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第4章 生産無双へ!

11話 中級ダンジョン攻略③

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 次の日朝起きるとブラッディーウルフの肉のスープが朝食に出てきたのである。

「ん?この肉うまいなあ。ひょっとして夜中に襲ってきたのか?」

「ええ!ご主人様。この肉はジャイアントのブラッディーウルフですよ。滅多に遭遇しない魔物で肉は超高級品ですよ。」

「へええ、そうなんだ。」

「肉がドロップするなんてご主人様のおかげで、相当運がよくないと手にらなくてですね、貴族がこぞってお金を出すくらいの物なんですよ。」

「なるほどなあ!だからこんなにおいしいんだ。味付けも塩だけなのにこの世界ってホント不思議だよなあ。」

「主、ダンジョンで取れた肉や食材はなんでこんな美味しいか知ってますか?」

「え?ギルはなんでか知っているのか?」

「たぶんみんな知っている事ですよ。」

 ケンジは周りを見回すとみんな、ウンウンと頷いているのだ。

「ええ、ずるいぞ!そういう基本的な事を教えといてくれよ!」

「えーっとですね主、地上の肉は解体するじゃないですか。」

「おう!そうだな。」

「すると人それぞれなのですがその工程で血取りをするのですが丁寧にしたとしても微量に残ったりするのですが、ダンジョン産の肉は完璧に処理された肉がドロップするのです。」

「なるほどなあ。それで臭みが一切ない肉が出来るのか。」

「ケンちゃん・・・ホントに知らなかったの?常識よ常識!(笑)」

「なっ!知らなかったんだからしょうがないだろ・・・でも、そんな理由があるなんて驚きだよな。」

「主は変なところで驚きや発見があるんだな。俺からしたら主の行動や考え方の方がよっぽど不思議で驚きなんだけどな。」

 マードックの言葉にみんな「たしかに!」とハモッて爆笑が起きるの
だった。





 朝食もすみ、ボス部屋の前に来るのだった。ケンジは心配はしてないがみんなにくれぐれも油断しないように注意するのだった。

「じゃあ、とりあえずみんなバフを掛け終えたら突入するぞ!」

 するとセイラが一人ひとり強化魔法を掛けていく、ストレングス、プロテクション、アービィー(回避アップ)、グローンス(命中アップ)

システィナは【ソングオブウィンドウ】をかけ、マードックは【ダンスオブウォーリア】をかけるのだった。この二人のスキルは魔法じゃないのでセイラの強化魔法に重複しさらに強くなれるのだ。

 この3人がもっとレベルアップしたらいろんな強化魔法・スキルが唱えられドンドン強くなれるのでこれからがホント楽しみだ。

「突入したら俺はサンクチュアリを唱えるからみんなはその範囲内で戦う事を心がけるように!」
「システィナはその直後、挑発で魔物を引きつけるように!」

 みんな慎重な雰囲気でうなずくのだった。

「突撃~~~~!」

 ケンジが勢いよくボス部屋の扉を蹴破り、さっそくサンクチュアリを唱える!すると半径5mの半円の結界がケンジ達を包み、その次にシスティナが挑発を使い魔物を引き寄せるのだった。

 中級ダンジョンの最終ボスはレッドタイガーブレスでものすごい巨体で全身真っ赤の虎の魔物であり、その姿を見た瞬間!ギル達は恐怖にかられるのだった。

「主!レッドタイガーです!これはちょっとまずいかも・・・下手すると死人が・・・」

「ばかやろ~!マードックやる前からあきらめるな!」

 マードックの気持ちもギル達はしょうがないと思っていた。なぜならその魔物はAランク冒険者でも全滅してしまう魔物であるからだった。

【レッドタイガーブレス】
レベル 80

HP 10000
MP 800
STR 800
VIT 650
INT 50
MID 46
DEX 783
AGI 750
LUK 42

スキル
ファイヤーブレス 
VITの二分の一のダメージを与え、ブレスくらった者は火傷で皮膚が
焼けただれる。そして炎のダメージ毎分100ダメージ20分間与え続ける。

備考
 レッドタイガーの変異種でブレスを吐くことが出来る。攻撃方法は
爪爪噛みつきの3回攻撃である。ブレスは吸い込むために溜めが必要で
溜めの時レッドタイガーの全体の模様が赤く光り輝く。

「みんな!あいつはレッドタイガーの変異種でブレスを吐くから気を付けるんだ!後レベルは80しかないからいつも通り結界内で戦えば余裕のはずだ!」

 魔物を鑑定したケンジはすかさず【フレイムガード】を唱えるのだった。

【フレイムガード】
火属性魔法   4階位
消費MP    20
詠唱速度    4.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間    20分
効果対象    レベル×一人
効果範囲    詠唱した人間を中心に半径5m
必要秘薬    虹パール5個
備考
 パーティーメンバーの火属性の抵抗を20%上げる。


「れ、レベル80で変異種!?」「それもブレスを?」

 レッドタイガーブレスはシスティナの挑発をうけてすかさず突進して大木のような腕を振り下ろしてくるのだった。

「きゃああ~~~~!」

 ガゴン!と大きな衝撃をシスティナは受けたのだが受けた本人はケロッとした表情でレッドタイガーの攻撃を受け流したのだった。

「え?」

「システィナ!大丈夫か?!」

「マードック大丈夫!こいつ見かけより全然よわい!これなら全然いけるよ!」

 実際は全然見掛け倒しではないのだがケンジのサンクチュアリが絶大に効いているのであった。
 本来ならAランク冒険者が10人近い人数でパーティーを組んで討伐するような魔物で災害級の魔物であるのだ。

 だが、システィナの持っている盾と強化魔法のおかげで殆どダメージを受けなくて見掛け倒しのように感じていたのだった。システィナは挑発を繰り返しレッドタイガーを他の人たちに攻撃を行かせないようにし、攻撃を全部受けたり受け流したりしていた。

 そのすきを狙いプリムとマードックは怒涛の如く攻撃を浴びせていたのだった。

「GAAAAAA!!!」レッドタイガーはバックからの攻撃が気になってしょうが無かったのだがシスティナの挑発によってどうしてもシスティナに向かって行ってしまうのに混乱していたのだった。

 レッドタイガーは後ろからの攻撃にたまらず力を溜めだすのだった。

「システィナ気をつけろ!ブレスを吐き出すぞ!」

 レッドタイガーは後ろ脚に体重をかけ、前足を持ち上げることで2本脚で立ち上がり、ブレスを吐き出す瞬間前足に全体重をかけ、4本足でブレスの衝撃に備え、ブレスを吐き出すのだった!レッドタイガーの前にいたシスティナは炎のブレスに包まれるのだった。

「し、システィナあぁ~~~~!」

 周りにいたケンジ以外の人間すべてが大声を上げて絶望するのだった。

「ギル!オリヴィア、セイラよく見て見ろ!」
 ケンジは後衛職の3人に声をかける。ブレスを吐き終わると炎のブレスが晴れるとそこには盾を構えて微動だにせず立っているシスティナがいたのである。そしてケンジの製作した盾は赤色のオーラが出ていて真っ赤に輝いていたのだった。

 そう本来なら何百ダメージと受けるはずなのだが、並みのタンカーなら瞬殺されるほどのダメージだが、システィナの盾は火属性軽減が80%も付いているのだ。そのおかげでダメージも少しですみ、ブレスを受け切った後すかさずオリヴィアがハイヒールを唱えHPはすぐに全快したのだった。

 レッドタイガーの切り札と言えるブレスが全く通じない相手にレッドタイガーは戦意喪失しなすすべくなくマードック、プリムの攻撃に倒れるのだった。

 レッドタイガーはその巨体を支えることが出来なくなり、ずううう~~~んとゆう大きな地響きを立てて倒れるとダンジョンに吸収され、ドロップアイテムと大きな虹色の宝箱が現れるのだった。

「主!虹色の宝箱(大)です。」

「虹色なんて初めて見るな・・・」

 ドロップアイテムは肉900kg爪・牙・特大の真っ赤な魔石・毛皮であった。

「みんな何があるかわからないから罠をはずしている間少し離れていてくれ!」
 ギルが細心の注意を払ってくれて罠をはずしだすのだった。虹色の宝箱だけあって難しいのか20分もかけて罠をはずすギルだった。システィナが近づきギルの汗を拭いてあげるのだった。

「ギル大丈夫?」

「ああ、大丈夫だ。ありがとな・・・もう少しで開くと思う・・・」

「ギルが周りに気づき、周りを見るとケンジを始めみんなギルのまわりに近づきギルを静かに応援していたのだった。」

「あ、主危ないからもっと離れていてください!」

「いや大丈夫だ!俺はギルを信じているからな。あともう少しなんだろ俺達に気にせず解除を頼む。」

 ケンジの言葉にギルは嬉しく思い解除に集中するのだった。それから5分後「カチャリ!」と音がなった。

「ふうう~~~・・・主、罠が外れました!」

「おおおお!!やったなギル!」

「ギルすげぇ~~~!」

「「「「おつかれさま!」」」」

「ギルよくやったね!凄いよ。」

 みんなそれぞれギルを褒め称え疲れをねぎらうのだった。

「じゃあ、ギル開けてくれ!」

「え?主が開けたほうが良いのでは?」

「せっかくギルが苦労して開けた虹色の宝箱なんだ。ギルが開けたらいいよ。」

「主・・・ありがとうございます。」

 そういってギルは宝箱を開けるとそこにはとんでもない品々が入って
いたのだった。

 その品々は次のような内容だった。
パワースクロール  槍術 110.00
          双剣術115.00
          格闘術115.00
          採掘 150.00
ゴッドオーダー   神の受注書が受け取ることが出来る(12時間に1回)
トロールキンリング 装着するとリジェネレートの効果
グローブオヴオーガ 装着すると攻撃力2倍
ローブオヴガード  装着するとあらゆる基本属性をガードできる
神聖のアミュレット 装着すると1回だけ死亡判定を回避できる。
インビジビリティーリング  装着すると姿が見えなくなる。(一日三回)
お金が1000万ドゴン、金貨で入っていたのだった。 


宝箱の中には以上の物が入っていたのだった。

「す、すげ~~~~!」

「なんだよこの宝の山は・・・この虹色の宝箱だけでも価値があるのにそれが霞んで見える位だな・・・・」

「そうですね・・・」オリヴィアは呆れた様子でそう答えるのだった。

「ただ残念なのはパワースクロールが120.00が採掘だけだったのが残念だったな・・・採掘は使い道ないし、他のが120.00だったら3次職になれるかもしれなかったのにな・・・」

「主・・・なにをいっているのですか・・・採掘をよく見てください。今世紀最大の発見ですよ!」
 ギルは何を言っているんだとばかりに言い直してくるのだった。

「採掘は俺がもう120.00でレジェンダリーになっているだろ。使い道は誰かがグランドマスターになるか売るしかないよ。」

「主・・・よく見て見ろよ・・・150.00だぞ!今まで120.00が最大と思われてたのがくつがえされたんだよ。」

「え?え?うそ・・・だろ・・・まじかあ~~~!!」

「ええ・・・びっくりですよね・・・まさかこんなことがあるなんて。」

「ひょっとしたら、ご主人様が採掘150.00まで上げたら、ご主人様の望んだ新しい素材が手に入るかもしれませんね。」

「あ、ああそうだな!どんなものが手に入るか楽しみだな!」

 ケンジはあまりに驚いた出来事だったので気づかなかったがオリヴィアの一言でそのことに気づくことが出来たのだった。120.00で伝説の鉱石が手に入るってことは150.00になるとどんな鉱石が手に入るのか本当に楽しみになったのだった。

「ねえ、ケンちゃん・・・あのお願いなんだけど・・・」

「ん・・・なんだ?」

「今回あたしは報酬が無いんだよね・・・」

「ああ・・・俺への弁償を払わないといけないからな。」

「あの、パワースクロールの格闘術ってどうするの?」

「ああ、そのことか。それはやっぱり!」

 と言うところでシスティナが話に割って入るのだった。

「ご主人様!そのスクロール、マイさんに譲ってあげてください!」

「システィナ・・・」

「ご主人様のお気に入りの大岩を壊してしまったことは悪い事ですがこのスクロールをマイさんが使ったら絶対良い事になると思います!だから!」

 すると、みんなもケンジに対して頭を下げてお願いしてきたのだった。マイも下を向きケンジにお願いしてくるのだった。

「お願いケンちゃん・・・そのスクロールだけでいいから譲って!お願い!絶対ケンちゃんの役に立って見せるから!」

「マイ!頭を上げろ。しょうがない・・・帰ってから言おうと思っていたのだが最初から弁償として払ってもらおうと思ってたのはマイがギルドから依頼を受けた報酬だけにしようと思ってたんだよ。」

「え?」

「だから・・・依頼報酬のオーガロードのお金だけで後は今まで通りわけるつもりだったんだよ。」

「け、ケンちゃん!」マイはそれを聞き満面の笑みになりケンジに抱きつくのだった。

「ってことは?」

「ああ、システィナ!この格闘術のスクロールはマイが使っていいってことだ。」

「ケンちゃん、だから大好き!」

「マイはホント調子がいいよな・・・反省させるために帰るまで黙っておこうとおもっていたのに・・・ったく・・・」

「ご主人様、ホント人が悪いですね・・・」

「なあ主!この双剣術のパワースクロールは俺が貰ってもいいのか?」

「マ、マードック!それはご主人様の物です!勝手にさわらないの!」

「だってよ・・・姉貴・・・これがあれば俺もっと強くなって主の為に役にたちたいんだ。」

「オリヴィア・・・そんな気を使わなくていいよ。」

「じゃあ!」

「ああ、それはマードックが使ったらいいよ。」

「やったあ!主、ありがとう!もっと主の役にたつからな。期待しててくれ。」

「ああ、がんばれよ!」

「槍術はプリムが使えよ。」

「ご主人様・・・わたしもいいのですか?」

「ああ、槍術はプリムが使わないと誰が使うんだ?」

 プリムはスクロールを受け取るとケンジに膝まつき礼を言うのだった。

「アイテム類は後で誰が使ったらより効率が上がるか検討することにしよう。とりあえず俺が預かっておくからな。」

「はい!わかりました!」

「じゃあ、みんなダンジョンを出ようか!」

 ケンジはみんなを脱出用の魔法陣に乗ったのを確認し最後に魔法陣に乗りみんな一緒に地上へ脱出したのだった。
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