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第3章 ダンジョンへ!

16話 再び!②

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 ケンジの屋敷にメイガン商会の制服を着た受付嬢と職員が数名やってきたのだった。

「あの・・・ケンジ様の屋敷で合っていますでしょうか?」

「「はい。そうですがどちらさまでしょうか?」」ティアナとフィアナ丁寧な対応をしていたのだった。

「わたくし達はメイガン商会の者です。先ほどは大変失礼したしだいで会長であるガンスがケンジ様を呼んできてほしいと言われ迎えに参りました。」

「少々お待ちください。」といいティアナが呼びに行き、フィアナは玄関先で待つのだった。

 そこにティアナに呼ばれてケンジとセバスがやってくるのだった。

「先ほどはどうも。」とケンジはにこやかに言うのだった。

「先ほどは大変失礼な事をしました。会長がお呼びになっていますのでどうかご一緒に来ていただけないでしょうか?」

「えーっと、それは謝罪したいってことでいいのかな?」

「はい!その通りでございます。」

「だったらもう気にしなくてもいいとお伝えください。ガンスさんが悪い訳じゃないし、またメイガン商会で買い物をしたいと思ってるとお伝えください。」

「ご主人様。それではメイガン商会が・・・」

「そうです!それでは我々の誠意が伝わらないです。どうかご一緒に来ていただけないでしょうか?」

「本当によろしいのですか?俺が行っても?」

「はい!それは当然でございます。呼んできてほしいと言われて我々はお迎えに来ているのですから。」

「ご主人様・・・この人たちの言うように行ったほうがよろしいかと・・・」

「やっぱり行かない。一旦貴方達帰ってガンスさんに俺はもう気にしてないと伝えてください!」

 そのようにケンジに言われたメイガン商会の人達はガックリと肩を落としメイガン商会へと帰っていくのだった。



「ご主人様、よろしかったのですか?」

「たぶん、あの命令したのはガンスさんじゃないよ。たぶん店長辺りじゃないかな?」

「え?どうゆうことですか?」

「俺はガンスさんとは会ったことは2回しか会ってないが、メイガン商会で息子さんの対応やブリュンガスでの職員さんの対応をみて、ガンスさんは商売人として口は凄く悪いけど、謝罪したいのに謝罪したい人を呼び出すなんてそんなあり得ない事をするとは思えないんだ。」

「でも、あの大商会の会長ですよ。」

「それに、ガンスさんの今の状態を知っているか?ガンスさんは会長なのに商売を始めたころの心を忘れないように商会の座を退いた後行商をしているんだぞ。そんな人が呼び出すなんて信じられないだろ。」
「まあ、みてなって!時期にガンスさん本人が屋敷にやってくると思うぞ。」

「本当でございますか?」

「ああ、たぶん呼びつけた店長、俺に迷惑をかけた受付嬢ガードマンを引きずってな。」と悪い笑みを浮かべるケンジを見てセバスたち3人は主の裏の顔を見たような感じがして震えるのだった。

 それから30分もしないうちにケンジの言った通りの状態でガンスさん本人が10名くらいでやってくるのだった。

 やってくると同時に土下座するくらいの勢いでガンスはケンジに頭をさげ謝罪したのだった。

「坊主!い、いや・・・ケンジさん今回の事はメイガン商会の驕り高ぶった態度本当に申し訳ありませんでした。」
 ガンスは使い慣れていない敬語を使い謝罪してきたのだった。それを見たセバスはケンジの言った通りになったことを驚くのだった。

「ガンスさんいつも通り坊主でかまいませんよ。俺はブリュンガスでメイガン商会の接待態度を見てますし、ガンスさんを嫌いになったりしないですから。」

「本当に申し訳ありませんでした。」着いてきた従業員もガンスさんに続く様に謝罪してきたのだった。

「で、やっぱり呼び出しはガンスさんじゃなかったのですよね?」

「ああ、当然だ!なんで謝罪する相手を呼び出すのかわからんわい!普通は謝罪する時はこっちが出向くもんだ!」

「な、セバス言った通りだろ?やっぱりガンスさんはそんな人じゃなかっただろ。」

「はい!私もまだまだです・・・」

「やっぱりそこにいる店長さんが言ったことだったのですか?」

「ああ・・・そうだ!ホント情けなく思う・・・いつからメイガン商会はこんな横柄な態度がまかり通っていることになっていたんだか・・・これもメイガン商会がでかくなり過ぎて儂の目が届かなくなったことが原因だとおもう・・・本当に申し訳なく思う。本当に申し訳なかった。」

「もう、いいですよ。ガンスさんの気持ちはわかりましたし、謝罪の言葉は受け取りました。」

「だが、このままじゃわしの気持ちが収まらん!これを収めてくれないか。」

 ガンスは金貨いっぱいの皮袋とマスターカードとはまた違ったカードを差し出してきたのだった。

「いや・・・こんなお金受け取れないですよ。謝罪の言葉はいただけたしもう充分ですよ。」
「それにこのカードはなんですか?カードは1枚貰ってるんですが・・・」

「受け取ってくれないと儂はもちろんの事メイガン商会もこまるんだ。是非に共受け取ってくれ。頼む!」

 ケンジは頭の中で考え目をつむり、もしこの謝罪のお金を受け取らなかった場合、どうなるのか考えてみたのだった。

「ガンスさんも大変ですね・・・これはありがたく謝罪として受け取らせていただきます。」とニコリと笑いケンジは受け取ることにしたのだった。

「察してくれてありがとな。」

「で、このカードは?前のカードと何か違うのですか?」

「そのカードは儂の息子と同じカードだよ。お店で買い物をするとき7割引きで買い物ができるし、わしの家族しか持っていないカードだ。」

「そんな大層なカード貰えませんよ。前のカードでも5割引きだったんでしょ?このカードで充分ですよ。」

 ケンジが前のカードを出すとガンスはそのカードを手に取り持ってきたカードと取り換えてしまったのだった。新しいカードは前のように金色ではなくミスリルのような白銀でできているようだった。

「次からはこのカードで買い物をしてくれたらいいからな。」とガンスはがははははと豪快に笑うのだった。

 ケンジはガンスの心意気に感銘し頭を下げてお礼を言うのと同時にこれからの事を聞くのだった。

「これからお店はどうなるのですか?」

「ああ、今回問題を起こしたこの3人は解雇にすることにした。そしてこれは商人ギルドに報告することにした。そして次の店長が決まるまでわしがこの町にとどまり教育を徹底するつもりだよ。」

 それを聞いた3人はもう働き口が無くなるのを覚悟した様にがっくりと項垂れ、ついてきた従業員は会長がこの店にとどまり教育を徹底することになると聞いて顔を青くするのだった。

「あの、ガンスさん教育を徹底するのはお店の方針ですし俺から何も言えないのですが、その3人の処分重すぎないですか?」

 その言葉にガンスはケンジの言葉がわからないような顔をし、当人の3人は顔をケンジに顔を向けるのだった。

「坊主!何を言っているのだ?こいつらはお主に失礼な事をし、また商会に迷惑をかけた人間なんだぞ!本来なら儂はこいつらに迷惑をかけた損害を請求し奴隷に落としてもおかしくないと思うのだがこの処分が重くないかだと?」

「いや、ガンスさん気を悪くしたのなら謝ります。俺の意見を聞いてくれませんか?」

「ああ、怒ってないから!ちょっと驚き声がでかくなっただけだ・・・すまなかった・・・坊主の意見を聞こうじゃないか。」

「確かにこの人達は商会に迷惑をかけて処分されるのはしょうがないかと思いますが、そのあとこの人達もまた生活し生きていかなければいかないといけないのですよ。」
「それなのに商人ギルドに報告したらどうなると思いますか?次の就職先が無くなるんじゃありませんか?」

「それはしょうがないだろ!次就職した場所に迷惑がかかるかもしれないから報告は義務みたいなものだ。雇い主はできるだけ安心できるように従業員を選びたいものだからな。」

「ですが、ガンスさんのような大きな商会からクビになってしまって原因が知れ渡ってしまったら次はなくなってしまうでしょ?」

「それはそうだがそれはこいつらの自業自得だとおもうぞ。そこまで儂も面倒みるつもりもないしな。」

「だったらこの人たちは町から追い出され、違う町に行ってもメイガン商会は大きくどの町にもあるし、その解雇になった原因が無くなることは無く盗賊になるしかないじゃありませんか。そうなったら困るのは行商人じゃありませんか?」
「ガンスさんがどうするかはガンスさんの判断に任せるしかありませんがこの町に滞在して教育するなら、この3人を放り出すのじゃなく今いる従業員と一緒に教育して見てもいいんじゃないですか?」
「それが無理ならまだ生きていけるように責任を取らせて奴隷に落とした方が俺はいいかと思います。」

 それを聞いた3人は奴隷に落とされることを確信し顔を青くするのだった。だが、まだ生きていけるかもしれないのでほっとしている一面もあったのである。

「うん・・・坊主の言う事も一理あるな・・・行商人に迷惑を掛けることは儂も賛成ではない!この事は一旦持ち帰り幹部との会議で決めることにしよう!」
「坊主!貴重な意見をしてくれてありがとう。これからの商会の方針に組み入れようとおもう。」

 ガンスはケンジの謝罪も終わったことだしさっそく先ほどの事を会議にかけることにし、ケンジの屋敷をお暇しようと席をたつのだった。
 その際問題の3人はケンジに改めて、商会長に意見をしてくれたことにお礼を言って従業員に連れていかれるのだった。




「ご主人様、なぜあんなことをガンスさんに?」

「う~~~ん・・・どうしてだろうな?やっぱ放り出される人を考えたとき不憫だと思っただけなんだろうな・・・意味はないよ。」

 ケンジはそう言いながらやっぱりここであの人達が追い出されたら、ガンスさんと俺の仲の原因でクビになるということで、ある意味理不尽な権力が行使された感じなるんじゃないのかと思ってしまったのだ。
 これはケンジ自身が最も嫌いな事であり自分がやられるのは嫌いだが他人やるのは許せないことでもあった。

 そのケンジとセバスの話を横で聞いていたマイはニッコリ笑うのだった。

「なんだよ!マイ・・・ニヤニヤ笑って・・・」

「いえ、別に~~~。ケンちゃんらしいなと思っただけだよ。」と言いながら客室から出ていくのだった。

「ったく、マイの奴何もかも解ってる感じで言いやがって・・・」

 ケンジはブツブツ言いながら客室を出ていくのだった。

「ご主人様、どちらに行くのですか?」

「ああ、鍛冶工房だよ。鍛冶スキルが80.00超えてマスターになれたからな。青鉱石で何か作りスキルを上げようと思うってな。」

「解りました!時間が来たらお呼びします。」

「ああ、よろしく!」

 そういいながらケンジは鍛冶工房に篭るのだった。

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