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第3章 ダンジョンへ!
2話 新たな力の一歩!②
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初級ダンジョンまでは、町から馬車で2日の位置にするところにあり、その道のりには冒険初心者達の姿が、ちらほら見えていた。
初級ダンジョンは、そこまで強い魔物も出ないので、冒険初心者でも素材が取れて儲けが出せて、人気のあるダンジョンである。また、生産者も護衛を雇えば潜る事が可能で、採掘や伐採や採取が行う事が出来て、初級ダンジョンは賑わいを見せていた。
ただ、心配事もあり冒険者はある程度育つと、初級ダンジョンから中級ダンジョンに移行してしまうのである。そうなると何が問題になるのかというと、ダンジョンの最奥の魔物の間引きである。
ダンジョンを放置すると、スタンピードが起こる可能性が高まるので、冒険者や国の兵士が魔物を間引く為に潜らないといけないのである。
そういった理由で育った冒険者にも、初級ダンジョンに潜ってほしいのだが、ある程度育った冒険者は自分の生活もあり、中級に拠点を移し人材が不足してしまうのである。
「主、もうすぐ初級ダンジョンに着きますよ」
「そっか、ダンジョンは初めてだし楽しみだな。まず5階層で、採掘をしてみて様子を見よう」
ダンジョンの近場には、出張兵士場が出来ていて、少し小さな村みたいになっていたのだった。村の中には、馬車を預かってくれる出張ギルドもあり宿屋もあった。
「ご主人様、馬車はどうするのですか?」
「ああ、馬車は俺が収納するよ。預かってもらうのもいいけど、お金がもったいないしな」
そう言って、ケンジは馬車をインベントリに収納してしまい、馬は魔法生物なので魔法を解除したのだった。
ダンジョンの入り口には国の兵士が待機していて、ケンジの前に並んでいた冒険者はギルドカード提出し、国の兵士はそれを確認し、どれくらい滞在するか予定をメモっていたのだった。
「いったい何を、メモっているのですか?」
「ああ、これはな……大体でいいからダンジョンに潜っている冒険者を把握する為だ。予定していた期間より、1週間経っても帰ってこなかった冒険者は死亡扱いになり、ギルドに報告されるんだよ」
「帰ってこなかった冒険者の捜索はされないのですか?」
「ダンジョンで死亡した場合は死体が残らないんだよ……」
「え?死体が残らない?」
兵士の説明によると、ダンジョン内で死亡した場合はダンジョンに吸収されてしまうらしく、死体だけじゃなく装備品も吸収されてしまい、普通ギルドカードで死因が解るのだが、そのカード自体も吸収して無くなってしまう為、帰ってこない=死亡となるらしいのだ。
「だから、君達も絶対無理はせず期間は守って帰ってくるんだぞ」
ケンジは、兵士に真剣な表情で念を押されるのだった。
「で、君達はどのくらい潜るつもりだ?」
「ええ、この者達の戦闘も上げるつもりなので、3週間後に出るつもりです」
「3週間だな。」
兵士は、ケンジのギルドカードを見ながら記帳した。
「入ってもいいですか?」
「ああ、もういいぞ。絶対無理はするなよ!」
「はい!ありがとうございます。では、いってきます!」
ケンジは、兵士に挨拶をしてダンジョンに初の第一歩を踏み出したのだった。まず、隊列はギルスレインとプリム次にセイラ・オリヴィア・マードック・システィナ・ケンジの順でしんがりにマイマールの隊列でダンジョンに突入した。
「ギル、罠には十分気をつけろよ」
「はい!わかっております」
ギルスレインは注意しながら進み、初めてのエンカウントはスライムだった。スライムが出た時、すかさずプリムがギルスレインの脇から槍を突き立ててあっという間に倒してしまった。
ダンジョン内では、解体は必要が無いのである。兵士にも言われた通り、死体はダンジョンに吸収されるように遺体は失ってしまった。
その代わりドロップアイテムとなり、魔石や素材がその場に現れたのだ。ただ、スライムなら魔石が残る場合だったり、スライムの核?(何かわからない柔らかい物体)が残ったり色々である。
何が要因でドロップされるのか、まだ詳しく解明はされていないのだが、倒した時のパーティーメンバーのステータスの運が作用されているのではないかと仮説が立てられていた。
「主、スライムのドロップアイテムは一応取っておきますね」
「ああ、その辺は全部取っておいてくれ」
ギルスレイン達は、ケンジの指示通りにしてドンドン奥に進んでいった。すると行き止まりになり、その先に大きな扉が姿を現したのだ。
「ギル気をつけろよ。まず罠があるか確認!無ければ扉を開けて突入してくれ!」
ギルスレインが確認すると罠は無く、部屋の中には数体の魔物の気配が確認できるのだった。
「マードック皆にバフを!セイラもバフをよろしく頼む!」
セイラは、神聖魔法で※①【プロテクション】※②【アクメント】※③【ストレング】3つの魔法を唱えたのだ。
そして、マードックはダンスのスキルで、※④【ダンスオブガード】※⑤【ダンスオブウォーリア】を順にかけるのだった。ダンスのスキルは魔法じゃない為、セイラの魔法と併用が可能でより強力なバフになるのである。
突入開始したギルスレインは扉を勢いよく開けたのだった。そこにはゴブリンがたむろっており、扉の勢いよく開いた音に戦闘態勢をとったのだ。
まず、プリムがゴブリンに突入し、すかさず※⑥【ワイドアタック】を繰り出した。ワイドアタックは前方にいる敵(最大5人)全てに攻撃できるスキルなのである。
すると、プリムはあまりにも強くなっていた為、ゴブリン5匹は瞬殺されてしまい、呆気なく戦闘が終わってしまった。
「えっ?こんな簡単に……」
ケンジとマイマール以外は、こんな事って信じられないと言った感じで呆気に取られてしまったのだ。
「なに、ボ~~~っとしているんだ?いつでも注意を怠るんじゃない!」
ケンジは、プリム達の気合を入れ直したのだった。
「でも、こんなに簡単に倒せるとは思わなかったのです……」
「倒せた後、気が緩んだ時が一番危ないんだぞ!」
「すいませんでした……」
「じゃ、ギルは宝箱が出たから罠解除をたのむ。他のみんなは周りを警戒!」
ケンジは、速やかに指示を出し、それに対してギルスレイン達は速やかに行動を移した。
ダンジョンでは、通路だけではなくこうして部屋に入ったり、広間に出たりして、魔物を倒した場合宝箱が出現する場合もある。
そこで役に立つのが、ギルスレインのようにローグやシーフの職業をもつ者である。ダンジョンアタックをする場合、パーティーに一人は絶対ほしい人材なのだ。
役目としては、宝箱の解除だけではなく、部屋に入る時に扉の鍵あけ罠解除はもちろんの事、斥侯としてパーティーの行き先の偵察等多岐にわたるのである。
「ギル、宝箱の中にはなにがあった?」
「鉄貨が5枚だけでした。」
ギルスレインは、それをバックにしまい、ゴブリンのドロップアイテムと一緒にしまったのだった。
「やっぱり一階層ではそんなもんだな……じゃ、さっきの調子で先に進もうか」
ケンジの言葉で、みんなの気持ちがしまり注意しながら先に進んだのである。
ケンジ達は順調に進み、5階層まで来る事が出来た。とりあえずの目標は、5階層で採掘を行う事であり、ギルスレイン達に周囲の警戒を頼み、崖になっている岩場を探して採掘をおこなった。
ダンジョンは5階層ごとにフィールドエリアになっていて、5階・10階・15階と色んなフィールドになっている。そこでは、生産職の人間が採掘や伐採などをしていて、浅い階層はけっこう賑わっていた。
生産職は、当然の如く戦闘はできない為、多くの生産者はここ5階層より深い階層には行くことは無く、生産者でいっぱいであった。
ケンジは採掘をしていると、100回掘ると1回位の割合でミスリル鉱石が掘れる事がわかった。後は、金鉱石や銀鉱石等でブロンズ鉱石が殆どだった。
ミスリルを採掘したいケンジにとって、非常に効率が良くない事が分かり、もっと深い階層に行こうという事にした。
「ケンちゃん、ここでは掘っていかないの?」
「少し掘った感触なんだが、ミスリルの含有量が少なすぎて効率が悪すぎるんだよ……だから、もっと深い階層に行こう!」
「へえ、そうなんだ」
「まあ、当初は5階層でもいいかなと思っていたんだが、100回に1回しかミスリル鉱石が掘れないんじゃ効率が悪すぎるよ……」
これでわかる様に、ミスリル鉱石がダンジョンから持ち帰る事が、いかに大変な事なのが理解できた。深い階層に行けば、たくさん掘れるが当然魔物も強くなり、生産者では深い階層には行けないのだ。
なので、効率が悪い浅い階層で長時間いないといけなくなるのだが、冒険者に支払う護衛料が高くなり、長時間作業ができないのでどうしても少なくなってしまう事もわかった。
そして、ミスリル鉱石を精製する時に失敗する事もあるので、更にその数が減るのも理解できた。だが、ケンジにはそんな事は気にすることなく、深い階層に行きミスリル鉱石を採掘に行く事が出来たのだ。
「こういう時は、ご主人様の強さが強みですよね。生産者では、あり得ないくらい強いですし、どんどん深い階層に行けちゃいます!」
こうして、ケンジ達は3週間という長い期間、インベントリおかげで食糧の心配もなく、深い階層で作業が続けられるのであった。
*-----*-----*-----*
この話で出てきた魔法とスキル一覧
※①【プロテクション】
神聖魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間体力(VIT)が20%あがり
防御があがる。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
※②【アクメント】
神聖魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間素早さ(DEX)と器用さ(AGI)が
20%上がり、回避能力があがる。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
※③【ストレング】
神聖魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間、力(STR)を20%引き上げられ
接近戦で与えるダメージが増える。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
※④【ダンスオブガード】
パーティーの一人に20分間防御力50%アップ。
※⑤【ダンスオブウォーリア】
パーティーの一人に20分間攻撃力50%アップ。
※⑥【ワイドアタック】
前方にいる敵を薙ぎ払うことができる。複数攻撃可能(最大5体)
槍戦士職業レベル20槍術スキル20以上使用可能
初級ダンジョンは、そこまで強い魔物も出ないので、冒険初心者でも素材が取れて儲けが出せて、人気のあるダンジョンである。また、生産者も護衛を雇えば潜る事が可能で、採掘や伐採や採取が行う事が出来て、初級ダンジョンは賑わいを見せていた。
ただ、心配事もあり冒険者はある程度育つと、初級ダンジョンから中級ダンジョンに移行してしまうのである。そうなると何が問題になるのかというと、ダンジョンの最奥の魔物の間引きである。
ダンジョンを放置すると、スタンピードが起こる可能性が高まるので、冒険者や国の兵士が魔物を間引く為に潜らないといけないのである。
そういった理由で育った冒険者にも、初級ダンジョンに潜ってほしいのだが、ある程度育った冒険者は自分の生活もあり、中級に拠点を移し人材が不足してしまうのである。
「主、もうすぐ初級ダンジョンに着きますよ」
「そっか、ダンジョンは初めてだし楽しみだな。まず5階層で、採掘をしてみて様子を見よう」
ダンジョンの近場には、出張兵士場が出来ていて、少し小さな村みたいになっていたのだった。村の中には、馬車を預かってくれる出張ギルドもあり宿屋もあった。
「ご主人様、馬車はどうするのですか?」
「ああ、馬車は俺が収納するよ。預かってもらうのもいいけど、お金がもったいないしな」
そう言って、ケンジは馬車をインベントリに収納してしまい、馬は魔法生物なので魔法を解除したのだった。
ダンジョンの入り口には国の兵士が待機していて、ケンジの前に並んでいた冒険者はギルドカード提出し、国の兵士はそれを確認し、どれくらい滞在するか予定をメモっていたのだった。
「いったい何を、メモっているのですか?」
「ああ、これはな……大体でいいからダンジョンに潜っている冒険者を把握する為だ。予定していた期間より、1週間経っても帰ってこなかった冒険者は死亡扱いになり、ギルドに報告されるんだよ」
「帰ってこなかった冒険者の捜索はされないのですか?」
「ダンジョンで死亡した場合は死体が残らないんだよ……」
「え?死体が残らない?」
兵士の説明によると、ダンジョン内で死亡した場合はダンジョンに吸収されてしまうらしく、死体だけじゃなく装備品も吸収されてしまい、普通ギルドカードで死因が解るのだが、そのカード自体も吸収して無くなってしまう為、帰ってこない=死亡となるらしいのだ。
「だから、君達も絶対無理はせず期間は守って帰ってくるんだぞ」
ケンジは、兵士に真剣な表情で念を押されるのだった。
「で、君達はどのくらい潜るつもりだ?」
「ええ、この者達の戦闘も上げるつもりなので、3週間後に出るつもりです」
「3週間だな。」
兵士は、ケンジのギルドカードを見ながら記帳した。
「入ってもいいですか?」
「ああ、もういいぞ。絶対無理はするなよ!」
「はい!ありがとうございます。では、いってきます!」
ケンジは、兵士に挨拶をしてダンジョンに初の第一歩を踏み出したのだった。まず、隊列はギルスレインとプリム次にセイラ・オリヴィア・マードック・システィナ・ケンジの順でしんがりにマイマールの隊列でダンジョンに突入した。
「ギル、罠には十分気をつけろよ」
「はい!わかっております」
ギルスレインは注意しながら進み、初めてのエンカウントはスライムだった。スライムが出た時、すかさずプリムがギルスレインの脇から槍を突き立ててあっという間に倒してしまった。
ダンジョン内では、解体は必要が無いのである。兵士にも言われた通り、死体はダンジョンに吸収されるように遺体は失ってしまった。
その代わりドロップアイテムとなり、魔石や素材がその場に現れたのだ。ただ、スライムなら魔石が残る場合だったり、スライムの核?(何かわからない柔らかい物体)が残ったり色々である。
何が要因でドロップされるのか、まだ詳しく解明はされていないのだが、倒した時のパーティーメンバーのステータスの運が作用されているのではないかと仮説が立てられていた。
「主、スライムのドロップアイテムは一応取っておきますね」
「ああ、その辺は全部取っておいてくれ」
ギルスレイン達は、ケンジの指示通りにしてドンドン奥に進んでいった。すると行き止まりになり、その先に大きな扉が姿を現したのだ。
「ギル気をつけろよ。まず罠があるか確認!無ければ扉を開けて突入してくれ!」
ギルスレインが確認すると罠は無く、部屋の中には数体の魔物の気配が確認できるのだった。
「マードック皆にバフを!セイラもバフをよろしく頼む!」
セイラは、神聖魔法で※①【プロテクション】※②【アクメント】※③【ストレング】3つの魔法を唱えたのだ。
そして、マードックはダンスのスキルで、※④【ダンスオブガード】※⑤【ダンスオブウォーリア】を順にかけるのだった。ダンスのスキルは魔法じゃない為、セイラの魔法と併用が可能でより強力なバフになるのである。
突入開始したギルスレインは扉を勢いよく開けたのだった。そこにはゴブリンがたむろっており、扉の勢いよく開いた音に戦闘態勢をとったのだ。
まず、プリムがゴブリンに突入し、すかさず※⑥【ワイドアタック】を繰り出した。ワイドアタックは前方にいる敵(最大5人)全てに攻撃できるスキルなのである。
すると、プリムはあまりにも強くなっていた為、ゴブリン5匹は瞬殺されてしまい、呆気なく戦闘が終わってしまった。
「えっ?こんな簡単に……」
ケンジとマイマール以外は、こんな事って信じられないと言った感じで呆気に取られてしまったのだ。
「なに、ボ~~~っとしているんだ?いつでも注意を怠るんじゃない!」
ケンジは、プリム達の気合を入れ直したのだった。
「でも、こんなに簡単に倒せるとは思わなかったのです……」
「倒せた後、気が緩んだ時が一番危ないんだぞ!」
「すいませんでした……」
「じゃ、ギルは宝箱が出たから罠解除をたのむ。他のみんなは周りを警戒!」
ケンジは、速やかに指示を出し、それに対してギルスレイン達は速やかに行動を移した。
ダンジョンでは、通路だけではなくこうして部屋に入ったり、広間に出たりして、魔物を倒した場合宝箱が出現する場合もある。
そこで役に立つのが、ギルスレインのようにローグやシーフの職業をもつ者である。ダンジョンアタックをする場合、パーティーに一人は絶対ほしい人材なのだ。
役目としては、宝箱の解除だけではなく、部屋に入る時に扉の鍵あけ罠解除はもちろんの事、斥侯としてパーティーの行き先の偵察等多岐にわたるのである。
「ギル、宝箱の中にはなにがあった?」
「鉄貨が5枚だけでした。」
ギルスレインは、それをバックにしまい、ゴブリンのドロップアイテムと一緒にしまったのだった。
「やっぱり一階層ではそんなもんだな……じゃ、さっきの調子で先に進もうか」
ケンジの言葉で、みんなの気持ちがしまり注意しながら先に進んだのである。
ケンジ達は順調に進み、5階層まで来る事が出来た。とりあえずの目標は、5階層で採掘を行う事であり、ギルスレイン達に周囲の警戒を頼み、崖になっている岩場を探して採掘をおこなった。
ダンジョンは5階層ごとにフィールドエリアになっていて、5階・10階・15階と色んなフィールドになっている。そこでは、生産職の人間が採掘や伐採などをしていて、浅い階層はけっこう賑わっていた。
生産職は、当然の如く戦闘はできない為、多くの生産者はここ5階層より深い階層には行くことは無く、生産者でいっぱいであった。
ケンジは採掘をしていると、100回掘ると1回位の割合でミスリル鉱石が掘れる事がわかった。後は、金鉱石や銀鉱石等でブロンズ鉱石が殆どだった。
ミスリルを採掘したいケンジにとって、非常に効率が良くない事が分かり、もっと深い階層に行こうという事にした。
「ケンちゃん、ここでは掘っていかないの?」
「少し掘った感触なんだが、ミスリルの含有量が少なすぎて効率が悪すぎるんだよ……だから、もっと深い階層に行こう!」
「へえ、そうなんだ」
「まあ、当初は5階層でもいいかなと思っていたんだが、100回に1回しかミスリル鉱石が掘れないんじゃ効率が悪すぎるよ……」
これでわかる様に、ミスリル鉱石がダンジョンから持ち帰る事が、いかに大変な事なのが理解できた。深い階層に行けば、たくさん掘れるが当然魔物も強くなり、生産者では深い階層には行けないのだ。
なので、効率が悪い浅い階層で長時間いないといけなくなるのだが、冒険者に支払う護衛料が高くなり、長時間作業ができないのでどうしても少なくなってしまう事もわかった。
そして、ミスリル鉱石を精製する時に失敗する事もあるので、更にその数が減るのも理解できた。だが、ケンジにはそんな事は気にすることなく、深い階層に行きミスリル鉱石を採掘に行く事が出来たのだ。
「こういう時は、ご主人様の強さが強みですよね。生産者では、あり得ないくらい強いですし、どんどん深い階層に行けちゃいます!」
こうして、ケンジ達は3週間という長い期間、インベントリおかげで食糧の心配もなく、深い階層で作業が続けられるのであった。
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この話で出てきた魔法とスキル一覧
※①【プロテクション】
神聖魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間体力(VIT)が20%あがり
防御があがる。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
※②【アクメント】
神聖魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間素早さ(DEX)と器用さ(AGI)が
20%上がり、回避能力があがる。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
※③【ストレング】
神聖魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間、力(STR)を20%引き上げられ
接近戦で与えるダメージが増える。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
※④【ダンスオブガード】
パーティーの一人に20分間防御力50%アップ。
※⑤【ダンスオブウォーリア】
パーティーの一人に20分間攻撃力50%アップ。
※⑥【ワイドアタック】
前方にいる敵を薙ぎ払うことができる。複数攻撃可能(最大5体)
槍戦士職業レベル20槍術スキル20以上使用可能
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