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第3章 ダンジョンへ!
閑話② 主のいない間
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私達は双子の魔族です。このあいだ、ケンジ様とゆうご主人様に買ってもらいました。
「ねえ、ご主人様って不思議な方だよね?フィアナ。」
「ん・・・そうね・・・ティアナ。不思議な方だけど私は好き・・・」
ティアナとフィアナはケンジに許可を取って庭の一部を畑に変えてもらい、野菜の苗を育てていたのだった。
「でも、私達こうしてまた自分で歩けるようになれてホントに良かったよね。」
「うん・・・ご主人様やさしい・・・こうして庭の一部を好きに使わせてもらえたしね・・・」
「野菜育ててご主人様に食べてもらおうね。」
「ん・・・」二人はケンジに美味しい野菜を食べてもらおうと少しでも恩を返したいと思っていたのだった。
そこにケンジが二人のもとに近づいてきたのだった。
「お!二人とも野菜作りはどんな感じだ?楽しいか?」
「「あ!ご主人様!おかえりなさい!」」
「ああ、ただいま。今日は日差しが強いから水分はちゃんととるんだぞ。」
「私達なら大丈夫です。」
「うん・・・だけど水分をちゃんと取らなきゃ熱中症になるからな。無理しちゃだめだぞ!」
「「はーい!」」ティアナとフィアナは元気よく返事するのだった。
そういいながら、ケンジは自分の仕事に戻り鍛冶工房に入っていく。ケンジが工房に入った後
「ねえフィアナ、熱中症ってなに?」
「う~ん・・・わかんない・・・」
すると、数時間後鍛冶工房の扉が勢いよく開かれるのだった。
その勢いよく開かれた扉の音にケンジはビックと背筋が伸びるのだった。
「なんだ?セバス!ビックリするからもっと静かには言ってくれないか?」
「ご主人様!たいへんでございます!」
ケンジはいつも沈着冷静なセバスがこんなに慌てていたのに驚きなにがあったのか聞きただすのだった。
「なにかあったのか?」
「先ほど様子を見に行くとティアナとフィアナが畑で倒れていて、意識が戻らないのでございます。」
「なっ!いまどこにいるんだ?」
「はい!急いで店舗の二階に運び込みました。です・・・」
ケンジは店舗の二階と聞いた瞬間、セバスの言う続きを聞かず慌てて2階にすっ飛んでいくのだった。セバスは主が慌てたおかげかスッと冷静になり、鍛冶工房の火を落としてから奴隷部屋の2階に向かうのだった。
ケンジが大部屋に入るや否や大きな声を出し慌てて部屋に突入した。
「ティアナ、フィアナ大丈夫か!」
部屋の扉がバンッと大きな音を立てて中にいた人がビクッと跳び上がるのだった。
ケンジが部屋に入るとびっくりしたオリヴィアとセイラがこちらを見てベットの上にはコップで水を飲もうとしていたティアナとフィアナがビックリした表情でこちらを見ていた。
「ご主人様びっくりするじゃないですか!」
「そうですよ、モット静かに入ってきてくださいよ。」
ケンジはオリヴィアとセイラの言葉は聞かず無事に目覚めていたのが嬉しくてティアナとフィアナを抱きしめて頭をなでるのだった。
「「ご、ご主人様・・・くるしいです・・・」」
「ばかやろう・・・心配したじゃないか。セバスから二人が畑で倒れて目覚めないと聞いたから・・・」
そこにセバスが遅れて部屋に入ってくるのだった。
「セバス!ちゃんと目覚めているじゃないか!何が目覚めないだ・・・」
ケンジは目に涙を溜めながらセバスに文句を言うのだった。
「いえ・・・目覚めないからオリヴィアさんとセイラさんに回復魔法を頼んでいると言おうとしたらご主人様は何も聞かず慌ててとんでいったんじゃありませんか・・・」
「そ、そうだったのか・・・オリヴィア、セイラありがとな。それにしてもティアナ、フィアナ倒れていたって聞いたんだが何があったんだ?」
ここでオリヴィアが「だいじょうぶですよ。只の体内発火症です。」と言ってきたのだった。
「た、体内・・・発火、なんだそれ?」
「今日のような日差しが強い日に時たま起こることがあるんですよ。体内が火のように熱くなって熱が出るような症状がおこるのです。」
それを聞いたケンジは熱中症だとおもい、フィアナとティアナの頭をぐりぐり強めにかき乱すのだった。
「ティアナ、フィアナ俺はちゃんと水分補習しろといい無理はするなと言っただろ!言う事を守ったのか?」
ケンジは二人を睨み叱るのだった。2人はケンジの真剣な瞳と威圧に耐えられそうになく、二人で抱き合い震えるのだった。
「ご主人様!そんな威圧したら二人が怯えて何も言えないでおります。心配したのはわかりますが押さえてください。」セバスがケンジ注意するのだった。
ケンジはセバスに言われハッとした表情になりティアナとフィアナに謝罪し威圧を解くのだった。
「で、ちゃんと俺の言う事は守ったのか?」
「ご主人様ごめんなさい・・・作業に集中してて水分補給や休憩せず畑仕事してました・・・・」二人はケンジの言う事を守っていなかったのだ。
ケンジはその言葉フーとため息をつき呆れて二人を無言で見つめていたのだった。ケンジは二人を見て色んなことを考えていただけで、二人は俺の為に野菜を育てているのだったとか、まだ俺より小さいのにいつも恩を返したいとのだが、考えてこれ以上怒ることが出来ないでいたのだったが、二人からしたら無言の圧力が怖くて仕方がなかったのだ。
「ご、ご主人様!言いつけを守らなくてごめんなさい・・・」
「だ、だから奴隷商人に売られるのは嫌です!ホントごめんなさい!」
「「ご主人様の側にずっといさせてください!」」と、二人は泣き出してしまったのだった。
泣き出してしまった二人をセイラとオリヴィアは抱きしめつつ頭を撫ぜて落ち着かせようとしていた。
「ちょっと待て!なんで俺がティアナとフィアナを奴隷商人に売らなきゃいけないんだ。」
その言葉にティアナ、フィアナは泣きやみ「「え?」」という顔をするのだった。
「「だって、言う事を聞かない奴隷はいらなくなったんじゃ・・・」」
「ば、馬鹿!そんな理由でいらなくなるわけないだろ!奴隷商人に売ってくれと言われても二人を売る訳ないだろうが!」
それを聞きティアナ、フィアナは安心してホッとするのだった。
「ったく・・・俺という人間を何だと思っているんだ・・・」
「ご主人様が無言で黙っているから怖くなっちゃったんだとおもいますよ。」
「無言になったのは二人の想いがわかったからこれ以上怒れないと思ってだな・・・って何を言わせんだよ。」
「ティアナ、フィアナもう絶対俺の為とか思って無理すんじゃないぞ!」
ケンジは部屋の空気感に気づき耐えられなくなって、いそいそと出ていくのだった。ケンジの後姿を見てティアナ、フィアナは瞳に涙をためて笑いあうのだった。
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次回から新章スタート!どうぞお楽しみに(^^)/
「ねえ、ご主人様って不思議な方だよね?フィアナ。」
「ん・・・そうね・・・ティアナ。不思議な方だけど私は好き・・・」
ティアナとフィアナはケンジに許可を取って庭の一部を畑に変えてもらい、野菜の苗を育てていたのだった。
「でも、私達こうしてまた自分で歩けるようになれてホントに良かったよね。」
「うん・・・ご主人様やさしい・・・こうして庭の一部を好きに使わせてもらえたしね・・・」
「野菜育ててご主人様に食べてもらおうね。」
「ん・・・」二人はケンジに美味しい野菜を食べてもらおうと少しでも恩を返したいと思っていたのだった。
そこにケンジが二人のもとに近づいてきたのだった。
「お!二人とも野菜作りはどんな感じだ?楽しいか?」
「「あ!ご主人様!おかえりなさい!」」
「ああ、ただいま。今日は日差しが強いから水分はちゃんととるんだぞ。」
「私達なら大丈夫です。」
「うん・・・だけど水分をちゃんと取らなきゃ熱中症になるからな。無理しちゃだめだぞ!」
「「はーい!」」ティアナとフィアナは元気よく返事するのだった。
そういいながら、ケンジは自分の仕事に戻り鍛冶工房に入っていく。ケンジが工房に入った後
「ねえフィアナ、熱中症ってなに?」
「う~ん・・・わかんない・・・」
すると、数時間後鍛冶工房の扉が勢いよく開かれるのだった。
その勢いよく開かれた扉の音にケンジはビックと背筋が伸びるのだった。
「なんだ?セバス!ビックリするからもっと静かには言ってくれないか?」
「ご主人様!たいへんでございます!」
ケンジはいつも沈着冷静なセバスがこんなに慌てていたのに驚きなにがあったのか聞きただすのだった。
「なにかあったのか?」
「先ほど様子を見に行くとティアナとフィアナが畑で倒れていて、意識が戻らないのでございます。」
「なっ!いまどこにいるんだ?」
「はい!急いで店舗の二階に運び込みました。です・・・」
ケンジは店舗の二階と聞いた瞬間、セバスの言う続きを聞かず慌てて2階にすっ飛んでいくのだった。セバスは主が慌てたおかげかスッと冷静になり、鍛冶工房の火を落としてから奴隷部屋の2階に向かうのだった。
ケンジが大部屋に入るや否や大きな声を出し慌てて部屋に突入した。
「ティアナ、フィアナ大丈夫か!」
部屋の扉がバンッと大きな音を立てて中にいた人がビクッと跳び上がるのだった。
ケンジが部屋に入るとびっくりしたオリヴィアとセイラがこちらを見てベットの上にはコップで水を飲もうとしていたティアナとフィアナがビックリした表情でこちらを見ていた。
「ご主人様びっくりするじゃないですか!」
「そうですよ、モット静かに入ってきてくださいよ。」
ケンジはオリヴィアとセイラの言葉は聞かず無事に目覚めていたのが嬉しくてティアナとフィアナを抱きしめて頭をなでるのだった。
「「ご、ご主人様・・・くるしいです・・・」」
「ばかやろう・・・心配したじゃないか。セバスから二人が畑で倒れて目覚めないと聞いたから・・・」
そこにセバスが遅れて部屋に入ってくるのだった。
「セバス!ちゃんと目覚めているじゃないか!何が目覚めないだ・・・」
ケンジは目に涙を溜めながらセバスに文句を言うのだった。
「いえ・・・目覚めないからオリヴィアさんとセイラさんに回復魔法を頼んでいると言おうとしたらご主人様は何も聞かず慌ててとんでいったんじゃありませんか・・・」
「そ、そうだったのか・・・オリヴィア、セイラありがとな。それにしてもティアナ、フィアナ倒れていたって聞いたんだが何があったんだ?」
ここでオリヴィアが「だいじょうぶですよ。只の体内発火症です。」と言ってきたのだった。
「た、体内・・・発火、なんだそれ?」
「今日のような日差しが強い日に時たま起こることがあるんですよ。体内が火のように熱くなって熱が出るような症状がおこるのです。」
それを聞いたケンジは熱中症だとおもい、フィアナとティアナの頭をぐりぐり強めにかき乱すのだった。
「ティアナ、フィアナ俺はちゃんと水分補習しろといい無理はするなと言っただろ!言う事を守ったのか?」
ケンジは二人を睨み叱るのだった。2人はケンジの真剣な瞳と威圧に耐えられそうになく、二人で抱き合い震えるのだった。
「ご主人様!そんな威圧したら二人が怯えて何も言えないでおります。心配したのはわかりますが押さえてください。」セバスがケンジ注意するのだった。
ケンジはセバスに言われハッとした表情になりティアナとフィアナに謝罪し威圧を解くのだった。
「で、ちゃんと俺の言う事は守ったのか?」
「ご主人様ごめんなさい・・・作業に集中してて水分補給や休憩せず畑仕事してました・・・・」二人はケンジの言う事を守っていなかったのだ。
ケンジはその言葉フーとため息をつき呆れて二人を無言で見つめていたのだった。ケンジは二人を見て色んなことを考えていただけで、二人は俺の為に野菜を育てているのだったとか、まだ俺より小さいのにいつも恩を返したいとのだが、考えてこれ以上怒ることが出来ないでいたのだったが、二人からしたら無言の圧力が怖くて仕方がなかったのだ。
「ご、ご主人様!言いつけを守らなくてごめんなさい・・・」
「だ、だから奴隷商人に売られるのは嫌です!ホントごめんなさい!」
「「ご主人様の側にずっといさせてください!」」と、二人は泣き出してしまったのだった。
泣き出してしまった二人をセイラとオリヴィアは抱きしめつつ頭を撫ぜて落ち着かせようとしていた。
「ちょっと待て!なんで俺がティアナとフィアナを奴隷商人に売らなきゃいけないんだ。」
その言葉にティアナ、フィアナは泣きやみ「「え?」」という顔をするのだった。
「「だって、言う事を聞かない奴隷はいらなくなったんじゃ・・・」」
「ば、馬鹿!そんな理由でいらなくなるわけないだろ!奴隷商人に売ってくれと言われても二人を売る訳ないだろうが!」
それを聞きティアナ、フィアナは安心してホッとするのだった。
「ったく・・・俺という人間を何だと思っているんだ・・・」
「ご主人様が無言で黙っているから怖くなっちゃったんだとおもいますよ。」
「無言になったのは二人の想いがわかったからこれ以上怒れないと思ってだな・・・って何を言わせんだよ。」
「ティアナ、フィアナもう絶対俺の為とか思って無理すんじゃないぞ!」
ケンジは部屋の空気感に気づき耐えられなくなって、いそいそと出ていくのだった。ケンジの後姿を見てティアナ、フィアナは瞳に涙をためて笑いあうのだった。
*------*-----*------*-----*
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