは比べ物にならなくらい大きく紅蓮の炎様に真っ赤であった。
「こ、これはものすごいものだな・・・ケンジ殿の言っていることは嘘ではないと確信できる。協力ありがとう!」
「いえ、これ位の協力ならいつでもかまわないですよ。それじゃ僕たちはもう行ってもいいですか?」
「ああ、大丈夫だ!ありがとな。これからもよろしく頼む。」
ケンジは兵士の言った言葉に少し引っかかったがそのまま町に帰るのだった。兵士の言ったこれからもよろしく頼むと言った理由はただ単に、ケンジはまたこの中級ダンジョンに足を運ぶと思っていて、攻略をすると思っていたのだった。生産者がまさか上級に向かうなどこれっぽちも思っていないからこそ出た言葉だったのだ。
ダンジョン簡易村を出た後、ギルはケンジに「あの兵士さん絶対勘違いしているとおもいますよ。」というのだった。
「勘違いって何がだ?」
「帰り際にこれからもよろしくって言ってたでしょ。主がまた中級に通うと思っていますよ。きっと!」
「ああ、なるほど・・・そうゆうことだったのか・・・ちゃんと説明しといたらよかったかな?・・・」
「いえ・・・しないほうがよかったかとおもいますよ。」
「え?なんでだ?あの兵士さんいい人だっただろ・・・」
「まあ、そうなんですが・・・主は生産者ですよ。生産者が上級ダンジョンに行くと知ったらまたどうなるか・・・」
「ああ・・・たしかにそれはやっかいかもな・・・」
「ええ・・・だから言わなくて正解だったとおもいますよ。」
その話を聞いてみんな笑いあうのだった。ゆっくり町に帰る途中なんの問題も起きずに帰れるのだったが、またトラブルが起きるのじゃないかとケンジはドキドキしているのだった。
ケンジ達は3週間ぶりに屋敷に帰ってきたら、セバスたちが出迎えてくれそして初級ダンジョンの時より心配していたみたいでケンジ達が無事帰ってきてくれたことにものすごく喜んでくれるのであった。
ケンジはすぐさま工房に入りギルド依頼であるオリハルコン、アダマンタイトダマスカスのインゴットを精製するのだった。
精製し始めると、採掘のスキルが又本当に上がり始めるのでケンジはあの採掘150.00のパワースクロールは本当だったんだと嬉しく思うのだった。
この世界のスキルの上限は基本100.00だがこうしてスクロールを使う事で120.00が上限だと思われてきたのだが、世界初150.00が証明されることになったのだ。
ケンジは鼻歌交じりで地球での歌を歌いながら依頼である品物をインゴットにし、鉄鉱石や金鉱石等もインゴットにしていくのだった。
青鉱石までの鉱石はケンジにとってインゴットに精製するのはもう100%の確率で失敗はしなくなり、いくら精製してもスキルは上がらなかったのだった。
やっぱり120.00からはオリハルコン、アダマンタイト、ヒイロカネじゃないと上がらないことがわかるのだった。今度上級ダンジョンに行った時、どんな未知の鉱石が掘れるのかケンジは本当に楽しみになるのだった。
実はケンジはまだ知らないが150.00に上げ切ったとしても新しい鉱石は見つからないのである。
150.00になるとヒイロカネのインゴットにする精製が100%失敗しないでできるだけなのである。そして上げ切った後新たな発見もあるのだが今は内緒の話である。
一方そのころマイは冒険者ギルドに一人で依頼清算に来ていたのだった。
「すいません~~~。今回の依頼清算お願いしま~~~す。」
そしてマイの専属受付嬢が帰ってくるのを楽しみにしていた様子で挨拶してくるのだった。
「マイマール様、おかえりなさい。無事おかえりになられてわたし達も嬉しいです。」
マイは依頼のあったオーガロードの魔石、牙、角、腕をマジックバックから出し清算をお願いしたのだった。さすがのオーガロードの素材だけあって大量のお金が手に入ったのだった。
だが今回このお金はケンジの弁償代にあてられるのでマイは嬉しそうな表情はしなかったのだ。マイはケンジに
わけてもらえるお金を楽しみに屋敷に帰ろうとする。
受付嬢はウキウキ気分で清算しだしお金をマイに渡したのだった。お金を受け取ったマイは礼を言い帰ろうとすると、受付嬢は慌ててマイを引き止めるのだった。
「マイマール様!ちょっとおまちください!」
「え?な、なに!」
「あの・・・中級ダンジョンにお行きになられたのですよね?」
「うん、そうだよ。」
「・・・・・・・」受付嬢は何か言いたそうにマイを見つめるのだった。
「うん?それがどうしたの?」
「あの、中級ダンジョンに行ってオーガロードの素材だけですか?・・・・」
「うん、そうだよ!それだけだよ。」
「え?うそでしょ?中級の最下層の方に行かなきゃいないオーガロードの素材を持って帰ってきてるのにオーガロードだけですか?他の素材の買い取りはしなくてもいいのですか?」
そう、ギルドは依頼を達成した時持ってくる他の素材も当てにしているのだった。その他の素材は依頼ではなくただ、買い取るだけなので利益率がとてもいいのである。
それも中級の最下層となればどんなお宝をもってくるのか楽しみでもあったのだ。
マイは素材の全部をケンジに預けていたのでマイは依頼の素材しか持っていなかったのである。ケンジは生産ギルドの方に持ってきた素材を大量に売ることで色々便宜を図ってもらっていたため、マイも報酬を多めに貰っていたので素材は全部預けていたのだった。
「いままで、そんなこと言ってこなかったのになんで今回は言ってくるの?」
「今までは初級ダンジョンの物だったんですよね?」
「うん、そうだよ。でも前回は中級ダンジョンのものだったはずだよ。その時は何も言わなかったじゃない。」
「ああ、それは中級ダンジョンでも浅い階層の物だったので、多くの冒険者達からも買うことが出来るものだったからですよ。ですが今回は最下層の素材ですからね。我々ギルドもマイマール様に期待をしていたのですよ。」
そうなのだ!中級ダンジョン最下層になるとAランク冒険者でもそうそう行ける場所ではなくその階層の素材は高価でギルドとしてもぜひにでも買取をしたいのである。それもここのところダンジョンの魔物のレベルの上がっているので最下層の魔物がとんと久しぶりなのである。
「ああ、なるほどね・・・でも、残念ですが素材の方はパーティーリーダーが一括で生産ギルドの方に買い取ってもらうんじゃないかな?」
「えええ!何で生産ギルドの方に?魔物の素材なら冒険者ギルドの方が・・・」
「でも、生産ギルドでも普通に買い取ってくれるよ?リーダーが生産ギルド所属だからわざわざこっちに売るとは思えないけど・・・」
「だったらマイマール様お願いがあります。その素材の半分を冒険者ギルドの方にも売ってもらえないでしょうか?」
「ああ・・・言いたいことはわかるけど、この町のギルドは一緒の建物の中にあるし、買取金額は一緒だから関係ないんじゃないの?あたしはケンちゃんにわけてもらえるからどっちでもいいのよ。」
受付嬢はマイの言葉に唖然とし開いた口がふさがらなかったのである。上級ダンジョンに行きてっきり数多くのレアな素材を売ってくれるとばかり思っていたのに、そのレアなものは生産ギルドの売り上げになってしまうのである。
この町のギルドは確かに一緒になっているのだが売り上げの成績発表がありギルド同士競って切磋琢磨をしているのである。なので受付嬢としては、どうしてもこのレアな素材を冒険者ギルドに売ってもらいたいのである。
「どっちでもいいって・・・そんなこと言わず半分はマイマール様にも取ってきた素材の権利があるのですよね?」
「当然ありますよ。だから後で半分わけてもらってますってば!ケンちゃんの事だから端数の金額もあたしにくれるぐらいやさしいのよ。ネコババするようなひとじゃないよ。」
「いえいえ。そんなことを言っているんじゃないですよ。貴方の大事な人はそんなことはしないんですよね。」
「うんうん、わかってるじゃない!」
マイはケンジの事を褒められて良い気分になるのだった。マイはいい気分になってつい口を滑らしてしまうのだった。
「それに今回は中級ダンジョンも攻略してきてパワースクロール格闘115.00も出て、ケンちゃんはそれをあたしにくれたのよ。」
その言葉に受付嬢のみならず近くにいた冒険者達も驚き大きな声をだすのだった。マイの発言には他の冒険者も驚きを隠せないでいた。周りにはいろんな冒険者がいて口々に「さすがマイマールさんだ!」とか「なんであんな生産者と一緒に行動しているのか?」等好き勝手言いうわさが広がっていくのだった。
「えええ!中級ダンジョンを攻略してきたのですか?!ってことはボスの魔物の素材もあるってことですか?」
「ええ!ケンちゃんが持ってるけど・・・そこじゃなくてケンちゃんはちゃんと宝物も分けてくれるくらい優しいと言いたいのよ!」
「いえ・・・そんなことより討伐した魔物はなんだったのでしょうか?」
「いや・・・それはケンちゃんがちゃんと売却するかその素材をもとに装備を製作するかわからないから言えないよ。」
受付嬢はあまりに興奮し大事な守秘義務を忘れていたのだった。そして受付嬢は慌ててマイに謝罪するのだった。
「どうかその魔物の素材の一部を冒険者ギルドにお願いできませんか?」
「たぶん無理だと思うよ。」
「そ、そんなあ~~~~・・・」
冒険者ギルドは今までこういった利益率の良い物を売り、そして冒険者とゆう人数が一番多くいることもありいつも売り上げ一位を誇っていたのだが、雲行きが怪しくなってきていたのだった。受付嬢は今までマイの事を生産者と共にする変わった人と思っていて、そんなにコミニュケーションを取ってこなかったのを後悔するのだった。
もっとちゃんとコミニュケーションを取っていたらこんなあからさまに断られることは無かったはずなのにと・・・
そしてこのことは冒険者ギルドのギルドマスターに報告がいき、受付嬢は大目玉を食らうのだった。何のための専属なのか!もっとちゃんと考えさせられるのだった。
マイはもう言う事もないし清算もすみケンジの屋敷に帰るのだった。この事がケンジにまた厄介事が降りかかることになるとは思いもしないのである。
「おおお~ケンジ殿!無事に戻ってきたのだな!本当に良かった!しかもダンジョン攻略もするとは信じられない!本当に君はすごいんだなあ!」
矢継ぎ早に兵士はケンジに抱きつきケンジの無事を本当に喜んでいるようすであった。
「うわ!なんですかいきなり!」
「あ、すまんすまん!無事に帰ってきてくれて本当に安心したよ!」
「あ・・・なんか心配かけちゃったみたいですね。心配してくれて本当にありがとうございます。」
「マイマールさんアンタもホント無事に良く帰ってきてくれた。」
「え?あたしも心配していてくれたんですか?」
「当たり前じゃないか!有望な若い人が自分の力を試し何人もの人間がダンジョンで命をおとしているんだぞ。」
「そして君達よく主人を無事に守ったな!よくやったな!」
ギル達も兵士に褒められるとおもってもいなくてびっくりし、目を見開きそのあと兵士に向かってお辞儀をするのだった。
「それで、ちょっと聞きたいのだがいいか?」
「え?なんですか?」初級ダンジョンの事もありケンジは身構える。
「ああ、初級ダンジョンみたいなことは無いから安心してくれたまえ。聞きたいのはダンジョンボスはなんの魔物だったか聞きたいだけなんだ。」
「それだけですか?」
「ああ、それだけだ。」
「えーっと、兵舎の方に行ったらいいのですか?」
「いやいやいや、ここでそれだけ言ってくれたらいいよ。」
ケンジは本当に初級ダンジョンの時みたいなことにならないみたいでホッとするのだった。
「中級ダンジョンのボスはレッドタイガーの変異種でしたよ。」
「レ、レッドタイガーだと!それも変異種とはどうゆう事だ?」
「レッドタイガーブレスとゆう炎のブレスを吐く魔物みたいですね・・・」
「それが本当ならすぐにでも王国に報告せねばならん・・・」
ここの中級ダンジョンもまた強力な魔物が発生していたことにケンジは知らなかったのだ。本来はジャイアントタイガーであり、レッドタイガーが出るのも驚くようなことなのに変異種だったことが大問題だったのである。
「え?俺達がですか?」
「いやいや・・・報告は我々の仕事だ!君達は何もしなくてもいいよ。ただ、証拠になるなんかを見せてもらえないだろうか?」
ケンジは鞄からレッドタイガーの魔石を出して兵士に見せるのだった。
「これでいいですかね?」
「なんだ?この魔石は!」
ケンジが見せた魔石は本来レッドタイガーから取れる魔石とは比べ物にならなくらい大きく紅蓮の炎様に真っ赤であった。
「こ、これはものすごいものだな・・・ケンジ殿の言っていることは嘘ではないと確信できる。協力ありがとう!」
「いえ、これ位の協力ならいつでもかまわないですよ。それじゃ僕たちはもう行ってもいいですか?」
「ああ、大丈夫だ!ありがとな。これからもよろしく頼む。」
ケンジは兵士の言った言葉に少し引っかかったがそのまま町に帰るのだった。兵士の言ったこれからもよろしく頼むと言った理由はただ単に、ケンジはまたこの中級ダンジョンに足を運ぶと思っていて、攻略をすると思っていたのだった。生産者がまさか上級に向かうなどこれっぽちも思っていないからこそ出た言葉だったのだ。
ダンジョン簡易村を出た後、ギルはケンジに「あの兵士さん絶対勘違いしているとおもいますよ。」というのだった。
「勘違いって何がだ?」
「帰り際にこれからもよろしくって言ってたでしょ。主がまた中級に通うと思っていますよ。きっと!」
「ああ、なるほど・・・そうゆうことだったのか・・・ちゃんと説明しといたらよかったかな?・・・」
「いえ・・・しないほうがよかったかとおもいますよ。」
「え?なんでだ?あの兵士さんいい人だっただろ・・・」
「まあ、そうなんですが・・・主は生産者ですよ。生産者が上級ダンジョンに行くと知ったらまたどうなるか・・・」
「ああ・・・たしかにそれはやっかいかもな・・・」
「ええ・・・だから言わなくて正解だったとおもいますよ。」
その話を聞いてみんな笑いあうのだった。ゆっくり町に帰る途中なんの問題も起きずに帰れるのだったが、またトラブルが起きるのじゃないかとケンジはドキドキしているのだった。
ケンジ達は3週間ぶりに屋敷に帰ってきたら、セバスたちが出迎えてくれそして初級ダンジョンの時より心配していたみたいでケンジ達が無事帰ってきてくれたことにものすごく喜んでくれるのであった。
ケンジはすぐさま工房に入りギルド依頼であるオリハルコン、アダマンタイトダマスカスのインゴットを精製するのだった。
精製し始めると、採掘のスキルが又本当に上がり始めるのでケンジはあの採掘150.00のパワースクロールは本当だったんだと嬉しく思うのだった。
この世界のスキルの上限は基本100.00だがこうしてスクロールを使う事で120.00が上限だと思われてきたのだが、世界初150.00が証明されることになったのだ。
ケンジは鼻歌交じりで地球での歌を歌いながら依頼である品物をインゴットにし、鉄鉱石や金鉱石等もインゴットにしていくのだった。
青鉱石までの鉱石はケンジにとってインゴットに精製するのはもう100%の確率で失敗はしなくなり、いくら精製してもスキルは上がらなかったのだった。
やっぱり120.00からはオリハルコン、アダマンタイト、ヒイロカネじゃないと上がらないことがわかるのだった。今度上級ダンジョンに行った時、どんな未知の鉱石が掘れるのかケンジは本当に楽しみになるのだった。
実はケンジはまだ知らないが150.00に上げ切ったとしても新しい鉱石は見つからないのである。
150.00になるとヒイロカネのインゴットにする精製が100%失敗しないでできるだけなのである。そして上げ切った後新たな発見もあるのだが今は内緒の話である。
一方そのころマイは冒険者ギルドに一人で依頼清算に来ていたのだった。
「すいません~~~。今回の依頼清算お願いしま~~~す。」
そしてマイの専属受付嬢が帰ってくるのを楽しみにしていた様子で挨拶してくるのだった。
「マイマール様、おかえりなさい。無事おかえりになられてわたし達も嬉しいです。」
マイは依頼のあったオーガロードの魔石、牙、角、腕をマジックバックから出し清算をお願いしたのだった。さすがのオーガロードの素材だけあって大量のお金が手に入ったのだった。
だが今回このお金はケンジの弁償代にあてられるのでマイは嬉しそうな表情はしなかったのだ。マイはケンジに
わけてもらえるお金を楽しみに屋敷に帰ろうとする。
受付嬢はウキウキ気分で清算しだしお金をマイに渡したのだった。お金を受け取ったマイは礼を言い帰ろうとすると、受付嬢は慌ててマイを引き止めるのだった。
「マイマール様!ちょっとおまちください!」
「え?な、なに!」
「あの・・・中級ダンジョンにお行きになられたのですよね?」
「うん、そうだよ。」
「・・・・・・・」受付嬢は何か言いたそうにマイを見つめるのだった。
「うん?それがどうしたの?」
「あの、中級ダンジョンに行ってオーガロードの素材だけですか?・・・・」
「うん、そうだよ!それだけだよ。」
「え?うそでしょ?中級の最下層の方に行かなきゃいないオーガロードの素材を持って帰ってきてるのにオーガロードだけですか?他の素材の買い取りはしなくてもいいのですか?」
そう、ギルドは依頼を達成した時持ってくる他の素材も当てにしているのだった。その他の素材は依頼ではなくただ、買い取るだけなので利益率がとてもいいのである。
それも中級の最下層となればどんなお宝をもってくるのか楽しみでもあったのだ。
マイは素材の全部をケンジに預けていたのでマイは依頼の素材しか持っていなかったのである。ケンジは生産ギルドの方に持ってきた素材を大量に売ることで色々便宜を図ってもらっていたため、マイも報酬を多めに貰っていたので素材は全部預けていたのだった。
「いままで、そんなこと言ってこなかったのになんで今回は言ってくるの?」
「今までは初級ダンジョンの物だったんですよね?」
「うん、そうだよ。でも前回は中級ダンジョンのものだったはずだよ。その時は何も言わなかったじゃない。」
「ああ、それは中級ダンジョンでも浅い階層の物だったので、多くの冒険者達からも買うことが出来るものだったからですよ。ですが今回は最下層の素材ですからね。我々ギルドもマイマール様に期待をしていたのですよ。」
そうなのだ!中級ダンジョン最下層になるとAランク冒険者でもそうそう行ける場所ではなくその階層の素材は高価でギルドとしてもぜひにでも買取をしたいのである。それもここのところダンジョンの魔物のレベルの上がっているので最下層の魔物がとんと久しぶりなのである。
「ああ、なるほどね・・・でも、残念ですが素材の方はパーティーリーダーが一括で生産ギルドの方に買い取ってもらうんじゃないかな?」
「えええ!何で生産ギルドの方に?魔物の素材なら冒険者ギルドの方が・・・」
「でも、生産ギルドでも普通に買い取ってくれるよ?リーダーが生産ギルド所属だからわざわざこっちに売るとは思えないけど・・・」
「だったらマイマール様お願いがあります。その素材の半分を冒険者ギルドの方にも売ってもらえないでしょうか?」
「ああ・・・言いたいことはわかるけど、この町のギルドは一緒の建物の中にあるし、買取金額は一緒だから関係ないんじゃないの?あたしはケンちゃんにわけてもらえるからどっちでもいいのよ。」
受付嬢はマイの言葉に唖然とし開いた口がふさがらなかったのである。上級ダンジョンに行きてっきり数多くのレアな素材を売ってくれるとばかり思っていたのに、そのレアなものは生産ギルドの売り上げになってしまうのである。
この町のギルドは確かに一緒になっているのだが売り上げの成績発表がありギルド同士競って切磋琢磨をしているのである。なので受付嬢としては、どうしてもこのレアな素材を冒険者ギルドに売ってもらいたいのである。
「どっちでもいいって・・・そんなこと言わず半分はマイマール様にも取ってきた素材の権利があるのですよね?」
「当然ありますよ。だから後で半分わけてもらってますってば!ケンちゃんの事だから端数の金額もあたしにくれるぐらいやさしいのよ。ネコババするようなひとじゃないよ。」
「いえいえ。そんなことを言っているんじゃないですよ。貴方の大事な人はそんなことはしないんですよね。」
「うんうん、わかってるじゃない!」
マイはケンジの事を褒められて良い気分になるのだった。マイはいい気分になってつい口を滑らしてしまうのだった。
「それに今回は中級ダンジョンも攻略してきてパワースクロール格闘115.00も出て、ケンちゃんはそれをあたしにくれたのよ。」
その言葉に受付嬢のみならず近くにいた冒険者達も驚き大きな声をだすのだった。マイの発言には他の冒険者も驚きを隠せないでいた。周りにはいろんな冒険者がいて口々に「さすがマイマールさんだ!」とか「なんであんな生産者と一緒に行動しているのか?」等好き勝手言いうわさが広がっていくのだった。
「えええ!中級ダンジョンを攻略してきたのですか?!ってことはボスの魔物の素材もあるってことですか?」
「ええ!ケンちゃんが持ってるけど・・・そこじゃなくてケンちゃんはちゃんと宝物も分けてくれるくらい優しいと言いたいのよ!」
「いえ・・・そんなことより討伐した魔物はなんだったのでしょうか?」
「いや・・・それはケンちゃんがちゃんと売却するかその素材をもとに装備を製作するかわからないから言えないよ。」
受付嬢はあまりに興奮し大事な守秘義務を忘れていたのだった。そして受付嬢は慌ててマイに謝罪するのだった。
「どうかその魔物の素材の一部を冒険者ギルドにお願いできませんか?」
「たぶん無理だと思うよ。」
「そ、そんなあ~~~~・・・」
冒険者ギルドは今までこういった利益率の良い物を売り、そして冒険者とゆう人数が一番多くいることもありいつも売り上げ一位を誇っていたのだが、雲行きが怪しくなってきていたのだった。受付嬢は今までマイの事を生産者と共にする変わった人と思っていて、そんなにコミニュケーションを取ってこなかったのを後悔するのだった。
もっとちゃんとコミニュケーションを取っていたらこんなあからさまに断られることは無かったはずなのにと・・・
そしてこのことは冒険者ギルドのギルドマスターに報告がいき、受付嬢は大目玉を食らうのだった。何のための専属なのか!もっとちゃんと考えさせられるのだった。
マイはもう言う事もないし清算もすみケンジの屋敷に帰るのだった。この事がケンジにまた厄介事が降りかかることになるとは思いもしないのである。
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